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がん医療の発展を⽀えるデータ基盤 close the care gap、医療情報共有化の重要性 ~IT/情報システムはどのように貢献できるか~ 2024/02/04 医療情報部 副部⻑ 鈴⽊ ⼀洋 2024 Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. World Cancer Day 2024

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治療は、がんの進⾏度(ステージ)に応じた標準治療を基本として、 本⼈の希望や⽣活環境、年齢を含めた体の状態などを総合的に検討し、 担当医と話し合って決めていきます。 Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 2 電⼦カルテから科学的根拠を抽出するには︖︖︖ 出典:がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/hyojunchiryo.html 電⼦カルテ 臨床試験、治験 ⽇常臨床 ・電⼦カルテ=「⽇記帳」 → ⾃由記述 ・⾃由記述 からどうやって 科学的根拠 を抽出︖

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【このときの作業】 レシートを⽬視で確認 → まとめ直し → 家計簿へ記⼊ ・⽇付 ・合計⾦額 ・使途(⼤雑把な分類) ・スーパーの名前 Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 3 レシートをみながら家計簿をつける ⽇付 ⾦額 ⽀払先 使途 2024.02.04 26,789 有明マーケット ⾷費 2024.02.04 3,217 有明マーケット ⾐料品・その他

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Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 4 レシートをみながら家計簿をつける ⽇付 ⾦額 ⽀払先 使途 2024.02.04 26,789 有明マーケット ⾷費 2024.02.04 3,217 有明マーケット ⾐料品・その他 ⽇付 ⾦額 ⽀払先 使途 2024.02.04 3,217 有明マーケット ⾐料品・その他 2,428 ⾐料品 789 学習⽤品 【このときの作業】 レシートを⽬視で良く確認 → まとめ直し → 家計簿へ記⼊ ・⽇付 ・分類ごとの⼩計を計算 ・使途を細かく指定 ・スーパーの名前

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Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 5 データ項⽬ 値 性別 男 年齢 77歳 併存症 気管⽀喘息、脂質異常症 既往歴 左副腎腫瘍(神経鞘腫) ⼿術(2011.03) 病名 原発性肺癌 部位 右上葉 病理組織診断 扁平上⽪癌 電⼦カルテ 電⼦カルテに記載した内容 を 提出様式にあわせてまとめ直す 【⾃由記載 → 構造化】 医療データの収集も「まとめ直し+転記」作業 提出様式 【項⽬】【値】 構造化 の例 1施設よりも多施設︓科学的根拠としての説得⼒↑ 医療情報の共有化は重要︕︕︕

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Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 6 医療データの収集も「まとめ直し+転記」作業︓個別のフォーマット 電⼦カルテ 全国がん登録 NCD 治験 各々異なる ・データのフォーマット ・提出タイミング まとめ直し → 転記 まとめ直し → 転記 まとめ直し → 転記 まとめ直し → 転記 診療情報 管理⼠ 医師 / 診療情報 管理室 医師/CRC 医師 / データ マネージャ 臓器別がん登録

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7 電⼦カルテ データ管理PC 診療系ネットワーク 左側に電⼦カルテ、右側にデータ管理⽤PC ・対象リスト ︓⼿書き台帳 / Excel等で作成(⼿作業) ・データ項⽬︓⽬視で転記 電⼦カルテ ⼀度は電⼦カルテに記載した内容 接 続 Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 後⽇あらためて整理しながら転記 医療データの収集も「まとめ直し+転記」作業 ⼈ 海 戦 術

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Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 8 医療データの収集も「まとめ直し+転記」作業 ・働き⽅改⾰ ・働き⼿不⾜ ・データの質の担保 ・⼊⼒フォーム整備 ・IT化 ・(半)⾃動化

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9 1)⼊⼒フォーム(テンプレート)の整備︓最初から構造化 初診 術前カンファレンス Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved.

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10 1)⼊⼒フォーム(テンプレート)の整備︓最初から構造化 ⼿術所⾒ Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved.

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11 1)⼊⼒フォーム(テンプレート)の整備︓最初から構造化 退院要約 Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved.

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12 2)IT化・(半)⾃動化 初診 術前 ⼿術記録 術後/退院サマリ 病理 フォローアップ/再発 ⼀連の データを 1件の症例 として集約 術前の検体検査 D B Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. ⼊ ⼒ フ ォ | ム

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13 2)IT化・(半)⾃動化 200-400項⽬の80% → 3秒で⾃動転記 ⽬視転記︓10-20分 Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 胃外科DB画⾯ 電⼦カルテ

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14 3)データベースのデータを⾃動変換出⼒ NCD National Clinical Database 臓器別 全国がん登録 がん診療連携拠点病院 院内がん登録 データベース (半)⾃動転記 Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. フォーマット変換 ⼿作業 ↓ システム 各々異なる ・データのフォーマット 個別に変換定義を作成 システムでデータ変換 【労⼒削減】 フォーマット変換 ⼿作業 ↓ システム フォーマット変換 ⼿作業 ↓ システム 電⼦カルテ

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Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 15 課題 システム開発体制の維持・発展 システム開発者の確保 ・医療情報のシステム開発者 ︓ ほとんどが企業所属 ・システム開発業務 ︓ 病院で適切な職種設定がない ・がん研有明病院︓ 医療情報部 データベース開発室 ・新卒で採⽤、院内で育成 (企業で新卒を技術者として育成するように)

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Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 16 ⽇本企業では、 「全社的なデータ利活⽤の⽅針や⽂化がない」 「データ管理システムが整備されていない」 「⼈材の確保が難しい」 といった項⽬が課題であることが分かる。 (中略) ⽇本企業においても組織的な対策が望まれる。 図表14-4︓データ整備・管理・流通の課題について尋ねた結果である。 データ利活⽤に関する課題︓IPA DX⽩書2021より ■医療機関においても同様の課題 > 特に⼈材確保・育成が課題 ■多くの医療機関が対応の困難さを実感 > セキュリティ、DX 出典:IPA DX⽩書2021 https://www.ipa.go.jp/ikc/publish/dx_hakusho.html

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Copyright(c) 2024 Cancer Institute Hospital. All Rights Reserved. 17 電⼦カルテから科学的根拠を抽出するには︖︖︖ 電⼦カルテ ・電⼦カルテ=「⽇記帳」 → ⾃由記述 ・⾃由記述 からどうやって 科学的根拠 を抽出︖ 全国がん登録 NCD 治験 臓器別がん登録 システム も ヒト も育てる 明⽇の医療を⽀える新たな知⾒ 今⽇のカルテ情報