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“カイゼン”から始めよう! 普段使いできる IoTものづくり @第1回 IOT勉強会 IN 岡山 2019/6/22

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自己紹介 myasu 岡山県在住 本業 ・岡山の機械メーカ、生産技術 ・生産設備・治具製作 ・生産ラインの設計・立ち上げ・カイゼン

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カイゼンからはじめる ”IoT”という言葉が流行って久しい 「具体的にどんなモノ?」 ● センサをArduinoやRaspberryPiにつなげて ● データをインターネットに送って・・・ 身の回りのちょっとした”カイゼン”に当てはめる

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とにかく作ってみよう 部品もやり方も、カンタンに情報が手に入る 断片的な情報(Tips的な内容でも) ● 組み合わせるだけで、以外と作れてしまう! RaspberryPiを活用した作例と仕組みを紹介

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作例1: コンサート会場でIoT

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コンサート会場で使えるIoT 小型パソコン「Raspberry Pi」 コンサート会場 (写真:Switch Science, raspberrypi.org) 教育用マイコン「micro:bit」

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きっかけ とある、アイドルグループのファン  (昨年末の紅白出場、おめでとう!) 年にN回程度、コンサートに参加  (先々週は   埼玉・西武ドームに   行ってました)

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きっかけ コンサートの場で応援グッズとして 使われるペンライト (コンサートライト) その場の雰囲気に合わせ 発光色を変えたり 振り方を変えたり アーティストと観客と”一体感”をつくるアイテム

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”カイゼン”したいこと 色替えボタン ペンライトの柄 色替えのボタン操作を 簡単にしたい (操作する瞬間、”素”に戻る!) コンサート中の雰囲気を伝えるために、 簡単にツイートしたい  ←ココ、IoTっぽい

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① ② ペンライト部 RaspberryPiと周辺機器 ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ 製作したモノ ペンライト制御の Micro:bit ペンライト RaspberryPiと 周辺機器 咽頭マイク 音声認識でペンライトを色替え ペンライトを”振る”ことで自動ツイート

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つくりかた (ちょっと突っ込んだ、技術的な話し)

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ソフトウェア キャストさんの ”愛称の読み”の辞書を 元に音声認識 → キャスト・カラーに切替 ペンライトを”振った”動きを micro:bitの加速度センサを トリガに使って、ツイート 演者名 色番号 演者名 色番号 あんちゃん 1(橙色) あいきゃん 6(白色) りかこ 2(桃色) きんちゃん 7(黄色) すわわ 3(緑色) あいにゃ 8(紫色) ありさ 4(赤色) ふりりん 9(ピンク) しゅか 5(青色) (内蔵の) 加速度センサ

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ハードウェア構成 ペンライト RaspberryPi Zero W Micro:bit USB サウンド IF 咽頭マイク スマートフォン (WiFiテザリング) twitter 出力IF 加速度センサ Micro:bit 3V電池 USB ハブ 5Vモバイル バッテリー micro:bit “RADIO” インターネット WiFi ペンライト部 RaspberryPi &周辺機器 IF:インター   フェース LTE USB アナログ デジタル USB USB

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ハードウェア構成 ペンライト部 RaspberryPiと周辺機器

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ソフトウェア構成 micro:bit USB IF シリアル 通信入力 音声認識結果から 色番号を選定・文字列生成 Julius プロセス マイク入力 デバイス シリアル 通信監視 ツイート 内容生成 シリアル 通信出力 認識辞書ファイル Pythonスクリプト ペンライト部 micro:bit Twitter APIに 指示 無線通信

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コンテストに応募してみた 「みんなのラズパイコンテスト 2018」 (日経BP・日経Linux/ソフトウェア主催) 受賞! 実機は [ E-05-01 ] えれくら! に展示してます!

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作例2: 工場現場のカイゼン

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工場現場のカイゼン 小型パソコン「Raspberry Pi」 工場の生産現場 (写真:Switch Science, raspberrypi.org)

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活用の場面 勤務先の工場の製品・・・    農機具(農業で使う道具・設備) 「季節に合わせた製品」を「多品種・少量生産」 ・「季節に合わせた」 ・「多品種・少量生産」 →  次回の生産は、来年の同じ時期 →  年間約250機種。生産期間は最短3日~最長4ヶ月

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活用の場面 多品種少量に対応:セル生産方式 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 “ ” 限られた生産スペースで 多品種少量生産 →  毎週のように、生産ラインを立ち上げ・解体を繰り返し “ ” 限られた生産スペースで 多品種少量生産 →  毎週のように、生産ラインを立ち上げ・解体を繰り返し セル生産 セル生産 部 品 ス ト ア 出 荷

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活用の場面 多品種少量に対応:セル生産方式 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 ストップウォッチで作業時間を測定 セル生産 セル生産 部 品 ス ト ア 出 荷

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活用の場面 多品種少量に対応:セル生産方式 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セル生産 セル生産 部 品 ス ト ア 出 荷 ボトル ネック ボトル ネック ボトルネックを”見える化” → 作業カイゼン

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活用の場面 多品種少量に対応:セル生産方式 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セル生産 セル生産 部 品 ス ト ア 出 荷 作業中にいちいち ストップウォッチで計っていられない!

