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プリウス開発に見るアジャイル開発要素と いまどきの進め方(続編) 2024/1/10 RSGT2024 トヨタ自動車株式会社 パワートレーン機能性能開発部 竹内 パワートレーン統括部 南野 注:パワートレーンは、原動機(エンジンやモーター)~タイヤの前までの動力伝達部分(駆動)の総称

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トヨタ自動車(株) パワートレーン機能性能開発部/第1機能開発室/室付 アジャイルコーチ・プロジェクトマネージャー たけうち しんいち 竹内 伸一 パワートレーンとスポーツ車両で 企画~CAE~設計~実験~制御など、 幅広く技術開発の現場に携わってきました。 初代プリウスのシミュレーション、 F1のローンチ制御などにも関わりました。 最近は、人工知能開発推進や、 アジャイル開発推進をしています。 日進ジャズ協会準備委員会の代表理事もしています。

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トヨタ自動車(株) パワートレーン統括部/プロジェクト進行管理室 プロジェクトマネージャー アジャイルコーチ・DRBFMエキスパート なんの けいし 南野 圭史 私は、エンジン設計・評価を軸に開発に関わり、 未然防止・再発防止を通じ、プロセス・ツール 改善に踏込んだ車両及びパワートレーンの 品質向上に努めてきました。 最近では、変化が激しい時代に対応できる プロジェクトマネジメントを構築するため、 アジャイル開発の推進に取り組んでいます。 名古屋大学で設計製図の非常勤講師もしています。 DRBFM Expert

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1.目的・背景 2.初代プリウス開発からの学び 3.リアルプロジェクトからの学び 4.今後

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アジャイルとはなにか?

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我々が知っている(調べる事ができる) プリウスの開発実例と照らし合わせ理解 を深める(社内アーカイブが整理されている) 30年前の昔のアジャイル開発と 今の環境(DX技術・職場環境などの違い)での 現代のアジャイルのアプローチの必要性 理解も深める。

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XP(品質が全て) ペアプログラミング(Mob含) 責任はチーム全体 テスト駆動型 Patterns 建設業界の 環境設計の プロセス手引き スクラム(透明性・検査・適応) CITY・プリウスのような開発が継続的に 誰でもできるよう考案されたフレームワーク LEAN ソフトウェア開発 無駄を省き 生産効率を向上 カンバン カンバン一つで 全ステータスや 情報が分かる アジャイル開発 テスラはハード込でアジャイルプラクティスを 駆使し、高品質で変化に強い電気自動車 (BEV)開発を実現し覇権を争っている。 生産・物流向け 技術開発向け 初代プリウス開発とアジャイルとの関係 車両やパワートレーンで品質・燃費・価格で、 より良い商品を提供できるよう成長してきた。 トヨタ TPS Ford・GM ホンダ CITY開発 日本の自動車産業 トヨタ

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Patterns 建設業界の 環境設計の プロセス手引き XP(品質が全て) ペアプログラミング(Mob含) 責任はチーム全体 テスト駆動型 車両やパワートレーンで品質・燃費・価格で、 より良い商品を提供できるよう成長してきた。 トヨタ TPS Ford・GM ホンダ CITY開発 スクラム(透明性・検査・適応) CITY・プリウスのような開発が継続的に 誰でもできるよう考案されたフレームワーク LEAN ソフトウェア開発 無駄を省き 生産効率を向上 カンバン カンバン一つで 全ステータスや 情報が分かる アジャイル開発 テスラはハード込でアジャイルプラクティスを 駆使し、高品質で変化に強い電気自動車 (BEV)開発を実現し覇権を争っている。 生産・物流向け 技術開発向け 日本の自動車産業 初代プリウス開発とアジャイルとの関係 トヨタ スクラムの源流 日本の製造業が、いかにして世界の ソフトウェア開発プラクティスを変革したか 2005/9/28 JAOO,Aarhus,デンマーク ジェフサザーランド博士は“スクラム”を育てる過程で、 初代プリウス開発のやり方を参照している、また、 当時チーフエンジニアの内山田の開発の特徴にも言及

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日本を代表するアジャイルコーチが大手町に集結@3/27 ドリームチーム結成 プリウスアーカイブをアジャイル・スクラム視点で分析 この活動においては、参加者全員と守秘誓約書を締結 それでは30年前の時代にタイムスリップしま~す! 川口 恭伸 アギレルゴコンサルティング(株) シニアアジャイルコーチ 松元 健 アギレルゴコンサルティング(株) シニアアジャイルコーチ 永瀬 美穂 (株)アトラクタ co-founder兼CBO Aki Kumu Inc. Catalyst 組織変容コーチ

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1.目的・背景 2.初代プリウス開発からの学び 3.リアルプロジェクトからの学び 4.今後 ~初代プリウスの振り返り動画(アーカイブ)分析 と内山田EFインタビュー~

