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© LayerX Inc. LLM as プロダクト開発のパワードスーツ 2025/04/16 三津澤サルバドール将司 (CPO / CTO @ LayerX Fintech事業部)

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© LayerX Inc. 2 ⾃⼰紹介 三津澤 サルバドール 将司(@MasashiSalvador) LayerX Fintech事業部 / CPO兼CTO DeNA → eureka → 起業(失敗)→ Gunosy → LayerX 2022年よりFintech事業部、個⼈向け資産運⽤サービ スALTERNAの⽴ち上げ、2024年4⽉よりCPO/CTO SF作家 / ⽇本SF作家クラブ会員 ※2025年夏頃『宇宙⼤将軍侯景SFアンソロジー 梁は 燃えているか』刊⾏予定

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⽬次 Agenda ● LayerXのFintech事業部とは ● LLMをパワードスーツとして使う #とは? ○ 事例をいくつか紹介 ● 今後取り組みたいこと

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LayerXのFintech事業部とは

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© LayerX Inc. 5 LayerXのFintech事業部とは (MDM = 三井物産デジタル‧アセットマネジメントについて)

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© LayerX Inc. 6 取り組んでいる社会課題:「投資したくても、できない」

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© LayerX Inc. 7 私たちのアプローチ:⼀部のプロ投資家だけがアクセスしていた商品を、多くの⼈に開放する

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© LayerX Inc. 8 MDMの事業構成

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© LayerX Inc. 9 ALTERNAの強み どうやって作っているか : ● 自社プロダクトの強み(技術優位性、 UI/UX、コンパウンド等) ● 将来展望・ロードマップ:数年後の目指す姿(新機能開発、 API、データ活用)

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© LayerX Inc. 10 MDMのプロダクト〜個⼈向け〜 どうやって作っているか : ● 自社プロダクトの強み(技術優位性、 UI/UX、コンパウンド等) ● 将来展望・ロードマップ:数年後の目指す姿(新機能開発、 API、データ活用)

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© LayerX Inc. 11 過去の募集案件 どうやって作っているか : ● 自社プロダクトの強み(技術優位性、 UI/UX、コンパウンド等) ● 将来展望・ロードマップ:数年後の目指す姿(新機能開発、 API、データ活用)

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© LayerX Inc. 12 過去の募集案件

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© LayerX Inc. 13 デジタル証券業界の牽引する存在へ どうやって作っているか : ● 自社プロダクトの強み(技術優位性、 UI/UX、コンパウンド等) ● 将来展望・ロードマップ:数年後の目指す姿(新機能開発、 API、データ活用)

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© LayerX Inc. 14 ⼟台となる知識の上に、様々な領域にテクノロジーを適⽤し、顧客体験の向上を⽬指す 良い資産運⽤体験を実現するためのtoCの体験構築とAI-DX Fintech事業部のプロダクトマネジメント グロース UX改善 法令対応 新商品 掲載 セキュリ ティ向上 業務シス テム開発 新サービ ス開発 AI-DX 分析 / マーケティングの知識 法令等の知識 / 証券業務の知識 品質保証 / セキュリティの知識 toCのUI/UX ユーザー数増加 資産運⽤額の増加 信頼性向上 ファンド組成/管理コストの低減

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LLMをパワードスーツとして使う #とは?

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© LayerX Inc. 16 パワードスーツは⼈間が「着⽤」して筋⼒を増強する形態 で、重量物の持ち運びや⾛る、跳ぶといった、⼈間として の動作を強化‧拡張する⽬的で使われる (ref: wikipedia) 視点や、頭の使い⽅を替え なければできないコメント やフレームワークの適⽤を 瞬時に実⾏できる ⼤量の情報を⼀度に 「⾒て」処理可能 データ / ソースコード / 仕 様書 / テストケース / 法令 等 / UI を⼀度に、細かく処 理したり変換したりできる 視点(コンテキスト)のス イッチが容易 画像を⼊れてね 知のパワードスーツとしてのLLM LLMをパワードスーツとして使う #とは?