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活用の場面 多品種少量に対応:セル生産方式 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セル生産 セル生産 部 品 ス ト ア 出 荷 作業中にいちいち ストップウォッチで計っていられない! ・各工程の作業が1   サイクル 終わるたびにボタンを押す ・作業時間が自動的に、履歴に残る ・各工程の作業が1   サイクル 終わるたびにボタンを押す ・作業時間が自動的に、履歴に残る

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製作した装置 現場で不要になった 液晶モニタ イレクターパイプ 実物の写真 RaspberryPiと周辺回路を 収めた制御盤 無線スイッチ 高さ 約1.3m 小型パソコン RaspberryPi 2015年に製作、3年以上稼働中・・・ 2015年に製作、3年以上稼働中・・・ (写真:Switch Science, 富士電機)

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製作した装置 工程1 工程2 工程3 工程4 無線スイッチ使用で煩わしい配線無し 無線スイッチ使用で煩わしい配線無し ボタン1 ボタン2 ボタン3 ボタン4 無線スイッチ (写真:富士電機)

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測定データの履歴画面 工程1 工程2 工程3 作業時間の ラップタイムの 履歴を 残している 作業時間の ラップタイムの 履歴を 残している ・・・

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画面構成 タクトタイムの 履歴を グラフ表示 測定データの 履歴画面 測定データの 履歴画面 測定中の モニタ画面 測定中の モニタ画面

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つくりかた (ちょっと突っ込んだ、技術的な話し)

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ハードウェアの構成 FA用センサなど FA用表示灯など DC24Vで動作する機器 RaspberryPi RaspberryPi 3.3Vで動作する部品 フォトカプラで 電気的に絶縁 フォトカプラで 電気的に絶縁 フォトカプラで 電気的に絶縁 フォトカプラで 電気的に絶縁 トランジスタ アレイで 電流増幅 トランジスタ アレイで 電流増幅 センサ の信号 表示灯の 信号 表示灯を点灯 センサ の信号

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ハードウェアの構成 DINレール取り付け (タカチ) 時刻保持RTC ユニット RaspberryPi 本体 トランジスタアレイ FA機器 入出力端子 フォトカプラ

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ハードウェアの構成

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ハードウェアの構成 アルミフレーム (NICオートテック) イレクターパイプ (矢崎加工) 回転灯 (日惠製作所、   パトライト) 電源レス無線スイッチ (シュナイダー・富士電機) スイッチ サーキットプロテクタ (IDEC) 端子台 (東洋技研) コンセント等 (パナソニック) 制御盤の箱 (タカチ、   日東工業、   東洋技研)

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ソフトウェアの構成 RaspberryPi RaspberryPi OS ・Windows 10 IoT Core UWPアプリ VisualStudioで、 ソフトウェア開発 リモートデバッグ Wifi

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ソフトウェア 詳細 ユニバーサル Windows プラットフォーム (UWP) アプリ グラフ表示 「Live Charts」 https://lvcharts.net/ タクトタイムの 履歴を グラフ表示 ボタンが押された 信号を受付 ボタンが押された 信号を受付 前回、ボタンが 押されてからの 経過時間を計算 前回、ボタンが 押されてからの 経過時間を計算 履歴データを保存 定期的に画面の内容を更新 定期的に画面の内容を更新

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RaspberryPiとPLC PLCを使っても、同じようなことが出来る 測定時間の情報を、大きな画面で見たい 大型のFA用のタッチパネルは高価 Microsoft Visual Studioで開発可能 Windowsアプリとして開発。(リモートデバッグ可能) データの収集・解析 ネットワーク接続を標準装備 PLC  = プログラマブル ロジックコントローラ (写真: Siemens )

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RaspberryPiとPLC 使用する上で気になる機能比較 ソフトウェア技術者の方が、ちょっとしたカイゼン機器を開発できる PLC RaspberryPi 記述言語 ラダー C# / VisualBasic C, Python ... ”RUN中書き込み” できる できない デジタル入出力 ポートの電圧 24 V 3.3V →別途24V変換必要 操作者に対する 入出力機器 FA用タッチパネル 液晶モニタ マウス、キーボード

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コンテストに応募 「みんなのラズパイコンテスト 2017」 (日経BP・日経Linux/ソフトウェア主催) 「技術賞」を受賞! https://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/ 17/062900102/070500004/ (写真:日経トレンディ)

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まとめ  身の回りのちょっとした”カイゼン”に当てはめる ● ”普段使い”するということ ● やりたいことの断片が分かれば  →Tipsが選べる ● つくる途中も、作った後も楽しめる →次の作品を作るモチベーション   「作りきる」こと! ● まずは妥協と納得の範囲内での”品質”を目指す ● ”Done is better than perfect.” 「多分動くと思うからリリースしようぜ」  モチベーションアップ! ● ”コンテスト”への応募、MakerFaire等イベントに展示参加

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補足:情報源  有志コミュニティ ● 「IoT ALGYAN」 「ROS Japan UG」 ● 「DEEP LEARNING LAB」 「The Things Network」 ● 「Chainer User Group」 etc...  書籍 ● 日経BP:日経Linux/ソフトウェア、ラズパイマガジン ● CQ出版:トランジスタ技術、Interface ● 電波新聞社:電子工作マガジン

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補足:  部品の購入 ● 東京:秋月電子、千石電商、マルツ、aitendo ● 大阪:共立電子産業シリコンハウス  モノ作りの場所 ● 全国の”ファブラボ” ● 東京:DMM.Make ● 岡山:(DAIKI岡山店)オカヤマ メイカーズ スペース ● 倉敷:ホビー塾 沖新