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不動産コンテンツ研究における 異分野研究者との協働の取り組み 株式会社LIFULL AI戦略室 主席研究員 清⽥ 陽司 第35回⼈⼯知能学会全国⼤会(JSAI 2021) チュートリアル 2021年6⽉11⽇ オンライン 1

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清⽥ 陽司 博⼠(情報学) 1975年 福岡県⽣まれ 2011年〜 東京⼤学情報基盤センター 助⼿・助教・特任講師 ・航空安全レポートのテキストマイニング (⽇本航空・富⼠通研究所との共同研究) 2007年〜2011年 2004年〜2012年 株式会社リッテル 主席研究員・CTO ・ビッグデータ処理基盤(Hadoop)のビジネス展開 ・テキストマイニング技術のビジネス展開 (電通、NHK-EP、野村総合研究所、国⽴国会図書館ほか) 株式会社LIFULL 主席研究員 ・不動産情報へのAI適⽤(最適化、ディープラーニングなど) ・不動産情報に関するレコメンデーション ・介護施設紹介サービスデータのテキストマイニング 2004年 京都⼤学⼤学院情報学研究科 博⼠課程 修了 ・対話システムの研究(マイクロソフトとの共同研究) 主な対外的活動 ・東京⼤学空間情報科学研究センター 客員研究員 ・麗澤⼤学AIビジネス研究センター 客員教授 ・東京電機⼤学未来⼯学部 研究員 主なコミュニティ活動 ・⼈⼯知能学会 理事・編集委員⻑ ・情報処理学会 ユビキタスコンピュー ティングシステム研究会 幹事 ・情報処理学会 ⾼齢社会デザイン研究会 運営委員 ・情報科学技術協会 理事 ・Code4Lib JAPAN共同代表 2018年〜 株式会社メディンプル 代表取締役社⻑(兼) 2 ・AI勤務シフト作成システムの開発(医療、薬局、運輸など) ・テキストマイニングによるビジネスマッチング促進 ・AI・データサイエンス技術の活⽤に関するアドバイザリー

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株式会社LIFULL AI戦略室 • 2018年7⽉、社⻑直轄のAIビジネス実装部⾨として 設置 • 主なミッション • 物件画像への深層学習適⽤ • グローバル不動産市場における物件価値推定 • 不動産マーケティングの⾃動化 • etc.

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https://recruit.lifull.com/engineer/crosstalk_ai/

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空⾶ぶホームズくん

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空⾶ぶホームズくん

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LIFULL HOME’S 3D間取り 11

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LIFULL HOME’S PRICE MAP 12

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Walkability Index(住みやすさ指標) 13

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不動産コンテンツの 特徴 15

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LIFULL(ネクスト)ジョイン時点 での研究開発計画 住まい 地域 グルメ ファッション ビューティ アミューズメ ント ⾦融 医療 教育 分野別DB ユー ザー 検索 最適な情報 レコメンデーションエンジン ユーザーDB(客観情報、⾏動履歴、嗜好性) 16

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住まい探しにおける情報推薦? あなたにおすすめのお部 屋はこれ! まったく同じ 部屋は一つしか ない どれだけ探せば満 足できる部屋が見 つかるの? ? 協調フィルタリングなど、既存の情報推薦アルゴリズムは有効でない 17

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不動産コンテンツの特徴 • 同⼀のコンテンツは世界に⼆つとして存在しない • マルチメディア性 • スキーマ(賃料・⾯積など) • 位置情報(地図) • テキスト(アピールポイントなど) • 写真・間取り図・パノラマ・動画 • VR・MR・AR • IoT(快適度のセンシング) • 経済財としての側⾯ • 需要と供給の関係で価格が決まり、取引される • 「コンテキスト」に強く依存 20

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不動産の「コンテキスト」 • 「街」や「都市」 • 各種の規制(建築基準法、都市計画法、etc.) • 周辺に⽴地する不動産・施設など • ⼈⼝動態 • 景観、地名、⼟地の来歴、etc. • 共有されているイメージ • 「⼈⽣」 • ライフイベント(出⽣、育児、教育、就職、結婚、療養、 etc.) • ライフストーリー 21