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© LayerX Inc. 17 「うにゃうにゃ」=専⾨知を持ちながら、知的な作業を頑張ること LLMを”装着”すると知の「うにゃうにゃ」を突破できる LLMをパワードスーツとして使うとは? データ 分析結果 新しい仕様 影響範囲を考慮した 良いテストケース 新しい企画/商品 法令上の要請

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© LayerX Inc. 18 分析プロセスは「分析の頭」への切り替えと、探索的な解析(データとにらめっこ)の時間が必要だが.. 事例(1): 分析の「うにゃうにゃ」、LLMでなんとかなりませんか? 事例紹介(1): ⼿間のかかる分析をCursorを使って楽に実⾏する 課題定義 仮説⽴案 データ抽出/解析 結果の解釈 理想 課題 定義 タスク1 現実 データ 抽... タスク2 タスク3 データ 抽... タスク4 タスク5 タスク6 データ 抽... 「データの出し⽅は...SQLで...」 「この前どこまでやったっけ...」 「やっぱこの前のデータ じゃアカンか.. 」

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© LayerX Inc. 19 複雑なSQLは取り扱いが⼤変 / 分析コードを書き捨てるのはそれなりの⼿間 データ抽出は「うにゃうにゃ」系で時間がかかる作業である 事例紹介(1): ⼿間のかかる分析をCursorを使って楽に実⾏する 使い回せるクエリ / スクリプトにしたい.... CROSS JOINしないとだっけ? 集計の期間指定は? 中間集計するにはどうすれば... / スプシのがはやくね? 変数名どうしよ... 分析結果

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© LayerX Inc. 20 元データ → 分析結果をCursorで作ったプログラムで実現する 事例紹介(1): ⼿間のかかる分析をCursorを使って楽に実⾏する 全ユーザー.csv 全申込.csv 全投資商 品.csv 各商品ごとに、購⼊者の中のリピーターの割合を分析 0回 全体 100 1回 2回 購⼊者 購⼊率 20 20% 200 20 10% 50 3 5% ※商品が常に購⼊できるわけではないので、SQLだとやや複雑になる

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© LayerX Inc. 21 inのデータとoutの表から、LLMは間のロジックを考えられる 事例紹介(1): ⼿間のかかる分析をCursorを使って楽に実⾏する 最初のプロンプトは事細かに分析のやり⽅を指⽰ 「ほぼプログラミング じゃないっすか(笑)」 と指摘を受ける → 「そ れはそうだな...」となる 出⼒されたコードも微妙 に要件を満たさない ※指⽰がややアホ.. このプロンプトで⼀ 発OK → ワイの事細かな指 ⽰はいらんかったん や... その他、SQLだと複 雑な集計処理も同じ ⽅式でシュッと出せ ることがわかった inとoutの表だけ指定

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© LayerX Inc. 22 誰かの「詳しい知識」に依存した仕組みは安定的に回すのが難しい 事例(2): 品質保証の「うにゃうにゃ」をLLMで解決できないか? 事例紹介(2) 影響範囲の⾒積もりをCursor等で⾏なう 新しい商品/仕様 影響をカバーした テストケース 「プライマリの新しい商品Xだ と、⼿数料の扱いが変わる」 詳しいエンジニアが実装差分を ⾒て、テストケースをレビュー or QA担当者が商品性の違いや、 QA経験を元にテストケースを拡 充 取引によらない共通基盤の動作 確認をカバーしたテストケース

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© LayerX Inc. 23 コンテキストにコードベース全体と差分を⼊れ、影響範囲を考察させる LLMの「読み取り能⼒」を活かして影響度の把握を⾏なう 事例紹介(2) 影響範囲のレビューをCursor等で⾏なう 【結果】 ● システム固有の場合分けなどを考慮して観点 を指摘してくれる ○ (例)「セカンダリ取引(売買)の取 引報告書の⼿数料表⽰に影響」 ○ 良い指摘が得られる確率は50%ぐらい ● Cursorの操作が若⼲⼿間 ○ Github Copilotやdevinでできるとよさ そう。devinは差分検知に難あり ● エンジニア視点で実装/仕様上の罠をテキス トで渡しても精度はそれほど変わらず

