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現場で活かそう! オープンソースの活用法 1 「ならAIラボ」オープンデイ・セミナー 2021年1月

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自己紹介
 ● 本業:岡山県内の農機具メーカー の生産技術 ○ 自動化設備・生産治具の設計・製作、現場カイゼン          (ラダー、 Python、C++) ○ 社内向け業務ソフト開発( C#, SQL Server) ● コミュニティ ○ 瀬戸内ROS勉強会 (設立&岡山主催) ○ NervesJP (設立メンバ) ○ IoTALGYAN (岡山支部長) myasu
 @etcinitd @trihome 2 @myasu

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お伝えしたいこと 1. 製造現場での活用例 2. 「オープンソース」で作ること(と覚悟) 3. コミュニティを活用しよう&貢献しよう 3

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今回の主役を簡単に紹介します 1. Raspberry Pi 4

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小型パソコン Raspberry Pi ● イギリス生まれの、教育用コンピュータ ● HDMI出力、USBポート、無線LAN、有線LAN ● 価格:8£(約1200円)~ “Raspberry Pi Zero W” “Raspberry Pi 3 b+” (写真:Switch Science, raspberrypi.org) 65mm Linux等のOSが使える 5

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小型パソコン Raspberry Pi ● デジタルの入出力ポートを装備 ● 電子工作、組み込み機器などの業界でも普及が進む 6

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Raspberry Pi をこんな所に使ってます 2. わたしの活用例 7

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背景 勤務先の工場の製品・・・農機具(農業で使う道具・設備) 「季節に合わせた製品」を「多品種・少量生産」するのが特徴 ・「多品種・少量生産」→年間約250機種。生産期間は最短3日~最長4ヶ月 ・「季節に合わせた」 →次回の生産は、来年の同じ季節・時期 8

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製造現場のカイゼン 勤務先の農機具工場・現場のリーダの相談・・・ ● ちょっとしたデータ収集、ポカよけ ● 多くの費用は掛けられない ● カイゼン失敗→仕様変更→リトライ(の繰り返し) 9 (写真:いらすとや)

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製造現場のカイゼン 勤務先の農機具工場・現場のリーダの相談・・・ ● ちょっとしたデータ収集、ポカよけ ● 多くの費用は掛けられない ● カイゼン失敗→仕様変更→リトライ(の繰り返し) 産業向け(FA)機器は便利だけと、ちょっと試すには高価・・・  →どんな効果が出るか(効果の見極め)が見えにくい 趣味で使い慣れた Raspberry Piを活用して、試作してみよう! 10 (写真:いらすとや)

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製造現場のカイゼン 作例1:部品の取り間違いを防止する「ポカよけ」装置 ● ”ポカ” ○ 組立作業での部品の取り間違い(微妙な仕様違いなど) ● 作業者の慣れに期待したいが・・・ ○ 農機具:生産数少ない ○ 生産する期間は、短いときで1日~長くても2週間。 ○ 次の生産は来年。作業者の入れ替わり ● 製品の生産期間が短く・・・ ○ 作業手順書、チェックシートの作り込みがしにくい ○ 設備投資の費用回収も難しい 11 (写真:いらすとや)

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製造現場のカイゼン 作例1:部品の取り間違いを防止する「ポカよけ」装置 ● 部品を取り上げる順番を、ランプの点灯で誘導 12 ランプ付き
 ボタン
 (写真:IDEC) 左から点灯、ボタンを押したら次を点灯

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製造現場のカイゼン 13 ランプ付き
 ボタン
 様々な部品の
 入った箱
 作例1:部品の取り間違いを防止する「ポカよけ」装置 実物の写真

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製造現場のカイゼン 作例2:生産中の作業時間を計測 ● 限られた生産スペースでの、“多品種少量生産” ○ 毎週のように生産ラインを立ち上げ・解体を繰り返し ● 作業者の慣れに期待したいが・・・ ○ 農機具:生産数少ない ○ 生産する期間は、短いときで1日~長くても2週間。 ○ 次の生産は来年。作業者の入れ替わり ● 作業に”慣れ”にくい。生産のペースが掴みにくい 14 (写真:いらすとや)

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製造現場のカイゼン 15 多品種少量に対応:セル生産 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セ ル 生 産 部 品 ス ト ア 出 荷 各々ストップウォッチを持って、時間を測定

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製造現場のカイゼン 16 多品種少量に対応:セル生産 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セ ル 生 産 部 品 ス ト ア 出 荷 ボトルネックを”見える化”→作業カイゼン ボトルネック

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製造現場のカイゼン 17 多品種少量に対応:セル生産 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セ ル 生 産 部 品 ス ト ア 出 荷 作業中にいちいちストップウォッチで 計っていられない!