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アーカイブ分析 9つあるアーカイブから5つ紹介 キーワード アーカイブ トップ の想い 浸透 上位 からの 信頼 お手本 なし 高い 士気 内製の 強み ツール 活用 現地 現物 評価 近くで ワン チーム リスク 回避 同時 進行 上司 はしご 外し 振り返り レ レ レ レ レ レ レ モータ/トランスアクスル レ レ レ レ ハイブリッド制御 レ レ ハイブリッド用バッテリ レ レ レ レ レ レ レ レ レ 回生ブレーキ レ レ レ レ レ レ 電動パワステ レ レ レ レ レ レ レ レ 認証 レ レ レ レ 工場 レ レ レ レ レ 品質・販売・サービス レ レ レ レ レ レ レ

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《報告内容》 1.振り返り 2.当時の開発者たちによる座談会 2ー1.モータとトランスアクスルの関係者たち 2-2.ハイブリッド制御の関係者たち 2-3.電動パワステの関係者たち 2-4.工場の関係者たち 3.初代プリウス チーフエンジニア 内山田エグゼクティブフェローインタビュー 4.座談会

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初代プリウス振り返り トップの危機感 トップが(根拠はないが) いい意味で現場力を信頼 トップ×部次長ギャップ トップ×部次長 ギャップ 課題だらけの 超短期開発 正式部署化からラインオフまで 24ヶ月(試作車は完成済) 「世の中のためになる、お手本のないハイブリッドを全責任を持ち、先駆けて出す」 という想いと、チームワークのよい連携 トップが想いを力説 試作工場に溜まっていく

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1992年9月、 「いつまでも同じクルマの作り方をしていていいのか?」 という豊田英二名誉会長の一言が始まりだった それは“TOPの危機感”だった

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1994年2月 新生G21が発足、、、 環境・燃費をテーマとしたが、部次長メンバーは、 「ABS/エアバックの標準装備ですらコストが掛かると激論している最中、 お客様は、燃費なんかには、もっとお金を払わない」と辛辣な反応だった

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しかし、その年、1994年7月 活動報告会での役員の反応は、 「21世紀はクルマが増え、資源・環境問題は、いずれ直面する課題、 また誰も取り組んでいないのが良い!」 と好感触だった

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そうこうしている内、、、 1994年11月、 東京モーターショーにハイブリッドで出展、 20世紀中の市販化が決まった

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1995年6月、和田副社長は言った 「我々がやっていることは競合もやっている!早く出そう」 ラインオフの1年前出しが決まった

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その年、1995年12月、 豊田章一郎会長と奥田社長は言った 「京都で行われるCOPの会議に間に合わせよう」 それはラインオフの更なる1年前出しだった

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翌年1996年1月、和田副社長は言った 「これより大事な仕事なんかありゃせん!」 バラバラだった各部署が一つになる瞬間だった また、課題だらけの超短期開発の始まりでもあった、、、

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《報告内容》 1.振り返り 2.当時の開発者たちによる座談会 2ー1.モータとトランスアクスルの関係者たち 2-2.ハイブリッド制御の関係者たち 2-3.電動パワステの関係者たち 2-4.工場の関係者たち 3.初代プリウス チーフエンジニア 内山田エグゼクティブフェローインタビュー 4.座談会

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企画 開発 量産トライ 設計 試作 生製準 【モータ/トランスアクスル】RAV4 EVで培った内製モータ技術とATの技術を組合せ最大効率を追及 部署Aシミュレーション 部署Bシミュレーション 部署Cシミュレーション システム提案 生準着手 試作 図面 図面×試作品 モータ寸法が違う 量産設備 最新ツール活用と、内製化の強みであるコミュニケーションを近くでよくやることで「超短期」開発&生準を実現 開発提案 開発提案/正式図 前に前代未聞 現場が近く原価低減を織込易いが、 こんなの作れるか!自分でやってみろ! ⇒キャッチボールというよりドッチボール できてもいないエンジンの燃費マップ とか、モータの効率マップ等を各部署 のシミュレーションデータを集めた提案 モータ効率がでない ハイブリッドシステムの選定は シミュレーション技術があったからできた

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《報告内容》 1.振り返り 2.当時の開発者たちによる座談会 2ー1.モータとトランスアクスルの関係者たち 2-2.ハイブリッド制御の関係者たち 2-3.電動パワステの関係者たち 2-4.工場の関係者たち 3.初代プリウス チーフエンジニア 内山田エグゼクティブフェローインタビュー 4.座談会

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企画 設計 実車評価 【ハイブリッド制御】トヨタ初のシミュレーションで80種のシステム案から一つに絞込み プロジェクトメーリングリスト初採用 シミュレーションを使い80種 のシステム案から選定 エンジン制御 仕様変更 実車で全く燃費だせず あらゆる走行範囲で 機能することを シミュレーション確認 社外走行でのバッテリ熱問題 現場からCEまで全員発信できスムーズな情報共有を可能 パソコン/シミュレーションがなければ、こんなに早くシステム選定から量産化までできなかった 試作次数が変わるとゼロスタート ユニット/制御の変化が分らない 実車はシミュレーションと違い悪化 アジャイルに近い開発をやっていた 指令通りエンジントルクだせず エネルギ マネジメント成立 試行錯誤 モデルベース開発適用の黎明期、最新ツール活用しアジャイルな開発を実現 判断は人/組織のフィルタを除き技術で語る 「やるの?」→「やる!」 へ雰囲気変化 走行中エンジンを止めない 計画が、補機だけでは燃費目標 に足りず、止めることになった

