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n=1の経験が紡ぐ エンジニアリングマネジメントの可能性 EMConf JP 2025 Closing Keynote 2025年2月 岩瀬 / @iwashi86

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1 本題に入る前に チェックイン

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2 チェックイン! (1/2) ● これまでの様々なセッションや、参加者同士の会話から きっと学びが得られていると思います。 ● 20秒ぐらい黙りますので、 「今日一番学びになったこと」を思い起こしてみてください。 補足:  チェックインとは、会議などの冒頭で行うアイスブレイクのようなもの。  意見を出しやすくなる効果がある。

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3 本キーノートのゴール ● 「増幅と触媒」の効果を倍増させること ● 学びだけではなく、明日からのエネルギーを「増幅」すること

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4 チェックイン! (2/2) ● 同じテーブルの方と以下の内容を共有・対話してください。 ○ (一人テーブルの場合は前後にて) ● 共有して欲しい内容(約1分 / 人) ○ お名前・役割など (言える範囲で) ○ 今日のイベントで「一番学びになったこと」「その理由」 (全体で最大4分程度、様子をみて切ります)

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EOF 2019 のオマージュでした

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6 https://x.com/t_wada/status/1184754000450580486 生々しいのがバンバン出る

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7 本日の内容 ● 主に話すこと ○ これまで:私(n=1)のEMストーリー ○ これから:EMのあり方、EMへの期待 ● 話さないこと ○ 体系化されたマネジメントの話(広木さんやKumanさんの話を) ○ 学術論文をベースにしたベストプラクティス

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8 ● 岩瀬 義昌 (@iwashi86) / Yoshimasa Iwase ● 本業 ○ NTT Com にて生成AI向け技術開発PJのEM/PdM ■ rokadoc (RAGなどの精度を高める情報構造化技術) ■ chakoshi(生成AI向けのガードレール) ● サイドワーク ○ 大小問わずエンジニア組織支援 ○ 非常勤講師(プログラミング) ○ Podcaster ○ 翻訳者

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No content

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No content

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11 本題

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12 本日の内容 ● 主に話すこと ○ これまで:私(n=1)のEMストーリー ○ これから:EMのあり方、EMへの期待

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13 EMを意識 しだしたきっかけ EMという仕事の 難しさと面白さ うまくいったこと いかなかったこと

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14 EMの仕事を 意識し始めたのは いつでしょうか?

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15 契機(1/3) 優秀な人材の採用 ● 当時(7-8年前)は、WebRTC Platform の Tech Lead として、 ICとしてほぼフルスタックで設計・実装 ○ 難解な技術面白い! プログラミング面白い! ● 幸いなことに採用がうまくいくと......

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16 あ い つ ワ シ よ り 強 く ね | ? 背景は想像してください

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17 契機(1/3) 優秀な人材の採用 ● 当時(7-8年前)は、WebRTC Platform の Tech Lead として、 ほぼフルスタックで設計・実装 ○ 難解な技術面白い! プログラミング面白い! ● 幸いなことに採用がうまくいき...... ● チームの外にある大きなブロッカーを外しに行ったほうが 全体として価値が出るのでは???

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18 契機(2/3) とある社内面談で ● あるマネージャーに言われたこと

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19 契機(2/3) とある社内面談で ● あるマネージャーに言われたこと 「岩瀬さんのチームはやる気がある若手で構成されている。  そうじゃない人が多数を占めるチームで  マネジメントするとしたらどうする?」

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20 契機(2/3) とある社内面談で ● あるマネージャーに言われたこと 「岩瀬さんのチームはやる気がある若手で構成されている。  そうじゃない人が多数を占めるチームで  マネジメントするとしたらどうする?」 → ハッとした。   当時は最高のチームを作ることばかりを考えており、   あまり考えていなかった観点だった(マネジメントの引き出し不足)

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21 契機(3/3) 及川さんから ● とある会話の中で

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22 契機(3/3) 及川さんから ● とある会話の中で 「今あるリソースで最高のパフォーマンスを出すのも  マネジメントの役割」

