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1 Confidential 従業員エンゲージメント向上のための 人事データ活用 〜課題設定のポイント〜 2021/7/14 @Schoo

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2 岩田 翔平 / Shohei Iwata 株式会社メルカリ HR Operations Manager 人事プロセスを構築する HRISと人事データを活用する HR Data Managementをマネジメントし、HR Techの 導入、Employee Experienceの改善、人事データ分析 基盤の構築等を推進 前職では複数の転職サイトの PdMを経験。オンボーディ ングやレコメンド、NPSの改善等を担当

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3 そもそもデータ分析とは? 本日お話したいこと 人事データ分析の3つの壁とその乗り越え方 従業員エンゲージメントがなぜ重要か カギを握るのは「Xデータ ✕ Oデータ」 02 03 04 01 +α データドリブンな人事組織をつくるために 05

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4 事業展開 メルカリグループは、株式会社メルカリとその連結子会社で構成されています

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5 ミッション、バリュー 新たな価値を生みだす世界的な マーケットプレイスを創る Go Bold, All for One, Be a Pro

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6 カルチャー Trust & Openness 信頼し合うことを前提としたオープンなカルチャー ■ 過度にルールを作って縛ることはしない ■ 情報は基本的にオープンになっている ■ 自ら考え、行動し、決断する責任が求められる カオスな環境であっても、 変化を柔軟に受け入れるオープンさ を持ち併せる

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7 US 2014 Japan 2013 Portland Palo Alto Sendai Fukuoka Tokyo Number of Employees 1700+ Globally Boston メルカリHRの置かれている状況 (1/3) 急速な組織の拡大

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8 40ヵ国 約 50% 約40ヵ国以上からの 社員が集まっている メルカリ東京オフィスの エンジニアリング組織の 約半数は外国籍 メルカリHRの置かれている状況 (2/3) 組織の多様性の高まり


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9 メルカリHRの置かれている状況 (3/3) コミュニケーションの変化 ハイコンテクスト ・似た経歴のメンバー ・暗黙知の共有 ・個別判断 ・空気を読む ・単一言語 ローコンテクスト ・多様性のあるメンバー ・形式知の共有 ・ガイドラインに基づく判断 ・わかりやすさ(データ・論理) ・やさしい英語・日本語

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10 メルカリHRに求められる役割 急速な組織の拡大、組織の多様性の高まり、コミュニケーションの変化 データをもとにした 意思決定とコミュニケーション、プロセスの設計

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11 そもそもデータ分析とは? 本日お話したいこと 人事データ分析の3つの壁とその乗り越え方 従業員エンゲージメントがなぜ重要か カギを握るのは「Xデータ ✕ Oデータ」 02 03 04 01 +α データドリブンな人事組織をつくるために 05

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12 そもそもデータ分析とは? 課題 分析問題 意思決定 数値解 ①見つける ②解く ③使わせる 参考文献:河本 薫 , 会社を変える分析の力

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13 そもそもデータ分析とは? 課題 分析問題 数値解 「②解く」だけがデータ分析と捉えられることが多い 本来は「①見つける〜②解く〜③使わせる」の一連の流れすべて を行うことで、データ分析の価値が発揮される ①見つける ②解く ③使わせる 参考文献:河本 薫 , 会社を変える分析の力 意思決定

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14 そもそもデータ分析とは? 本日お話したいこと 人事データ分析の3つの壁とその乗り越え方 従業員エンゲージメントがなぜ重要か カギを握るのは「Xデータ ✕ Oデータ」 02 03 04 01 +α データドリブンな人事組織をつくるために 05

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15 人事データ分析の3つの壁 1. データ分析の進め方に共通理解がない → プロダクトやファイナンスにおける当たり前がない 2. 筋の良い分析問題(仮説)を見つけられない → 変数が多く、仮説の設定難易度が高い 3. 数値解を意思決定に活かすノウハウがない → 影響の予測・コントロールが難しい

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16 1. データ分析の進め方に共通理解がない フレームワークを使って共通理解を図る プロダクトやファイナンスなどに比べ、まだ データ分析〜意思決定が定着していない領域 だけに前提となる共通理解を図ることが重要 「分析フレーム」や「レポートサイクル」、 「データ定義」など、フレームワークを使っ て関係者とすり合わせを行う

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17 フレームワークを使って共通理解を図る 課題 分析問題 意思決定 数値解 フレームワークを使って共通理解を図る ①見つける ②解く ③使わせる

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18 2. 筋の良い分析問題(仮説)を見つけられない 課題を理解している人と仮説を立てる 当たり前のようだができていないケースは意外 と多い。人事課題であればHRBPやマネージャ ーなど組織運営に役割と責任があり、課題とそ の原因に仮説を立てられる人と連携する 「課題、分析問題、数値解、意思決定」のドラ フトを用意しておき、課題を理解している人と すり合わせを行ってから分析をはじめるとスム ーズに進められる 課題のテーマ 背景/課題 xxxx 仮説 xxxx 解きたい問題 xxxx

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19 課題を持っている人と仮説を立てる 課題 分析問題 意思決定 数値解 課題を理解している人と仮説を立てる ①見つける ②解く ③使わせる