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《報告内容》 1.振り返り 2.当時の開発者たちによる座談会 2ー1.モータとトランスアクスルの関係者たち 2-2.ハイブリッド制御の関係者たち 2-3.電動パワステの関係者たち 2-4.工場の関係者たち 3.初代プリウス チーフエンジニア 内山田エグゼクティブフェローインタビュー 4.座談会

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企画 設計 試作 評価 内山田 CE 上司 部次長 メンバー 評価法/基準なし 内製ならではのスピード感 【電動パワステ】ハイブリッドに限らない燃費技術として開発 図面 電動パワステだけはちゃんと見ろ チキンレース 俺はイ●だ 「ド●船には乗れない」 と開発を拒む! 電動パワステができないと 皆のチャレンジが水の泡 になる テストピース作成 水没試験 グリス固着は すぐ現物評価 試験装置製作 試行錯誤 しながら評価 SE 工場に関係するから参加 させろという情熱と目利き 内製化の強み、コミュニケーションよく現物で即試作・即評価することで「超短期」開発を実現 超短期開発やれる と思っていた ハイブリッド システムが 先にこける こんなふ●●た もの作れるか 「プリウスに必要な燃費 技術のためやってくれ」 とスポンサになってくれた 電動パワステスポンサ

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《報告内容》 1.振り返り 2.当時の開発者たちによる座談会 2ー1.モータとトランスアクスルの関係者たち 2-2.ハイブリッド制御の関係者たち 2-3.電動パワステの関係者たち 2-4.工場の関係者たち 3.初代プリウス チーフエンジニア 内山田エグゼクティブフェローインタビュー 4.座談会

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設計 評価 生準 量産トライ 量産 トヨタ 仕入先 工場大部屋では、難問は多かったが互いに助け合い、情報収集・共有の場としてとても機能 工場大部屋 品質RE 世界初への参画で前向き・協力的 超短期生準 (本型一発) 意匠部品変更 電池脱着苦労 昼夜 不具合 解析 不具合 多発 仕入先テストコース 24hr×3日間 テストコースで合同評価 メインは仕入先評価 大部屋で 一つ一つ 解決 振動騒音測定・条件作り モータ走行でシビア になる異音の検査 全車走行検査 社外走行確認 工場 逆RE(※) 製生準に向けどんな評価がいるか等 ハイブリッドシステムの情報を集めた 監査工場 逆RE ※工場の人が設計に常駐(異例) RE: Residence Engineer 【工場】世界初の量産のため、各ショップが集まる工場大部屋の初運用

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アーカイブ分析 メンバ各々が、課題感を腹に落とし、密な情報共有により、全体最適思考となり、超短期開発を乗り切った 高い士気 内製の強み 現地現物評価 近くでワンチーム ハイブリッドという新技術 ツール活用 お手本なし 強い課題感の認識・共感 【キーワード整理】 情報共有マインド

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初代プリウス開発とスクラムの関係 初代プリウス開発はスクラム要素を多く含んだ取り組みを実践 初代プリウス 開発キーワード スクラム 要素 アジャイルコーチのコメント・印象に残ったエピソード 対象スクラム用語 現地現物評価 ● 試作初号車を半年で作成/作ってみると数字が出ない Test First,Sprint Review 近くでワンチーム ● 近くで一緒にやる/不具合を大部屋で一つ一つ解決 CrossFunctional Team お手本なし ● G21行動規範/性能目標を自分たちで決めて完結させる Working Agreement 高い士気 ● ”世の中のために必要”前のめり/失敗してても転んでもただでは転ばない Self Management 内製の強み ● 身内に作っている人がいると話が早い/内製なので1週間で作って治せる Fix it now ツール活用 ● シミュレーションないと早く選定できない/車載PCでリアルタイムモニタリング Continuous Integration 同時進行 ● 正式図なしで生産準備入る/開発量産並行 認証は持込対応 Type C Scrum リスク回避 - スクラムは早期から現物確認しリスク発現前出し/良いイメージでやっていく ー トップの想い浸透 ● これより大事な仕事はないと力説/都度ラインオフが早まるのはアジャイルの原型 Vision/Product Owner 上位からの信頼 ● やってる人の目の色で判断/前向きなリーダをおいて一緒に学ぶ Respect and Trust 上司はしご外し - スクラムと違い、心理的安全性が少ない部署もあった ー

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《報告内容》 1.振り返り 2.当時の開発者たちによる座談会 2ー1.モータとトランスアクスルの関係者たち 2-2.ハイブリッド制御の関係者たち 2-3.電動パワステの関係者たち 2-4.工場の関係者たち 3.初代プリウス チーフエンジニア 内山田エグゼクティブフェローインタビュー 4.座談会

