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2019/10/04 witch&wizards inc. 森 雄哉

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自己紹介 森 雄哉 witch&wizards inc. 代表取締役 仕事:デザイナー/プロダクトオーナー 製品開発/マーケティング/組織開発 スキル:制約理論(TOC)/アジャイル/カ ウンセリング/コーチング/ファシリ テーション/コピーライティング 興味:システム思考/認知科学/文化人 類学

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出たよ!『アジャイルコーチからのアドバイス』 企画本『アジャイルコーチか らのアドバイス』に寄稿しま した。 書籍名で検索してみてくださ い〜。

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4 目次 ・1on1勉強会の目的 ・多頻度なミーティングは世界的トレンド ・1on1におけるリーダーとマネージャーのジレンマ ・プレーヤーとの両立が困難 ・日本企業の趣のある謎風習が息苦しい ・オープンディスカッションしよう ・明日からできる1on1のテクニック ・ふりかえり ・アンケート

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多頻度な ミーティングは 世界的トレンド 5

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多頻度ミーティングの目的 リテンション(採用や退職) 不満足から起きる退職を防止する 質の高いリファラル採用を増進する 能力発揮 満足 仕事と適正のマッチング 悩みの整理 自分らしく働けているか 能力向上 QCD+ケイパビリティ 個人の能力向上 チームワークという働き方を学ぶ 短期から長期にかけてのキャリアを認識する

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メンバーを助ける 1on1への経緯 「半期に一回の一方的な評価面談」から 「週一から月一の双方向のフィードバックや支援」に変化 1on1とは 「多頻度な対話を用いてメンバーを助けるマネジメント」 1on1でキーポイント ・チームという相互依存的な働き方で、メンバーがどう行動し たらよいかをメンバーが学べるように支援する ・チームメンバーが答えのない仕事にモチベーション高く仕事 に取り組み続けられるよう支援する

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マネージャーやリーダーが答える必要のある2つの問い 1.チームという相互依存的な働き方で、メンバーがどう行 動したらよいかをメンバーはどう学ぶ? 2.チームメンバーが答えのない仕事にモチベーション高く 仕事に取り組み続けるにはどうしたらいい?

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ジレンマ1 10

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ジレンマ1 時間がかかるため プレーヤーと 両立できない 11

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3.自分の仕事が終わらなくなる 1on1の実施時間 例:準備1h + 実施1h + アフターフォロー0.5h x 人数 5人なら2.5hx5の12.5時間 10人なら2.5x10の25時間 1on1以外の会議時間 1日あたり平均3時間会議している。週15時間。 ※KDDI社による会議時間の調査 毎週1on1を実施する場合 5人部下の場合、1on1と会議で27.5時間。 10人部下の場合、1on1と会議で40時間。 1on1と会議で一週間終わる 1on1は時間がかかる。プレーヤーとの両立が難しい

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3.自分の仕事が終わらなくなる その他、時間を取られる要素 ・会議室予約調整 ・1on1をメンバーとセッティング ・会議室枯渇問題 ・1on1の導入が全社で始まったりしていると、会議室が枯渇す る問題が出てくる。カフェに異動して行われることもあるが移動 時間が取られる。 1on1は時間がかかる。プレーヤーとの両立が難しい

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1on1受ける側の不満 1on1を受ける側(例えば部下側)の時間を取られて不満 特に受ける側が1on1に効果を感じていないと、時間が取 られてしまっていると感じてしまう。 ・仕事を進めたいのに1on1のせいで進まない。 ・自分の課題が明確な優秀なメンバーほど、より不満が 高まる。

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ここまでまとめ 1on1をするとプレーヤーとして働ける時間はどうしても 限られてくる。プレイングマネージャーという働き方は難 しくなる。

