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エンジニア人生の拡張性を高める 「探索型キャリア設計」の提案 1 株式会社リブセンス 転職ドラフト事業部 大倉

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 自己紹介 2 大倉 潤也 41歳 株式会社リブセンス 事業部長 転職ドラフト/転職ドラフトエージェントのなかの人。 趣味は空手とベース。 ● 事業責任者 ● プロダクトオーナー ● キャリアアドバイザー などの役割を通じて、様々なエンジニアのキャリア支援に関わって きました。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 サービスビジョン 3 転職市場はなんて不透明なんだろう。 内定段階まで進まないと、自分の評価額が提示されない。 だから私たちは思ってしまう。自分は買い叩かれているんじゃないのかと。 企業による公開競争入札。 これなら、自由競争でのリアルな相対価値がわかるようになる。 エンジニアだからこそ、より明確に。 誰が評価され、誰が評価されないのか。 自分の価値向上には、これから何をすべきなのか。 透明化された市場による適正化。 そこから起こる、個々の能力の底上げ。 この実現が転職ドラフトの目指すものだ。 エンジニアの価値は、世界が決める。 実力が正当に評価される世界の実現

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 サービス紹介 4 競争入札型スカウトサービス 企業から直接スカウトが届きます。 提示される年収とミッションを読んで、 リアルな市場価値を知って転職できます。 キャリア支援サービス ITエンジニア専門のエージェントが キャリア相談から転職成功までサポートします。 求人紹介を前提としない、 エージェントとのカジュアル面談も選べます。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 本日のゴール 非エンジニアの私が、 エンジニアのキャリアを支援し続けて見えてきたコトを中心に、 転職ドラフトが大事にしている考え方についてお話しします。 今後皆さんがご自身のキャリアについて考える上での、 参考にして頂けたら幸いです。 5 エンジニア人生の拡張性を高める 「探索型キャリア設計」の提案

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 アジェンダ 6 1. 他職種とITエンジニアの違い 2. エンジニアキャリアで向き合う4つの変化 3. 探索がエンジニアキャリアにおいて重要な理由 4. 探索のメソッド

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 他職種とITエンジニアの違い 7

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 他職種とITエンジニアの違い 8 1. オープンにモノを作っていく文化 2. 組織に依存しない技能の習得 3. 共通化された仕事の進め方

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 他職種とITエンジニアの違い 9 1. オープンにモノを作っていく文化 2. 組織に依存しない技能の習得 3. 共通化された仕事の進め方 インターネットやWorld Wide Webに代表されるオープン な技術やデータを組み合わせることによって、新しいサービ スや事業が生み出されてきた。 また、カリフォルニアのシリコンバレーを源流として、 Homebrew Computer Clubに代表されるような企業 を越えた「コミュニティ」が形成されることも多い。 これらの観点から「オープン」であることはソフトウェアエン ジニアのキャリアを考えるうえで重要な言葉であり、今のIT が強くなった社会を語るうえでも欠かせない要素となって いる。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 他職種とITエンジニアの違い 10 「オープン」さに支えられた公開情報やAPI、コミュニティやア ウトプットの機会を活用し、要素技術を利用しながら「個人で モノを作る」という経験を積み上げて行くことができ、これら は時に組織に依存しない。 例えば従来のものづくりの過程においては、設備が欠かせな いものとなっており、個人でこれらを所有することはそれな りの負担が伴う。 他方で、ITエンジニアにおいてはインフラの仮想化・クラウド 化の後押しもあり、パソコン1台と、比較的安価な投資で開発 を行うための環境を整えることもできるようになった。 1. オープンにモノを作っていく文化 2. 組織に依存しない技能の習得 3. 共通化された仕事の進め方

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 他職種とITエンジニアの違い 11 1. オープンにモノを作っていく文化 2. 組織に依存しない技能の習得 3. 共通化された仕事の進め方 Gitなどのバージョン管理やプルリクエスト、近年ではスクラ ムやCI/CDによる自動化など仕事の進め方における共通化 やノウハウの共有が進んでおり、アジャイルやウォーター フォールなど開発手法も共通化されているため他の企業に 移った際にもスムーズに仕事に入れるようになりつつある。 こういった共通化された仕事の進め方は、職種としての人材 流動性の高さにも繋がっている。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 他職種とITエンジニアの違い 12 現在の“あたりまえ”が、数年後には“あたりまえ”でなくなっている可能性も これらの要素はここ数十年で外的環境とともに急激に進化・発展したものであ り、エンジニアのキャリアを考える上で、変化に適応していくことは避けて通れな い重要なテーマとなっています。 クラウド ネイティブ アーキテクチャ DX 大規模言語モデル (LLM) ブロードバンドの 普及 スマートフォン の普及 ソーシャル ゲーム ソーシャル メディア ビッグ データ シングルページ アプリケーション VR Web3.0 セキュリティの重 要性増加

