CFMフレームワークを活用した AWSコスト管理ガイドラインを策定した話
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松波 花奈
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2025/1/7 クラウド事業本部コンサルティング部 松波花奈 CFMフレームワークを活⽤した AWSコスト管理ガイドラインを策定した話
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⾃⼰紹介 2 ● 2018年4⽉ メーカー系Sler⼊社 システムエンジ ニア ○ 基幹システムのアプリケーション開発 ● 2022年9⽉ クラスメソッド⼊社 ○ AWS設計‧構築⽀援 ○ プリセールス ○ セキュリティ‧コスト最適化アセスメント ● 実績 ○ Japan AWS Top Engineers 2024 Security ● 会社/部署 ○ クラスメソッド株式会社 クラウド事業本部コンサルティング部 ● ロール ○ ソリューションアーキテクト ● 名前(ニックネーム) ○ 松波 花奈(おつまみ) ● 出⾝‧住まい ○ 東京 ● 推しサービス ○ Cost Optimization Hub
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アジェンダ ● はじめに ● 導⼊ ○ コスト管理ガイドラインの策定に⾄った背景 ○ コスト最適化フレームワークの概要 ● 実践 ○ ガイドライン策定のプロセス ○ ガイドライン策定にあたって注意した点 ● 今後の展望とまとめ 3
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アジェンダ ● はじめに ● 導⼊ ○ コスト管理ガイドラインの策定に⾄った背景 ○ コスト最適化フレームワークの概要 ● 実践 ○ ガイドライン策定のプロセス ○ ガイドライン策定にあたって注意した点 ● 今後の展望とまとめ 4
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お話しすること お話しすること ● CFMフレームワークについて ● コスト管理ガイドラインを策定するプロセスや注意す るポイント お話ししないこと ● 具体的なAWSサービス(EC2やRDS、RedShiftなど)の コスト最適化⽅法 5
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対象者‧⽬的 主な対象者 ● 既にAWSを利⽤していて、これからコスト管理をはじめたいと思っ ている⽅ ● コスト管理ガイドラインの策定に興味を持っている⽅ ⽬的 ● コスト管理ガイドライン策定に関するノウハウを習得してもらい、 コスト管理に関する課題‧お悩みを解決していただくこと 6
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アジェンダ ● はじめに ● 導⼊ ○ コスト管理ガイドラインの策定に⾄った背景 ○ コスト最適化フレームワークの概要 ● 実践 ○ ガイドライン策定のプロセス ○ ガイドライン策定にあたって注意した点 ● 今後の展望とまとめ 7
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⽀援したお客様の特徴 ● AWSアカウント数:51個(AWS Organizationsを導⼊し始めたばかり) ● プロダクトオーナー数:23名 ● 運営体制 ○ プロダクト単位でチームを分け、各チームにプロダクトオーナー配置 ○ 分離管理型の組織モデル ● ⼈材特性 ○ AWSスキルにばらつきあり、 特にコスト管理の知⾒を持つ ⼈材が少ない 8
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お客様が抱えていた課題 ● AWSコスト管理‧最適化に関する統⼀されたルールがないた め、コストを加味した運⽤設計/実装ができていない ● コスト管理に関するノウハウが共有できていなく、組織全体 で⾒た時にコスト増になっている 9
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解決したいこと ● ガイドラインを作成することで、コスト管理に関するノウハ ウを蓄積したい。 ● ガイドラインを社内で共有‧運⽤することで、組織全体での コスト最適化の意識向上と実践を促進したい。 ● 将来的には、ガイドラインを更新‧改訂しながら、継続的な コスト最適化活動に活⽤していきたい。 10
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(補⾜)コスト削減≠コスト最適化 ● コスト削減 ○ ⽂字通りコスト(経費)が削減されること ○ 短期的な取り組み ● コスト最適化 ○ コストを削減しながらビジネス価値を最⼤化すること が⽬的 ○ 継続的な取り組み 11 引⽤
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アジェンダ ● はじめに ● 導⼊ ○ コスト管理ガイドラインの策定に⾄った背景 ○ コスト最適化フレームワークの概要 ● 実践 ○ ガイドライン策定のプロセス ○ ガイドライン策定にあたって注意した点 ● 今後の展望とまとめ 12
