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DXにおけるデータ活用とは? 分析の始め方から有効活用までのヒントを解説 NCDC Online Seminar 2023年6月29日 NCDC株式会社

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島田 将人 シニアコンサルタント 前職にてシステムエンジニアとしてキャリ アをスタートしつつ、在籍終盤にデータ分 析案件にも従事。データサイエンティスト の社内資格を取得。 NCDCに入社後もデータ分析案件をはじめ、 ビジネスコンサルティングやシステム開発 マネジメント等、多岐にわたる業務に従事。

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NCDCのご紹介

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私たちにできること① l デジタルビジネスに必要な要素にフォーカスし、⼀元的に提供しています。 l スモールスタートでの検証から、本開発・継続的な改善までサポートします。 4 ワークショップを中⼼とし た合理的なプロセスで、ビ ジネスモデルの検討からUX デザインまで、迅速に⾏い ます。 関係者が多数いる場合の組 織横断、会社横断のファシ リテーションも得意です。 新規性の⾼いプロジェクト ではMVP(Minimum Viable Product)を⽤いた検証を⾏ うなど、⽬的に応じて段階 的な開発を企画します。 早い段階でモックやプロト タイプを⽤意してユーザの 評価を確認します。 ユーザとのタッチポイントとなる各種デバ イスのフロントエンドデザインから、クラ ウドサービスを駆使したバックエンドの開 発まで。多様なテクノロジーをインテグ レーションします。 l AI / IoT / AR l モバイル・ウェブ アプリ開発 l クラウドインテグレーション l システムアーキテクチャコンサルティング など ビジネスモデルのデザイン スモールスタート・PoC システム・インテグレーション ユーザ視点を⼤切にした 課題抽出・企画 モックやプロトタイプ の開発・検証 開発 継続的な改善

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私たちにできること② l 社内に最適な組織がない場合の組織づくりや⼈材育成から、⾼度な技術をもったエンジニ アによる技術移管まで、幅広くお客様をサポートします。 5 ビジネスモデルのデザイン スモールスタート・PoC システム・インテグレーション ユーザ視点を⼤切にした 課題抽出・企画 モックやプロトタイプ の開発・検証 開発 継続的な改善 企業のDXやデジタルビジネスの創出に必要なこうしたプロセスを多⾯的にサポート DX戦略⽴案 ⼈材育成 技術移管 リファレンス実装 DX組織構築⽀援 アジャイル導⼊⽀援 ⼿法や技術の選定 ブランディング

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Business 事業領域の推進 Design ユーザ視点での設計 Technology 技術による課題解決 Innovation • コンサルティング • 新規サービス企画 • PoC⽀援 • デザイン思考 • UX/UIデザイン • モバイル・Web先端技術 • IoT / AI / AR • クラウドインテグレーション 6 NCDCのサービス体系

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はじめに

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前提 l 本セミナーが対象とするのは… l 以下のような悩みをお持ちの方 l データを活用してDXを推進していきたいが、社内に相談相手がいない l データの活用を進めているが期待している効果が得られない l データ活用を始めるための社内での話の通し方が分からない 8

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DXのおさらい l そもそもDXとは l 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術 を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネス モデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業 文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 l 経済産業省デジタル・ガバナンスコードより抜粋 l https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/tebiki2-0.pdf l データの活用によって「競争上の優位性を確立すること」は、DXのコ ア l にもかかわらず、必ずしも多くの企業でデータ活用が順調に進ん でいるわけではない 9

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本日のテーマ l データを活用しようとした時に当たる壁を2つご紹介します。 l それぞれの壁の乗り越え方をご説明します。 l 壁の乗り越え方を通して分かること l データ活用はどうやって始めれば良いのか l どうすれば有効な活用ができるのか 10

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[前提]データ活用の進め方 l データ活用は、以下のような流れで進むのが望ましいとされてい ます 11 分析した い課題が データが 溜まって 課題の 定義 データ 蓄積 分析 ある ない いる いない 活用

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データ活用の壁と乗り越え方_その1

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データ活用が頓挫した事例 l 事例1 l 事象 l 期待していた分析結果を得られず、何も結論を得られないまま終わってし まう l 原因 l 既にデータがあるからと、課題を定義せずにいきなりデータを触り始めて しまう l 事例2 l 事象 l データを活用したいのに、そもそも社内合意を得られず進められない l 原因 l 決裁者は投資対効果を気にしているが、「データを活用するとどのような 効果があるのか?」を分かりやすく説明できていない 13

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失敗の背景 l 以上の失敗は、共通して「分析課題を明確に定義できていない」 という点が背景にあるケースが多く存在します。 14 分析した い課題が データが 溜まって 課題の 定義 データ 蓄積 分析 ある ない いる いない 活用 課題定義を行わず、いき なり溜まったデータの分 析を行ってしまう

