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Debian 11 bullseyeとリリースモデル ~Linux ディストリビューションのリリースの話~ Cross Distro Developers Camp Debian JP 杉本典充 [email protected] Open Developers Conference 2021 Online 2021-08-28

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Debian とは ● https://www.debian.org/ ● 1993年にIan Murdockさんが創設 2 画像出典:https://www.debian.org/

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● フリー/オープンなユニバーサルオペレーティングシステム(OS)を作成しようとするボラ ンティアベースのプロジェクト ○ 「Debian Project」と言われる ● Debian 社会契約 https://www.debian.org/social_contract ○ Debianの目的と行動ポリシーを宣言した文章 ○ この中にDebian フリーソフトウェアガイドライン(DFSG)がある ■ オープンソース定義の雛型とも言われる ● Debian Developerという公式開発者を筆頭に「Debian」というOSの開発とメンテナンス を行っている ○ Debian Developerは世界各地に約1,000名以上 ○ 毎年Debian Developerの中からDebian Project Leader(DPL)を選挙で選出 Debian というコミュニティ 3

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● Debian に参加するのに資格は必要ありません ○ Debian 社会契約などのルールを守る必要があります ● Debianの開発やメンテナンスに関わる人たち ○ Debian Developer(DD。投票権あり。すべてのパッケージのアップロード権限あり) ○ Debian Maintainer(DM。一部のパッケージのアップロード権限あり) ○ Package Maintainer(パッケージ作成作業を行うがパッケージのアップロードは DDに依頼) ○ バグ報告、パッチの送付、翻訳する人たち ● 世界各国にあるDebianのローカルコミュニティ ○ 日本ではDebian JP Projectがローカルコミュニティとして活動 ■ https://www.debian.or.jp/ ○ 東京エリアDebian勉強会、関西Debian勉強会 Debian というコミュニティ 4

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● dpkgとaptによるパッケージ管理システム ○ 「debianパッケージ」(.debファイル)という形式で配布し、システムへのインストール やアンインストールを管理 ● 多くのCPUで動作し、複数のカーネルに対応 ○ Linuxカーネルを採用するものを「Debian GNU/Linux」と呼ぶ ● サーバ、PC、組み込み機器など多くの用途で利用可能 ● 収録するリポジトリの区分は、debianパッケージのライセンスで決定 ○ main ソフトウェアと依存するソフトウェアすべてがDFSGに適合 ○ contrib ソフトウェアはDFSGに適合だが、DFSGに不適合なものに依存あり ○ non-free DFSGに不適合(例:ソースコードがなくバイナリのみ配布) 5 Debian というオペレーティングシステム

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2021-08-14 Debian 11 bullseye リリースおめでとう!
 6 Debian 11 bullseye released https://www.debian.org/News/2021/20210814 画像出典: https://wiki.debian.org/DebianArt/Themes/Homeworld

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● カーネルは linux-5.10 シリーズを採用 ● 対応するCPUアーキテクチャ ○ amd64、i386、arm64、armhf、armel、mips64el、mipsel、ppc64el、s390x ○ (big endianの)mipsが安定版に含まれなくなった ● リリースノート ○ https://www.debian.org/releases/bullseye/releasenotes/ ■ CPUアーキテクチャごとに若干異なるため使うCPUの記事を見ること ■ 「第5章 bullseye で注意すべき点」は読んでおくとよい ● 収録するソフトウェア ○ glibc-2.31、gcc-10.2、LLVM-11.0.1/9.0.1 ○ Perl-5.32、PHP-7.4、Python-3.9.1/2.7、Ruby-2.7.4、Rustc-1.48 、golang-1.15.9  など 7 Debian 11 bullseye

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● Debianのバージョン構成 ○ unstable (sid) 不安定版。開発版扱いで最新に追随。 ↓ ○ testing テスト版。unstableにパッケージが入って一定日数 問題なければtestingにパッケージが移動。 ↓ ○ stable 安定版。リリースするとtestingがstableになる。 ● stable にはコードネームがつく ○ Debian 10:buster ○ Debian 11:bullseye ○ Debian 12:bookworm ○ 慣例としてトイストーリーのキャラクター名をつけている 8 Debian のリリースモデル (1)

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● Time-based release freezes を採用 ○ https://www.debian.org/News/2009/20090729 ○ 奇数年にリリースされる(=2年ごと) ○ 実際のところ、Debian 4以降はメジャーリリースを2年ごとに行っている ● Debian はいつリリースするのか? ○ 「Debian は準備が出来たらリリースされる (Debian releases when it's ready) 」 ○ =リリースクリティカルバグ(RCバグ)が 0 個になったとき ● 安定版のリリース後のLong Term Support(LTS) ○ 3年経過後に2年のLTSを提供 ■ 利用者が多いIntel系とARM系のCPUアーキテクチャに絞ることが多い 9 Debian のリリースモデル (2)

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10 Debian のリリースモデル (3) ● Bullseye Freeze Timeline and Policy ○ https://release.debian.org/bullseye/freeze_policy.html

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● Debian 11 bullseye リリースしました ○ ぜひ使ってみてください ● DebianとはコミュニティとOSの両方を指す言葉 ○ フリーを大切にしている ● debianパッケージの収録 ○ main、contrib、non-freeはライセンスで決まる ● バージョン ○ unstable、testing、stable ○ 開発するならやっぱりunstable! ● 開発に参加するなら日本のコミュニティから参加してみる手があります ○ Debian JP、東京エリアDebian勉強会、関西Debian勉強会 11 まとめ

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参考:Debianの開発に参加する上で知っておく事項 ● Debian 社会契約、Debian フリーソフトウェアガイドライン(DFSG) ○ https://www.debian.org/social_contract ● Debian Policy ○ https://www.debian.org/doc/debian-policy/ ○ ディレクトリ構成、パッケージ構成などの DebianというOSの中身を定義した文書 ● Debian デベロッパー レファレンス ○ https://www.debian.org/doc/manuals/developers-reference/index.ja.html ○ Debianの開発に関わる者が知っておくとよいベストプラクティス集 ● Debian 新メンテナーガイド ○ https://www.debian.org/doc/manuals/maint-guide/index.ja.html ○ Debianパッケージに関わる人は必読 12