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製造現場のカイゼン 18 多品種少量に対応:セル生産 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セ ル 生 産 部 品 ス ト ア 出 荷 ● 各工程の作業が 1サイクル終わるたびに ボタンを押す ● 作業時間が自動的に 履歴に残る

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製造現場のカイゼン 19 測定データの履歴を 画面に残している 工程1    工程2    工程3   ・・・

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製造現場のカイゼン 20 現場で不要に なった画面を
 活用
 イレクターパイプ で筐体組み
 RaspberryPiと周 辺回路を
 収めた制御盤
 バッテリーレス
 無線スイッチ
 高さ約1.4m
 実物の写真

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製造現場のカイゼン 21 バッテリーレス
 無線スイッチ
 工程1(ボタン1) 工程2(ボタン2)  工程3(ボタン3) ・・・ 無線スイッチ使用で 煩わしい配線無し (シュナイダーエレクトリック製) 
 https://www.proface.com/ja/product/commu_equip/wireless_p ushbutton/top
 
 (写真:シュナイダーエレクトリック)

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設備稼働の見える化 作例3: ● 加工設備の稼働状態は以前から手作業で集計 ○ 自動化のため、加工設備メーカに相談・・・高過ぎて気軽に手が出せない ● (2年くらい前?)旭鉄工さんの作例を思い出した ○ 「安価な部品を使って試作」した記事 ○ 積層表示灯(シグナルタワー)などを検知して設備の状態を把握 ○ 似たような仕組みが作れないか? 22

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設備稼働の見える化 23 高さ約500mm
 実物の写真

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設備稼働の見える化 24 NC複合旋盤に観測装置を設置 機械加工 設備 測定装置

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設備稼働の見える化 25 収集したデータを 集計して表示

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Raspberry Piと産業機器の連携 3. 製造現場で 活用する工夫 26

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産業用途で使われる機器 ● FA機器 (Factory Automation) ● スイッチ、ランプ、センサーなど ○ 誘導電動機、空圧・油圧機器、ガス、液体・・・ ● 頑丈! ○ 少々荒い使い方をしても、壊れない ● 電源、基本はDC24V ○ あるいはAC100V, 200V, 三相・・・ ○ マイコンなど電子機器と繋げるには、一工夫必要 27 (写真:Panasonic, IDEC, PATLITE)

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産業用途で使われる制御機器 ● PLC (プログラマブル ロジック コントローラ) ○ 安いものだと1万円程度から ○ 入出力10点くらいから ○ 20年くらいは販売が継続 ○ ネットワーク無し。オプションで+ 2万円くらい ○ オプション付けると色々出来る。けどあっという間にン十万円(!) ● タッチパネル ○ モノクロ3インチで2万円弱から ○ カラー15インチで30万円以上(!) (耐障害性、安定性、長期供給は保証) 28 (写真:Siemens, DIGITAL)

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工場の現場からの要望 必ず言われること → ”モニター”が欲しい ● 作業の状態を見える化 ● 図面やチェックシートなどの検索・閲覧 ● 離れていても見やすい となると、大型のモニターがどうしても欲しい・・・(タッチパネルは高価 Raspberry Pi + 安価な液晶モニターの組み合わせで解決しよう! 29 (写真:いらすとや)

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RaspberryPi を PLCっぽく使う PLCの考え方を取り込んでみよう!     モジュールを追加して機能拡張する概念→ ● RaspberryPiにFA用機器を直接接続する ○ 電圧の違い(3.3V ~ 24V)を相互変換する機能 ● 機能拡張しやすい仕組み ○ Seeed社のGROVE System 30 CPU IO AD Ether ・・・
 (写真:Siemens, Seeed Studio)

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小型パソコン Raspberry Pi ● デジタルの入出力ポートを装備 ● 電子工作、組み込み機器などの業界でも普及が進む そのままFA機器は取り付けできない 31

