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生成AIで小説を書くために プロンプトの制約や原則について学ぶ 2025/06/29 #女オタ生成AIハッカソン 2025 夏の陣@東京 @nwiizo 30min

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nwiizo 株式会社スリーシェイクで プロのソフトウェアエンジニ アをやっているものです 格闘技、読書、グラビアが趣味 でよく本を紹介してます 人生を通して"運動、睡眠、読書"をちゃんとやりたい 2

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about 3-shake 3

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生成AIで小説を書いたことはありますか? 最初は「すごい!」と感動 ↓ 読み返すと「なんか違う...」 キャラクターが薄っぺらい 会話が不自然 行動に一貫性がない 「AIが書いた感」が抜けない 4

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今日のゴール 生成AIを魔法のツールだと思わない 制約と原則を理解して、 実際に手を動かして技芸として身につける 理解 制約・限界・特性 (AIの正体を知る) → 実践 原則・手法・工夫 (技芸として体得) 5

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なぜ技芸として学ぶのか? 理論だけでは身につかない 楽器の演奏 楽譜を読めても 弾けるわけではない 実際に触って、失敗して 感覚を掴む 料理 レシピを知っても 美味しく作れない 何度も作って 加減を体で覚える 絵画 技法を学んでも 描けるわけではない 手を動かして 自分の表現を見つける プロンプトエンジニアリングも同じ技芸の領域 6

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なぜ創作者には難しいのか? エンジニアが作った道具 論理的な命令を期待 構造化された入力を前提 エラーメッセージも技術用語 「正確さ」を重視 創作者の思考 感覚的・直感的な表現 曖昧さや揺らぎを含む イメージから言葉へ 「味わい」を重視 このギャップを埋めるのが、技芸としてのプロンプトエンジニアリング 7

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AI小説「あるある」 物理法則の破綻 「壁を背にした位置から背後を攻撃される」 性格の破綻 「家族愛が最優先のキャラが家族を見捨てる」 あなたも経験ありませんか? 8

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「読むのがしんどい」問題 あらすじは面白そうなのに... なぜか読むのが疲れる 情報整理の負担 「彼女は振り返った。 そこには男が立っていた。 『久しぶりだね』と彼は言った。 」 → え?この男誰だっけ? → 二人の関係性は? 感情の急変 「私は激怒した。 でも彼の笑顔を見ると なぜか許してしまった。 」 → 怒りはどこへ? → 心理描写が雑すぎる 9

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物語が「死んでいる」理由 優れた物語に必要なもの:予測と裏切りのリズム 「感情のデッサン」と「感情のデフォルメ」が少しずつ足りない。 物語の生命力とは 読者の期待を適度に裏切る 既視感と新鮮さのバランス 論理的だが意外性のある転換 AI生成物語の致命傷 すべてが予定調和で進行 展開が教科書的 あらすじを読んでいる感覚 物語は読者との駆け引き。AIだけでは駆け引きが成立しない 10

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なぜこんな問題が起きるのか? LLMの3つの根本的制約 Lost in the Middle現象 長い文章の真ん中あたりの情報を忘れやすい 複数制約の同時処理困難 「優しくて厳しい」など矛盾する要求を同時に満たせない 人格構造の理解限界 表面的パターンは学習できても、内的一貫性は維持できない 11

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LLMの正体を知ろう 大規模言語モデル(LLM)は 次の単語を予測するモデル つまり、文書を補完するエンジン 仕組みを理解することで、 より効果的に活用できるようになります 12

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では、どうすればいいのか? AIの制約を理解して活用する プロンプトエンジニアリング5原則 ※ それぞれのモデルでベストプラクティスが公開されているので それを見るのも良いです 13

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エンジニアの道具を創作者の筆に 現状:エンジニア向けの設計 プログラミング言語のような構造化を期待 デバッグ的思考(エラー→修正)が前提 明示的な指示による制御 解決策:創作者向けの翻訳 感覚的表現を構造化された指示に変換 試行錯誤を「実験」として楽しむ 制約を「創作の枠組み」として活用 14

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プロンプトエンジニアリング5原則 「プロンプトエンジニアリング」という名前は難しそうで すが... 楽譜であり レシピであり 技法です 1️⃣ 方向性 2️⃣ 形式 3️⃣ 例示 4️⃣ 評価 5️⃣ 分割 15

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原則1: Give Direction(方向性を示せ) 具体的で明確な指示を与える 曖昧な指示 「面白いキャラクターを作って」 「感動的なシーンを書いて」 「いい感じの展開にして」 明確な指示 「30代女性、図書館司書、人見知りだが本の話題では饒舌になる」 「母の形見の指輪を見つけた瞬間の、悲しみと温かさが混じる感情」 「主人公が自分の弱さを認めることで、真の強さに気づく展開」 AIは「面白い」 「いい感じ」の解釈ができない 16