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解決の方向性 一気に変えようとせずに、少しずつ土台を固めていく ・1on1のスループットにかかわらないところにかける時間を減ら して、時間的、心理的な余裕を作る。文房具などを集めた1on1セ ットなど。業務量の削減や業務改善をする。 ・プレイヤー型かマネジメント型か、働き方の方向性を決めてい く。戦士型か支援型か。注意なのが、日本の職能制度とは噛み合 わない。歴史ある大企業、または2010年以前に人事制度を構築し た会社とは噛み合わない可能性が高い。

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ジレンマ2 17

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ジレンマ2 日本企業の趣ある 謎風習が息苦しい 18

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日本企業の趣ある謎風習が息苦しい ・同僚を助けない ・遅刻に厳しく、退社時間に緩い ・台風なのに定時出社にものすごく執着する ・取引会社との会議で、自分よりも下の役職の人が相手だと怒り出す ・出身大学を気にして、どんな専攻や何を学んできたのかに関心が薄い ・大学院が評価されない ・新卒一括採用 ・大部屋執務 ・終身雇用 ・軍隊みたいな職能資格制度 ・天下り ・社外よりも社内競争の方が激しい ・マネジメント専門の認識が乏しい

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日本企業の趣ある謎風習が息苦しい 出典 https://twitter.com/m_t0mt0m/status/1170687954521481216

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900

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日本企業の 謎風習を 解き明かす 22

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日本企業史 150年 ふりかえり

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駆け足で 24

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 日本は20世紀初頭まで 超格差・超差別社会 官使と民で50倍以上給与に差がある。 報酬を今の基準の20万に例えると、官庁は800万。しかも一般人の収入は 安定収入ではなかったので、年間の差が大きい。官は一日3時間しか働かな いけど、民は一家総出で働く状態。 大臣職年俸6000円、日雇い労働者年収72円(月27日労働)

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身分差別 ・キャリア 年収1億2000万円(6000円) ・ノンキャリア 年収300万円(150円) ・日雇い 年収150万円(72円) 『踊る大捜査線』©フジテレビジョン 『踊る大捜査線』©フジテレビジョン

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 慶応、早稲田、明治といった大学が10校、認定。超エリート校。 1918年に卒業が3月に統一され、エリートの新卒一括採用が加速しまし た。それまでは卒業は7月だったりばらばらだったのです。 桜が入学と卒業の代表とする樹であるのはこの一世紀の文化、それも超エ リートだけでしたので、一世紀もない文化だったわけです。

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 1920年ごろになると、定期収入という概念が一部広まっていきます。定 期収入というのは月給のことです。それまで働く人の収入は不定期でし た。 ただ、この時点では月収はエリートに限られています。世間の定期収入、 月給という概念も一世紀満たない概念です。