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失敗しないためのポイント - 分析課題定義 l 分析課題の定義は、データ分析の標準的な手順としても定義され ています 15

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CLISP-DMにおけるBusiness Understanding(ビジネスの理解) l 業務課題や分析の目的を明確化します。ビジネスの現状やプロ ジェクトに求められている役割から分析で突き詰めるべき課題を 明確にする、非常に重要なプロセスです。 l 何を知りたい/解決したいのか?どんな仮説を検証したいのか? 十分に検討することが大切です。 l ここでの目的や課題の定義が明確であればあるほど、「決裁者へ の説明がしやすくなり、スムーズに承認を受けられる」「有意義 な分析・活用ができる」といった効果を得やすくなります。 16

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現場の声 l とはいえ、いきなり「課題を定義せよ」と言われても何をどう定 義すれば良いのか分からないケースもあります。 l 実際の現場の声 l とりあえずデータはいっぱい溜まってるから何かできそうだけれど、何が できるかわからない l データは溜まってるいけれど、分析したところで何に活用できるかわから ない l 会社からデータを活かせとの方針をうけて、とりあえず取れるデータを溜 めておこうとしているが、どのようなデータをどう溜めておけばいいのか わからない 17

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課題定義での着目ポイント l 既存業務の改革を目指してデータを活用する場合 l 課題の所在 l どこに、どのような課題があるのか? l 「できていない」だけでなく「問題はないけれどもっと良くなるはず」も探して みる l 解決に向けた仮説 l どんなデータがこの課題に関係していそうか? l 新規ビジネスの立案に向けたデータを活用する場合 l 具体的なアイデア l ない場合、まずはIdeationを実施 l 収益化するための仮説 l 業務課題の解決に向けた仮説の立案に比べると難しい 18

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Business Planningの具体例 - 食品加工メーカーの場合 l データ l 商品の売上データ l 生鮮食料品の市場価格データ l 気象データ l 課題 l 気温・生鮮食料品の市場価格等の条件によって売れる商品の傾向は細分化 できるはずだが、季節くらいの大まかな条件でしか営業戦略を立案できて いない l 仮説 l 気温・生鮮食料品の市場価格等の条件によって売れる商品の傾向は細分化 できるはず l これが分かれば小売店への商品プッシュのタイミングを最適化できるはず l 小売店(顧客)の売上も上がるし、自分たちの売上も上がる 19

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Business Planningの具体例 - 食品加工メーカーの場合 l 分析の内容 l 様々な製品について、各種条件と売上との関係性をAIを用いて具体化 l 気候条件との関係 l 「冬に売れる」→「最低気温が16℃を下回ると売上上昇の因子となる」 l 生鮮食料品の価格との関係 l 「野菜の値段が高くなると売れる」→「里芋の市場価格が350円を上回ると売上上昇の 因子となる」 l 分析結果の活用方法 l 営業戦略へ落とし込み、より緻密な戦略を立案 l 将来の活用イメージ l 最高(最低)気温がT℃以上(以下)になったら「製品Aをプッシュせよ!」、 〇〇の値段がXX円以上になったら「製品Bをプッシュせよ!」といった通 知をしてくれるシステムを開発することで、営業戦略を全社的に最適化 20

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Business Planningの具体例 - 建設業の場合 l データ l 自社の施工結果データ l 課題 l 現場や担当者によって、工事の品質に差がある l 工事品質を向上させるノウハウを次世代に伝えていきたいが、ノウハ ウが属人化している l 仮説 l 工事現場の情報や施工に関する各種データを収集すれば、施工条件に 応じた品質の違いの傾向が分かるのではないか l AIを用いることで、熟練者が持つ属人的ノウハウを可視化して共有知 化できるのではないか 21

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Business Planningの具体例 - 建設業の場合 l 分析の内容 l 現場の地点・工法・その他諸々の施工条件が、施工品質を示す指標に どのような影響を及ぼしているかを、BIツールを用いて可視化 l さらに、AIを用いてより深層の諸条件を可視化 l 「施工規模がXX以上になると施工効率が上昇する因子となる」等 l 分析結果の活用方法 l 将来の活用イメージ l 工事に使われる各種機械からのデータも収集する仕組みを作り、分析 に取り入れることで、施工品質の予測精度を向上させる l 「これを使えば誰もが精度の高い品質予測を行うことができ、最適な 施工計画を立案できる」というシステムを構築する 22

