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打錠 2 2021/3/30 Ver. 1.0

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錠剤への標識 印刷、もしくは刻印を行う • 昔は刻印が多かったが、現在は印刷が増えている • 錠剤が小さいと刻印は困難となりうる • 刻印部分が抜けるようなトラブルが起きやすい • 島(0の中央など)が特に抜けやすい • 抜けを防ぐ刻印の幅、フォント、溝の工夫が必要となる Developing Solid Oral Dosage Formsより

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割線 錠剤を割って使用するための線のこと • 刻印と同様に溝を彫ることで作られる • 処方量を半量としたい場合に有用で、好まれて用いられる • 通常上杵に割線を設置する

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鋼材 付着性・耐久性・耐錆性を決める重要な要素 • 普通鋼材とより高価な改良鋼材から通常選択する • 改良鋼材には耐久性や付着性に有用な特徴がある • 改良鋼材のほうが高い打錠圧力に耐える場合が多い • 臼にはより硬い鋼材を用いる場合が多い

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マルチティップ杵臼 1本の打錠杵に複数の杵先がついているもの • 海外では一般的に使用されている • 一度に複数の錠剤を製造でき、効率的 • 錠剤は小さくなる傾向になる • 杵先だけ交換可能となっている場合もある • 構造が複雑となり、清掃に工夫が必要となる • 熱の問題が発生しやすい Natori Multi-tip toolings

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打錠圧力 打錠圧力に十分に耐える鋼材・杵形状の選択が必要 • 圧力自体は製剤の特性により決定する • 圧が高いほど溶解性が低く、硬い錠剤となる • 杵の製造元が耐久圧力を提供する場合が多い • 耐久圧力にある程度の余裕が必要となる

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杵臼の保守 洗浄・輸送・保管の方法を考慮する必要がある • 使用前・使用後には杵臼の破損等をチェックする • 杵先が欠けないよう、包装の方法を維持管理する • 洗浄は専用の洗浄機を用い、錆を防ぐ必要がある • 状態が疑わしい杵では、交換や製造元のメンテが必要

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杵臼の購入 図面の確認や錠剤形状の確認が必要 • 依頼したデザインに応じて作成された図面を承認する • 製造元から錠剤サンプルが提供されるので、確認する • 問題がなければ契約・購入・納入へと移行する • 90日以上かかるのが一般的のようだ

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スケールアップ 打錠速度を上げて対応する場合が多い • 基本的に打錠はスケーラブル • 効率を無視すれば、打錠条件は変更しなくても製造はできる • 速度を上げると重量均一性、錠剤硬度が下がる傾向を持つ

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予圧と打錠 打錠は2段階の圧密を経て行われるのが一般的 • 予圧では空気を抜き、ある程度の形に圧縮成形する • 打錠本圧では錠剤を押し固め、最適な錠剤形状とする • 予圧はキャッピングなどの打錠障害対応に重要となる • 本圧は錠剤の厚み、溶解性、硬度を決定する要素となる

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弾性、可塑性、硬度 粉体や原料の性質により決定する • 圧が抜けた後に形が戻ることを弾性と呼ぶ • 圧をかけることで変形することを可塑性と呼ぶ • 可塑性が高く、弾性の低い粉体ほど成形性がよくなる • 可塑性の高さは錠剤硬度や打錠障害の様子に影響する • 可塑性は打圧と加圧時間、粉体の可塑性に依存する