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内山田さん、 初代プリウスは、優秀なメンバーが取り組んだから 21世紀に間に合ったのでしょうか? 内山田EFインタビュー@2023/8/3(1/3) いいえ!初代プリウスは、決して各部署のエースが集まったから できた訳ではない トヨタ社員なら、ほとんどの人がプリウスを開発できたと思う 今の開発において、メンバーの能力不足を指摘する上司がいるなら、 その上司がメンバーの能力を活かしきれていないか、人材育成を していないこと、を疑った方がよい

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内山田EFインタビュー@2023/8/3(2/3) 内山田さん、 現場の人たちが、伸び伸びと新しいチャレンジが できるよう、当時されたことを教えてください 主に3つあります ひとつは、“全責任はリーダが取る”という覚悟を持つこと、そうすれば 信頼関係ができ、メンバーは安心して、もっと仕事を頑張れる 2つ目は、プロジェクトのビジョンとそれを実現する目標を明確にすること プリウスでは、メンバ一人一人に、プロジェクトの意義を腹落ち してもらった、その結果、お互いに自領域を超えてやってくれた 3つ目は、情報共有を図り、各メンバが全体把握できるようにすること プリウスでは、メーリングリスト等、当時の最新ツールを使い、 誰でも部分最適でなく、全体最適を図れる環境を整えた

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内山田さん、 心理的安全性の観点から、今思われていることを 教えてください 内山田EFインタビュー@2023/8/3(3/3) 上司は、技術議論に肩書きは不要、判断する時に肩書きを使う これが本来あるべき姿だと思う 製造現場では、作業者が品質の最後の砦のためアンドンを引けるが、 開発現場では、担当者は“課題解決が仕事”なので、 どうしてもギリギリまで頑張り、アンドンは絶対に引かない、引けない! だからアンドンを引くのは上司の仕事!、 こうすれば、事技系職場のメンバーはチャレンジがやり易い 以上、内山田EFインタビューの紹介でした、、、

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《報告内容》 1.振り返り 2.当時の開発者たちによる座談会 2ー1.モータとトランスアクスルの関係者たち 2-2.ハイブリッド制御の関係者たち 2-3.電動パワステの関係者たち 2-4.工場の関係者たち 3.初代プリウス チーフエンジニア 内山田エグゼクティブフェローインタビュー 4.座談会 ~トヨタ社内ライブイベント「デジタルまるしぇ」で放映された座談会~

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初代プリウスからの学び座談会@2023/10/20(1/3) 社外アジャイルコーチ 当時の開発者 ファシリテータ

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「新しいことをやる際はリスク管理を!」とよく言われますが、初代プリウスは、 成功するイメージのみでマイルストン作成と伺いました、実際どんな開発でしたか? 当初リスクヘッジも考えたが、その案だと性能が成立しないため、 内山田さんから「計画すること自体ムダ!」と止められました 日程が厳しい中で「私たちがコケたら皆がコケる」という意識で、 ベンチと実車で性能確認しながら品質最優先で作り込みました リスク管理をやる余裕もないから「今見えている所に100%突っ込んだ方が良い!」 と言える内山田さんは「本当にすごい!」、これを言えるリーダは殆どいません 一方「色々考えて!」など曖昧な回答で仕事をどんどん増やしてしまうリーダが多い中、 それを言わないと判断したことは、リスクマネジメントとしてものすごく適正だと思います 初代プリウスからの学び座談会@2023/10/20(2/3) T N

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業務に取組む上で、モチベーションを高く保つコツを教えて頂けますか? アジャイルを色々やる中で見えたことは、 難しいことを自分達がやっていると相互理解することまた課題と人を 分け、個人に責任を負わせないようにすることが大事です 内製の強みの話がありましたが、昨今、社外へ委託開発する部品が増えています このような環境変化に対し、何か注意しておくことはありますか? 新しい事をやる時は、必要な技術をキャッチし、自身を鍛えておくことが大事 これは開発者の大切な仕事のひとつです 初代プリウスからの学び座談会@2023/10/20(3/3) T

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上司が責任をとる覚悟を示さないと、怖くて仕事がノビノビできませんでした 心理的安全性がないや多残業に支えられた仕事の進め方は、今はできません プロセスの変革、マネージャや開発者の権限など働き方をどうマインドセットするか、 あと会社の骨格である人事や財務制度なども含めた変革が伴うのかもしれない と思っています 初代プリウスからの学び座談会@2023/10/20(3/3) 当時を経験したから分かる、今時の働き方について何かアドバイスありますか? 当時、上司へ報告会とか、アピールとか一切ありませんでした 上司は、30歳そこそこの若造に任せ、現場で彼らに決めさせていました 今思うと、そんな上司になれているだろうか?また プロ意識を高く持った任される人になっているだろうか?と考えてしまいます T 以上、座談会の紹介でした、、、

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1.目的・背景 2.初代プリウス開発からの学び 3.リアルプロジェクトからの学び 4.今後

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《報告内容》 1.背景・目的 2.Mobの実施事例やその様子 3.ハードウェア開発へのMob導入効果、課題 4.座談会