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センサの信号
 FA機器とRaspberryPiの接続 32 (写真:Siemens, DIGITAL) 用センサなど
 用表示灯など
 で動作する機器
 
 Vで動作する部品
 フォトカプラで
 電気的に絶縁
 フォトカプラで
 電気的に絶縁
 トランジスタ
 アレイで
 電流増幅
 表示灯の信号
 表示灯を点灯
 センサの信号


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FA機器とRaspberryPiの接続 33 (写真:Siemens, DIGITAL) 用センサなど
 用表示灯など
 で動作する機器
 
 Vで動作する部品
 GPIO24V~3.3V
 レベル変換 &RTCユニット
 (ユニバーサル基板で自作)


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FA機器とRaspberryPiの接続 34 (写真:Siemens, DIGITAL) 用センサなど
 用表示灯など
 で動作する機器
 
 Vで動作する部品
 GPIO24V~3.3V
 レベル変換 &RTCユニット
 (基板を作った)


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FA機器とRaspberryPiの接続 GitHubで回路図・ガーバーデータを公開してます https://github.com/trihome/RasPi_PiFA 35 GPIO24V~3.3V
 レベル変換 &RTCユニット


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GROVE Systemの活用 豊富なデバイスとアクセサリの恩恵 ● 4線式でシンプルな規格 ● 主要マイコン(Arduinoなど)向けIFも豊富 オープンな規格、”無ければ作る!” ● Seeedの基板製造サービスも活用 36 (写真:Seeed Studio) 自作のGrove互換モジュール→


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GROVE Systemの活用 こちらも、GitHubで回路図・ガーバーデータを公開 https://github.com/trihome/Grv_FAModules ● 絶縁IO、エキスパンダー ● (準備中)CTセンサアンプ ● (準備中)シグナルタワー点灯検知 ● (準備中)簡易UPS            37 自作のGrove互換モジュール→


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いきなり自作は難しい・・・ CQ出版社の雑誌「Interface」2020年9月号~ を活用 38 (写真:CQ出版社、秋月電子) ラズパイ
 でPLC


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いきなり自作は難しい・・・ 市販の拡張ユニットを活用 ● ビット・トレード・ワン ○ リレー制御拡張基板 ○ https://bit-trade-one.co.jp/product/module/adrsru/ ● ラトックシステム ○ 入出力(デジタル・アナログ) ○ https://www.ratocsystems.com/products/rasppi.html 39 (写真:ビット・トレード・ワン、ラトックシ ステム)

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機能比較 40 PLC Raspberry Pi 記述言語 ラダー Python, Ruby, C, C++ ... ”RUN中書き込み” できる できない デジタル入出力の電圧 24V 3.3V→別途24V変換必要 操作者に対する 入出力機器 FA用タッチパネル 液晶モニタ マウス、キーボード 電源の操作 いきなり入・切OK シャットダウンの操作必要

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「PLC x “Raspberry Pi”」 ● 横河電機・e-RT3 Plus ○ Ubuntu Linuxがそのまま動作 ○ 横河電機PLC機器と連携容易 ● ハーティング・RevPiシリーズ ○ 産業向けRaspberry Piを搭載 ○ PLCと同じようにIO拡張可能 41 (写真:横河電機、ハーティングページ) https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-platforms/ control-system/real-time-os-controller/

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その他の機器 ● M5Stack ○ マイコンボード+画面+ボタン+ IO+・・・ ○ Grove System並の豊富なセンサー類 ○ FA向けの拡張オプションも徐々に充実 ● Degu Degu Project (open-degu.com) ○ Grove Systemを直結できる(主にセンサー) ○ AWS、Microsoft Azure(クラウド)のデータ連携 42 (写真:SwitchScience、アットマークテクノ)

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ソフトウェアの話し 制御ソフトウェアの選び方 43

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PLCの言語 ● ラダー言語 ● 実行を止めずにプログラム書き換え ● 変数のリアルタイムモニタ ● ソースコードは丸ごとPLCのメモリに保存 ● シリアル通信、Ethernetとか扱うと、ちょっと大 変 44

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Raspberry Piの言語 RaspberryPiのOS → Linux (UNIX)ベース ● ソフトウェアPLC ○ CODESYS ○ OpenPLC ● プログラミング言語 ○ Python (圧倒的なWebの情報量) ○ C/C++言語 ○ Elixir、Rust、・・・(その他多数) 45