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 第二次世界大戦に向けて、職業選択の自由はな くなり、軍需産業からの要請もあり賃金統制令 が敷かれ、初任給が統一されます。 そして大戦が始まり、負けます。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 アメリカの人たちが復興支援します。 労働組合の奨励が行われ、僅か数年で3万組合 が生まれました。この時代、多くの労働者が兵 役経験者です。つまり軍隊制度の知識や体験が 共通基盤としてあるわけです。 初任給統一 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 日本軍がなぜ負けたのか、組織的な失敗をなぜ しつづけたのかを研究した『失敗の本質』があ ります。日本軍の管理職は敗戦に伴って、企業 の管理職層に転職していき、その傾向を継承し ていきます。 初任給統一 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 ところが大不況が訪れます。ここで大企業がこ ぞって20%〜30%の大解雇をします。実は解 雇規制はまだなかったわけです。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 このとき30年あまりで大学として認められた 学校は220校まで増えました。20倍です。 ほとんどが私立です。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 大量解雇によって、労働者と会社の対立が激化して、大 労働争議が十数年にわたって行われます。労働組合によ る交渉、ストライキなどです。 今の私たちからすると大規模かつ長期的です。労働者の ストライキによって工場停止が数ヶ月、一年間続くこと が起きました。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 この当時も身分差別は非常に強く、エリートと下々との間には断絶があ りました。労働争議において身分差別の撤廃が極めて強く求められ、十 数年に渡る労働者の運動によって身分差別が撤廃されていきます。 要因として、この当時は根強い身分差別が続いていたのですが、敗戦に よって身分関係なく誰もが貧しくつらい日々という共通体験あったのも 撤廃につながりました。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 日本はどの学校を出ていても幹部候補を除き、学歴が同じであれば配属 後のスタートは同じという慣行があります。これも「どの学校の出身だ からいくらに値する」という差別の撤廃の運動によるものです。 つまり個性のないような新卒一括採用とは、それまでの身分差別撤廃の ために差が出ないようにするための非常に大胆な文化的変化でした。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 日本史上初、身分差別の撤廃 つまり身分による超格差、超差別社会が近代日本史上初めて撤廃された のです。これにはもう一つ大きな要因があります。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 日本史上初、身分差別の撤廃 敗戦より天皇が人になり、 神の使いだった官吏が弱く 敗戦によって、天皇が現神(あらひとがみ)が人になりました。今ではそ の感覚が分かりませんが、天皇は神さまでした。イエス・キリストみた いな伝説級の人だったわけです。 長く続いた超格差・差別社会も、神に使える人と、そうでない人との差 別だったわけです。天皇が人になることで、官吏の神性も剥がれたわけ です。

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どれだけ頑張ろうが身分 の壁は越えられなかった 今や皆平等、皆貧乏 スタート地点は同じ 頑張るほど偉くなれる 43

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大競争 時代到来

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 目標管理の時代 身分差別の撤廃 職能資格 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 一気に今の日本を形づくる制度が作られます。 あまりに行きすぎた平等もあって、年齢だけが給与の基準になることも あったようです。社長よりも年配の社長運転手の方が給与が高い、みた いな。いろいろ試行錯誤もありつつ、大競争時代によって高度成長期に 入っていきます。頑張るほど生活が豊かになる時代です。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時 代 第一次世界大 戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 目標管理の時代 身分差別の撤廃 職能資格 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 73年 石油ショック 基本給(年功+職能) ただ陰りが1973年の石油ショックによって見えてきます。それまで人生のス テージに合わせて給与額が支払われる生活給という概念でした。この年代から年 功に加えて職能、つまり能力で給与が決められるようになってきます。多くの大 企業が職能資格制度を導入する時期となりました。 能力で評価するというのは聞こえはよいですが、実は能力評価は経営陣がコント ロールできます。つまり人件費の決定権でした。年齢やライフステージは操作で きない。能力評価は操作できる。この操作による人件費の抑制が目的でした。そ れまでの年功や家族構成による給与は経営陣にはコントロールできず、どんどん 人件費が右肩上がりになってしまっていたからです。

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 目標管理の時代 身分差別の撤廃 職能資格 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 73年 石油ショック 基本給(年功+職能) 高度成長期の終わり 大企業の規模拡大の停滞 大学認定400校 定期人事異動の全社化 高度成長期が止まります。同時に大企業の規模拡大が止まります。大企 業に勤める正社員人数が増えなくなったということです。 1970年代〜2019年まで大企業に勤める正社員の人数はほぼ変わって いません。 認定された大学は400校まで増えました。国立大学はほんの僅かで、ほ とんどが私立大学。そして7割が文系です。

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 目標管理の時代 身分差別の撤廃 職能資格 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 73年 石油ショック 基本給(年功+職能) 高度成長期の終わり 大企業の規模拡大の停滞 大学認定400校 定期人事異動の全社化 ポスト枯渇 管理職率41% 非正規雇用化 バブル崩壊 そしてバブル崩壊。大企業は既に規模を拡大できなくなりました。でも 出世競争している人たちはいるわけです。企業はヒエラルキーが上がる につれて、役職は少なくなる。なにが起こるか。ポスト不足です。 このころ管理職は41%を占めていました。大企業はどこも管理職ばかり の会社になってしまっていました。実は行政でも同様のことが起きてい ます。 かといって新卒を正社員として雇ってはさらに人件費が増えてしまう。 でも会社規模の成長が止まっているので正社員は増やせない。つまりい つでも辞めさせられる非正規雇用で対応していくことになります。