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THE FRUGAL ARCHITECT CFM(Cloud Financial Management) コスト最適化に関する4つのフレームワーク 13 AWS Well-Architected Framework - コスト最適化 FinOps(Finance & DevOps) 引⽤:https://www.thefrugalarchitect.com/ 引⽤:https://www.finops.org/introduction/what-is-finops/ 引⽤:https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/aws-cost-optimization-guidebook/
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CFM (Cloud Financial Management) 14 引⽤:https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/aws-cost-optimization-guidebook/ AWS における継続的なコスト最適化のためのフレームワーク ① ② ③ ④
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アジェンダ ● はじめに ● 導⼊ ○ コスト管理ガイドラインの策定に⾄った背景 ○ コスト最適化フレームワークの概要 ● 実践 ○ ガイドライン策定のプロセス ○ ガイドライン策定にあたって注意した点 ● 今後の展望とまとめ 15
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ガイドライン策定のプロセス 16 進め方のイメージ CM お客様 ガイドライン(叩き台)の 執筆(定例会3日前) 叩き台の内容説明、AWS ベストプラクティス等の 情報提供 情報確認、不明点に関す る質問 ガイドラインの 内容の検討・決 定 次回ア ジェンダ の確認 ガイドラインの最終化 4.叩き台ディスカッション会 定例会時間(※複数回予定) 3.叩き台作成(項目毎に作成) 5. ドキュメンテーション CM お客様 項目の洗い出し、検討用 資料送付(定例会3日前) 内容説明、AWSベストプ ラクティス等の情報提供 情報確認、不明点に関す る質問 記載項目の 検討・決定 次回ア ジェンダ の確認 2.項目ディスカッション会 定例会時間(※複数回予定) 1. 項目洗い出し 内容確認、事前検 討(定例会前) 内容確認、事前検 討(定例会前) ガイドライン作成時のQA対応
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どのような粒度で項⽬を洗い出すか?? 【登壇⽤】ネガティブな内容を表現するのに適しています 17
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AWSコスト最適化ガイドブックを参考に! 18 引⽤:AWSコスト最適化ガイドブック | ⾨畑 顕博, 仁⼾ 潤⼀郎, 柳 嘉起, 杉 達也, ⼩野 俊樹, 藤本 剛志 |本 | 通販 | Amazon CFMフレームワークベースに コスト最適化への取り組みが 体系⽴てて書かれていて、 わかりやすい!
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AWSコスト最適化ガイドブックの⽬次 19 引⽤:AWSコスト最適化ガイドブック | ⾨畑 顕博, 仁⼾ 潤⼀郎, 柳 嘉起, 杉 達也, ⼩野 俊樹, 藤本 剛志 |本 | 通販 | Amazon
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AWSコスト最適化ガイドブックの⽬次 20 引⽤:AWSコスト最適化ガイドブック | ⾨畑 顕博, 仁⼾ 潤⼀郎, 柳 嘉起, 杉 達也, ⼩野 俊樹, 藤本 剛志 |本 | 通販 | Amazon
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策定したガイドラインの⽬次(1/2) 21 章 節 記載内容 はじめに 目的と概要 ガイドラインの目的と対象の利用者、適用範囲、適用 場面を定義 用語定義 ガイドライン内で用いる用語の定義 AWSにおけるコスト管理の概要 AWSの特徴 AWSの特徴および従量課金モデルによるデメリットに ついて説明 CFMフレームワークにつ いて コスト最適化の4つの領域(可視化・最適化・予測/計画 ・FinOpsの実践)の説明 コストの可視化方法 ポータルサイトダッシュ ボードによるAWS利用状 況の把握 ダッシュボードの機能、利用者がAWSの利用状況を確 認する確認方法 コストの最適化方法 クイックウィン最適化に よるコスト削減方法 クイックウィン最適化によるコスト削減方法について 説明 購入オプションの選定 Reserved Instance (RI) とSavings Plans (SP) の購入 に関する方針 アーキテクチャ最適化 クイックウィン最適化実施後に中長期的に実施する アーキテクチャ最適化のTipsを紹介
