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2025年5月28日 株式会社 電通総研 後藤勇輝、佐野太一 電通総研の生成AI・エージェントの取り組み エンジニアリング業務向けAI活用事例紹介

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2 1. 株式会社電通総研 の紹介 2. 生成AI・エージェントの取り組み紹介 3. エンジニアリング業務向けのAIユースケース紹介

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3 © DENTSU SOKEN INC. 株式会社電通総研 2024年1月1日に、 『電通国際情報サービス』から 『電通総研』に商号を変更いたしました。 業界・ソリューション別に4つの事業セグメント(製造、金融、ビジネス、コミュニケーション)でビジネスを展開しています。 金融ソリューション 金融機関をはじめ企業における各種金融業務や、 新たな金融ビジネスの創出を支援 コミュニケーションIT 企業におけるICT基盤の構築・運用、 電通グループのマーケティングノウハウを 活用したITソリューションを提供 製造ソリューション 製造業のエンジニアリング領域を中心に、 製品ライフサイクル全般を支援 ビジネスソリューション 人事・会計領域を中心に、高度化する 企業のグループ経営に貢献 14% 36% 28% 22% 売上高構成比 (2022年12月期)

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4 © DENTSU SOKEN INC. Xイノベーション本部 AIトランスフォーメーションセンター(AITC) ■どのような組織? ■ソリューション AIのビジネス応用を幅広い視野で推進するために結成したAIに特化した全 社横断チーム AI/データ分析技術を利用した様々なコンサルティングや、お客様のDX推 進支援、AI製品の企画・開発・運用を実施しています https://aitc.dentsusoken. com/

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5 © DENTSU SOKEN INC. エンタープライズ生成AI活用ソリューション:Know Narrator(ノウ ナレーター) 生成AIの「利用・分析・業務適用」を安心・安全かつスムーズに推進可能な、エンタープライズ生成AI活用ソリューション Know Narratorはこれまで企業・自治体向けにシリーズ累計100件以上の導入実績を有する ①Know Narrator Chat With Vision/ ノウナレーター チャット ウィズビジョン ②Know Narrator Insight/ ノウナレーター インサイト ③Know Narrator Search/ ノウナレーター サーチ 対話型AI ソリューション 利用履歴 分析ソリューション 社内文書参照型ソリューション (本格的に業務で使える エンタープライズRAG) ④Know Narrator API/ ノウナレーター エーピーアイ Know Narratorを自社システムに組み込み可能なソリューション

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6 © DENTSU SOKEN INC. AIエージェントプラットフォーム Know Narrator AgentSourcing/ノウナレーター・エージェントソーシングをリリース 多様なビジネスシーンに特化したAIエージェントを利用できる、企業向けAIエージェントプラットフォームです。 第一弾として提供する「ドキュメントレビュワー」 に続き、各種AIエージェントを順次拡充する予定です。 Know Narrator AgentSourcing 全体像 KN AgentSourcing 画面イメージ ※上記画面は開発中のものであり、今後変更される可能性がございます 参考:「Know Narrator AgentSourcing(ノウ ナレーター エージェントソーシング)」を提供開始

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7 2. 生成AI・エージェントの取り組み紹介

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8 © DENTSU SOKEN INC. 生成AIの進化とエージェントの普及 ◼ 生成AIの進化 • 2025年現在、モデルの低コスト化、コンテキストウィンドウの増加、その他モデル自体の性能向上が進みより実用的 なものとなった ◼ エージェントの普及 • MicrosoftやGoogleなどは2024年から「エージェント」をキーワードにサービスを続々とリリース • 国内でも2024年後半からエージェントに関するプレスリリースが各社から見られるようになった GPT-4o 2024年5月 o1 2024年9月 o3-mini 2025年1月 GPT-4.1, o3, o4-mini 2025年4月 モデルの進化