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 目標管理の時代 身分差別の撤廃 職能資格 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 73年 石油ショック 基本給(年功+職能) 高度成長期の終わり 大企業の規模拡大の停滞 大学認定400校 定期人事異動の全社化 ポスト枯渇 管理職率41% 非正規雇用化 バブル崩壊 大量の団塊ジュニア 高卒就業者の就職困難 大学進学率増加 7割が役職 課長か部長 加えて、大量の団塊ジュニア世代が大学を卒業するタイミングと重なり ます。それまで新卒は100万人だったのが130万人に増えました。 大会社の成長は止まっているので、さらなる雇用増は無理でした。就職 氷河期の到来です。バブル崩壊もひとつの要因でしたが、企業がそもそ も正社員を雇うことができなくなっていたことも大きな要因です。 大学生が溢れ、それまで高卒就業者が働く仕事に大学生が就職するよう になりました。高卒就業者は仕事を奪われるようになり、仕方なく大学 へ進学するように。大学進学率増加です。高学歴化といいつつ、先延ば しだったのです。

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 目標管理の時代 身分差別の撤廃 職能資格 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 73年 石油ショック 基本給(年功+職能) 高度成長期の終わり 大企業の規模拡大の停滞 大学認定400校 定期人事異動の全社化 ポスト枯渇 管理職率41% 非正規雇用化 バブル崩壊 大量の団塊ジュニア 高卒就業者の就職困難 大学進学率増加 制度疲労 7割が役職 課長か部長 つまり、差別撤廃による平等からはじまった競争によって日本は豊かに なったが、成長が止まり、競争に入れない人たちが出てきた。制度疲労 です。 しかし解雇はできないので新卒雇用を止めるだけでは間に合わない。ポ ストが足りない。どうする?

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 目標管理の時代 身分差別の撤廃 職能資格 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 73年 石油ショック 基本給(年功+職能) 高度成長期の終わり 大企業の規模拡大の停滞 大学認定400校 定期人事異動の全社化 ポスト枯渇 管理職率41% 非正規雇用化 バブル崩壊 大量の団塊ジュニア 高卒就業者の就職困難 大学進学率増加 制度疲労 7割が役職 課長か部長 人事考課の強化 人格評価による選別 人事考課が無制限に強化されていきます。要は人格評価です。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤 廃 学校差別撤廃 目標管理の時代 身分差別の撤廃 職能資格 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 73年 石油ショック 基本給(年功+職能) 高度成長期の終わり 大企業の規模拡大の停滞 大学認定400校 定期人事異動の全社化 ポスト枯渇 管理職率41% 非正規雇用化 バブル崩壊 大量の団塊ジュニア 高卒就業者の就職困難 大学進学率増加 制度疲労 7割が役職 課長か部長 人事考課の強化 人格評価による選別 遅刻に厳しく、退社にゆるい謎風習 「遅刻に厳しく、退社時間に緩い」など、企業にとって都合のよい謎の 風習は、誰を昇進させるかを悩みに悩み抜いた末の苦し紛れの結果でし た。これが定着していきます。 初任給統一