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© LayerX Inc. 24 ⾦融商品をALTERNAに掲載するまでには、ミスの許されない様々なドキュメントワークが存在 事例(3): ファンド組成の「うにゃうにゃ」をLLMで解決できないか? 事例紹介(3): 多岐にわたるドキュメントワークの「知的単純作業」をLLMの⼒を使って楽にする 契約書A 組成までに都度更新の⾛るド キュメント群 情報(決算⽇)が変更→すべて のドキュメントを直す。100 ページ超の契約書類か修正箇所 を発⾒‧⽭盾を検知 終わった頃にまた更新が来る→ 更新を都度把握して、契約への 影響を把握する 正しさが担保された届出書に基 づく商品 有価証券届出書 タームシート (鑑定価格など) ファンド/⾦融商品

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© LayerX Inc. 25 事例紹介(3): 多岐にわたるドキュメントワークの「知的単純作業」をLLMの⼒を使って楽にする

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© LayerX Inc. 26 事例紹介(3): 多岐にわたるドキュメントワークの「知的単純作業」をLLMの⼒を使って楽にする

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© LayerX Inc. 27 事例紹介(3): 多岐にわたるドキュメントワークの「知的単純作業」をLLMの⼒を使って楽にする

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© LayerX Inc. 28 その他:個⼈のLLM活⽤は進⾏、組織だった取り組みは今後の課題 その他の取り組み アンケートの分析 投資家向けアンケート(⾃由記述含む)の分析 / 潜在顧客を含むお客様インタビューの結果の分析 法令/ガイドライン の要件の整理 notebookLMに法令/ガイドラインなどを⼊れて参照を容易に 要件/論点洗い出し 新機能や交付書⾯などについて、各種法令‧監督指針等を参照し、必要な要件を洗い出す 解約理由の分析 CSが⾃由記述部分について分析をし、改善案についてLLMから提案を受ける 施策⽴案 PdMが設定した様々なペルソナからのFBを受け取る / 壁打ちを⾏なう デモ作成 PdMがv0等を利⽤して要件を満たすデモサイトを作成 ドキュメント作成 Devin Wikiでエンジニア/PdMオンボ⽤のドキュメントが⾃動⽣成される

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今後取り組みたいこと

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© LayerX Inc. 30 今後取り組みたいこと LLM as パワードスーツを”全員装着” プロダクト開発内/外の⼈間の能⼒を、想像⼒の外側へ ● “装着”することで専⾨家並の能⼒を獲得させたい ○ データ → 分析結果 / ダッシュボード ○ 企画 → UIのパターン出し / UI実装 ○ 仕様 → 法的な要件や観点の洗い出し ○ VoC / 仕様 → インサイトや潜在的問題点の提案 ● 現状は簡単に”装着”できないのでなんとかしたい ○ Cursor / ChatGPT / Claude Desktopは⼀⻑⼀短 ○ MCPの設定やプロンプトやメモリーの共有はそ れほど簡単ではない ○ プロセスやテキストの型化と、⼈間が介在する 場所を明確に定義する必要性

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© LayerX Inc. 31 We’re hiring 【Fintech】ソフトウェアエンジニア(AI-DX) JD URL: https://open.talentio.com/r/1/c/layerx/pages/98655 担う役割 ‧LLMを業務に組み込むための開発や各種技術調査 (Word等のフォーマットへの理解を含む) ‧ファンド組成部⾨の社内関係者を巻き込んだ仕様調整‧策定、効率化⽅針の提案 - Webアプリケーションの開発‧運⽤経験 3年以上 - API設計経験、フロントエンドの開発経験、⼀定以上の規模のサービスにおけるDB設計経験 - 未知の分野に対する積極的な学ぶ姿勢 必須となる経験/スキル 業務内容 - Typescript, AWSを中⼼としたプロダクト開発 - LLMを業務に組み込むための開発や各種技術調査 (Word等のフォーマットへの理解を含む) - ファンド組成部⾨の社内関係者を巻き込んだ仕様調整‧策定、効率化⽅針の提案 - 公募ファンド組成業務、特に契約書や有価証券届出書の作成業務や、候補案件の選定‧取得判断プロ セスなどのドメイン知識習得