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データ活用の壁と乗り越え方_その2

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データ収集における問題点 l 分析に使えるデータがない 24 分析した い課題が データが 溜まって 課題の 定義 データ 蓄積 分析 ある ない いる いない 活用 データをどのように溜めれば 良いかが分からず、頓挫して しまう

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現場の声 l 紙の帳票やエクセルファイルしか存在せず、分析に使用できない l フォーマットも自由記述で、データ化が難しい l 会社からの「データを活かせ」との方針をうけて、とりあえず取 れるデータを溜めておこうとしているが、どのようなデータをど う溜めておけばいいのかわからない 25

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データ化の手法 l 昨今、OCR技術が進展してきており、紙ベースの資料でもOCRによ る読取でデータ化ができる場合も増えています。 l ExcelファイルやPDFファイルも、一元化することは可能です。 l 実際に、何百件にも及ぶデータをテーブル化した事例もあります。 l データ分析を始めるにあたって、データの形式は問いません。 26 データを1テーブルに 集約し、分析の素材に

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データ化の手法 l データの抜け落ちは、クレンジングによって削除したり補完した りします。 l 0で埋める l 平均値で埋める l 中央値で埋める l レコード自体を除去する 等 27

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あらためて、この疑問への回答 l 会社からの「データを活かせ」との方針をうけて、とりあえず取 れるデータを溜めておこうとしているが、どのようなデータをど う溜めておけばいいのかわからない l まずはどのように活用したいか、定義するところに立ち返りま しょう。 28 どう活用したい? 何を知りたい? どんなデータを 集めれば良い? どう集める?

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よく聞かれる疑問

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よく聞かれる疑問 l 疑問 l データ分析をして何かしら活用したいけれど、どの程度のデータを貯 めればデータ分析ができるのかわからない l 傾向を見るために必要なデータの母数は一般的にどれくらい? l 回答 l まず50件あれば何かしらできます l 欲を言えば1万件以上のデータが蓄積されていると望ましいが、業務 の内容によって収集できる件数には大きな差が出てしまうので、件数 のハードル設定を高くし過ぎないことが重要 30

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よく聞かれる疑問 l 疑問 l データ活用の目的ははっきりしていておそらく十分なデータももって いるが、専門知識がないと十分にデータを活かせない。「このケース だと具体的にどんな分析手法を採用したらいいのか」などがわからな い l 回答 l 件数に関する疑問点も含め、Scikit-learnというオープンソースライブ ラリの「アルゴリズムチートシート」が分かりやすくてオススメです。 31

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参考画像:Scikit-learnアルゴリズムチートシート 32 予知保全は クラスタリングが 良い

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まとめ

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まとめ l 分析に着手する前に、課題をしっかりと立てましょう。 l 「ぼんやりと課題感はあるけれど、何を突き詰めれば良いか分からな い」という方は、課題の掘り起こしから支援できるパートナーを探し ましょう。 l 分析課題がどの程度明確であるかが、社内の合意形成や効果的な分析 に繋がります。 l データは、必ずしもまとまっている必要はありません。「データ をまとめたい」というところから相談してみるのも一手です。 34

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まとめ l 必ずしも「データを溜め切ってから分析に取り掛かる」必要はあ りません。データを溜めるシステムを少しずつ作りながら、活用 のイメージを膨らませることも有効です。 35 BI を用いた可視化やAIを用いた推論の試行を早期から実施する 可視化・活用イメージを早期に具体化す ることで、イメージの共有を図りやすい

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事例|データ・ドリブン経営への変革支援 36 Client|製造業(食品) Keyword| データ分析 , サービス企画 データ分析からはじめる DX施策の検討。 お客さまの課題 | 商品市場動向がどんなことに関 係して変動するか、⻑年のノウハウは蓄積されて いる。しかし、実証はされていなかったため、過 去データの分析を⾏い論理的に新規サービス⽴案 や業務改⾰につなげる⽅法を模索していた。その ため、データ分析から具体的なDX施策の⽴案まで ⽀援できるパートナーを求めていた。 ソリューション | お客さまの担当部⾨と定例会を 持ち、毎週テーマを決めてNCDC側で膨⼤なデー タを分析を実施。翌週には分析結果や得られた⽰ 唆をレポートするサイクルを継続して、スピー ディーなDX施策の検討を⽀援。 NCDCの役割 | 定例会にはNCDCのビジネスコン サルタントとデータ分析エンジニアが参加。デー タ分析のみならず、新たなデータの活⽤⽅法や具 体的なサービス企画まで幅広い提案を⾏い、多⾯ 的なコンサルティングを⾏いました。

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ご清聴ありがとうございました l ウェビナー終了後ブラウザが下の画面に切り替わります。 「続行」を押してアンケートにお進みください。ご質問・ご相談も受け付けております。 37

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