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短期間コンペの戦い方 2021/ 3/ 2 分析コンペ勉強会 pao

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クイズです

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Q. なんのグラフ(ヒストグラム)でしょう? Count

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https://www.kaggle.com/kaggle/meta-kaggle Count ※集計方法 ● 2016年以降 ● Tierありのコンペで集計 A. Kaggleのコンペ期間 (日数) 2〜3ヶ月のコンペが大半 Q. なんのグラフ(ヒストグラム)でしょう?

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長くない?

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もっと短い期間のコンペ についてお話します ex) atmaCup, KaggleDays, 学生向けコンペイベント

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自己紹介 ● pao ● データサイエンティスト@ABEJA ● Kaggle Master ● atmaCupが得意 ● 息子が可愛いすぎる pao (@pppaaaooo)

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自己紹介 ● pao ● データサイエンティスト@ABEJA ● Kaggle Master ● atmaCupが得意 ● 息子が可愛いすぎる pao (@pppaaaooo)

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atmaCupについて ● atma株式会社が運営しているコンペ ● 1day ~ 2週間くらいの短期間 ● コンペ・サイトの質が高い ● 初心者向けの講座などもありつつ Kagglerたちが多数参加している 良質な短期間コンペの一つ(オススメ)

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atmaCup戦績

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目次 ● 短期間コンペと長期間コンペ ● 戦い方・戦略について

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目次 ● 短期間コンペと長期間コンペ ● 戦い方・戦略について

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コンペの長さによる比較 〜良いところ〜 コンペの長さ 個人的に良いところ 長い ● 新しいことにじっくり時間をかけて取り組める ● 多少の失敗は時間でカバーできる 短い ● 短時間で効率的にデータ・タスクによる学びを得られる ● 限られた時間で効率的に精度を上げるやり方を学べる ● LeaderBoardのレース感覚が強くて楽しい 長いコンペ・短いコンペそれぞれの良さがある

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コンペの長さによる比較 〜良くないところ〜 コンペの長さ 個人的な短所 長い ● 外れコンペに取り組んでしまった時にダメージが大きい ● (小さな子持ちには)フルコミットすると健康や家庭に支障が でてきてしまう 短い ● 新しいチャレンジの難易度が高くなる (1つ2つ新しいチャレンジをすると他のことをする時間がなくなる) 長いコンペ・短いコンペそれぞれの短所がある

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個人的なオススメ 長いコンペと短いコンペ、両方とも参加する 短期間 コンペ 長期間 コンペ 相互に学びが 活きてくる ● 色んな手段を試せる ● 一つのデータ・タスクへの 対策を幅広く知れる ● どんな手段がより効 果的かを学べる ● 時間意識が芽生える

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目次 ● 短期間コンペと長期間コンペ ● 戦い方・戦略について

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はじめに あくまで私の目線での短期間での戦い 方をまとめたものです (人によって合う合わないあると思います)

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精度のイメージ ベースラインから精度の限界までの道のり 誰でもできる ベースライン 技術的に可能な 最高精度 精度

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短期間と長期間での最終到達点 ベースラインから精度の限界までの道のり 誰でもできる ベースライン 技術的に可能な 最高精度 精度 ? この精度の差は何で生まれているか?

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精度の分解 基本的な手法やデータ・タスクに応じた アイデアの積み重ねで成り立っている ※あくまでイメージ。これらの割合やキーの数などはコンペに寄って大きく変わる 精度はたくさんの積み重ねだが、数個のアイデアが大半を占める 精度を分解 テーブルデータの例 ➔ アイデア1: モデルをデータによって分ける ➔ アイデア2: TargetEncoding ➔ アイデア3: オリジナル特徴量(ex: 1つ前のユーザの行動との差分) ➔ アイデア4: カテゴリ変数のWord2VecによるEmbedding 数個のアイデアで 大半を占める アイデア2 アイデア1 アイデア3