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23 契機(3/3) 及川さんから ● とある会話の中で 「今あるリソースで最高のパフォーマンスを出すのも  マネジメントの役割」 「マネージャは斜に構えていてはいけない」 「人事は〜」「情シスは〜」 という主語デカな見方

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24 Individual Contributor Manager 本格的に学び始める 書籍/Podcast/勉強会/etc…

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26 マネジメント感 マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット  + 自分の影響力が及ぶ隣接組織のアウトプット

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27 マネジメント感 マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット  + 自分の影響力が及ぶ隣接組織のアウトプット

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28 組織のアウトプット  = メンバーの能力 x メンバーの熱量 - チームや組織の摩擦・制約など 補足: ● 能力がなければ、どんなに熱量があってもアウトプットは出ない ● どんなに能力が高くても、熱量ややる気がゼロならばアウトプットは出ない ● どんなに能力や熱量があっても ● チームや組織の摩擦・制約・阻害要因があれば力が発揮できない

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29 組織のアウトプット  = メンバーの能力 x メンバーの熱量 - チームや組織の摩擦・制約など いかに上げるか? いかに下げるか?

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30 ※メンバーの方向性があっている前提に限る

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31 ※メンバーの方向性があっている前提に限る

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32 ※メンバーの方向性があっている前提に限る

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33 ※メンバーの方向性があっている前提に限る 力が結集して 作られたゴミ

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34 ※メンバーの方向性があっている前提に限る

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35 ※メンバーの方向性があっている前提に限る

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36 Individual Contributor Manager 実務ともに徐々にシフト

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37 学び・実践する中で 見えてきたEMの難しさ

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38 透明性は大事という説 ● よく言われていること ○ 情報が隠蔽されているとそもそも意思決定を間違う ○ 情報が足りなくて自律的に判断できない ○ だからインサイダーなどの機密情報をのぞいてオープンに

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39 透明性は大事という説 ● よく言われていること ○ 情報が隠蔽されているとそもそも意思決定を間違う ○ 情報が足りなくて自律的に判断できない ○ だからインサイダーなどの機密情報をのぞいてオープンに → アジャイル育ちなこともあり、基本は完全同意の方向。   価値観の体現として、例えばコミュニケーションは public ch で。   だが......

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40 実際には分けた方がうまくいくことも ● とある初級者が集まる研修チームchの例

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41 実際には分けた方がうまくいくことも ● とある初級者が集まる研修チームchの例 ○ public ch → 盛り上がる気配がない 情報が公開されていれば 誰かの学びにつながるはず

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42 実際には分けた方がうまくいくことも ● とある初級者が集まる研修チームchの例 ○ public ch → 盛り上がる気配がない ○ private ch → 明らかに発言が増える 抑圧されていた 学びの出力が解放された!

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43 実際には分けた方がうまくいくことも ● とある初級者が集まる研修チームchの例 ○ public ch → 盛り上がる気配がない ○ private ch → 明らかに発言が増える → もしや、時と場合に応じて柔軟に振る舞った方がいいのでは......?

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44 私はオープンなコミュニケーションや書面での記録を すべてやめなさい、と言っているわけではありません。 オープンな会話と、チームメンバーが少しリラックスできる場所との バランスをとることが良い方法だと言いたいのです。 個人的には、チームのための プライベートチャットグループを作ることをお勧めします。 すべての雑談やチャットをオープンにしたがる企業もたくさんありますが、 私は多くのリモートチームをマネジメントしてきた経験から、 チームが自分たちだけの場所を持つことが重要だと考えるように (略) サラ・ドラスナー. エンジニアリングが好きな私たちのための エンジニアリングマネジャー入門 (pp. 45-46). 日本能率協会マネジメントセンター . Kindle Edition.