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Pythonライブラリ ● GPIO端子の制御 ○ Rpi.GPIO、pigpio ○ 入力イベント取得:GPIO.add_event_detect が便利! ● I2C ○ smbus ● Grove ○ 公式のライブラリ:Grove.py ● 見える化 ○ Kivy(GUIの作成)、OpenPyXl(Excelシートに出力) ○ plotly(グラフの作成) 46 (写真:Seeed Studio、Plotly Webpage)

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考え方、しくみなどの紹介 4. 製作の実際 47

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作例1:「ポカよけ」装置 作例1:部品の取り間違いを防止する「ポカよけ」装置 ● 部品を取り上げる順番を、ランプの点灯で誘導 48 ランプ付き
 ボタン
 (写真:IDEC) 左から点灯、ボタンを押したら次を点灯

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仕様:作例1 ● 次に使う部品を作業者に教える ○ 部品箱そばのランプを点滅 ● 部品を取ったことを検知 ○ 人がボタンを押す ○ 間違ったボタンを押したら警告 ■ (高速に点滅して「押して欲しい」アピール) ● RaspberryPiの電源管理、RTC時刻保持 49

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全体構成(ハード) 50 ランプ付きボタン
 操作盤
 (押しボタン&ランプ)
 Grove Base Hat for Raspberry Pi
 UPS&電源
 監視ユニット
 作
 業
 者
 入出力数拡張ユニット
 (8ch x4)
 Raspberry Pi
 GPIO24V~3.3Vレベル変換
 本装置のステータス表示
 測定対象
 赤:通信異常など
 青:正常運転
 GROVE
 I2C
 GROVE
 DIGITAL
 GROVE
 I2C
 RTCユニット


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全体構成(ソフト) 51 Python3
 プログラム
 systemd
 電源監視 sh
 RTC/NTP管理 sh
 Picking.service
 時刻合わせ:起動時だけ
 (例:Qiita)
 UPS&電源監視ユニットからの 信号監視 (例:Qiita)
 (起動システム)


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全体構成(ソフト・Pythonプログラム) 52

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作例1 製作中・・・ 53 ボタンボックスの内部
 拡張基板の動作テスト


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作例1 製作中・・・ 54 裏側の配線・・・
 整線後


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作例3:生産中の作業時間を計測 作例3:生産中の作業時間を計測 ● 加工設備の稼働状態は以前から手作業で集計 ○ 自動化のため、加工設備メーカに相談・・・高過ぎて気軽に手が出せない ● (2年くらい前?)旭鉄工さんの作例を思い出した ○ 「安価な部品を使って試作」した記事 ○ 積層表示灯(シグナルタワー)などを検知して設備の状態を把握 ○ 似たような仕組みが作れないか? 55

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仕様:作例3 ● シグナルタワーの点灯状態の検知 ○ 点灯・点滅・消灯の判定(フォト Tr) ● 生産設備の電源の電流値測定(CT) ● 作業者による設備ステータスの入力受付 ○ 自動検知できない事象は人手でボタンを押す ● 測定データをSQL Serverに転送 ○ LAN接続異常時は、ローカルの SQLiteに保存 ● RaspberryPiの電源管理、RTC時刻保持 56

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全体構成(ハード) 57 他(押しボタン&ランプ)
 Grove Base Hat for Raspberry Pi
 UPS&電源
 監視ユニット
 設 備
 Raspberry Pi
 GPIO24V~3.3Vレベル変換
 本装置のステータス表示
 測定対象
 赤:通信異常など
 青:正常運転
 GROVE
 AD変換
 GROVE
 DIGITAL
 GROVE
 I2C
 RTCユニット
 設備の元電源
 フォトトラン ジスタ
 GROVE
 AD変換
 フィルタ・アンプ
 CT


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全体構成(ソフト) 58 ROS nodes
 systemd
 roslaunch
 電源監視デーモン
 RTC/NTP管理デーモン
 roslaunch
 起動スクリプト
 時刻合わせ:起動時だけ
 UPS&電源監視ユニットからの 信号監視


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全体構成(ソフト・Python&ROS プログラム) 59

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作例3 (見える化) 60 設備の運転状態
 始業
 終業
 緑:加工中
 