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 エンジニアキャリアで 向き合う4つの変化 13

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 求められるスキルの変化 14 エンプロイアビリティ 「Employ(雇用する)」と「ability(能力)」を組み合わせた 経済学用語の一つで、労働者が企業や組織に「雇用される ための能力」という意味を持つ。 エンプロイアビリティは、その人の持つ基本的能力で評価さ れることになる。 例えば、一般的な能力評価のモデルとして「カッツモデル」 を例に挙げると、職位が上がるほどコンセプチュアルスキル の割合が上がり、テクニカルスキルの割合が下がると言わ れている。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 求められるスキルの変化 15 カッツ・モデルを使ってエンジニアの能力を表現すると、ITエンジニアの場合は土台にテクニカルスキルが存在し、その 上にヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルを積み上げていく構造となる。 テクニカルスキル(技能・知識) ● 要素技術・技術の応用力(ドメインやビジネスモデルに合わ せて要素技術を適切に活用する力) ヒューマンスキル(対人関係能力) ● ファシリテーション・ドキュメンテーション・推進力・調整力・ 育成力など コンセプチュアルスキル(概念化能力) ● 課題発見・ロジカルシンキング・プランニング・戦略的思考な ど

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 求められるスキルの変化 16 技術のトレンドが激しいことによって、技術選定などの重要な判断をする上でもテクニカルスキルの更新も一定必要とな り、いわゆる「手を動かす」という行動は最前線で変化していく技術に触れ続けている事にもあたる。 他方で、マネジメント職などのように、手を動かすことが職位とのトレードオフの関係になりがちな現状に対して時にその不 安が表層化することもある。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 役割の変化 17 ITの進化に伴いITエンジニアの役割は多様化してきている。 かってはPG→SE→PjMという一本道であった役割も、開発手法・組織・技術などとともに変化。 エンジニアをマネジメントする役割としてのEM(エンジニアリングマネージャー)をはじめ、 EMと対比する役割としてマネジメントを行わないIC(Individual Contributor)、 スタッフエンジニアといった役割も近年では語られるようになってきた。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 技術の変化 18 エッジ - これから来るかもしれない技術 - 投資的要素が高く、ある種のギャンブル - 生存戦略においてハイリスクハイリターンだが、結果として普及すれば、そ の分野の先駆者となり強烈な強みになる モダン - 次に需要が高くなるであろう技術 - 人気になるので、競争が激しい スタンダード - 現在需要が高い技術 - 少なくともマジョリティであり、近い未来の汎用性は高いため 生存戦略としての妥当性も高い - ときおり「○○は枯れた」などの議論が起こる レガシー - 市場で需要が少なくなってきている技術 - 新しいスキル習得ができないリスクがある - 生存戦略としては取り残されていくリスクがあるが、基幹システムなどに 取り入れられている場合、需要は残り続ける可能性がある

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 技術の変化 19 社内評価とエンプロイアビリティはときに衝突する 例えば、過剰な技術。技術者目線では「エンプロイアビリ ティの高くなるであろうモダンな技術経験」を導入したい が、事業的にはそれはオーバースペックで、ときにそれが 事業と衝突するときがある。 例えば、レガシーな技術を使った事業の保守運用。成功し ている事業であれば社内評価は悪くはないかもしれない が、エンプロイアビリティは向上しづらい。 なので、適切な技術での置き換えや定期的なバージョン アップが必要になる場合がある。 Case.1 Case.2 これらの判断をするにはそれなりの経験が必要とされ、チャレンジの可否は組織 の規模やフェーズなどの環境によっても大きく左右される。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 ライフステージの変化 20 Challenge(挑戦):個人が自己のキャリアやライフスタイルに対する選択の自由を持つこと。 Balance(バランス):仕事とプライベートのバランスを取るための調整能力。 Authenticity(真実性):仕事が個人の価値観や人生の意味に合致すること。意義付け。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 ライフステージの変化 21 ) このウェイトが ライフステージによって変 化する また前提となる “内的動機に気付く” ということも必要