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45 https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%81%AE%E7%9B%AE%E3%81%AE%E5%89%8D%E3%81%AE%E6%A4% 85%E5%AD%90%E3%81%AB%E5%BA%A7%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E4%BA%BA-rRWiVQzLm7k 1on1での振る舞い

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46 マネージャーの帽子 ● メンタリング・ティーチング ○ 自分の経験に基づいてアドバイスを提供し問題解決を支援する

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47 マネージャーの帽子 ● メンタリング・ティーチング ○ 自分の経験に基づいてアドバイスを提供し問題解決を支援する ● フィードバック ○ チームが行うべきことに一致しているか否かの行動を観察し その観察結果を賞賛や提案とともに共有する

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48 マネージャーの帽子 ● メンタリング・ティーチング ○ 自分の経験に基づいてアドバイスを提供し問題解決を支援する ● フィードバック ○ チームが行うべきことに一致しているか否かの行動を観察し その観察結果を賞賛や提案とともに共有する ● コーチング ○ 自分の意見を共有したり、すばやく問題を解決したりするのではなく オープンな質問をしてチームメンバーの内省を支援 1on1ではかぶらないため、スポンサリングは割愛

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49 1on1でのコーチング帽子の定番質問 「5年後にどうなっていると嬉しいですか?」 「(バックキャストして)1年後だとどうでしょうか?」

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50 1on1でのコーチング帽子の定番質問 「5年後にどうなっていると嬉しいですか?」 「(バックキャストして)1年後だとどうでしょうか?」 「そのためにできることは、どんな方法がありますか?」 「(バックキャストして)来週までに何ができるとよいでしょう?」

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51 5年後にどうなっていると 嬉しいですか? (とメンバーに尋ねる側)

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52 5年後にどうなっていると 嬉しいですか? (とメンバーに尋ねる側) 岩瀬さんは どうなっていたいですか?

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53 5年後にどうなっていると 嬉しいですか? (とメンバーに尋ねる側) 岩瀬さんは どうなっていたいですか? → なんもわからん!

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54 余談:コーチングにモヤっとするタイミング ● ビジネスコーチングを一通り学ぶと 「あ、これはひたすらコーチングしにきているな」 とモヤっとすることも

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55 余談:コーチングにモヤっとするタイミング ● ビジネスコーチングを一通り学ぶと 「あ、これはひたすらコーチングしにきているな」 とモヤっとすることも ● 自らがコーチャブル(コーチングが受け入れられる状態)で あるかどうかをセルフチェックして期待を擦り合わせた方がよい

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56 副作用に満ちた仕事&時間のかかる仕事 ● エンジニアリングの仕事は再現性が高く、副作用が少ない ○ flakyじゃなければ、CIやユニットテストは再現するし結果は即時

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57 副作用に満ちた仕事&時間のかかる仕事 ● エンジニアリングの仕事は再現性が高く、副作用が少ない ○ flakyじゃなければ、CIやユニットテストは再現するし結果は即時 ● EMの仕事は副作用に満ちている ○ 完全に同じ人はいない ■ 同じ人ですら、昨日まで元気だったのに、今日は元気がない ○ ある部署でうまくいった方法が、他の部署では通用しない ○ なんだったら、結果がいつ出るかわからない

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58 失敗もたくさん

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59 失敗例:手を動かしたくて抱え込む ● ICのノリで「このタスクはできるだろう」とチケットを取る

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60 失敗例:手を動かしたくて抱え込む ● ICのノリで「このタスクはできるだろう」とチケットを取る ● 余裕と思いきや、マネジメント業務で忙殺

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61 失敗例:手を動かしたくて抱え込む ● ICのノリで「このタスクはできるだろう」とチケットを取る ● 余裕と思いきや、マネジメント業務で忙殺 ● タスク進捗が出せずにチームのボトルネックに ○ しかも、Daily Standup でも「今日やります」と言っちゃう (メンバーから率直にFBしてもらった🙏)

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62 でも面白い! 達成できる総量が桁違い!