 黄:段取り中
 当日の部品加工
 実績リスト
 C#.NETで作ったWindowsアプリで、見やすい形に加工
 作業者の状態


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作例3 製作中・・・ 61 GROVE基板への配線
 盤の製作


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作例3 製作中・・・ 62 Raspberry Piへの追加工
 基板の試作


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作例3 製作中・・・ 63 電源にCTセンサを設置
 シグナルタワーへ
 光センサを設置
 CTセンサ
 光センサ x 3
 (フォト
  トランジスタ)


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実際に取り組んでみた感想 ● Pythonで手軽に作成! ○ (豊富なライブラリと Web情報が有り難い! ● 単純な事を見えるようにしただけで・・・ ○ 現場も自分もチョットした気付き  → 改良ネタも出てきた ○ 作例1:時間の長すぎ・短すぎの警告 ■ (作業自体の誤り検知) ○ 作例3:日報の自動入力へ展開 ■ (作業時間、作業内容) ● 使ってもらえる! → 自身のモチベーションアップ 64 !  !


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オープンソースを活用すること 「オープンソース」 ≠ 安価に作れる PLCなどの既存のFA機器で作ると・・・ ● 電気回路やプログラムの定石がある程度決まってる ● 価格の想像がつきやすい(材料費、工賃) オープンソースで作ると・・・ ● 多種多様な選択肢の中から、いろいろな組み合わせ ● 未知なる知識、技術 → 自分で学習 65

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作り込みのなかでの注意点 実際に作ってみたときの課題など 66

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電源 ● RaspberryPiは”パソコン” ○ 必ずシャットダウンが必要 ● 工場現場で”電源のぶち切り” ○ SDカードが壊れて、起動しなくなる可能性大 ○ 自動シャットダウンユニット、 UPSなど必要 ■ 市販品の例:ADRSZUP ゼロワン 電源保持基板 | Bit Trade One, LTD (bit-trade-one.co.jp) ○ SDカードを”読み込み専用”化 ■ 設定例 :Raspberry Pi OSのrootfs ROM 化 67

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周辺環境からの保護 盤(ケース)に必ず入れよう! 68 ● 工場現場での使用 ○ 周辺環境からの保護:オイルミスト、ホコリなど ○ 接触不良の予防(SDカードの電極など) ● ノイズ対策 ○ 金属製の盤への収納、シールド線の使用

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盤のなかみ FA部品を活用して制御盤に仕上げる 69 ●サーキットプロテクタ
  (IDEC、富士電機)
 ●端子台
  (東洋技研、WAGO)
 RaspberryPi
 GROVE Hat
 ●プラボックス
  (日東工業、タカチ)
 ●アルミフレーム
  (NICオートテック)
 ●ゴム足
  (タキゲン)
 ●コンセント
  (パナソニック)
 ●ランプ、スイッチ
  (IDEC、オムロン)
 ●タワー表示灯
 (日恵製作所、
  シュナイダーエレクトリック) 
 ●DINレール、配線ダクト
 (篠原電気)
 300mm
 500mm


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”覚悟”しておくこと 「オープンソース」 ≠ 安価に作れる RaspberryPi本体は安価だけど・・・ ● 周辺機材を購入 → 費用増加 ● Webを調べて得られる情報 → 学習コスト ● 〃得られない情報 → 試行錯誤の工数 ● 全体のシステム設計 → ハード、ソフト、運用の幅広い経験 70 (自分で勉強→スキルアップの一環)学習しながら開発すること!

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次のステップへ 初回は、まずは投資効果の見極めのための試作と考える ● 効果を見極めて ○ 今の仕様を見直して、次の改良へ繋げる ■ 現場要望の機能を追加、不要な機能の削除 ■ より作りやすい設計に更新 ● いざ水平展開となったとき・・・全部自作は大変 ○ 内作する場合・・・応援者の獲得 ○ 投資効果が十分なら、市販品への置き換え。外注で作り直すなども検討。 ■ (自分で学んだ部分  → より洗練された仕様) 71

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オープンソースの情報を得るために 4. 学習するには? 72

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自主学習の情報源 オープンソースの活用 = 自分で勉強 ● 書籍 ● Webページ ● コミュニティ 73