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短期間と長期間での最終到達点 精度の最終到達点は期間によって違う 誰でもできる ベースライン 技術的に可能な 最高精度 精度 アイデアの 積み重ね

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短期間と長期間での最終到達点 精度の最終到達点は期間によって違う 誰でもできる ベースライン 技術的に可能な 最高精度 精度 アイデアの 積み重ね 短期間と長期間の差 短期間でできること 短期間コンペの 優勝ライン 長期間コンペの 優勝ライン

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短期間と長期間での最終到達点 長期間と短期間でどこまでアイデアを組み込めばよいかが変わる 短期間コンペの 優勝ライン 長期間コンペの 優勝ライン ● 長期間コンペで勝つには出来る限り全部 のアイデアを組み込まないと勝てない ● 短期間コンペの場合は重要なアイデアを 抑えておけば勝ちに近づく

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限られた時間で 何をすれば良い?

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限られた時間で何をすべきか? 思いつくアイデアからやることを「効果的にしぼる」 思いつくアイデアたちの例 ● アイデア1:LightGBMの代わりにCatboostを使う ● アイデア2:ユーザIDをTargetEncoding ● アイデア3:Oputunaでハイパラチューニング ● アイデア4:一部の特殊な期間を学習から外す ● アイデア5:外れ値の補正 ● アイデア6:ネガティブダウンサンプリング ・・・・ すべてのアイデアを試す時間はない 「効果」x「実装時間」x「成功確率」 で決める かつ重要なアイデアを抑えられるよう に「効果」を優先する

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限られた時間で何をすべきか? 思いつくアイデアからやることを「効果的にしぼる」 思いつくアイデアたちの例 ● アイデア1:LightGBMの代わりにCatboostを使う ● アイデア2:ユーザIDをTargetEncoding ● アイデア3:Oputunaでハイパラチューニング ● アイデア4:一部の特殊な期間を学習から外す ● アイデア5:外れ値の補正 ● アイデア6:ネガティブダウンサンプリング ・・・・ すべてのアイデアを試す時間はない 「効果」x「実装時間」x「成功確率」 で決める 効果:低そう(カテゴリ特徴が少ないし) 実装時間:短い 成功確率:30%くらい →「効果低そうだし後回しにするかー」 かつ重要なアイデアを抑えられるよう に「効果」を優先する

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限られた時間で何をすべきか? 思いつくアイデアからやることを「効果的にしぼる」 思いつくアイデアたちの例 ● アイデア1:LightGBMの代わりにCatboostを使う ● アイデア2:ユーザIDをTargetEncoding ● アイデア3:Oputunaでハイパラチューニング ● アイデア4:一部の特殊な期間を学習から外す ● アイデア5:外れ値の補正 ● アイデア6:ネガティブダウンサンプリング ・・・・ すべてのアイデアを試す時間はない 「効果」x「実装時間」x「成功確率」 で決める 効果:成功したら高そう 実装時間:中 成功確率:10%くらい 「Overfitしそうだけど成功したらかなりスコアあが るのでやるか」 かつ重要なアイデアを抑えられるよう に「効果」を優先する

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ゲームみたい

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実質ゲーム 限られたMP(実装時間)でいかに相手(コンペ)のHPを削るかのゲーム HP TOP10 優勝 入賞 ハイパラチューニング モデルの分離 カスタムLoss Magic特徴量探し MP(残り実装時間) : 20 めいちゅうりつ:80% ダメージ:20 しょうひMP:3 まるうぇあコンペ

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どこで実力に差が出るか? ゲームで例えるとざっくり4つに分けられる ● どんな技を使えるか? ● どの技を選ぶか? ● 技の消費MP(実装時間)を減らせるか? ● 命中確率や効果をいかに正しく見積もれるか?