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初代プリウスの超短期開発は、継続的に行われる必要あり スクラムは、そのような“変化の時代”において、有効なプロジェクトマネジメント手法 100年に1度の変革期 1936 1955 1970代 1997 2010 2014 2015 2016 2019 2020 2022 ・・・ 社会 自動車 製造 事業法 国民車 構想 マスキ-法 オイル ショック 京都 議定書 COP3 SDGs 国際 サミット CASE (パリMS) MaaS (フィンランド) 量子 コンピュータ コロナ拡大 カーボン ニュートラル 宣言 ウクライナ 侵攻 ChatGPT ・・・ 自動車 業界 G1型 トラック トヨペット クラウン EFI 三元触媒 HEV プリウス BEV (三菱) (日産) FCEV ミライ ・・・ 安定期 変化 安定期 変化 安定期 変化 安定期 変化 変化 変化 変化 変化 変化 変化 変化 変化 5フォース分析 世界的アジャイルコーチ Lyssa Adkins 時代は「変化~安定~」 から「変化・変化・変化」へ だからこそアジャイルが必要 短期L/T

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【トヨタのグローバル販売】 自動車全体:33年 ハイブリッド :16年 【電気自動車販売】 テスラ :約9年 BYD :約7年 トヨタ :約3年(予定) 生産・販売100万台までに掛かった期間 【変化の時代の例】 自動車業界の状況 超短期間で、開発、生産準備、販売・サービス体制整備等やりきるため、生産性向上必須

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生産性向上の手法の事例(1/3) ◆シングルタスク化 シングルタスクは、マルチタスクに比べ30%時間短縮できる マルチタスクとシングルタスクの生産性を考える|研究結果を基に解説|プロジェクト管理・工数管理「クラウドログ」 (crowdlog.jp) ・アメリカ心理学会によるいくつかの研究では、マルチタスクだと思っている事は 実は非効率的であることを示しています。 研究によるとあるタスクから別のタスクに切替の際、タスク移行がスムーズ に行われず、タイムラグ(スイッチングコスト)が発生します。 ・マルチタスクは、シングルタスクに比べ40%も多くの時間が掛り、 複雑なタスクの場合は、更に時間が掛る事が研究結果で分っています。

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◆モブプロ化 モブプロは、ソロプロに比べ50%時間短縮できる ・正味仕事でモブプロとソロプロの生産性を比較 モブプロとソロプロの生産性を比較してみた #モブプログラミング - Qiita 1時間あたりの平均消化タスクはモブプロ:ソロプロ=2.94pt:2.19ptとなり、 モブプロのほうが約1.3倍タスクを消化できたという結果(3人チーム制) ・DRなど組織運営含むと50%時間短縮 11/17社内講演(第36回デジタルまるしぇ)資料 例) タスク分割、設計、 キックオフ、、 例) レビュー、承認、 引継ぎ、、 【従来の仕事】 分担作業の前後に同期する作業が必要 生産性向上の手法の事例(2/3) Synchronization Synchronization WorkingA WorkingB WorkingC

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◆エンゲージメント向上 ゲーミフィケーションの価値:エンゲージメントと生産性向上 (Management3.0) ・従業員のエンゲージメントを60%向上、生産性を最大50%向上 (出展:FinancesOnline) ・ゲーミフィケーショントレーニングを実施した従業員の60%が生産性を向上 (出展:フォーブス) ・ゲーミフィケーションにより、72%がより労働意欲が湧いてくると主張 (出展:Meium.org) ⇒エンゲージメントを高め、チームを自律分散型にするため、 上司は、メンバーに ①承認 ②信頼 ③能力開発 を与える必要あり 生産性向上の手法の事例(3/3)

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心理的安全性 承認欲求を満足 コミュニケーション 信頼関係構築 多様な発想の受容 意見交換・切磋琢磨 エンゲージメント 生産性 肚落ちし前を向き 貢献意識の高まり 人財育成・能力開発 所属による熟達感 【正のサイクルの職場状態】 エンゲージメント 仕事をこなすだけ 貢献意識の低下 能力開発されず 成長感なし 心理的安全性 承認されない 信頼関係崩壊 多様な発想の拒絶 意見・発言なし コミュニケーション 生産性

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【従来】マルチタスク/人 シングルタスク/人 シングルタスク/複数人 エンゲージメント向上 シングルタスク化生産性向上40% モブプロ化生産性向上50% 生産性向上50% 77% -30% -50% -33% 正のサイクルの職場となった場合の生産性向上効果試算 生産性は4倍以上になる可能性あり 正味時間 スイッチングコストレス 同期作業・報告レス モチベーション向上

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従来 モブプロ (参考)ペアプロ ベース アジャイル 適応性 人材 育成 モブプロの効果 人材 育成 新人 切磋琢磨 一人は 分割不可 新規 課題 新規 課題 新人 人材育成難しい 複数人は 分割可 生産性、 品質維持 アメーバの様に 分裂・結合 新規課題・変化が発生しても、モブプロは生産性向上、品質維持しつつ、人材育成もできる 生産性、 品質低下 ペアの指導力影響大 新規 課題 新人指導 必要だが 余裕なし

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ハードウェアアジャイル開発(AHD)認定者 w/アギレルゴ& ジョージャスティス 2023年6月5、6日、トヨタ自動車本社にて パイロットプロジェクトのグループが、 ハードウェアアジャイル開発講座を受講

