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地方自治体業務あるある アナログ最適されていないかチェック編 総務省地域情報化アドバイザー 石塚

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デジタルを活用した効率化が注目されますが、地方自治体にはまだまだ当たり前 にアナログ前提となっている業務が残っています。 それ自体は過去の先人達が「その時点の」ツールを活かして業務をやりやすくし ようと考えてくれた結果である場合も多々あるはずで、良いとか悪いとか単純な 評価はできませんが、問題は「今」その場にいる人たちが「今の」ツールを使っ てよりよく仕事を改善していくことも阻害する風潮があることです。 本スライドは、知らず知らずのうちに自分が「アナログ最適」に染まっていない かチェックしていただくために作成しました。

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残業ストリームが多発する件 【事象】 上司がこういう資料やデータを欲しがるかもしれないから「念のため」作ってお こうという会話をよくする。 【注意】 事業の目的やKPIがあいまいな時に起こる事象。 仕事や作業のゴールを設定できないことが残業の嵐を引き起こします。

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普通に業務量算定がおかしい件 【事象】 処理するのに1件あたり5分かかる申請書(←当然紙)が1日100件来るとしたら、 申請翌日までに処理するには8人以上必要ですね。え?3人しかいない?(;’∀’) 【注意】 上記はあくまで例ですが「3人で回せるような仕組み」を考える前に残業前提で お仕事を考えている場合は、大いなる組織的リスクをはらんでる可能性があるの で注意しましょう。

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ペーパーフルな件 【事象】 1日に10回以上はプリンターで紙を出力するのが日常。 【注意】 事務処理ミスは紙にされた資料で多く起こります。 ほんとに紙に出さないといけないのか一度立ち止まって考えましょう。 上司に求められた場合は「これ紙で出さないと死ぬんですか?」と聞いてみましょう。

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マン to マン to マシンインターフェースな件 【事象】 出退勤は紙のタイムカード or 出勤簿にハンコでしょ?。 【注意】 勤怠管理や就業時間調査などは目視か手作業でデータ化ですか…。 それが人件費(税金)の無駄になっていないか考えてみましょう。

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アメニモマケズな件 【事象】 気象警報が出ても職場に行くのは当たり前でしょ。 【注意】 リアル以外の働き方が存在しないと起こる現象。 危機管理部門の職員は別として、無駄な社会的リスクを減らすためにも一般職員 は自宅待機の方が社会のためによくないですか…。

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フェイス to フェイスが好きすぎる件 【事象】 会議の調整時に「いつこちらにお越しになれますか」と普通に言う。 【注意】 対面以外の会議を経験したことがない人によくある現象。 「物事を決めるには顔を突き合わせないとダメ」とかもよく使う台詞。 リアルの会議に掛かるコストはオンラインの何倍ですかね…。

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他人の痛みは100年経ってもわからない件 【事象】 窓口で市民が15分以上待っている光景は日常。 【注意】 自分が担当する窓口でその市民を対応する時間は短いかもしれないですが、肝心 のその市民には関連手続も含めたらどれくらい負担や時間的コストが掛かってい るのか想像するくらいはしましょう。

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規則で決まっていると思考がロックされちゃう件 【事象】 条例施行規則に定められた様式がめっちゃある。 【注意】 様式が定められている場合でもやり方次第でデジタルへの置き換えは可能と思わ れますが、古参職員ほど「様式で決まってるんだから紙でもらうのが当たり前だ ろ」となりがちで、いずれ「老害」と呼ばれるようになります。

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日銀Pay以外は使えない件 【事象】 事業者への支払いは請求書による口座振替一択。 【注意】 クレジットカード?なにそれ美味しいの?となっている。 Googleとの契約など想像したこともないのでしょう…。

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地方公務員は例外なく地方公務員法第31条に基づき以下のような宣誓を行います。 「公務を民主的且つ能率的に運営しなければならないという責務を深く自覚する とともに、市民の奉仕者であることを認識し、法令、条例、規則及び規定を順守 し、誠実且つ公平に、良心に従って職務を執行することを固く誓います。」 この中で「能率的に」という言葉が最も忘れられがちと感じます。 ツケを未来に残さないためにも、常に改善・効率化の視点が欲しいところです。