1 / 34 composer dump-autoload を 「なんとなく使う」から 「理解して使う」になる あかつか PHP カンファレンス福岡2024 6/22 #phpconfuk

2 / 34 自己紹介 あかつか / @aki_artisan 神戸でPHP を書いています 株式会社オフショア レガシーシステムのLaravel への移行プロジェクト中 役割はプロジェクトリーダー

3 / 34 こんなシステムつくってます

composer dump-autoload 使ったことありますか？

理解して使っていますか？

6 / 34 おしながき 1. composer dump-autoload とは 1. autoload の種類 2. autoload の最適化 3. dump-autoload が必要なタイミング 4. dump-autoload の裏側で起こっていること 5. まとめ

7 / 34 と、そのまえに なんか聞いたことあるタイトルだなと思ったあなた 正解です

composer dump-autoload とは

9 / 34 composer dump-autoload とは autoload の設定とファイルの状態から、autoload が使える状態にしてくれる コマンド 内部では、 composer.json の設定に応じて、 vendor/composer/ 以下のファイルを書き換えている→後で詳しく解説 autoload とは、未定義のクラスが呼ばれた時にファイルを探して自動で読み 込んでくれる仕組み 詳しくは私のPHP カンファレンス関西の資料をご参照ください

10 / 34 autoload の種類 1. PSR-4 2. PSR-0 （非推奨） 3. classmap 4. files （ファイルの読み込みであり、クラスの読み込みではない） composer で実装されているautoload の種類

11 / 34 PSR-4 名前空間とディレクトリを紐づける App 名前空間を src src2 ディレクトリに結びつける場合 同じ名前空間に、複数のディレクトリを設定することも可能 両方のディレクトリにファイルがある場合は先に書いたものが優先される { "autoload": { "PSR-4": { "App\\": [ "src/", "src2/" ] } } }

12 / 34 classmap 指定したファイルや指定したディレクトリ配下のファイルとクラス名のマッ ピングを登録する dump-autoload 時にファイルを解析して、マッピングを設定してくれる classmap とPSR-4 に、同じクラスがある場合はclassmap が優先される { "autoload": { "classmap": ["src/", "lib/", "Something.php"] } }

13 / 34 files 他のautoload は遅延ロードだが、これは先に読み込まれる。 ヘルパー関数を定義したファイルなどに使う { "autoload": { "files": ["src/MyLibrary/functions.php"] } }

autoload の最適化

15 / 34 autoload の最適化 dump-autoload の必要性を判断するにあたって、 autoload の最適化を知っておく必要がある。 ※ キャッシュのようなもの ゆるい最適化（-o オプション） きつい最適化（-a オプション）

16 / 34 composer dump-autoload -o PSR-4, PSR-0 の設定されたディレクトリを解析して、classmap を生成する classmap で見つからなかったら、ディレクトリから探してくれる composer.json に "optimize-autoloader": true がある場合も

17 / 34 composer dump-autoload -a PSR-4, PSR-0 の設定されたディレクトリを解析して、classmap を生成する classmap で見つからない場合は、見つからずにエラーになる composer.json に "classmap-authoritative": true がある場合も

dump-autoload が必要な タイミング

19 / 34 dump-autoload が必要なタイミング PSR-4, PSR-0 の設定を追加した時 classmap のディレクトリやファイルを追加した時 files のファイルリストを変更した時

20 / 34 dump-autoload が要らないタイミング PSR-4, PSR-0 の設定のあるディレクトリでファイルを追加した時 ただし、最適化されてdump-autoload されている場合は別途考慮が必要 例えば、-o とか -a でclassmap に登録されていたクラス定義ファイル を別の場所に移動したい場合は dump-autoload 必要

dump-autoload の裏側で 起こっていること

22 / 34 dump-autoload の裏側で起こっていること vendor/composer/ 以下のファイルが書き換わっている これによってautoload できるファイルが変わる 特に大事なのは、 autoload_real.php と autoload_static.php composer.json に書いた設定と、実際のファイルからautoload が動く状態 にする