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63 チーム・組織で何かを成し遂げた時の面白さ

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64 チーム・組織で何かを成し遂げた時の面白さ どちらも 「ソフトウェア x 機械学習」

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65 裏側でやっていたこと ● こういうProjectチームを立ち上げるべきと幹部に提案 → 予算とヘッドカウントを確保

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66 裏側でやっていたこと ● こういうProjectチームを立ち上げるべきと幹部に提案 → 予算とヘッドカウントを確保 ● 採用活動して人を集める ○ お手紙を書いたり、メディア広報したり

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67 裏側でやっていたこと ● こういうProjectチームを立ち上げるべきと幹部に提案 → 予算とヘッドカウントを確保 ● 採用活動して人を集める ● チームのビジョンを描き、仮説検証すべき方針(What)を定める ○ PdM帽子をかぶりユーザーインタビューへ

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68 裏側でやっていたこと ● こういうProjectチームを立ち上げるべきと幹部に提案 → 予算とヘッドカウントを確保 ● 採用活動して人を集める ● チームのビジョンを描き、仮説検証すべき方針(What)を定める ● 良い振る舞いを率先垂範(背中を見せる) ○ ドキュメント文化やふりかえり文化を作り

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69 裏側でやっていたこと ● こういうProjectチームを立ち上げるべきと幹部に提案 → 予算とヘッドカウントを確保 ● 採用活動して人を集める ● チームのビジョンを描き、仮説検証すべき方針(What)を定める ● 良い振る舞いを率先垂範(背中を見せる) ● Howはチームに任せて、自分は周りのブロッカーを外し続ける

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70 裏側でやっていたこと ● こういうProjectチームを立ち上げるべきと幹部に提案 → 予算とヘッドカウントを確保 ● 採用活動して人を集める ● チームのビジョンを描き、仮説検証すべき方針(What)を定める ● 良い振る舞いを率先垂範(背中を見せる) ● Howはチームに任せて、自分は周りのブロッカーを外し続ける https://hirokidaichi.github.io/presentation/emconf.html#52

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71 特にうまくいった具体行動 - レバレッジを意識 -

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72 ポエムドリブン マネジメント (思考過程の言語化)

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73 ポエムドリブンマネジメント ● チームにアイデアを届けるためには 「さまざまなチャネルで」「何度も」伝える必要がある ○ ドキュメントはそのチャネルの1つ ○ しかも、ドキュメントはスケールする

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74 ポエムドリブンマネジメント ● チームにアイデアを届けるためには 「さまざまなチャネルで」「何度も」伝える必要がある ○ ドキュメントはそのチャネルの1つ ○ しかも、ドキュメントはスケールする ● Tips ○ 結論よりも思考過程を ○ 長くしすぎずさっと読める程度 ○ 双方向でコメントをやりとりできる場がベスト

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76 余談:自ら書くことの大切さ “やっぱり「書く」がないと、 暗黙知を形式知に変換できないと思うんです。 だけどその言語化について、 僕自身は知的コンバットをやることのなかで 閃いているのかな。 (中略) 人は「書く」ことで、 そういった「コトバ」を生み出せる。 書くことで、本人も気づかなかった 「コトバ」の意味を知り、 自らの暗黙知が豊かになっていく。” https://www.1101.com/n/s/nonaka_ikujiro/2022-07-22.html

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77 余談:自ら書くことの大切さ “やっぱり「書く」がないと、 暗黙知を形式知に変換できないと思うんです。 だけどその言語化について、 僕自身は知的コンバットをやることのなかで 閃いているのかな。 (中略) 人は「書く」ことで、 そういった「コトバ」を生み出せる。 書くことで、本人も気づかなかった 「コトバ」の意味を知り、 自らの暗黙知が豊かになっていく。” https://www.1101.com/n/s/nonaka_ikujiro/2022-07-22.html

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78 1on1 ● n人へのブロードキャストでないため到達範囲は狭いが コミュニケーション密度が一番高い

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79 1on1 ● n人へのブロードキャストでないため到達範囲は狭いが コミュニケーション密度が一番高い ● 岩瀬が必ず聞いているトピック ○ 元気度合い ○ 今のブロッカー ○ 最近の楽しさ度合い ○ 今日話したいこと

