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AI駆動時代の 新規事業の作り方 早坂 涼(ryohysk) 2025/05/23 #意思決定プロセス _findy

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⾃⼰紹介 © UPSIDER, Inc. 2 早坂 涼 @ryohysk 株式会社UPSIDER カード事業部CTO 2社でBackendエンジニア‧テックリード → UPSIDERにジョイン後EM → 春からカード事業部CTOに 妻と3歳の息⼦、ポメラニアンがいます

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© UPSIDER, Inc. 3

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“挑戦者”とは?:お⾦の⾯で、⽴場の弱い状況にある企業 © UPSIDER, Inc. 4 幅広いステージで様々な挑戦に直⾯する ● 起業直後、独⽴直後 ● 取引先や銀⾏に信⽤されない、売上の ⼊⾦サイトの交渉で負けてしまう ● 成⻑のアクセルを踏みたいが、お⾦を ⼗分に集められない ● お⾦を正しく管理できず、外部の専⾨ 家に頼らざるを得ない ● 利益を出せたが、税務や資⾦運⽤のこ とに疎く、気づかずに損してしまう ● 採⽤⼒が弱く、財務‧経理の⼈⼿不⾜ に慢性的に困っている ● 事業成⻑に対して、財務‧経理の体制 やプロセス構築に⼿が回らない バックオフィスの 業務効率化 会社全体の 成⻑‧⽣産性 お⾦の⾯で ⽴場の強い企業 お⾦の⾯で ⽴場の弱い企業

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“⽀える”とは?:機能の提供に留まらず、リスクを取って結果を届けることが役割 © UPSIDER, Inc. 5 業界常識を覆す、早くて⼤きいAI与信 ● カード業界で圧倒的に⼤きい与信枠 ● 取引先への⽀払いを⼀時的に⽴て替え ● ⾚字企業に数億円単位の融資 機能の提供で 業務を助けてくれる (知識‧実務者が必要) 業務の実⾏まで 担ってくれる (知識‧⼯数が不要) リスクを 取ってくれない (先にお⾦を払う) リスクを 取ってくれる (信⽤‧資⾦が付く) ⼈とAIの協働で、業務を代わりに実⾏ ● 経費精算や稟議申請をAIが代⾏ ● 取引先への⽀払いをお客様名義で実⾏ ● AIが資⾦繰り計画を作り、銀⾏に連携

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“プラットフォーム”とは?:パートナー(⾦融機関、SaaS、⾏政等)の成功が私たちの成功 ⾦融機関 SaaS企業 ⾏政等 主な事例 資本‧免許 事業機会 課題解決 (⽀える) お客様 (挑戦者) 機能 © UPSIDER, Inc. 6 パートナー 不採算領域の 収益化 顧客単価の アップ 新規施策の 検証‧導⼊

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“創る”とは?:新たな市場を切り開くカテゴリトップの事業のみにフルスイング © UPSIDER, Inc. 7 © UPSIDE R, Inc. 7 法人カード管理サービスで No.1シェア https://up-sider.com/ 請求書あと払いサービスで No.1シェア https://shi-harai.com/ 独立系ベンチャーデット ファンドで日本最大 新市場を開拓・リードする事業(お 楽しみに) https://ai-coworker.up-sider.com/ https://www.upsidercap.com/ すでにできた市場の奪い合い・改善ではなく 新たな市場を開拓し、市場の形成・拡大をリードする事業のみを展開

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UPSIDERが⽬指す社会 どんなステージの経営者にとっても お⾦に関する業務で、不安‧不⾃由のない状態 より挑戦しやすい、挑戦が実を結びやすい社会 © UPSIDER, Inc. 8

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テーマ © UPSIDER, Inc. 9 さて、今回の発表のテーマは 「意思決定」

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問い① © UPSIDER, Inc. 10 唐突ですが、朝⼀番の意思決定なんですか? ● ⼆度寝をするかどうか ● 朝ごはんを⾷べるかどうか などなど 「⼆度寝をしたら朝の会議に遅れちゃうな‧‧‧」 だからここで起きようという意思決定があったはず

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問い② © UPSIDER, Inc. 11 つまり、複数の選択肢の中から意思決定を⽀配するのは 「ルールと前提」

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AIによって⽣まれる選択肢の幅① © UPSIDER, Inc. 12 AIによって増えていく無限の“選択肢” ● ChatGPTによるアイディア出し ● 仕様や実装をAI Agentでやってもらう AIも⼈間も不正確で不確実、ゆえに選択肢が無数にある Agent機能でさえ、導⼊するという意思決定がある

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AIによって⽣まれる選択肢の幅② © UPSIDER, Inc. 13 無数の選択肢から 最終的に決めていくのは⼈間 だから意思決定のプロセスは⼯夫したい

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意思決定のデザイン © UPSIDER, Inc. 14 意思決定は“設計”できる メニューが300種類あるファミレス ラーメン1種類のみのラーメン屋 豊富な選択肢は選ぶ楽しさはあっても、 意思決定に時間がかかる 「味⽟をつけるか」は5秒で決められる

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意思決定をしやすい環境とは① © UPSIDER, Inc. 15 意思決定しやすくするには ● 選択肢を絞る ● プロセスを標準化する ⽇々エンジニアリングをしている皆様は当たり前だと思うかも...