23 / 34 dump-autoload の裏側で起こっていること optimize なしのPSR-4 は、ディレクトリと名前空間の紐付けだけが登録され る classmap は、ファイルとクラスの紐付けが登録される optimize ありのPSR-4 は、 ファイルとクラスの対応がclassmap として登録される →なので、PSR-4 でディレクトリを追加しないときでも 　 dump-autoload が必要になる場合がある

24 / 34 実際のファイルはこんな感じ autoload_static.php class ComposerStaticInitd751713988987e9331980363e24189ce { public static $files = array ( '41da55927f7e15e2e05566a733ef4ad4' => __DIR__ . '/../..' . '/functions.php', ); // [...] public static $prefixDirsPsr4 = array ( 'App\\' => array ( 0 => __DIR__ . '/../..' . '/src', 1 => __DIR__ . '/../..' . '/src2', ), );

25 / 34 -o オプションで実行しています public static $classMap = array ( 'App\\Animal\\Cat' => __DIR__ . '/../..' . '/classmap/Cat.php', 'App\\Animal\\Dog' => __DIR__ . '/../..' . '/src/Animal/Dog.php', 'App\\Animal\\Elephant' => __DIR__ . '/../..' . '/src/Animal/Elephant.php', 'Composer\\InstalledVersions' => __DIR__ . '/..' . '/composer/InstalledVersions.php', 'SomeVendor\\Animal\\Turtle' => __DIR__ . '/../..' . '/classmap/SomeVendor/Hoge.php', ); public static function getInitializer(ClassLoader $loader) { return \Closure::bind(function () use ($loader) { $loader->prefixLengthsPsr4 = ComposerStaticInitd751713988987e9331980363e24189ce::$prefixLengthsPsr4; $loader->prefixDirsPsr4 = ComposerStaticInitd751713988987e9331980363e24189ce::$prefixDirsPsr4; $loader->classMap = ComposerStaticInitd751713988987e9331980363e24189ce::$classMap; }, null, ClassLoader::class); } }

まとめ

27 / 34 まとめ PSR-4 とPSR-0 は設定追加時のみ必要 files はファイルリストを変更した時に必要 classmap は、設定追加時とファイル追加時に必要 optimize に気をつけよう 正体はclassmap classmap に登録された設定を更新する時は必要 困ったら、autoload_static.php を確認しよう

おまけ（時間が余れば）

29 / 34 細かい話 composer でインストールするパッケージも同じファイルにオートロードの 設定が書かれる composer require や composer install でパッケージを追加した時も、 dump-autoload が走る なので、optimize の設定はcomposer.json に書いておくとよい（忘れ防 止）

30 / 34 細かい話 最適化すべきタイミング It should always be enabled in production. と書かれている 本番環境では常に有効にしておくべき 逆に開発時はYou should not enable any of these optimizations in development

31 / 34 トラブルシューティング 目的のファイルが読み込まれなくて困った！ var_dump(get_included_files()); include したファイルを配列で出してくれる array(10) { [0]=> string(58) "/path/to/dir/main.php" [1]=> string(69) "/path/to/dir/vendor/autoload.php" [2]=> string(83) "/path/to/dir/vendor/composer/autoload_real.php" [3]=> string(81) "/path/to/dir/vendor/composer/ClassLoader.php" [4]=> string(85) "/path/to/dir/vendor/composer/autoload_static.php"

32 / 34 [5]=> string(63) "/path/to/dir/functions.php" [6]=> string(68) "/path/to/dir/src/Animal/Dog.php" [7]=> string(66) "/path/to/dir/classmap/Cat.php" [8]=> string(73) "/path/to/dir/src/Animal/Elephant.php" [9]=> string(78) "/path/to/dir/classmap/SomeVendor/Hoge.php" }

Thank you!

34 / 34 参考文献 https://getcomposer.org/doc/04-schema.md#autoload https://getcomposer.org/doc/articles/autoloader-optimization.md https://zenn.dev/fagai/articles/bc9ebc01bd7f42