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パイロットプロジェクトグループの業務と人員構成 《グループの業務》 eAxleのギヤ・ケース類のハードウェア設計 《グループの特徴》 ・全体的にeAxle設計の経験年数が少ない (2/3が10年以下) eAxle(例) ユニット主査 グループ長 チームA チームB チームC

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出展:JoeDX | アジャイル ビジネス インスティテュート株式会社 (abi-agile.com) ジョージャスティス氏の講座では 11のアジャイル手法を学んだ

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製造・生産 のやり方 会社の仕組み 会社の仕組み 出展:JoeDX | アジャイル ビジネス インスティテュート株式会社 (abi-agile.com) ハードウェア設計として すぐに取り入れることのできる 4つの手法にチャレンジ! 特にMobの有効性を感じ導入

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《報告内容》 1.背景・目的 2.Mobの実施事例やその様子 3.ハードウェア開発へのMob導入効果、課題 4.座談会

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Mobセッションの実施事例、様子 55インチディスプレイ2台 超広角カメラ &スピーカ Mobスペースの様子 裏側に もう1セットあり 6月 AHD・JoeDx研修を受ける 《取り入れた手法》 Jasticeボード、リーンコーヒー オープンスペーステクノロジー、Mobなど 8月 Mobスペース設置 移動式 ホワイトボード ⇒目からうろこ、面白かった! まずはやってみよう!! 30分/日からスタート! ⇒ツールや環境がないと… 従来のやり方で充分・・・ 続かない・・・ ⇒活動が活発化、自分流に アレンジし、日常化 「モブりますか?」「ナイスMob!」 が会話の中で飛び交うように・・・ 《Mob実施業務事例》 ・ケース潤滑油路配策、課題対策検討 ・作戦立案、開発スケジュール作成 ・部品表作成 ・報告資料、予算申請書作成 など

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(中堅) Mobセッションの様子

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(中堅) Mobセッションの様子 3.オープンなスペースで議論することで 乱入参加OK 2.人の顔ではなく、見るのは画面 ⇒事実(画面の内容)に向い、上下関係なく、 活発なディスカッションができる 4.気になる内容 を聞きに来る だけでもOK 5.判断者がいるので、 その場で判断して決める 或いはみんなで決める!! 1.1方向に向かうことでチームの一体感が生まれる 大型2画面あることで、効率よく資料を表示

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一人で悩む、一人で調べるより・・・ みんなで一気にやる方が早い! Mobの効果の実例1(資料作成時、初期断面図作成など) ・作戦立案、開発スケジュール作成 ・部品表作成、初期断面図作成 ・報告資料、予算申請書作成 など 知らない・悩ましいことを一人でやるのは非効率 作業している間に… ・他に人にマニュアルを調べてもらう ・情報(図面やDRBFMなど)を集める ⇒みんなで作り上げる、知識の共有 Mobで やると…

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報告 報告 担 当 チ ー フ グ ル ー プ 長 ユ ニ ッ ト 主 査 フィードバック 設計検討 資料作成 チ ー フ グ ル ー プ 長 ユ ニ ッ ト 主 査 フィードバック Mob 設計検討、資料作成 時間軸 これまでの 業務の流れ Mob型業務 の流れ 報 告 ・ D R 出 図 回 覧 出 図 回 覧 大幅に短縮が可能 担 当 モ ブ 宿 題 検 討 重要なのは、判断者がMobに入り込むこと (上が下に降りてくる必要あり) ベテランは知識、技術を! 若手は創造性を! Mobの効果の実例2(部品出図時)

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《報告内容》 1.背景・目的 2.Mobの実施事例やその様子 3.ハードウェア開発へのMob導入効果、課題 4.座談会

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12% 68% 20% Mobを導入して 良かったか? 非常に良い 良い 変わらない 悪い 非常に悪い 約9割がMob導入 して良かったと回答 20% 68% 12% 52% 40% 8% 16% 80% 4% 24% 68% 8% 56% 36% 8% メンバー同士の コミュニケーション 上位との コミュニケーション 判断は早く なりましたか? 作業は 効率化したか? 自身の発言は 増えたか? 非常に良くなった 良くなった 変わらない 悪くなった 非常に悪くなった 約8割の人達が ・メンバー間コミュニケーション ・発言機会の増加 ・早期判断 に対し、特に効果を実感 Mob導入後のアンケート結果

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《Mobを導入したことで、どんなところが良くなったか?》 抱え込まずに合知合力で検討する風土ができ始めていること 「悩んでいる状態」で相談が可能 集まる環境ができ、いつでも相談できる雰囲気、気軽に面直で打合せ コミュニケーションが良好になったことが一番 負荷平準化や局所的に検討進めるなど臨機応変に検討を進めることができる様になる 担当領域外の知識を深めることができる様になった 担当部品以外でも状況をしる事ができ、お互いに意見をし合える様になった 他メンバーの業務が分かる、アドバイスができる なるべく多くの意見を集約できることで効率的に進めることができる所 みんなで意見を出し合うので、自分一人では見落としていることに気づくことができる 作業しながらみんなで決めていくのでDRの時間が少なく一緒に作り込むとすぐ終わる 関係者、判断者を呼んでいるため、情報がすぐに集まり、即断即決できている 関係者で認識がその場で共有でき、その後別途展開ということをしなくても済む 一人でたたき台作ってから相談するより、初動が早くなった 心理的安全性の 風土醸成 ・技術・情報の 共有化 ・アウトプット品質 の向上 開発スピードUP