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どこで実力に差が出るか? ゲームで例えるとざっくり4つに分けられる ● どんな技を使えるか? ● どの技を選ぶか? ● 技の消費MP(実装時間)を減らせるか? ● 命中確率や効果をいかに正しく見積もれるか? ➢ めちゃくちゃ大事。ただし、長期コンペでも同じ。 ➢ 経験、INPUT量がものをいう ➢ 相手に応じた技を生み出すことも大事 ➢ サーベイ・EDAで技を増やすというのもある

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どこで実力に差が出るか? ゲームで例えるとざっくり4つに分けられる ● どんな技を使えるか? ● どの技を選ぶか? ● 技の消費MP(実装時間)を減らせるか? ● 命中確率や効果をいかに正しく見積もれるか? ➢ 時間が短いほど重要になる ➢ 「どの技がどういう相手(タスク・データ)に効きやすいか?」を経験積んで学ぶこと が重要 ➢ 技の順番も大事だったりする

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どこで実力に差が出るか? ゲームで例えるとざっくり4つに分けられる ● どんな技を使えるか? ● どの技を選ぶか? ● 技の消費MP(実装時間)を減らせるか? ● 命中確率や効果をいかに正しく見積もれるか? ➢ 時間が短いほど重要になる ➢ 「どの技がどういう相手(タスク・データ)に効きやすいか?」を経験積んで学ぶこと が重要 ➢ 技の順番も大事だったりする atmaCup#9の優勝ソリューションでこの観点に近い形でまとめてい ます https://speakerdeck.com/go5paopao/atmacup-number-9-1st-place-solution

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どこで実力に差が出るか? ゲームで例えるとざっくり4つに分けられる ● どんな技を使えるか? ● どの技を選ぶか? ● 技の消費MP(実装時間)を減らせるか? ● 命中確率や効果をいかに正しく見積もれるか? ➢ 1つの技の消費MP(実装時間)が少ないほど、たくさんの技を使える ➢ 消費MP(実装時間)をへらす方法 a. 「その技を何度も使う」 or 「装備(パイプラインやスニペット)の用意」 b. 相手の傾向が事前にわかっている場合はその準備をする

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どこで実力に差が出るか? ゲームで例えるとざっくり4つに分けられる ● どんな技を使えるか? ● どの技を選ぶか? ● 技の消費MP(実装時間)を減らせるか? ● 命中確率や効果をいかに正しく見積もれるか? 方法2の例 ● atmaCup#6でSansanのネットワークデータということが事前に分かっていた ● GNN(Graph Neural Network)が使えるかどうかが重要な気がした ● コンペ当日までに以下を実施 ○ GNNのサーベイ(広く浅く) ○ TorchGeometric(PytorchのGNNライブラリ)のドキュメントを一通り読む →結果GNNを使ったソリューションで 3位 ➢ 1つの技の消費MP(実装時間)が少ないほど、たくさんの技を使える ➢ 消費MP(実装時間)をへらす方法 a. 「その技を何度も使う」 or 「装備(パイプラインやスニペット)の用意」 b. 相手の傾向が事前にわかっている場合はその準備をする

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どこで実力に差が出るか? ゲームで例えるとざっくり4つに分けられる ● どんな技を使えるか? ● どの技を選ぶか? ● 技の消費MP(実装時間)を減らせるか? ● 命中確率や効果をいかに正しく見積もれるか? ➢ 正しく見積もるポイント ○ 1:仮説・根拠を用意して見積もる ○ 2:その技をいかに使ったことあるか ➢ 様々な情報から命中確率や効果を見積もれるかも大事 ○ Feature Importance, Discussion, EDAなどなど

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最後に ● スコアを上げるための話をしたが、コンペの楽しみ方は 人それぞれ ● atmaCup#10が今週金曜日からあるらしい ○ 1週間の短期コンペ ○ 初心者歓迎らしいので始めての方も是非!! ● 自分もまだまだ出来ていないことが多いので頑張る

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ありがとう ございました