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80 1on1 ● n人へのブロードキャストでないため到達範囲は狭いが コミュニケーション密度が一番高い ● 岩瀬が必ず聞いているトピック ○ 元気度合い ○ 今のブロッカー ○ 最近の楽しさ度合い ○ 今日話したいこと

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81 出社日の関係構築 ● チームは隔週に1回出社

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82 出社日の関係構築 ● チームは隔週に1回出社 ● シンプルにお願いしていること 「雑談大歓迎」「ひたすら話してほしい」

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83 出社日の関係構築 ● チームは隔週に1回出社 ● シンプルにお願いしていること 「雑談大歓迎」「ひたすら話してほしい」 ● 業務するにしても 「抽象的で話にくいトピックを」 「ぜひペアプロ・ペアワークを」

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84 ふりかえりやチームビルディング 意図的に立ち止まって顧みる・相互理解する場をプロセスに組み込む すると日々の雑談からは生まれない意見が出る

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85 強い関係性はどんな問題にも勝る チーム内部の問題のほぼすべては、 関係性の欠如や悪化に帰着し、 すばらしい関係性があれば 何でも一緒に解決できるだろう。 Will Larson. エレガントパズル エンジニアのマネジメントという難問にあなたはどう立ち向かうのか (p. 139). 日経BP. Kindle Edition.

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86 隣接組織

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87 再掲:マネジメント感 マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット  + 自分の影響力が及ぶ隣接組織のアウトプット

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88 再掲:マネジメント感 マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット  + 自分の影響力が及ぶ隣接組織のアウトプット

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89 再掲:マネジメント感 マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット  + 自分の影響力が及ぶ隣接組織のアウトプット Q. 隣接って どこまでだろう?

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90 再掲:マネジメント感 マネージャーのアウトプット = 自分の組織のアウトプット  + 自分の影響力が及ぶ隣接組織のアウトプット A. ほぼ全部では? Q. 隣接って どこまでだろう?

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94 やっぱり 全部だった

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95 組織のアウトプット  = メンバーの能力 x メンバーの熱量 - チームや 組織の摩擦・制約など いかに上げるか? いかに下げるか?

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96 組織の摩擦や制約の例: ● 組織間の過剰なデマケーション・サイロ化 ● 重厚長大な意思決定プロセス ● 職種と合わない評価制度 ● 進まない内製開発へのシフト ● アジャイルプロセスと計画予算との矛盾 ● 制約が強すぎる開発環境 ● etc…

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97 組織の摩擦や制約の例: ● 組織間の過剰なデマケーション・サイロ化 ● 重厚長大な意思決定プロセス ● 職種と合わない評価制度 ● 進まない内製開発へのシフト ● アジャイルプロセスと計画予算との矛盾 ● 制約が強すぎる開発環境 ● etc… 組織の歴史ととも に積もっていく

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98 想い先行の失敗例

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99 いきなり全体最適化を振りかざす ● 開発プロセスが重厚という課題感

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100 いきなり全体最適化を振りかざす ● 開発プロセスが重厚という課題感 → 特に解決すべき箇所を見つけるべく   Value Stream Map を書こう、と「外部から」提案   (社内なのに、外部コンサルっぽい振る舞いをした) https://en.wikipedia.org/wiki/Value-stream_mapping

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101 いきなり全体最適化を振りかざす ● 開発プロセスが重厚という課題感 → 特に解決すべき箇所を見つけるべく   Value Stream Map を書こう、と「外部から」提案   (社内なのに、外部コンサルっぽい振る舞いをした) → 意義は理解してもらえても   相手からすると余計な稼働が多すぎる (相手の利益が少なすぎる)

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102 いきなり全体最適化を振りかざす ● 開発プロセスが重厚という課題感 → 特に解決すべき箇所を見つけるべく   Value Stream Map を書こう、と「外部から」提案   (社内なのに、外部コンサルっぽい振る舞いをした) → 意義は理解してもらえても   相手からすると余計な稼働が多すぎる (相手の利益が少なすぎる) → 結果、何も起こらず…