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2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 長年続く超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大量生産の時代 第一次世界大戦 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 定期収入=月給 年功の導入 第二次世界大戦 労働組合結成の奨励 戦後労働者は兵役経験者 大不況 大企業による大量解雇 大学認定220校 大労働争議時代 企業停止の頻発 身分差別撤廃 学校差別撤廃 目標管理の時代 身分差別の撤廃 職能資格 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 73年 石油ショック 基本給(年功+職能) 高度成長期の終わり 大企業の規模拡大の停滞 大学認定400校 定期人事異動の全社化 ポスト枯渇 管理職率41% 非正規雇用化 バブル崩壊 大量の団塊ジュニア 高卒就業者の就職困難 大学進学率増加 制度疲労 7割が役職 課長か部長 人事考課の強化 人格評価による選別 遅刻に厳しく、退社にゆるい謎風習 役職差による給料差20% 昨今も働き方改革などを通して様々な不平不満はでていますが、20世紀 前半までの日本の歴史に比べると、ものすごく平等になりました。50- 70倍の格差が、 数倍程度の差になったわけです。大企業の社長でも年 収3000万。大企業の社員の平均給与は700万なので4倍程度。非常に 平等になりました。 ただ出世レースに入れない人、フリーターや非正規雇用者との格差は広 まりつつあります。

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ざっくり 55

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56 長年続く超格差・差別社会

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57 長年続く超格差・差別社会 天皇が人に、神の使いの力が弱まる

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58 長年続く超格差・差別社会 日本史上初の身分差別の撤廃 天皇が人に、神の使いの力が弱まる

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59 長年続く超格差・差別社会 日本史上初の身分差別の撤廃 大競争時代の幕開け 天皇が人に、神の使いの力が弱まる

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60 長年続く超格差・差別社会 日本史上初の身分差別の撤廃 大競争時代の幕開け ポストがない! 同期を蹴落とせ! 天皇が人に、神の使いの力が弱まる

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61 長年続く超格差・差別社会 日本史上初の身分差別の撤廃 大競争時代の幕開け ポストがない! 同期を蹴落とせ! 人格評価時代! 台風でも出社だ! 天皇が人に、神の使いの力が弱まる

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62 長年続く超格差・差別社会 日本史上初の身分差別の撤廃 大競争時代の幕開け ポストがない! 同期を蹴落とせ! 人格評価時代! 台風でも出社だ! このまま不確実性適応時代に突入 天皇が人に、神の使いの力が弱まる

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大学認定220校 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 大不況 大企業による大量解雇 大労働争議時代 企業停止の頻発 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 職能資格 大量生産の時代 目標管理の時代 不確実性適応の時代 定期収入=月給 高度成長期の終わり 大企業の規模拡大の停滞 役職差による給料差20% 年功の導入 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 労働組合結成の奨励 身分差別撤廃 身分差別の撤廃 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 戦後労働者は兵役経験者 ポスト枯渇 管理職率41% 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 73年 石油ショック 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 大学認定400校 7割が役職 課長か部長 学校差別撤廃 基本給(年功+職能) 定期人事異動の全社化 非正規雇用化 大量の団塊ジュニア バブル崩壊 高卒就業者の就職困難 大学進学率増加 人事考課の強化 遅刻に厳しく、退社にゆるい謎風習 長年続く超格差社会 制度疲労 第一次世界大戦 第二次世界大戦 人格評価による選別 過去の制度疲労を精算しないまま、不確 実性適応の時代に入っているのが現状で す。 初任給統一

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よくよく考えると… 64

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企業の売上は不安定 なのに給与は安定し て上がり続ける 年功序列や終身雇用 65

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企業の売上は不安定 なのに給与は安定し て上がり続ける 年功序列や終身雇用 継続不可能な制度 66

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人件費コントロールのための身分格差 ・キャリア 年収1億2000万円(6000円) ・ノンキャリア 年収300万円(150円) ・日雇い 年収150万円(72円) 『踊る大捜査線』©フジテレビジョン 『踊る大捜査線』©フジテレビジョン

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はじめた頃の 人が得をして 後発が損を 引き受ける

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累積的な 社会制度負債が

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累積的な 社会制度負債が 国も企業も 苦しめる

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2019年に もどって考える 71

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それぞれの年代の人 いつ20代を過ごし てきたか? 72

