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1 Lv1,2の開発⽣産性を経営と繋ぐ 〜経営メンバーの⼀員となってわかった”⽣産性”〜 髙橋 健⼀ (@kenchan)|GMO PEPABO,inc. 2024.03.22 「より早く、より楽しく。組織が協働するための開発⽣産性」 #開発⽣産性_findy

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2 ⾃⼰紹介 技術責任者 兼 EC事業部 事業部CTO 髙橋 健⼀ Takahashi Kenichi @kenchan https://kenchankunsan.com ● Rubyとアジャイルなソフトウェア開発が好きなソ フトウェアエンジニア。 ● 仕事では、全社の技術責任者としてエンジニア組 織作りと、カラーミーショップを運営するEC事業 部の事業部CTOとして部⾨の意思決定に従事。 ● 最近は「ほぼ⽇刊くんさん」という声⽇記を収録 するのが⽇課となっている。 ○ https://listen.style/p/nearly-daily-kunsan

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今⽇のお話 本発表では、私が経営メンバーの⼀員となって1年で 理解してきた、開発⽣産性を向上させることと経営の 繋がりを整理してお話します。 GMOペパボという複数のサービスを提供する企業に おける各取り組みを”開発⽣産性”という視点から⾒た ときの意義と、今後の展望について紹介します。 開発⽣産性と経営を繋ぐ 3

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⽬次 1. GMOペパボの開発組織 2. 開発⽣産性と経営を繋ぐ 3. ⽣産性向上への組織的な取り組み 4. まとめ 4

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5 GMOペパボの開発組織

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GMOペパボの開発組織 • 各サービスの開発‧運⽤を⾏う「事業部⾨」とそれらをまたぐ「横断部⾨」 ペパボの開発組織の全体像 6 minne 事業部 ホスティング 事業部 EC 事業部 SUZURI 事業部 ペパボ研究所 事業 部門 横断 部門 連携・情報共有 技術部

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GMOペパボの開発組織 • 技術系幹部を任命することで部⾨経営における意思決定のスピードを上げる 2024年2⽉より「事業部CTO」を任命 7 minne 事業部 ホスティング 事業部 EC 事業部 SUZURI 事業部 ペパボ研究所 事業 部門 横断 部門 連携・情報共有 技術部

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GMOペパボの開発組織 • 共通の企業⽂化で意思決定コストを下げ、部⾨単位の経営でスピードを上げる • 「企業⽂化」が拠り所となり意思決定コストが下がる • ex: それは「⼈類のアウトプットを増やす」ものか? • 事業の性質や規模が異なるなら意思決定のロジックも独⽴させるべき • 特定の専⾨領域で共通化すべきところを横断部⾨が担うことでレバレッジを効かせる • インターネットサービスには技術をバックグラウンドを持つ経営幹部が必要である • 「CTOとは、その会社が現在の成⻑段階で必要としている戦略的技術系幹部」 “エンジニアのためのマネジメントキャリアパス”より 開発組織の構造も⽣産性を向上させるため 8

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9 開発⽣産性と経営を繋ぐ

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開発⽣産性と経営を繋ぐ 経営⽬線での⽣産性 10 伊賀泰代「生産性」より • ⽣産性を⾼める⽅法は2つ • 投⼊する経営資源(ヒト‧モノ‧カネ‧etc)を減らす • 得られる成果(売上‧ユーザ数‧etc)を増やす • ⼀⽅で、実際に⾏動にうつすためには分解したり視点を変える必要がある

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開発⽣産性と経営を繋ぐ レベル1〜3⽣産性の定義で共通認識を作る 11 組織の生産性を高める意思決定の構造と方法 / How to do make decision rapidly and effectively GMOペパボ株式会社・マネージャー研修(2022年9月27日)

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開発⽣産性と経営を繋ぐ • エンジニア組織はレベル1⽣産性への責任を、マネジメント層はレベル2⽣産性への 責任を持つ • ※最終的に責任を持つのはどこかという観点での整理 レベル1、2の⽣産性向上によってレベル3⽣産性を向上させる 12 レベル2⽣産性が低い レベル2⽣産性が⾼い レベル1⽣産性が⾼い 無駄なものが 速くできる 必要なものが 速くできる レベル1⽣産性が低い 無駄なものが 遅くできる 必要なものが 遅くできる