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意思決定をしやすい環境とは② © UPSIDER, Inc. 16 AIや⼈で「どう決めるか」を設計できる⼈が 現時点で市場価値が⾼い

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僕たちが作った新規事業 © UPSIDER, Inc. 17 今回は2025年2⽉に私たちがリリースした新規事業開発 における意思決定を紹介させてください サービス名は 「PRESIDENT CARD」

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僕たちが作った新規事業 © UPSIDER, Inc. 18 UPSIDERが新しく展開したのは、ハイステータスカード

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PRESIDENT CARDとは © UPSIDER, Inc. 19 3ヶ⽉でPRESIDENT CARDという別ブランドを作った UPSIDERカードと対になる ハイステータスカード 経営者にぶっ刺さる機能でローンチ エンジニアは7⼈程度 PdM、QA⼊れても10⼈弱の体制 UPSIDERカードでは叶えられなかったニーズを別ブランドとして展開

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新規事業を爆速で⽴ち上げるために① © UPSIDER, Inc. 20 ① スコープを削る意思決定 ● 完全新規で頑張りすぎない ○ カードの発⾏機能や基本機能は流⽤する ○ マルチブランド化(ブログも書きました) ● あってもいいくらいの既存機能は削る 「なくても死なないくらいの機能は頑張らない」 「⽬⽟機能にフォーカスできるように」

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新規事業を爆速で⽴ち上げるために② © UPSIDER, Inc. 21 ② 少⼈数で挑む意思決定 ● ⼈を集めすぎない ○ マネジメントコストや判断が遅くなる ● 最⼩チームで意思決定が完結する組織に ○ アジリティが正義

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新規事業を爆速で⽴ち上げるために② © UPSIDER, Inc. 22 「三⼈寄れば⽂殊の知恵」という諺があるが、 「⽂殊の知恵」は「AIによって代替できる」世界になってきた 「三⼈寄れば合意が遠のく」

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新規事業を爆速で⽴ち上げるために③ © UPSIDER, Inc. 23 ③ AIとの共創:チーム全体で使う(Bizも) ● Bizも直接V0やCursorなどを 活⽤する⽂化 ● PdMやQAもGitで仕様を扱う (Devinも使うぞ) ○ ルールを共有していく 最⼩⼈数だからこそ AIという知恵の塊は最⼤限活⽤する

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新規事業を爆速で⽴ち上げるために④ © UPSIDER, Inc. 24 ④ データで意思決定を加速させる ● AIだけじゃなくデータを可視化し て意思決定しやすくする ● 毎⽇確認する⽂化にする ● ボトルネック‧即改善につながる 定量成果を毎⽇確認することでエンジニア もアウトカムが実感できて嬉しい❤

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これからをリードしていく⼈材になるために © UPSIDER, Inc. 25 AI活⽤「個⼈では推奨、チームでは推進」 個⼈ ● コストとセキュリティが⼤丈夫であれば、個⼈で試せる安全地帯 を作りましょう チーム ● 業務プロセスや環境を設計し、全員で効果的に使えるように AIのプロセスを「チームに導⼊できる」⼈材がめちゃくちゃ強い ツール使ってみましたから⼀歩先へ

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例えば © UPSIDER, Inc. 26 例えば ● DevinやCursorも、メンバーからの声を拾ってコスパやセキュリ ティを検討して導⼊推進(社内利⽤) ● 社内ナレッジを⾃然⾔語で回答してくれるように、コンテキスト を貯められるような仕組みを作る(Slack + Dify + Git) ● 職種を超えたAI推進を⾏う などなど

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意思決定のしやすい環境とは、おさらいしよう © UPSIDER, Inc. 27 味⽟だけ選べばいい状態を⽬指す ● AIによって無限に⽣まれる選択肢を絞る ● 前提の明確化 ● 判断基準の設計 AI駆動の開発ではプロンプト、ルール作りを 組織に適⽤できる状態を⽬指していく

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意思決定とは © UPSIDER, Inc. 28 構造をデザインする⼒が意思決定を爆速にする “問い”と”意思決定”は⼈間しかできない 細部はAIが⾏なってくれても最後は⼈間 無限の選択肢を迷わずに選びやすくするための⼯夫や、構造設計⼒は 今後どんな環境になったとしても希少なスキル

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妄想 © UPSIDER, Inc. 29 私たちの現在地 ● これからもまだまだAI駆動な開発の⽐率をあげていきたい ● 複雑な既存システムをAIにどう向かい合わせていくかもみん なの課題ですよね!(ここが⼀番むずい) ● リアルな業務のコンテキストをどうやって貯めていくかが⼤ 事なんだろうなーって思ってます ○ Google Meetsの議事録⽂字起こし ○ SlackやNotionで決まったことをサマリー ○ Gitで仕様やコンテキストとしてルール通りにPushする

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まとめ © UPSIDER, Inc. 30 明⽇から取り⼊れていきたい考え⽅ ● 知恵はAIから最⼤限取り⼊れる ● ⾃分たちにあった開発のプロセスを最終的に決めるのは⼈ ● 決めやすくする構造設計⼒はこの時代の先取りになる ○ ビジネスのコンテキストを貯めていく ○ ルールやプロンプトを整理してAI駆動に ● 少数精鋭で意思決定をする

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おわりに © UPSIDER, Inc. 31 AI駆動時代、どんな世の中になっていくか楽しみですね! ひとつ⾔えるのはどんな環境になっても 適⽤できる⼈はすごい! みんなついていってすごい!! ご清聴ありがとうございました!