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《Mobの課題》 ツール、2画面の使い方 ・全体感の見える化(KPI、メリデメ表など)を1画面に 映しながら、別画面で個別の議論を進めていく必要あり ・2画面で議論している時にTEAMSで参加の人は1画面 しか見れていない、2画面を有効に使えていない ・リモートだと、マイクに他会議の雑音が入りやすい ・リモートCADの処理の遅さ コミュニケーション ・面直で断面図議論し始めると、WEB参加者がおいていかれる、リモート参加では限界あり ・Teams参加者と面着者との距離感、どうしても発言の頻度に偏りを感じてしまう ・発言が限られたメンバになる、発言する人としない人ができてしまう ・全員が自主的に発言するレべルにまだ至れておらず、特定メンバーが発言する事が多い、MOBを通じ成長に導くため、 発言する機会を意識的に増やしてあげて欲しい Mobのやり方について ・そもそもMOBのやりかたが良くわかっていない ・メンバーがMOB慣れしていない、結局GMへのDR ・役割分担が開始時に出来ていないことが多く、 通常の打合せスタイルになりがちだった ・その場で手を動かしながら進めるので、どうしても時間が 長くなってしまう、10分内を議論しきれない ナビゲータ、ドライバの役割について ・ナビゲーターとドライバーのローテーションに時間が取られる、在宅しているとナビゲータやドライバーはやり難い ・メインとなるメンバーがドライバをやるのが効率的なため、ドライバを交代する習慣が薄れた

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《Mobの課題》 ツール、2画面の使い方 ・全体感の見える化(KPI、メリデメ表など)を1画面に 映しながら、別画面で個別の議論を進めていく必要あり ・2画面で議論している時にTEAMSで参加の人は1画面 しか見れていない、2画面を有効に使えていない ・リモートだと、マイクに他会議の雑音が入りやすい ・リモートCADの処理の遅さ コミュニケーション ・面直で断面図議論し始めると、WEB参加者がおいていかれる、リモート参加では限界あり ・Teams参加者と面着者との距離感、どうしても発言の頻度に偏りを感じてしまう ・発言が限られたメンバになる、発言する人としない人ができてしまう ・全員が自主的に発言するレべルにまだ至れておらず、特定メンバーが発言する事が多い、MOBを通じ成長に導くため、 発言する機会を意識的に増やしてあげて欲しい Mobのやり方について ・そもそもMOBのやりかたが良くわかっていない ・メンバーがMOB慣れしていない、結局GMへのDR ・役割分担が開始時に出来ていないことが多く、 通常の打合せスタイルになりがちだった ・その場で手を動かしながら進めるので、どうしても時間が 長くなってしまう、10分内を議論しきれない ナビゲータ、ドライバの役割について ・ナビゲーターとドライバーのローテーションに時間が取られる、在宅しているとナビゲータやドライバーはやり難い ・メインとなるメンバーがドライバをやるのが効率的なため、ドライバを交代する習慣が薄れた ・元々Mobは面着前提 ・若手への役割付与(議事録作成等) ・ナビゲータ、メンバー意識付による、 未発言者への振り方の工夫が必要 ・更なる心理的安全性の確保 部内でMobワークショップ立上げ ・慣れによってメンバーは 使いこなし始めている ・設備導入検討 一般的なやり方ではなく、 各業務に適したやり方に合わせる

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まとめ ハードウェア開発へのMobの適用効果について報告 ■ハードウェア開発にMobを取り入れることで、 ・メンバー同士のコミュニケーションの向上 ・開発スピード向上(作業の効率化、早期判断) ・アウトプットの品質向上 の効果が生まれ、チーム力を底上げすることが出来た ■ハードウェア開発ではMobの一般型にはめず、トヨタ流にアレンジ

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《報告内容》 1.背景・目的 2.Mobの実施事例やその様子 3.ハードウェア開発へのMob導入効果、課題 4.座談会 ~トヨタ社内ライブイベント「デジタルまるしぇ」で放映された座談会~

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現代の働き方座談会@2023/11/17(1/4) ファシリテータ 社内メンバー 社外ゲスト アギレルゴ コンサルティング (株)