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策定したガイドラインの⽬次(2/2) 22 章 節 記載内容 コストの予測・計画方法 コストアラート機能による 予算管理 AWS料金超過アラートの利用方法 Cost Anomaly Detection によるコスト異常検知 AWS Cost Anomaly Detectionの利用方針 FinOpsの実践方法 FinOpsを成功させるための 原則 FinOpsの概念、原則の説明 コスト最適化の組織体制と 役割、運用 コスト管理を担当する部門や役割の明確化(部門や役 割の設定例)、コスト最適化の運用プロセスを定義 その他 コスト管理チェックリスト 定番とされる AWS コスト最適化に関するチェックポ イントを記載したシート
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アジェンダ ● はじめに ● 導⼊ ○ コスト管理ガイドラインの策定に⾄った背景 ○ コスト最適化フレームワークの概要 ● 実践 ○ ガイドライン策定のプロセス ○ ガイドライン策定にあたって注意した点 ● 今後の展望とまとめ 23
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ガイドライン策定にあたって注意した点 1. はじめにコスト管理ガイドラインの⽬的と概要を認 識合わせ 2. 各章の⽬的を明⽂化 3. 組織の成熟度に応じた具体的な施策を定義 24
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ガイドラインの⽬的と概要を認識合わせ ● WHY - なぜ必要か ○ コスト最適化の⽅向性を組織全体で共有 ○ 各チームの役割と責任の明確化 ○ 経営⽬標との整合性確保 ● HOW - どう実現したか ○ 経営層を含めたキックオフミーティングの実施 ○ コスト管理ガイドラインを必要とした背景を確認 25
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ガイドラインの⽬的と概要を認識合わせ 26 定義することで、 いつ‧どんな時にガイ ドラインを参考にする か組織全体の⽅向性を ⽰せるね!
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各章の⽬的を明⽂化 ● WHY - なぜ必要か ○ 現場での理解促進 ○ 投資対効果の判断材料として活⽤ ● HOW - どう実現したか ○ 各章の冒頭に⽬的セクションを設置 ○ 具体的な成果指標(KPI)の設定 ○ 実現により得られるメリットの明⽰ 27
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28 各章の⽬的を明⽂化 明確な⽬的を持つこと で、その実現によって 得られるメリットを組 織全体で共有できるよ うになるね!
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組織の成熟度に応じた具体的な施策を定義 ● WHY - なぜ必要か ○ ⾼度なツールを利⽤したところで、組織体制にあっていな かったら意味がないため ○ 現実的な実装計画が必要なため ○ 持続可能な改善サイクルの確⽴ ● HOW - どう実現したか ○ 現状ヒアリング ○ 現状にあった、具体的な施策を定義 29
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組織の成熟度に応じた具体的な施策を定義 30 例えば、⽉次の予算管理が⽬的であれば、⽇次のコスト集 計で⼗分かもしれません。⼀⽅、リアルタイムの検知が⽬ 的なら、より細かい粒度の監視が必要になります。 本ガイドラインでは、まず前者の⽉次の予算管理を⽬的と し、可視化を⾏います。
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アジェンダ ● はじめに ● 導⼊ ○ コスト管理ガイドラインの策定に⾄った背景 ○ コスト最適化フレームワークの概要 ● 実践 ○ ガイドライン策定のプロセス ○ ガイドライン策定にあたって注意した点 ● 今後の展望とまとめ 31
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今後の展望 32 ● ガイドラインの発展計画 ○ 運⽤実態に基づく定期的な改訂 ○ 新しいAWSサービスへの対応 ● 組織への定着化 ○ FinOpsの醸成 ○ エンジニア主導の改善サイクル確⽴
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まとめ 33 ● コスト管理ガイドラインにより、体系的なアプローチの 確⽴することができる ● 現場⽬線に⽴った、ガイドラインの策定が重要
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