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9 © DENTSU SOKEN INC. 課題:必要情報を事前に完璧に言語化しておくことは困難 ◼ エージェントを作る際の前提 ➢ 業務遂行に必要な情報は基本的に全てLLMに入力 or 取得可能な状態にする必要がある ◼ 現実には… ➢ エージェントでないと解決できない業務は総じて複雑 ➢ 複雑な業務では、業務を遂行する上で「文書化されていない現場知見(=暗黙知)」が多く存在 ➢ こうした現場知見をすべて事前に言語化するのは非常に難しい ◼ 解決の方向性 ➢ 運用しながら現場担当者のフィードバックを吸収し、成長する仕組みが必要 エージェントの成長を支えるメモリ機構

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10 © DENTSU SOKEN INC. エージェントにおけるメモリの定義と役割 メモリとはエージェントが過去の経験や知識を保存し、必要に応じて取り出して活用できる仕組みのこと ➢ 成功や失敗の経験、環境からのフィードバックをメモリに反映することで将来タスクの精度向上が見込める ➢ メモリはエージェントの過去の経験(実行履歴 or ログ情報)から作られる 思考履歴 ツールの入出力 エージェントの軌跡情報 計画 行動 A 行動 B 行動 C 環境フィードバック メモリの元情報 環境 メモリ 行動(ツール) LLM 計画 自己修正 プロフィール 知覚 エージェントの構成要素例

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11 © DENTSU SOKEN INC. ドキュメントレビューをユースケースとして「現場知見」の取り込みを検証 ◼ 仕組み ➢ 人間のレビュー、評価、過去のレビュー情報をもとにメモリ更新AIがメモリを更新 ➢ レビューすればするほど賢くなり、人間レビューが徐々に不要になる仕組み より詳細に知りたい方は電通総研の企業ブースへ! 人間による追加指摘が不要なケースが増え、AIレビューの実用性が向上 レビュワー AIレビュワー 過去の実行履歴 AIレビュワーメモリ更新AI レビュー対象 ドキュメント ドキュメント作成者 レビューコメント AIレビューへの評価 レビューコメント 過去の実行履歴とフィードバックをもと にAIレビュワーのメモリを更新 レビュー結果 ドキュメントレビュー システム

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12 © DENTSU SOKEN INC. メモリの実用化に向けたハードル 何を覚えるのか、どう管理するのか、どのようにメモリから情報を取得するのかを総合的に考え設計する必要がある ➢ 過去の経験(メモリ)は使うほど増え続ける。検索対象が増え続けると検索性能が下がる ➢ 冗長な情報、不要な情報を統合・削除する仕組みが必要 ➢ 情報の取捨選択をするにはユースケースにおいて何が必要な情報なのかを整理する必要がある 記憶化 更新・忘却 想起 データ形式、格納方法、 スキーマ設計 検索手法、抽出のタイミング、 モデルにどのように入力するか 古い/冗長な情報の削除、重複管理、 更新タイミング

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13 © DENTSU SOKEN INC. まとめとお知らせ まとめ ◼ 生成AI・エージェントの業務利用における課題 ➢ 「現場知見」の事前の言語化、継続的なアップデートが困難 ◼ メモリを活用した「現場知見」の言語化とアップデート方法をご紹介 ➢ メモリを導入し、フィードバックを行うことで使えば使うほど業務に適した生成AI・エージェントが出来上がる お知らせ ◼ 業務に関するご相談お待ちしております ◼ 新卒、中途採用も積極的に行なっております ◼ 会場にてブース展示も行なっております。ぜひお気軽にお尋ねください。

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14 3. エンジニアリング業務向けのAIユースケース紹介