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Webの情報を活用 ● Qiita https://qiita.com/ IT技術が中心、電気系も豊富 ● elchika https://elchika.com/ ● hackster.io https://www.hackster.io/ ● instructables https://www.instructables.com/ (英語です)いろいろな作例豊富 74 (写真:Qiita、hackster.ioページ)

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コミュニティの活用 ● CONNPASS https://connpass.com/ ○ コミュニティ活動のポータルサイト ○ IT系が多いが、モノ作り系も多数あり ○ 有志・企業のグループ ○ 2020年以前は現地に行って参加するものが多数 ○ コロナ事情もあって最近はオンライン開催に・・・ ○ (2020年以降、大変参加しやすくなりました・・・) 75 (写真:CONNPASSページ)

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コミュニティ ● IoT縛りの勉強会! IoTLT ※ https://iotlt.connpass.com/ IoT系の製作事例を多数紹介 ● IoT ALGYAN https://algyan.connpass.com/ IoT技術の講演(日本MS他) ハンズオン→手を動かして作ってみる ※LT:LightningTalk・・・持ち時間5~10程度で多人数が発表する形式 76

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コミュニティ ● FA設備技術勉強会 ○ https://fa-study.connpass.com/ ○ 産業向け技術のLT形式発表 ● NervesJP ○ https://nerves-jp.connpass.com/ ○ Elixir言語(電話交換機制御 Erlangの派生) ○ 産業応用、長期安定運用のトライ、情報交換 77

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コミュニティ ● OSPN(Open Source People Network) https://ospn.connpass.com/ オープン技術全般の発表・情報交換 ● ROS Japan Users Group https://rosjp.connpass.com/ ロボット制御技術ROSの発表・情報交換 78

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コミュニティ ● トランジスタ技術 イベント情報 https://toragi.connpass.com/ ● mbed祭り https://mbed.doorkeeper.jp/ (その他、調べてみると多数あり) 79 コミュニティに参加・・・技術の習得と、人のつながり

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モチベーションアップ 作ったモノをいろいろな人に見てもらおう! 80

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Makerムーブメント 3Dプリンタ、Arduinoなど オープンソースハードウェアの登場 誰もが製造業の起業家に なれる時代(製造業が民主化) 古い大量生産モデルではつくれない、 世界が望む製品をつくれるようになった 81 (写真:MakerFaireTokyo公式ページ)

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Maker Faire 最大のDIYの展示発表会 家族で楽しめる、発明と創造と機知に富む人々が集う Makerムーブメントのお祭り ● 第1回 2005年 アメリカ・サンフランシスコ ● 日本 第1回 2008年 東京 海外(主要):ローマ、パリ、デトロイト、オスロ、バルセロナ、        深圳、台北、モスクワ、シンガポール、タイ・・・ 国内    :東京、大垣、京都、つくば、仙台、浜松 82 (写真:MakerFaireTokyo公式ページ)

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日本国内のモノ作りイベント 83 (独自調べ) :開催継続中
  (これから開催)
 
 :過去実績
 奈良近郊の開催例
 ● MakerFaire京都2021
 ● 浜松MicroMakerFaire2021
 ● 伊勢ギークフェア
 ● NT京都
 ● NT名古屋
 ● NT鯖江
 ● NT金沢
 ● メイカーズバザール大阪


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コンテストに応募 日経BP社 ラズパイマガジン 日経 Linux 日経ソフトウェア 主催 ラズパイコンテスト2017・技術賞 受賞   84 (写真:日経トレンディ)

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学んだことは発信しよう! ● Qiita https://qiita.com/ IT技術が中心、電気系も豊富 ● elchika https://elchika.com/ ● その他 ブログ、Twitter、Facebook、instagram ・・・ 85 (写真:Qiitaページ) はじめはやりにくい・・・でも、是非チャレンジを!

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まとめ ● 身の回りのちょっとした”カイゼン”に当てはめる ○ やりたいことの断片が分かれば → Tips(やり方)が探せる ● 自分で使う、誰かに使って貰う → 次を作るモチベーション  ● 「作りきる」こと! ○ ”Done is better than perfect.” 「多分動くと思うからリリースしようぜ」 ○ 妥協と納得の範囲内での ”品質”を目指そう ● まずは効果を見極め  → 改良の繰り返し、水平展開へ ● モチベーションの向上 → 出展、コンテスト応募 ● 情報を得る側から、発信する側へ →(登壇者Qiita) 86

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有り難うございました 87