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2024/9/12 SNOWFLAKE WORLD TOUR TOKYO 2024 データ連携をチートせよ。 〜イオンが目指すコネクティビティデータ基盤〜 イオン株式会社 CTO イオンスマートテクノロジー株式会社 取締役 CTO 山﨑 賢 ( やまけん @yamaken_66 )

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自己紹介

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所属 • イオン株式会社 CTO • イオンスマートテクノロジー株式会社 取締役 CTO • 2023年4月より現職 職歴(主なもの) • Yahoo! JAPAN(現 LINEヤフー株式会社 エンジニア • リクルート 開発責任者 • アソビュー CTO/トラストバンク CTO その他 • 海浜幕張在住 会社まで徒歩10分 • 7歳の男児のパパ • ラーメンがあれば生きていける 山﨑 賢 @yamaken_66 自己紹介

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会社紹介

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会社紹介

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会社紹介 創業 1758年 300を超える子会社 M&Aを繰り返し今に至る ダイエー、カスミ、マルエツ いなげや、キャンドゥ ウエルシア、ツルハ 多くの企業と連合軍を成立 独自性を尊重し 「緩やかな連帯」 を重んじるカルチャー

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AEONの内情

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独自性のしがらみ 膨大な顧客がそれぞれに存在するが、 多くは相互に連携されていない ✗ ✗ ✗ ✗ ✗ ✗ ✗ ✗

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独自性のしがらみ アプリ、データが個別で存在し、連係されていない

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渦巻く多くのしがらみ ■ 会社の成り立ちの違いから利用しているシステムが違う 多くのシステムが個別のプロトコルで通信しており、それが各事業会社 事の個別の基幹システムへ連携されている そのために、データを統合するには大量の変換プロセスが必要となる ■ 各事業会社の独立性を重んじるために発生する利害関係の不一致 データは自社のみで利用したい (共有したくない) 他社のデータも含めて分析したい データを集める難易度よりも、データの取り扱いとガバナンス 社内各社に対する公平な公開と制御された公開 この設計が非常に重要になる

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そして、統合へ

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イオンDX

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膨大なIDと購買データを集約したアプリ「iAEON」 イオンDX iAEONはイオングループが提供する決済機能やポイントプログラムを1つにまとめたアプリです。 イオングループ内の多数の事業会社がもつ顧客IDを一つのアプリに統合しています。 提供開始から約3年で、iAEONは900万人以上の会員を抱え、独自のコード決済サービス「イオンペイ」は836万人 (23年5月時点)が利用しています。

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iAEON 3周年

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そんな中、AEONグループで目指す世界観 IDの統合 データの統合 システムの統合

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イオンDX

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そうしてなんとか 苦労して苦労して IDとデータ統合してきました

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Medallion Architecture Blob storage RDB connection Message queue REST APIs ETLs AEON SMART PLATFORM FOR DATA ( ASP/D ) 多くのツールを使いながらも、ほぼ内製化/フルスクラッチでイオン共通データ基盤の構築が完了 ( 2024 ) 多様なデータを利用したサービスも複数ローンチ ・Customer Data Platform機能 ・店従業員向けスマートフォンアプリ機能(在庫数確認/販売実績確認など) ・経営レイヤー向け BI機能 現容量: 280TB ( compressed ) 毎日 POS会計データだけで 180G程度のデータが追加される

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ここに至って見えてきたこと

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渦巻く多くのしがらみ ■ 会社の成り立ちの違いから利用しているシステムが違う 多くのシステムが個別のプロトコルで通信しており、それが各事業会社 事の個別の基幹システムへ連携されている そのために、データを統合するには大量の変換プロセスが必要となる ■ 各事業会社の独立性を重んじるために発生する利害関係の不一致 データは自社のみで利用したい (共有したくない) 他社のデータも含めて分析したい データを集める難易度よりも、データの取り扱いとガバナンス 社内各社に対する公平な公開と制御された公開 この設計が非常に重要になる 済 未 データを集めることは出来た だが未だ、利用側に対してローデータとして提供出来ていない

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Medallion Architecture Blob storage RDB connection Message queue REST APIs ETLs AEON SMART PLATFORM FOR DATA ( ASP/D ) 多様性のある多くのニーズに対して、 ・簡易に ・安心/安全に ・適切なデータを ・多様な手段で利用可能にする という事が出来ていない

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せっかく、自前でデータ基盤作ったのだから、それを使わせればいいのでは? 既存プラットフォームを拡張していけばいいよね 使いたいニーズ毎にシステムを作って提供していこう 発散する議論 作りきったからこそ、内製意識が強く、 ワンプラットフォーム意識が強い 自前主義が色濃くなっていた

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CTOとしてのデータに関する私の考え 自社のデータプラットフォームを作るにおいて、 シングルプラットフォーム論争はナンセンス ・データ製品は適材適所 ・それぞれに得意領域が存在する ・全てを叶える銀の弾丸プラットフォームは存在しない ・大企業で多様なデータとユースケースが存在するイオンなら尚更 ・データを提供する部分は製品とのプロトコル相性も存在する ・そんな多様なプロトコルを内製で作る事は現実的ではない オンプレ クラウド Snowflake DataB◯◯◯ 内製 SaaS / PaaS

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Medallion Architecture Blob storage RDB connection Message queue REST APIs ETLs AEON SMART PLATFORM FOR DATA ( ASP/D ) 多様なニーズに対して多様なプロトコルを保有し、多くの製品と連携出来るSnowflakeをコラボレーションレイヤの製 品として、ASP/Dに組み込むことを決定 既存プラットフォームをラッピングする形で、データガバナンス/提供の手段として活用 Snowflake自体がDCR概念の先駆者であり、多様なデータ提供パターンを有する製品であるため 「うちはSnowflakeを導入しています。どういったデータ連携をしたいかSnowflakeの提供機能から選んでください」 と言うことで、要求側の知識水準も上がり、連携パターンを汎化していく事に成功しつつある

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そして、多くのプロジェクトで Snowflake活用が推進されています

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イオングループ 商品データウェアハウスの移行 DB2ベースで開発/運用されているイオングループの商品データウェアハウスをSnowflakeへ移行するプロジェクトを推進中 ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL 社内 商品担当/MD システムの老朽化、各種EOLによりリプレース ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL ETL 社内 商品担当/MD DWHをSnowflakeへリプレース ETL処理とBIからの読み出し処理も変更 大幅なコスト削減と可用性、他用途展開の可能性を獲得

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リテールメディア 配信基盤構築 新リテールメディア配信としてSnowflakeを活用

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まとめ

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データ製品は組み合わせてなんぼ データを集めるレイヤは、データ源泉の多様性に併せて多様なETLになるのは仕方ない SOR データを提供するレイヤは、なるべくオープンな製品を導入して幅広いユースケースを実現する SOE 製品ベースの会話をすることで、相談元の解像度があがっていく 連携先のプロトコルが汎化されてることにより、資産の再利用性が高くなっていく ただし、 Snowflakeも銀の弾丸ではない。 満たせないユースケースが出てきた際には更に別の製品も組み込んでいく

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幅広いポジションで積極的に採用中です!! Hiring !!!!!!

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