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73 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 今何歳? 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 生まれ

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74 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 今何歳? 2020 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 20代の 年代 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 生まれ 身分差別の撤廃 大競争時代 制度疲労

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75 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 今何歳? 2020 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 20代の 年代 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 生まれ 経営陣、政治家 中間管理職、部長職 中間管理職、課長職 中間管理職、係長 経営陣、政治家 身分差別の撤廃 大競争時代 制度疲労 今の役職

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76 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 今何歳? 2020 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 20代の 年代 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 生まれ 経営陣、政治家 中間管理職、部長職 中間管理職、課長職 中間管理職、係長 経営陣、政治家 身分差別の撤廃 大競争時代 制度疲労 今の役職 現役の壁 マネジメント スタイルのモデル

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77 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 今何歳? 2020 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 20代の 年代 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 生まれ 経営陣、政治家 中間管理職、部長職 中間管理職、課長職 中間管理職、係長 経営陣、政治家 身分差別の撤廃 大競争時代 制度疲労 今の役職 現役の 意思 決定層 現役の壁 マネジメント スタイルのモデル

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78 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 今何歳? 2020 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 20代の 年代 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 生まれ 経営陣、政治家 中間管理職、部長職 中間管理職、課長職 中間管理職、係長 経営陣、政治家 身分差別の撤廃 大競争時代 制度疲労 今の役職 現役の 意思 決定層 現役の壁 マネジメント スタイルのモデル

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日本企業史と各年代 の人が何を体験して きたのかを踏まえて 風習を読み解こう 79

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日本企業の趣ある謎風習が息苦しい ・同僚を助けない ・遅刻に厳しく、退社時間に緩い ・台風なのに定時出社にものすごく執着する ・取引会社との会議で、自分よりも下の役職の人が相手だと怒り出す ・出身大学を気にして、どんな専攻や何を学んできたのかに関心が薄い ・大学院が評価されない ・新卒一括採用 ・大部屋執務 ・終身雇用 ・軍隊みたいな職能資格制度 ・天下り ・社外よりも社内競争の方が激しい ・マネジメント専門の認識が乏しい

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助けない日本人 日本人は欧米人に比べて、職場の同僚が困っていても助けない。 ノウハウや情報を教えない傾向にある。 2001年の調査 職場の仲間が困っているときに助け合う 欧米企業 YES 78% NO 7% 日本企業 YES 48% NO 31% 自分のノウハウを進んで仲間に教えるか 欧米企業 YES 87% NO 3% 日本企業 YES 50% NO 25% 出世競争が厳しすぎた

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社会人以降、勉強しない日本人 社会人以降、自己学習をなにもしていない人は46%。 社外の研修に自主参加したら、評価を下げられた。 ・自分の時間で勉強する同僚は危険。抜け駆け出世の抑制 ・定期人事異動制度、キャリアは会社が決める 上司がコントロールできないことへの 危機意識…部下に脅威を感じてしまう

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遅刻に厳しく、退社に緩い ・遅刻に厳しく、退社時間に緩い ・台風なのに定時出社にものすごく執着する人。オジサン ほどヤバい。 社内競争が厳しく、かつ定量評価をつくれなかったので人 格評価をすることになった。上にアピールしやすい行動が 効果的に。 昇進のための人格評価ハック

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天下り 管理職割合は41%。 ポストが詰まって昇進できないから、追い出してる。 子会社作って出向させるのも同様。 ポスト詰まりの苦し紛れ対策

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軍隊みたいな職能資格制度 戦後の主要な労働者や組織作りの経験者が兵役経験者だっ たから。つまり軍隊を元にしている。 リファレンスが軍の階級制度

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終身雇用 戦後、大不況から発した大企業の20%~30%解雇の反動。 ただし解雇の代わりに定期人事異動制度が根付いた。 アメリカやドイツなど欧米では、他の職務に人事異動は基 本的にはありえない。 日本では営業->経理や、工場作業員->デスクワークみたい なそれまでの経験や適性を無視した配属がありえてしまう 。