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103 解くべき課題を 全体像からすり合わせる

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104 システム思考: 事象の全体像を 「システム」として捉え 解決を目指す思考のこと

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105 利益が足りない! 利益創出のために 新規プロダクトを作ろう

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106 利益が足りない! 利益創出のために 新規プロダクトを作ろう 内製開発できる人が 足りないから外注だ! プロパーは ベンダコントロールせよ! 定量性を可視化するのもgood

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107 利益が足りない! 利益創出のために 新規プロダクトを作ろう 内製開発できる人が 足りないから外注だ! プロパーは ベンダコントロールせよ! あれ? プロパーも足りないから 他と兼務でやろう 退職

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108 利益が足りない! 利益創出のために 新規プロダクトを作ろう 内製開発できる人が 足りないから外注だ! プロパーは ベンダコントロールせよ! あれ? プロパーも足りないから 他と兼務でやろう ピーナッツバターな プロダクトが増えて 魅力あるプロダクトが 生まれず

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109 利益が足りない! 利益創出のために 新規プロダクトを作ろう 内製開発できる人が 足りないから外注だ! プロパーは ベンダコントロールせよ! あれ? プロパーも足りないから 他と兼務でやろう ピーナッツバターな プロダクトが増えて 魅力あるプロダクトが 生まれず その上で、取り組む位置を見定める

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110 Howの1つとして有識者に来ていただく

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114 45/48 パターンを試した

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116 説得戦略の6モード を知っておく ● 利益 ○ 相手の潜在ニーズに訴えてアイデアを売り込むこと ● 権限 ○ 役職やロール、基準で相手を説得すること ● 理性 ○ 根拠や証拠により相手の行動に影響を及そうとすること ● 政治 ○ 仲間や同盟と公式・非公式に説得すること ● ビジョン ○ 相手が大事にしている目的・価値観に訴える説得方法 ● 人間関係 ○ 相手の信頼関係を利用したり、コネや友人を通じて道を切り開こうとすること P.49- 60 を参考に作成

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117 説得戦略の6モード を知っておく ● 利益 ○ 相手の潜在ニーズに訴えてアイデアを売り込むこと ● 権限 ○ 役職やロール、基準で相手を説得すること ● 理性 ○ 根拠や証拠により相手の行動に影響を及そうとすること ● 政治 ○ 仲間や同盟と公式・非公式に説得すること ● ビジョン ○ 相手が大事にしている目的・価値観に訴える説得方法 ● 人間関係 ○ 相手の信頼関係を利用したり、コネや友人を通じて道を切り開こうとすること P.49- 60 を参考に作成 あの手この手で なんとかする

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118 組織のアウトプット  = メンバーの能力 x メンバーの熱量 - チームや 組織の摩擦・制約など いかに上げるか? いかに下げるか?

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119 本日の内容 ● 主に話すこと ○ これまで:私(n=1)のEMストーリー ○ これから:EMのあり方、EMへの期待

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120 これからのEM

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121 生成AIの急速な進化

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123 2022/11

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124 2025/2 2022/11

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125 電王戦 FINAL 将棋AIのレーティング推移

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126 似ていた変化はこれまでも

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127 データセンタエンジニア ネットワークエンジニア ソフトウェアエンジニア システムエンジニア etc… クラウド 以前

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128 クラウド 以降 データセンタエンジニア ネットワークエンジニア ソフトウェアエンジニア システムエンジニア etc… プロダクトトライアド ・PdM ・デザイナー ・SWエンジニアチーム クラウド 以前

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129 クラウド 以降 生成AI以降 (n年後 or nヶ月後?) データセンタエンジニア ネットワークエンジニア ソフトウェアエンジニア システムエンジニア etc… プロダクトトライアド ・PdM ・デザイナー ・SWエンジニアチーム クラウド 以前 人 + AI