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15 © DENTSU SOKEN INC. エンジニアリング業務とAI 設計開発プロセスにおける課題とAI取り組み 製品企画 要求定義 【プリ】解析モデル作成の効率化 ⇒解析プリポストAI 【ソルバー】計算時間の短縮 ⇒CAEサロゲートモデル 【ポスト】解析結果判断の平準化/自動化 ⇒解析プリポストAI 人間の感覚(HMI)の定量化 ⇒官能(HMI)評価AI 設計検討の抜け漏れ防止 ⇒ナレッジ検索AI AI教師データの不足 ⇒データ&プロセス管理 知見の活用と今後の蓄積 ⇒生成AI/要約AI(GPT) 効率的な形状検討 ⇒形状生成AI 着目現象のメカニズム解明 ⇒因果分析AI 実験評価の簡素/代替化 ⇒官能評価AI 評価検証 実験評価 設計 自動設計 ⇒Generative Design 解析評価 設計案作成 制御則の設計 ⇒メカ×制御AI 過去の設計資産の活用 ⇒類似形状検索AI 解析効率化 ⇒自動メッシュAI モデルがない検討強化 ⇒1DCAE×AI お客様の課題 ⇒提案可能なソリューション 凡例

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16 © DENTSU SOKEN INC. エンジニアリング業務とAI(ユースケース紹介) 形状生成AI 3D形状の生成 ・過去の製品CADデータを学習することで、新たな3D形状データを 生成する3D対応モデルをベースに構築 ・パラメトリックCADモデルを使わず3D形状のバリエーションを作成 出力 3D形状生成AI 様々な3D形状の生成 衝突特性を満たす部材形状の生成 形状生成AI 出力 入力 製品仕様 設計案 入力 外枠形状 エネルギー吸収特性 断面形状 ・衝突時の荷重特性(反力カーブ)を満たす部材断面形状(2D)の 10パターン以上のバリエーションを秒単位で生成。 ・生成AI手法としてDiffusionモデルを応用。 ・数理最適化のような繰り返し計算による最適解探索は不要 AIモデル 加重条件と生成形状(例) ※JSAI2024 にてマツダ様と電通総研で共著発表事例 [1M3-GS-10-03] 拡散モデルを応用した自動車構造部品の断面構造提案

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17 © DENTSU SOKEN INC. エンジニアリング業務とAI(ユースケース紹介) 類似形状検索AI CAD図面の類似部品検索 ・クラスタリング分析を用いて、多数の設計部品の形状特徴を捉え、 3D形状データを分類 ・過去データの類似品検索を容易にすることで流用設計の効率化を実現 ・不具合のデータベースと紐づけることで、形状を基に不具合情報の可視 化が可能 ・見積作成時の設計/資材担当での過去図面探索効率化を図り、工数 削減を実現 類似度に応じて形状を提案 自動グループ分け 3D形状認識 ・形状を展開形状の様に広げ、サーフェスやサーフェス間のつながりを 形状特徴量として捉え、3D形状を分類 ・局所的な形状の探索も得意

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18 © DENTSU SOKEN INC. エンジニアリング業務とAI(ユースケース紹介) 類似形状検索AI ユークリッド空間で 形状特徴量から算出された 各形状の距離から類似性を判断 別データベースにて 故障履歴と紐付

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19 © DENTSU SOKEN INC. エンジニアリング業務とAI(ユースケース紹介) 自動メッシュAI → 3D形状認識AI+メッシュ自動化ツールで柔軟な自動メッシュ作成 3D形状認識AI 探索形状に対する メッシュロジック定義 局所的な形状を3D形状認識AIで取り出し その他は全体的なメッシュ自動化を組み合わせ 従来より柔軟な自動メッシュ作成を実現

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20 © DENTSU SOKEN INC. まとめとお知らせ まとめ ◼ 電通総研でのエンジニアリングAIのユースケース ➢ 形状生成AI ➢ 類似形状探索AI ➢ 自動メッシュAI お知らせ ◼ エンジニアリング領域に対するAI適用のご相談をお待ちしております ◼ 会場にてブース展示も行なっております。ぜひお気軽にお尋ねください

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21 © DENTSU SOKEN INC. アンケートご回答のお願い 本セッションに関してアンケートのご回答をお願い致します。 ご回答後に本セッションのPDF資料がダウンロード頂けます。

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