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 探索がエンジニアキャリアにおいて 重要な理由 22

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 探索がエンジニアキャリアにおいて重要な理由 23 これまで考えられてきた逆算型のキャリア構築を RPGで例えるなら、 ひとつひとつミッションをクリアしていく「クエスト型」 長期で定めたゴールが不変であることが前提で、外的環境や 求められるスキル・技術・役割などが変わっていく中では機能 しにくい。 多様化する役割の中で、一本道のキャリアを描くことの難易度 が上がっている。 また、長期の目標設計が前提となるため「キャリア迷子」を生み 出しやすいというリスクもある。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 探索がエンジニアキャリアにおいて重要な理由 24 一方で、探索型のキャリア構築をRPGで例えるなら、 行く先々でイベントが起こる「フリーシナリオ型」 変化に対する適応力が個人に求められ、市場を予測し将来的 に競争力のあるスキルや知識などを身につけていく必要があ る。 これらは自覚的にせよ無自覚的にせよ、多くのエンジニアの方 が取り組んでいる事であり、時には“流され”、時には“戻る”と いう選択もありうる。 また無作為に進むのではなく、地図の全体像をおぼろげなが らでも知る必要があり、他の人のキャリアの作り方も重要にな る。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 探索のメソッド 25 3つの『知る』からはじめよう

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 探索のメソッド 26 まずは経験・思考の棚卸しとして、自分ができること、技術を 用いてこれまで向き合ってきた課題を言語化する。 その手段の1つとして経験を棚卸ししレジュメを書くこと(プ ロモーションパケット)や、客観的な第三者からアドバイスや フィードバックを貰う事も有効になる。 その上で、自身の市場価値を知るということも振り返りの機 会となる。 1. 今の自分を『知る』 2. 選択肢を『知る』 3. アクションプランを『知る』 3つの『知る』からはじめよう

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 探索のメソッド 27 自身の少し先のキャリアにおいてどのような選択肢があるの かを探索する。 他のITエンジニアのキャリアに触れ、ロールモデルを見つける ことや、次に習得すべきスキル/経験とそれらを得られるであ ろう場所を見立てる。 コミュニティによるネットワーキング(OSS、技術カンファレン ス、勉強会など社外のつながりによる弱い紐帯※)によって知 識や経験を習得していくという選択肢も有効となる。 1. 今の自分を『知る』 2. 選択肢を『知る』 3. アクションプランを『知る』 3つの『知る』からはじめよう ※新規性の高い価値ある情報は、自分の家族や親友、職場の仲間といった社会的つながりが強い人々(強い紐帯)よりも、知り合いの知り合い、ちょっとした 知り合いなど社会的つながりが弱い人々(弱い紐帯)からもたらされる可能性が高いといい、これを「弱い紐帯の強み」の理論と呼ぶ。

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 探索のメソッド 28 選択肢が見えた次に行うべきは、そこへの道筋を立てていく ことである。 その手段として物理的移動(複業や転職、人事異動など組織 を超える移動)と心理的移動(学習行動や人的ネットワークに 伴う移動)がある。 転職はその中で最もドラスティックな変化をもたらし、且つ、 ハイカロリーな選択となるため、転職において得るもの/失う ものを認識しながら、複数の選択肢の中から意思決定を行う 必要がある。 この成功確率をあげるための情報を集め、戦略的に転職活動 を行うために、先駆者や専門家からの客観的なアドバイスを得 るという事も有効な手段の1つ。 1. 今の自分を『知る』 2. 選択肢を『知る』 3. アクションプランを『知る』 3つの『知る』からはじめよう

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 まとめ 29 変化を受け入れ、時には戻ることを許し、チャレンジの余白を探そう ● 継続的にキャリアを棚卸ししよう ● 弱い紐帯(コミュニティ)を上手く使ってロールモデルを探そう ● 複数の選択肢を持ちながら、キャリアを構築していこう 探索型キャリア設計のポイント

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 さいごに 30 エージェントとのカジュアル面談やっています

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エンジニア人生の拡張性を高める「探索型キャリア設計」の提案 31 実力が正当に評価される世界の実現