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現代の働き方座談会@2023/11/17(2/4) 複数の人で一つの仕事に取組んでも仕事を廻しきれるでしょうか? Mobは、先が見えないとか、知見がなくモヤモヤしている作業に適しています 自分一人では何もできない!調べ合ったり等お互いに協力すると効率的です Mobは瞬間的に同時にやれる業務が減るため、どれをどの順番でやるか整理が大事 トヨタでは、設計/生技/実験など必要な人達が集い、毎日15分、自分達のゴールに 向け、進捗や課題、その解決方法等を話し合っていました 毎日繰返し棚卸し、チームとして意思決定を一緒にやっていくことが大事です ダニエルピンクは、モチベーション3.0で、ナレッジワーカーがモチベーションを保つ 3つの要素は、一つが自律的、2つ目が熟達、3つ目が良い目的と言っています 良い目的を自律的に差配し熟達を感じるとモチベーションが上がり、生産性も向上! Mobは、互いに承認を得られ、課題を1つ1つやっつけるため、3つの要素を自然と やれることが優れた所、1日中でなくとも皆でパッと集り、できる所からやればよいです T N T

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現代の働き方座談会@2023/11/17(3/4) モチベーションを上げるためにも心理的安全性が担保された職場づくりが大切です そんな職場づくりに向け、具体的に我々は何をやればよいでしょうか? これまで強いリーダーに依存してきたが、変化の時代における持続可能なやり方は、 それだけでは不足!それを解決する知恵の部分がまだまだ伸び代だと思います 「苦手だな」と思う人に、こちらから頑張って話しかけ、自分をオープンにすれば、 相手も話してくれる、それを素直に聴き、行動に移していくことを繰返すと、 信頼関係が生まれる、その様な自分が変わる努力をしてはいかがでしょうか? またどうしても苦しいなら、周りに助けを求める、弱音を吐く事は恥ずかしい事 ではない!必ず助けてくれる人がいます、自分の世界で悩まない様に! 私も自ら自己開示していくこと、弱みをさらけ出すことがとても大切だと思っています 頼る力、言い換えると「のび太力」と言われていますが、結局一人では何もできない トヨタには多くの人がいて、色々なコミュニティがあり、色々な人がいるので、そこに いかに頼っていくかが、今後とても大切になっていくと思います T N

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現代の働き方座談会@2023/11/17(4/4) スケーリングロー、拡大の法則が、ここ1、2年で、AIに革命的変化をもたらしました コンピュータの性能向上やネット上にデータがたくさんある環境が整ったこともありますが、 更に計算量、データ量、パラメータ量を増やしていくとどんどん賢くなることが分かりました 実は業界では、パラメータを増やすことは、ちゃんと学習できていない可能性が高く、 特徴を掴み、単純なパラメータで挙動を把握する方が汎用性が高いと言われてきました 3年前オープンAI社がパラメータをどんどん増やしていくとすごく賢くなることを実証し、 色々なものがAIでできる様になっているというのが今のトレンドです それでは切口を変え、これからの働き方は AIの活用必須と思いますが、 具体的な事例を教えて下さい 音や3Dデータに対し勝手に使える汎用基盤が整い、更にテキストと絵を組合せて 学習させ、絵を説明、解釈して情報処理できるモデルがマルチモーダルAI技術です 図面やグラフ等から情報を取出し、テキストだけで解けなかった事ができる様になります エージェント、コパイロットと言われるアシスタントが、必要なデータ源にアクセスし、 色々なデータを組合せ、自動処理し、勝手に課題解決していきます T 以上、座談会の紹介でした、、、

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1.目的・背景 2.初代プリウス開発からの学び 3.リアルプロジェクトからの学び 4.今後 ~Mob-AI活用~

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MobのAI化 Mobってる!状態 心 理 的 安 全 性 やる気

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MobのAI化 Mobってる!状態 心 理 的 安 全 性 やる気 判断材料を提供してほしい。 グラフなどの視覚化を助けてほしい。 設計検討結果の判断もして欲しい。 自動的に解析を実施して結果が見たい。 全体進捗がその場で見たい。 などなど

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MobのAI化 AIと向き合う

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MobのAI化 Mobってる!状態 心 理 的 安 全 性 やる気

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MobのAI化 MobのAI化の目指す姿 心 理 的 安 全 性 やる気

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© NABLAS Inc. 77 MobAIのベースとなるAI技術の変化:マルチモーダルAI技術 様々な形式のデータを解釈し相互に連携可能にして課題解決に活用 参考:https://cloud.google.com/blog/products/ai-machine-learning/multimodal-generative-ai-search?hl=en

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・東大発AI総合研究所NABLAS様などと開発中 Mob-AI化

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アジャイル促進の取り組みご紹介 社内のスクラムコミュニティ(隔週木曜、自由参加で活動中) 社外交流会(月1程度の頻度でオープンに連携) 社外登壇と交流(スクフェス三河、エンタープライズアジャイル勉強会、etc) スクラムコミュニティでの実施内容 • 検討:AIの性質や活用アプローチ • 体験:モブワーク • 適応:職場でのモブワーク実践実験 • 学習:ゴールベースの業務推進 • 学習:インパクトマッピングの紹介 • 検討:人事・財務・業務のありよう • 検討:中長期の推進戦略 の立案 • 検討:GM の役割の見直し について • 学習:Agile Hardware Development • 学習:Digital SelfManagement概略 • 学習:テスラ他、他社事例の収集 • ペアプログラミング実践共有 アジャイル開発を一緒に進める方の お声掛け大歓迎です。 お気軽にコンタクト下さい。

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