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130 変わらないこと ● 変化に適応して学び続けることは変わらない (仕事のやり方は確実に変わる)

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131 変わらないこと ● 変化に適応して学び続けることは変わらない (仕事のやり方は確実に変わる) ● そもそも変化に適応してきたのが我々では? 「計画に従うことよりも変化への対応を」※ ※ https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html

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132 最後に

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133 「自分は今、 何を成し遂げたくて 働いているのだろう?」 「そこに(自らが共感する)大義 はあるだろうか?」

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134 IMD「世界競争力年鑑」各年版より三菱総合研究所様が作成されたもの https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20231024.html 世界競争力年鑑 総合順位(日本)

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2025年時点、日本はテック業界で苦戦している ● 自分の子供たちや未来を考えると 少しでも良い方向に動かせれば良いと思う

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2025年時点、日本はテック業界で苦戦している ● 自分の子供たちや未来を考えると 少しでも良い方向に動かせれば良いと思う ● 40歳前後という年齢だとして 今と同じだけの力で働けるのはあと何年だろう?

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137 「自分は今、 何を成し遂げたくて 働いているのだろう?」 「そこに(自らが共感する)大義 はあるだろうか?」

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138 「転職しないんですか?」

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139 ● NTTグループは日本の中でも巨大企業グループ ○ NTTコムだけでも1兆円を超える売上がある (大変だけど)こんなに面白いことはないから

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140 (大変だけど)こんなに面白いことはないから ● NTTグループは日本の中でも巨大企業グループ ○ NTTコムだけでも1兆円を超える売上がある ● NTTコムが変わると、NTTグループが変わる

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141 (大変だけど)こんなに面白いことはないから ● NTTグループは日本の中でも巨大企業グループ ○ NTTコムだけでも1兆円を超える売上がある ● NTTコムが変わると、NTTグループが変わる ● NTTグループが変われば日本が変わる (=私の大義)

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142 (大変だけど)こんなに面白いことはないから ● NTTグループは日本の中でも巨大企業グループ ○ NTTコムだけでも1兆円を超える売上がある ● NTTコムが変わると、NTTグループが変わる ● NTTグループが変われば日本が変わる (=私の大義) この起点となるために  自らチーム組成&プロダクト開発をして成功例を作り  組織に根付く価値観・文化を変えていきたい と言いながら転職する可能性もある

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143 https://unsplash.com/ja/%E5%86%99%E7%9C%9F/%E5%A4%A9%E7%A7%A4%E7%9F%B3%E3%81%AE%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9%E6%92%AE%E5%BD%B1-c1EbdHnxMdk EMは組織の結節点であり要

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144 https://unsplash.com/photos/mY3_bvR74fI

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145 https://unsplash.com/photos/mY3_bvR74fI https://unsplash.com/photos/zFYUsLk_50Y

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149 広木さんの基調講演資料 P.67 より https://hirokidaichi.github.io/presentation/emconf.html#67

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150 そうは言っても

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151 こんな時もある ● 腹にモヤモヤを抱えながら、ひたすら仕事をしている

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152 こんな時もある ● 腹にモヤモヤを抱えながら、ひたすら仕事をしている ● 隣の芝生がやたらキラキラして青く見える

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153 こんな時もある ● 腹にモヤモヤを抱えながら、ひたすら仕事をしている ● 隣の芝生がやたらキラキラして青く見える ● 頑張っても次のフィードバックがあるまで数ヶ月かかりそう

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154 こんな時もある ● 腹にモヤモヤを抱えながら、ひたすら仕事をしている ● 隣の芝生がやたらキラキラして青く見える ● 頑張っても次のフィードバックがあるまで数ヶ月かかりそう ● あ! もうすぐ評価の時期だ

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155 だから、この場がある

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157 再掲:本キーノートのゴール ● 「増幅と触媒」の効果を倍増させること ● 学びだけではなく、明日からのエネルギーを「増幅」すること

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159 また(あれば)来年お会いしましょう! ありがとうございました!