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原則2: Specify Format(形式を指定せよ) 出力の形式を明確に指定する 形式指定なし 「キャラクター設定を教えて」→ AIが勝手に形式を決めて、使いにくい出力に 形式を明確に指定 以下の形式でキャラクター設定を出力してください: 【基本情報】 - 名前: - 年齢・職業: - 一言で表すと: 【内面】 - 大切にしている価値観: - 隠している弱さ: - 無意識の口癖: 形式を指定すると、すぐに使える出力が得られる 17

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原則3: Provide Examples(例を示せ) 具体例でAIの理解を深める 例示なし 「キャラクターの感情を行動で表現して」 → 「彼女は悲しかった」のような説明的な文章に 例を示して方向性を明確に 感情を行動で表現してください。例: - 怒り → 手に持っていたペンを強く握りしめ、インクが滲んだ - 不安 → 何度も同じページを読み返すが、一文字も頭に入らない - 喜び → 図書館なのに小さく飛び跳ねて、慌てて周りを見回した では「後悔」を行動で表現してください。 例があることで、AIは「どのレベルの具体性」を求められているか理解する 18

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原則4: Evaluate Quality(品質を評価せよ) 明確な評価基準を設定する 評価なし 「キャラクターを作って」 → 作りっぱなしで、良し悪しが分からない 評価基準を組み込む キャラクターを作成し、以下4項目で評価(各10点): 1. 独自性:他にない個性があるか 2. 一貫性:矛盾がないか 3. 共感性:感情移入できるか 4. 成長性:変化の余地があるか 30点以上を目指して調整する 評価基準でAIも自己改善できる 19

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原則5: Divide Labor(作業を分割せよ) 複雑なタスクは段階的に実行 一度に全部 「感動的な短編小説を書いて」→ 浅い、ありきたりな物語に 段階的に構築 Step 1: テーマと核となる感情を決める 「喪失からの再生」「悲しみの中の希望」 Step 2: 感情を体現するキャラクターを作る 「大切な人を失った主人公」 Step 3: 転換点となる出来事を設計 「亡き人の未完の作品を発見」 Step 4: 各シーンを丁寧に描写 「無機質な日常から始める」 段階的なアプローチで、深みのある物語が生まれる 20

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実践:段階的キャラクター設計 Chain-of-Thought (CoT) Prompting 「一気に」ではなく「ステップバイステップ」 なぜ効果的? ↓ LLMは線形処理が得意 複雑なタスクを小さく分割すると精度UP 21

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失敗例 vs 成功例 失敗例 「魅力的で一貫性のある キャラクターを作って 小説を書いて」 ↓ 情報過多で混乱 成功例 Step1: 価値観1つ ↓ Step2: 矛盾1つ ↓ Step3: 行動3つ ↓ 明確で一貫性あり 22

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一貫性を保つコツ 物理的一貫性 移動時間は現実的に 同時に2箇所にいない 各シーンで位置を明記 心理的一貫性 設定した価値観から逸脱しない 性格が変わるなら理由を 感情変化は段階的に 23

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高度なテク: 「赤ずきん原則」 道から外れるな LLMが訓練された文書形式を使う ↓ 安定した出力が得られる 「モデルが訓練された道から遠く離れてはいけない」 24

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具体例:慣れ親しんだ形式を使う ニュース記事形式 【人物特報】 地方都市の図書館司書、 田中花子さん(28)が話題に LLMはニュース記事を 大量に学習済み インタビュー形式 【人物インタビュー】 記者:価値観は? 田中:知識で人を助けたい 対話形式で 自然な流れを作る 25

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創作プロが使うテクニック 荒木飛呂彦の「身上調査書」 キャラクターを警察の調書のように細かく 設定 基本情報:名前・年齢・職業 核となる価値観:1つに限定 最大の恐れ:具体的に 行動パターン:3つ 大塚英志の「30問答」 キャラへのインタビューで深みを出す でも正直... 30問全部自分で考えるのはしんどい 楽しく考えられる時間は意外と短い だからこそAIとの協働が効果的 26

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生成AIを活用した創作活動 プロンプトの技芸で創作の壁を越える 成功のポイントは 明確な「型」と制約条件 AIとの対話で簡単に物語の骨組みが作れる 進んだテクニック 結末から逆算する 映画の予告編を作るように ゴールを明確に設定 逆順で構成を組み立て 基本の制約設定 ジャンルの明確化 文字数の設定 時代設定の定義 登場人物の特徴 27