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朝倉書店「不動産テック」

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1. 不動産市場とテクノロジー 1.1 AIと不動産業 1.2 不動産のマッチング 1.3 不動産テックによる社会課題解決 1.4 良質なデータ資源の重要性:Garbage in garbage out 2. 不動産市場分析の理論 2.1 ヘドニックアプローチによる不動産価格分析 2.2 ヘドニック価格関数の推定 2.3 不動産価格の分解と予測 2.4 不動産価格の実際の推計 3. 不動産テックにおける機械学習の数理 3.1 不動産市場分析と機械学習 3.2 勾配降下法 3.3 線形回帰 3.4 分類(ロジスティック回帰) 3.5 ニューラルネットワーク 3.6 ノーフリーランチ定理 4. 不動産市場分析における統計・機械学習の利⽤ 4.1 不動産市場分析における統計・機械学習の⼿法 4.2 線形回帰モデル 4.3 分位点回帰 4.4 ニューラルネットワーク 4.5 その他の⼿法 4.6 ⼿法の適⽤ 5. 不動産市場への機械学習の応⽤ 5.1 不動産市場分析の実際 5.2 予測モデルのための不動産価格データの⽤意 5.3 推計⼿法の選択肢 5.4 不動産価格の予測モデル 5.5 不動産市場における介⼊効果の測定 5.6 傾向スコアを⽤いた実証分析の事例 5.7 不動産市場分析における機械学習の応⽤と課題 6. 不動産市場分析におけるGISの活⽤ 6.1 不動産市場分析とGIS 6.2 GIS の活⽤ 6.3 空間集計における基本操作 6.4 空間データの相関と補間 6.5 空間特性に配慮した不動産価格構造の推定 6.6 空間構造の取り扱い 6.7 実データを⽤いた推計例 6.8 推計結果 6.9 不動産市場分析の発展可能性 7. GISを⽤いたエリア指標の開発 7.1 エリア指標と不動産テック 7.2 不動産の価値評価 7.3 「Walkability Index」の開発 7.4 Walkability Index研究の発展可能性 8. 不動産間取り図の認識と応⽤ 8.1 市場探索⾏動における不動産間取り図 8.2 関連研究 8.3 間取り画像のグラフ化⼿法 8.4 実験 8.5 不動産間取り図の認識と応⽤に関するまとめ 9. 不動産物件情報の流通と活⽤を⽀えるデータベース・情報ア クセス技術 9.1 データベース・情報アクセス技術の発展 9.2 不動産物件情報へのデータベース・情報アクセス技術の応 ⽤ 9.3 RDBMSの仕組み 9.4 不動産物件画像への深層学習の適⽤ 9.5 質の⾼い不動産物件データベースの構築 10. 官⺠ビッグデータを⽤いた空き家分布把握⼿法の開発 10.1 わが国における空き家の増加とその問題背景 10.2 既存の空き家分布把握の⼿法 10.3 空き家分布把握に有⽤なデータ 10.4 ⿅児島県⿅児島市の事例 10.5 群⾺県前橋市の事例 10.6 空き家は予測できるのか? 11. 不動産⾦融市場における不動産テック 11.1 不動産投資信託(REIT)市場におけるデータ資源 11.2 REIT市場データとREIT研究の動向 11.3 ⻑期的な資産⼊替の分析 11.4 REIT情報を⽤いた不動産市場分析の⽅向性

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学際分野としての不動産テック • 不動産学 • 経済学 • 建築学 • 都市学 • マーケティング学、⾏動⼼理学 • コンピュータ科学 • 統計学 • 機械学習 • 画像処理 • ⾃然⾔語処理 • IoT (ユビキタスコンピューティング)

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異分野研究者との アジェンダ共有 25

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出典: https://local.lifull.jp/

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出典: 総務省平成30年住宅・⼟地統計調査

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空き家問題の全貌は 誰も知らない • そもそも「空き家」の定義は? • 住⺠票が置かれていれば「空き家」ではない? • 住⺠が介護施設に⼊居中の場合はカウントする? • ⺠泊で貸出している物件は「空き家」なのか? • 地⽅⾃治体でさえ、空き家発⽣状況は把握が困難

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国⽴情報学研究所 情報学研究データリポジトリ (NII-IDR) LIFULL HOME’Sデータセット • 2015年11⽉より提供開始 • データセットの内容 • スナップショット • 2015年8⽉現在の全賃貸物件 データ • 上記に紐付く画像データ • ⽉次データ • 2015年7⽉〜2017年6⽉の24ヶ ⽉分 • 緯度・経度が付与 2019年10⽉、延べ利⽤申し込み数が 100を超えました (⽇本国内のほか、⽶国・カナダ・ 中国)

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東京⼤学 空間情報科学研究センター 不動産情報科学研究部⾨

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不動産テック研究 コミュニティの活性化 33

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IEEE MIPR 2021 不動産特別セッション 2021年9⽉8〜10⽇ 開催予定

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まとめ 35

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コンテンツ研究にあたって ⼤切なこと • 他の研究領域(理学、経済学、⼈⽂学、etc.)との 緊密な連携 • 「このテーマは⾃分の研究分野ではない」と⾒送るのは もったいない • ⼀⾒当たり前の現実の事象の裏に隠れている本質 的な課題を⾒出す地道な営み 36

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追悼 ⻑尾 真 先⽣ (2021.5.23 ご逝去) “⼤学には⾊々な研究者がいるし、いろいろな学問もありま すが、異分野の⼈たちと真剣に議論する場がすごく⼤事だ と思いますね。私なんかはどちらかというと、⼀⼈で考え て⾒つけることが多いのですが、⼈と議論をしていると、 ⾃分⾃⾝で⾯⽩いことを⾔っている時があって、なんで⾃ 分はこんな⾯⽩いことを⼝⾛ったのかなあと思うこともあ りますね。異分野の⼈との対話が⼤切です。 総合⼤学は、異分野の⼈と徹底的に議論するということを もっともっとやってく必要があると思います。私が教授に なった時、35、6歳の頃から、⾔語学や⼼理学の⼈たちや医 学の⼈たちと⽉に⼀回、徹底的な議論をしました。そうい うところからも⾯⽩いテーマが出てきます。総合⼤学はそ ういうことを積極的にやって、新しいものの考え⽅を切り 拓いていかないと、タコ壺みたいなことをやっていたら、 総合⼤学の意味はない。そういう余裕を持ってもらいたい です。やっぱり、研究はロマンを持たないと。それが⼀番 ⼤事なんじゃないかと思います。” 弁護⼠ドットコムニュース: 「未来から来た」情報⼯学者・⻑尾真、飽くなき⼈間への興味と哲学への回帰. 2019年1⽉24⽇掲載. https://www.bengo4.com/c_23/n_9133/