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出身大学を気にして、どんな専攻や 何を学んできたのかに関心が薄い 身分差別撤廃、出身大学差別の撤廃による、 新卒平等スタートの名残。

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大学院が評価されない 70%の大卒が文系。意思決定層が皆大卒。みな一斉スター トで専門が評価されてこなかった。 入社後の頑張りを評価してきた。 また意思決定層が高い専門性を評価できな い。

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みんなプレイングマネージャー 純粋なマネジメント業務のみを行うマネージャーは2.7% マネジメント専門職採用や教育機会がなく、マネジメント の専門家がいない。 自分の上司のマネジメントスタイルや中学高校の先輩後輩 の関係がそのままマネジメントスタイルになっている。 マネジメントの専門家がいない

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大部屋執務 みんな平等で、職務制度が根付かなかった。仕事の境界が あいまいで上司でも部下でも同じ仕事をわちゃわちゃ行っ た。 プレイングマネージャーに拍車をかけている。 平等、広い部屋でわちゃわちゃ

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日本人の性格に 帰属する現象は ひとつもない 91

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日本企業の謎風習とは 構造が作り上げた 人為的な結果と 想定外の結果との 思わぬ合成物

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この状況下で、 マネジメント しなければならない 93

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94 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 今何歳? 2020 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 20代の 年代 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 生まれ 経営陣、政治家 中間管理職、部長職 中間管理職、課長職 中間管理職、係長 経営陣、政治家 身分差別の撤廃 大競争時代 制度疲労 今の役職 現役の 意思 決定層 現役の壁 マネジメント スタイルのモデル

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隙あらば醸し出る 「失敗の本質」に どう抗うか 96

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日本企業の趣ある謎風習の中でのリ ーダーシップとマネジメント 過去の風習のコンテキストで意思決定する経営陣。 過去の風習から負債だけを味わい続けてきているコンテキ ストで反発する若い世代。 この世代に挟まれた中でリーダー業務やマネジメントをす る必要がある。

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この状況下で どのようにリーダー 業やマネジメント業 をする? 97

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おまけ 文学視点 98

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大学認定220校 2010 2000 1990 1980 1970 1960 1950 1940 1930 1920 1910 1900 〜1900 大不況 大企業による大量解雇 大労働争議時代 企業停止の頻発 官庁の年功昇進、終身雇用、定期人事異動、新卒一括採用、大部屋執務、出身学校選別 職能資格 大量生産の時代 目標管理の時代 不確実性適応の時代 定期収入=月給 高度成長期の終わり 大企業の規模拡大の停滞 役職差による給料差20% 年功の導入 官庁と民の身分差別 劣悪な労働 超格差社会 民間の新卒一括採用の始まり 大学認定 慶応、早稲田、明治など十校 18 卒業は3月へ統一 エリートの新卒一括採用の定着 労働組合結成の奨励 身分差別撤廃 身分差別の撤廃 月給が一般化 生活給(年齢+家族) 戦後労働者は兵役経験者 ポスト枯渇 管理職率41% 大競争時代 解雇規制 年功昇進 縦の社会移動の実現 73年 石油ショック 一般人の新卒一括採用定着 終身雇用 大学認定400校 7割が役職 課長か部長 学校差別撤廃 基本給(年功+職能) 定期人事異動の全社化 非正規雇用化 大量の団塊ジュニア バブル崩壊 高卒就業者の就職困難 大学進学率増加 人事考課の強化 遅刻に厳しく、退社にゆるい謎風習 長年続く超格差社会 制度疲労 第一次世界大戦 第二次世界大戦 人格評価による選別 初任給統一 身分差別を是とした作品が多い (官吏につく親族への無心は当然) 身分差別を是とした 作品が少ない