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効果的な作業フローと実践 段階的アプローチ + 柔軟な調整 3ステップ作業法 1. 全体構想 AIにストーリーライン作成依頼 2. 段階的詳細化 細部を少しずつ詰める 3. 柔軟な調整 結末や展開を必要に応じて修正 成功のコツ 要求を小分けに AIの素直な反応を活用 予想外の出力は軌道修正 人間の創造性 × AIの処理能力 28

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CHARACTER.md:プロジェクト設定の体系化 キャラクター設定を構造化する 小説プロジェクト用設定管理システム キャラクターの一貫性を保つための 体系的な設定ファイル 29

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CHARACTER.md の構造 # CHARACTER.md ## 【主人公:田中花子の設定】 不変コア(絶対に変更されない要素) 核となる価値観: 「知識を通じて人を助けたい」 最大の恐れ: 「自分の無力さを実感すること」 根本的矛盾: 「人助けしたいのに対人関係が苦手」 30

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CHARACTER.md の構造(続き) 準安定層(状況に応じて変化するが範囲限定) 現在の感情状態:やや内向的だが、本の話題では活発 人間関係:同僚とは表面的、利用者には献身的 可変層(柔軟に調整可能) 具体的な話し方:関西弁(軽め) 、丁寧語ベース 口癖: 「まあ、そんなもんかな」 「ちょっと待って」 31

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バージョン管理で創作を効率化 複数のストーリー展開を同時に試せる Gitの活用例 メインルート: 主軸の物語 別展開A: ハッピーエンド版 別展開B: バッドエンド版 実験用: キャラ性格変更版 メリット いつでも前の版に戻れる 複数案を比較できる 共同執筆が簡単に アイデアを失わない プログラマーの道具を創作に応用 32

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Git worktreeという便利な仕組み 同じ作品の複数バージョンを別フォルダで同時編集 フォルダ構成のイメージ 小説プロジェクト/ ├── メイン版/ ← 今ここで執筆中 ├── 実験版/ ← 新しいアイデアを試す └── バックアップ版/ ← 安全な状態を保存 使い方の例 1. メイン版で執筆を進めながら 2. 実験版で「もしこのキャラが違う性格だったら?」を試す 3. 良ければメイン版に取り込み、ダメなら破棄 ※ エンジニアはこの方法で効率的にコードを書いています 33

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実際に手を動かすことの重要性 AIとの対話は、新しい楽器を習うようなもの 技芸習得のプロセス 知識を得る 原理を理解する 先人の知恵を学ぶ パターンを知る 体で覚える 実際に試してみる 自分の感覚を掴む 独自のスタイルを見つける 理論と実践の両輪で、あなただけの創作スタイルが生まれる 34

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段階的品質向上ワークフロー Phase 1: 基本設計 目標:キャラクターの核を確立 制約:価値観1つのみに集中 Step 1: コアとなる価値観 「この人物の人生で最優先事項は?」 例: 「家族の安全と幸福」 Step 2: 行動指針化 「この価値観はどんな行動を導く?」 例:危険回避、情報収集、犠牲的行動 ✓ 価値観が具体的か ✓ 行動パターンが明確か Phase 2: 複雑性の追加 目標:内面の矛盾を設定 制約:Phase1を維持しつつ対立要素追加 Step 1: 矛盾する欲求 「家族優先」の人の対立する欲求 例: 「個人的成長への憧れ」 Step 2: 葛藤の場面設定 矛盾が表面化する状況 例:転職オファー(成長 vs 家族) ✓ 矛盾が人間らしさを生むか ✓ 葛藤の解決が自然 か 35

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よくある失敗と対処法 失敗例1: 制約過多による性能低下 問題: 「優しくて、強くて、賢くて、面白くて、神秘的で...」 原因: 複数制約同時処理によるLLM性能低下 解決策: Tree-of-Thoughts(選択肢の並行検討) 36

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Tree-of-Thoughtsによる解決 案A:優しさ重視型 共感しやすい、親しみやすい 適用:日常系、癒し系小説 案B:知性重視型 論理的展開、問題解決能力 適用:ミステリー、SF小説 判断基準:物語ジャンル+読者層で決定 37

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失敗例2: 物理空間での論理破綻 問題: 空間認識限界による物理法則違反 推奨アプローチ 1. アクションより心理・感情描写を重視 2. 空間配置は簡潔な表現に留める 3. 物理法則が重要な場面は人間が最終確認 38

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表現例の比較 物理描写詳細 「剣を振り上げた瞬間、敵は背後から...」 心理描写重視 「緊張が頂点に達した時、予期しない声が...」 解決策:心理描写重視+物理描写最小化 39

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品質保証:継続的改善システム 各シーン生成後の必須確認 キャラクター一貫性 □ 行動は価値観と一致? □ 話し方は統一? □ 関係性は維持? □ 性格変化は自然? 読者体験 □ 感情の流れは論理的? □ 物理法則は正しい? □ 理解しやすい? □ キャラは「生きてる」? 40

