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どのようにマネージャーを育成するか? 1

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目次 1.どのようにマネージャーを育成するか? 2.Googleやミンツバーグが提案するマネージャーの育成方法 3.マネージャー育成の背景と方法 3.1.マネージャーの必要性 3.2.マネージャー育成の現状 3.3.マネージャーを育成することは可能か? 3.4.Googleの育成方法の活用 3.5.ビジネススクールの失敗 3.6.実際の経験をもとにしたマネージャー育成方法 4.まとめ 5.参考文献 2

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1.どのようにマネージャーを育成するか? マネジメントの知識がないうちにマネージャーになってしまうことは多 くの企業でみられる。 知識と経験のないマネージャーはチームと本人に混乱をもたらしてしま う可能性が高い。 多くの組織はマネジメントの教育の仕組みを持っておらず、マネジメン ト能力の不足による混乱を繰り返している。 組織はどのようにマネージャーを育てればよいか。 3

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2.Googleやミンツバーグが提案するマネージ ャーの育成方法 多くの組織はマネージャー育成の必要性を認識しつつも、対策を取れず にいる。 Googleはマネージャーの問題を研究、対策し、効果を得ている。 ヘンリー・ミンツバーグは実際の経験に基づくマネージャーの育成方法 を提案している。 4

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3.マネージャー育成の背景と方法 5

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3.1.マネージャーの必要性 そもそもマネージャーは必要なのか。 Googleはマネージャーの必要性を疑い、2002年にすべてのマネージャ ーを除外する実験を行った。 実験はうまく行かず、組織運営のあらゆる面でほころびが生じた。 マネージャーは必要であり、従業員はマネージャーからの指導を求めて いることがわかった。 6

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3.2.マネージャー育成の現状 実際にマネージャー育成の現状はどうなっているのか。 ピープルウェアには以下の記述がある。 どのように仕事をするかは教えられたのにどのようにマネジメント するかは教えられなかった。 7

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ヘンリー・ミンツバーグはMBAが会社を滅ぼすにおいてマネージャーの 一般的な育成方法について以下のように述べている。 最もよく行われているマネージャーの育成方法、いわばいきなり水 の中に突き落として泳ぎ方を覚えさせるというやり方では、溺れて しまう人が多く、うまく泳ぎ始める人は少ない。どうにか溺れずに すむ人も、泳いでいるというよりは無様に水を跳ね上げているとい ったほうが近い。 8

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多くの組織でマネージャーの育成は実質的に行われていないことがわか る。 また、ドラッカーはマネジメントにおいてマネージャー育成の必要性を 訴えている。 マネージャーは育つべきものであって、生まれつきのものではな い。したがって、明日のマネージャーの育成、確保、技能について 体系的に取り組まなければならない。運や偶然に任せることは許さ れない。 9

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3.3.マネージャーを育成することは可能か? マネージャーを育成するためには目標となる良いマネージャーを定義し なければならない。 Googleは良いマネージャーと悪いマネージャーのパフォーマンスレビュ ーやフィードバックなどを解析し、マネージャーの傾向を探った。 傾向をもとにマネージャーのトレーニングプログラムを開発した。 プログラムを実験したところ、パフォーマンスが悪いと評価されていた マネージャーの75%が改善された。 10

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3.4.Googleの育成方法の活用 では、我々はマネージャーをどのように育成すればよいか。 Googleはre:Workにおいて人事関連のプラクティス、リサーチ、アイデ ィアの情報を公開している。 Managersのページではマネジメントにおける研究結果やトレーニングツ ールを活用することができる。 11

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3.5.ビジネススクールの失敗 組織としてマネージャーを育成するにはどうすればよいか。 かつて、企業はマネージャーを育成するために彼らをビジネススクール に入学させることを好んだ。 しかし、Adage.comの2006年の調査では、以下の結果が出ている。 業績不振の米国企業のエグゼクティブでMBA取得者の比率は90% 業績好調の米国企業のエグゼクティブでMBA取得者の比率は55% 12

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3.6.実際の経験をもとにしたマネージャー育成方法 組織がマネージャーを正しく育成するにはどのような方法がよいのか。 ミンツバーグ教授のマネージャーの学校ではCoaching Ourselvesが紹介 されている。 ヘンリー・ミンツバーグはマネージャーを育成する最善の方法を以下の ように述べている。 「お互いの経験を振り返って語り合い、内省する機会を持つ」 13

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Coaching Ourselvesは内省と対話によって自らの経験に学び、コミュニ ティの中でマネージャーが成長していくプログラムである。 マネージャーは定期的に集まり、自分たちの仕事を振り返り、見たこ と、聞いたこと、感じたことを話し合い、お互いの経験を共有する。 14

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4.まとめ マネージャー育成は必要であるが、行われていない場合が多い。 マネージャーの育成方法は研究され、実際に効果を発揮しており、我々 はその情報を利用することができる。 組織はマネージャーに自身の経験を内省させる機会をもたせることによ って育成を行うことができる。 15

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5.参考文献 Tom DeMarco, Timochy Lister (2013)『ピープルウェア』, 日経BP 社 Henry Mintzberg (2006)『MBAが会社を滅ぼす』, 日経BP社 Peter F. Drucker (2001)『マネジメント』, ダイアモンド社 Google「re:Work」, https://rework.withgoogle.com/ フィル・レニール (2011)『ミンツバーグ教授のマネジャーの学 校』, ダイアモンド社 16