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⽣産性向上への組織的な取り組み • ⽣産性を測る絶対的な評価基準はあるか? • 「利益率」や何らかの「KPI」が⽣産性を測る指標になりうる • ⼀⽅で、⾼低を判断する場合は何らかとの⽐較 • 他のチームと⽐較して • 過去の⾃分たちと⽐較して • 競合サービス‧他社と⽐較して • Four Keysを代表する開発⽣産性指標は過去の⾃分たちとの⽐較において最も有効 ⽣産性は絶対値か相対値か 13

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開発⽣産性と経営を繋ぐ • 私たちインターネットサービスを提供する企業は、顧客の(潜在的な)課題を解決す ることで社会に貢献し、その対価を得ることで成⻑する • 適切なタイミングで適切な機能を提供するためには、「求められているものを⾒つ ける能⼒(レベル2⽣産性)」と「それを速く作る能⼒(レベル1⽣産性)」が共に⾼く なければならない。 ⽣産性向上に取り組むのは、それが企業‧サービスの競争⼒そのものだから 14

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15 ⽣産性向上への組織的な取り組み

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⽣産性向上への組織的な取り組み - レベル1⽣産性 • 開発チームを中⼼としたときの⽣産性は「開発コスト : 成果」 • ⽣産性を向上させるためには • 開発コストを下げる = レベル1⽣産性を上げる • 成果を上げる ≒ レベル2⽣産性を上げる + α 開発チームの⽣産性を紐解く 16 チームの ⽣産性 開発コスト 成果 ⼈数 開発期間 売上‧利益‧KPI 組織の成⻑ = =

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⽣産性向上への組織的な取り組み - レベル1⽣産性 • 開発速度が速い #とは(LayerX社内資料)での整理 • 開発速度が速い = 顧客への価値提供(アウトカム)が速い = レベル2,3⽣産性が⾼い • 機能開発速度が速い = 機能の開発(アウトプット)が速い = レベル1⽣産性が⾼い • 「開発速度が速い」組織は「機能開発速度も速い」のではないか? • むしろ、機能開発速度の速さが、開発速度の速さを⽀えている • 「決める速さ」×「決まったものを作る速さ」 機能開発速度(Lv1⽣産性)を上げる 17

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⽣産性向上への組織的な取り組み - レベル1⽣産性 • (機能)開発速度も相対的な評価だが、計測して改善する • ⽣成AIの台頭により上がった”ふつう”のレベルをキャッチアップする “ふつう”の機能開発速度を越える 18

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⽣産性向上への組織的な取り組み - レベル2⽣産性 • 事業の全体を⼤局的に⾒晴らすことができる事業計画 • ⽬標数字 • ビジョン‧ミッション • 市場 (TAM‧SAM‧SOM) • 短期的な重点領域 • etc • 期待付加価値(レベル2⽣産性)が⾼い = 事業計画の実現への貢献度が⾼い • 会社の経営メンバーと部⾨の責任者にて毎⽉レビューを実施 事業の未来を描く「ビッグピクチャー」 19

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⽣産性向上への組織的な取り組み • 施策の期待付加価値‧実現付加価値を可視化する「セールスステージ」と 「プロダクトステージ」の運⽤ • 商談ステージをプロダクト開発に応⽤した仕組み • ステージの前半で期待付加価値を、最後で実現付加価値を⼊⼒する • プロアクティブなコストコントロールを実現するためのFinOpsの推進 • ⾃社データセンターを含めたマルチクラウド環境を活⽤した効率的なコスト削減 • 開発‧運⽤コストを含めたトータルでリーズナブルなインフラの提案 現在取り組んでいること 20

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21 まとめ

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まとめ • GMOペパボでは、複数のプロダクトを事業部という単位で独⽴性を持って運営して いるが、それも⽣産性を⾼めるという観点からの組織構造である。 • レベル1,2の⽣産性向上がレベル3⽣産性向上のベースとなっているので、その繋り を明らかにし、各レイヤーで開発⽣産性向上に取り組んでいる。 • 現在は、レベル1だけでなくレベル2⽣産性向上のための取り組みを進めている。 開発⽣産性と経営を繋ぐ 22

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23 https://findy-code.io/companies/858/jobs