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品質向上の3段階 段階的に深みを積み上げる 第1段階: 基本 一貫性 目標: 土台を固める ✓ 単一制約(核となる価値観)の 維持確認 ✓ 明らかな矛盾の修正 ✓ 基本的な話し方パターンの統一 重点:シンプルな一貫性 第2段階: 複雑 性バランス 目標: 深みを加える ✓ 内面の矛盾が適切か ✓ 成長や変化は自然か ✓ 理解可能な複雑さか 重点:人間らしさの追加 第3段階: 読者 体験最適化 目標: 読みやすさを磨く ✓ 共感しやすさの確認 ✓ 予測と意外性のバランス ✓ 感情的インパクト測定 ✓ 読む労力の軽減 重点:没入感の向上 41

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実用ツール:自動化による効率向上 Chain-of-Thoughtプロンプト自動生成 依頼文例 「キャラクター概要から、5段階の設計プロンプトを生成してください: 概要: 『小さな町の図書館司書。本を愛しているが人との交流は苦手。 』 」 期待される出力 段階的な設計プロセス 各段階の品質チェック項目 一貫性維持のための制約 42

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品質チェック自動化プロンプト 5つの評価軸(各10点満点) 1. キャラクター設定との整合性 2. 物理的な論理性 3. 心理的な一貫性 4. 読みやすさ(労力の少なさ) 5. 感情的インパクト 各項目で確認すること 点数とその理由 改善提案 具体的な修正案(必要な場合) 43

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まとめ:制約を味方にする創作アプローチ 成功のための6原則 1. 段階的設計: Chain-of-Thoughtで複雑さを管理 2. 制約の明示化: 曖昧な表現を避け、具体的定義を使用 3. 赤ずきん原則: 訓練データに慣れ親しんだ形式の活用 4. 階層的管理: 不変コア・準安定・可変の3層構造 5. 継続的検証: 各段階での品質確認を怠らない 6. 現実的適用: AIの得意領域での効果的活用に集中 44

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制約は創造性の源泉 制約=創造性の敵という誤解を捨てる コンテキスト制限 → 本当に重要な要素への集中 複数制約処理困難 → 段階的アプローチの必然的採用 暗黙理解の限界 → 明示的設計スキルの向上 45

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今すぐ始められる実践ステップ Phase 1 今週 • 1人のキャラクターで実践 • CHARACTER.md作成 • 一貫性チェック習慣化 Phase 2 今月 • 短編小説で経験蓄積 • 品質チェックリスト • 描写バランス調整 Phase 3 3ヶ月 • 長編作品への挑戦 • 自動化ツール活用 • 読者フィードバック 46

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技芸として身につけるために 感覚を研ぎ澄ます3つのポイント 違和感を言語化する 「なんか変」を「どこがどう変か」に分解する習慣 成功パターンを蓄積する うまくいったプロンプトは必ず保存・分析 自分なりの型を作る 他人の技法を参考に、自分の手に馴染む形に調整 技芸は人それぞれ。正解はない。 47

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持続可能な創作システムの構築を目指す AIは基本的な品質管理(防御力)を担当し、 人間は独創的なアイデアと感情的インパクト(攻撃力)を創造する 生きた物語を作るために AIが作った物語が退屈になる最大の原因は、すべての展開が想定内に収まってしまうことです。読者は無意識に次の 展開や単語を予測し、その予測が当たり続けると興味を失います。 解決策: AIが作る「整った骨組み」に、人間が予測不可能な血肉を与える。論理的な流れを保ちながら、読者の期待 を心地よく裏切る要素を織り交ぜることで、物語に生命が宿ります。 この役割分担を理解し、適切なプロンプト設計を習得することで、生成AIを「魔法のツール」としてではなく、 「制約のある道具」 として効果的に活用できます。技術の急速な進歩の中でも、 「制約を理解し、それを創造性の源泉とする」基本アプローチは普遍 的価値を持ちます。 48

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ありがとうございました ご質問・ご相談はお気軽にお問い合わせください @nwiizo | https://3-shake.com

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参考文献 書籍 James Phoenix, Mike Taylor (2024) 『Prompt Engineering for Generative AI』 O'Reilly Media John Berryman, Albert Ziegler (2024) 『The Art of Prompt Engineering』 O'Reilly Media 荒木飛呂彦 (2015) 『荒木飛呂彦の漫画術』集英社 大塚英志 (2006) 『ストーリーメーカー』アスキー・メディアワークス カール・イグレシアス (2001) 『 「感情」から書く脚本術』フィルムアート社 50