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20 3. 数値解を意思決定に活かすノウハウがない 小さく試して大きく展開する プロダクトにおけるA/Bテストのように、まずは 小さく試して効果が出たものを大きく展開してい く方法を取る 例えば特定の部門やチームにパイロットしてもら い、導入前後の変化をみる定量データに加えてア ンケートやインタビュー等で定性データを組み合 わせることで、大きく展開することが可能かどう か判断する

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21 小さく試して大きく展開する 課題 分析問題 意思決定 数値解 小さく試して大きく展開する ①見つける ②解く ③使わせる

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22 3つの壁の乗り越え方 課題 分析問題 意思決定 数値解 課題を理解している人と仮説を立てる フレームワークを使って共通理解を図る 小さく試して大きく展開する ①見つける ②解く ③使わせる

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23 そもそもデータ分析とは? 本日お話したいこと 人事データ分析の3つの壁とその乗り越え方 従業員エンゲージメントがなぜ重要か カギを握るのは「Xデータ ✕ Oデータ」 02 03 04 01 +α データドリブンな人事組織をつくるために 05

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24 従業員エンゲージメントがなぜ重要か ● 従業員エンゲージメントとは、 「従業員の企業への共感度合い」 ○ 従業員が自社の戦略に納得し、商品に 愛着を持ち、同僚との連帯感を高め、 すばらしい行いをしたくなる関係性や環境 ● 顧客体験を提供するのは従業員自身 ● すぐれた顧客体験を生み出し、事業 成果の最大化を図るためには強固な 従業員エンゲージメントが不可欠 顧客 体験 事業 成果 従業員 エンゲー ジメント

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25 従業員エンゲージメントを把握・向上させるための取組み ● 3ヶ月に一度、“Employee Engagement Survey” を実施。組織と個人のコ ンディションを把握し、パフォーマンスを発揮するためにブロッカーとなっている ポイントを特定する ● 「自分の知人や友人に、メルカリで働くことを薦めることができる (0〜10)」という eNPS (Employee Net Promoter Score)を用いて、従業員エンゲージメント を把握

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26 そもそもデータ分析とは? 本日お話したいこと 人事データ分析の3つの壁とその乗り越え方 従業員エンゲージメントがなぜ重要か カギを握るのは「Xデータ ✕ Oデータ」 02 03 04 01 +α データドリブンな人事組織をつくるために 05

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27 カギを握るのは「Xデータ ✕ Oデータ」 X(Experience)データ:eNPSのスコアやコメントなどの従業員の声 O(Operational)データ:様々なタッチポイントで蓄積される人事データ 入社 オンボー ディング 業務 育成 評価 異動 退職

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28 カギを握るのは「Xデータ ✕ Oデータ」 X(Experience)データ eNPSスコア/コメント, 職務のやりがい, 成長 機会の実感, マネジメントへの信頼, コミュニ ケーション, D&I環境 など O(Operational)データ 部門/職種/役職, グレード, 性別/言語, 在籍期 間, 保有スキル, 評価 など ✕ エンゲージメントと最も相関のある「成長機会」を 強化する施策をセグメントごとに展開 “個の成長実感 ”が組織を強くする〜メル カリがTrust & Opennessにコーチングを 推進する理由とは〜 “斜め上の経営陣 ”がメンター、やり方はメ ンバーが決める ──メルカリ新メンタリング 施策の手応え

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29 従業員エンゲージメントを向上させていくサイクル 課題 分析問題 意思決定 数値解 課題を理解している人と仮説を立てる → HRBPと共に課題・仮説を設定 フレームワークを使って共通理解を図る → 改善サイクルを関係者と合意・協力 小さく試して大きく展開する → 特定組織から全社へ展開 ①見つける ②解く ③使わせる

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30 そもそもデータ分析とは? 本日お話したいこと 人事データ分析の3つの壁とその乗り越え方 従業員エンゲージメントがなぜ重要か カギを握るのは「Xデータ ✕ Oデータ」 02 03 04 01 +α データドリブンな人事組織をつくるために 05

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31 +α データドリブンな人事組織をつくるために 1. 人事プロセス&データグループの立ち上げ 2. 人事データの民主化 & ガバナンス強化 3. 採用・異動による必要なケイパビリティの獲得

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32 1. 人事プロセス&データグループの立ち上げ すべての施策のベースとなる人事データが正しくインプットされるなめらかなプロセス を構築し、意思決定を効果的に行えるデータをアウトプットする ミッションの達成を人事データ活用で支える HR Operations HR Information System HR Data Management

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33 人事データ活用のステップ データ分析・活用の高度化を見据え、プロセス構築とシステム化に投資 6. アクションレコメンド 5. 統計/機械学習分析(予測分析) 4. クロス分析(要因分析) 3. 可視化(単年集計/経年比較) 2. システム化 1. プロセス構築

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34 2. 人事データの民主化 & ガバナンス強化 組織運営に関わる幅広い役割の人たちがデータを見て課題に気づきアクションでき るよう、人事データの民主化を推進。同時にデータが適切に活用されるよう、ガイドラ インの策定と浸透も実施

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35 3. 採用・異動による必要なケイパビリティの獲得 People Analytics HRIS Specialist Project Management Data Engineer チームの長期的なビジョンを描き伝え、それを実現できるよう必要なケイパビリティを 持った人材に採用・異動によって仲間になってもらう

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36 (さいごに)一緒に働く仲間を募集しています! 募集中の職種はキャリアサイトからご確認ください! 👉 https://careers.mercari.com/