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1 トポロジ図の歩き方 shownet.conf_ 2024/9/25 ShowNet NOC チームメンバー 中村 遼

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ネットワークトポロジ図 • ネットワークトポロジ • ネットワークを構成するノードとリンクの接続関係のこと • 抽象化するとグラフ(頂点と辺の集合)、実際はずっと多彩 • トポロジ図の目的 • ネットワークの設計・構成の視覚的な把握と共有 2 router switch Wireless AP laptop server cloud transit A C B ノード リンク lag 0 1

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ShowNet 2024 トポロジ図: 通称 図面, e.pdf

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トポロジ図の歩き方: アイコン編 • アイコンはレイヤーごとに色分け • 色の傾向だけ覚えておけば直感的に把握できる情報が増える 5 Layer-4~7 Layer-3 Layer-2 Layer-1 router cpe L3-switch cgn/LB cache firewall router vpn security device firewall inline vpn switch ap tester broker dwdm tap splitter 1 radio unit transponder roadm transit ix storage terminal appliance server console server webcam printer display Server/Appliance

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アイコンの意匠 • それぞれの機能を表現している 6 • パケットの宛先に応じて転送する矢印 のイメージ • 複数のセッションを少数のOuter IPに 変換するイメージ • 古くからのレンガの塀のイメージに トラフィックを許可する穴が空いている Router CGN Firewall ぜひ他のアイコンもよーく見てみてください

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増え続けるアイコンと表現 • 毎年新たなるアイコンが生み出される • 新しい技術、新しいデモンストレーション 7 衛星と地上局 GNSSアンテナ Local 5Gの 基地局 VRFの表現

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• リンクの太さで帯域を表現 • 両端にインターフェース番号 • インターフェース番号の色で タイプを識別 トポロジ図の歩き方: リンク編 8 0-1-0-4 ▲ 0-0-0 ▲ 例: ルータAの0/0/0とルータBの0/1/0/4が100G LR4で接続 Router A Router B 一般的なインターフェース名ではスロットやポートが '/' で区切ら れるが、図面上に高密度にインターフェース名を記載すると見づ らいため、ShowNetでは図面上やインターフェースdescriptionでは '-' に統一している

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実際のリンク 9

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実際のリンク 10 MX204のxe-0/1/0と0/1/1 は10G LRでTDDに接続、 xe-0/1/4~7はテスター用 のパッチに接続

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実際のリンク 11 MX204のet-0/0/1と、Cisco 8201の HundredGigE 0/0/0/0が装置側は100G LR4で 接続、間には伝送装置がはいっている またCisco 8201のFourtyGigE 0/0/0/6が、XRd の乗っているUCSと40G LR4で接続している

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リンクの表現の変遷 • 高帯域化とインターフェース種別の増加 • Ethernetのリンクスピードの高速化は目覚ましい • ケーブル種別を色で表現 → インターフェース種別になり種類が増大 2012年 2013年 2016年 2017年 2019年 2024年

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箱と紐の接続 • ひとつのアイコンに接続できる線の数には限界がある • アイコンの拡張としての線を導入 13 1ルータアイコンに接続 できる線は多くても20本ほど 図面上でひとつの機器にたくさんのリンクを接続するための工夫 この丸線はs5732への接続を意味する

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トポロジ図の歩き方: 論理編, VLAN • VLANは線で表記 (おそらく最も一般的な表現方法) 14 • インターフェースに設定されたVLANが tagかtaggedかを識別できるように表現 • 1 VLAN = 1種類の線で表現するのは、 大量のVLANがある場合はワークしない • おそらくこれはみな同じ悩みを抱えている と思います...

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トポロジ図の歩き方: 論理編, ルータ間リンク • Link IDとDevice ID • なるべく多くの情報を図面上にエンコードする工夫 • 各ルータ間リンクには一意のID (Link ID)を割り当てて、Link IDと Device IDからそのリンクに付与すべきアドレスを生成する 15 Link ID XYZ VLAN ID: XYZ IPv4 Address: 45.0.X.(YZ x4)/30 IPv6 Address: 2001:3e8:0:XYZ::/64 ルータA側のアドレスは 45.0.1.5/30, 2001:3e8:0:101::1/64 ルータB側のアドレスは 45.0.1.6/30, 2001:3e8:0:101::2/64 0-1-0-4 ▲ 0-0-0 ▲ Router A Router B 10110 .1 .2

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• 実際のLink ID • Link IDの右上にある数字(10や100など)はIGP Metric • Link IDがあるリンクはRouting Protocolが動いている(ことが多い) Link ID 16

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Link IDの副次的な効果 • デバッグ/トラシュー時の意思疎通を助ける • 「Cisco 8kとMXの間のリンクがflapしてる」「どのC8k?」 • 「Link ID 101番がflapしてる」 • 経路についても、どのLinkを通って いるかを人に伝えやすい 17 「Link ID 110は今伝送のデバッグ中 で落ちてるからLink ID 112から 111へ迂回してるので正しい」

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トポロジ図の歩き方: 論理編, Routing • どの範囲がどの経路制御で動いているかは記載されている • 今年はSRv6 L3VPN uSID (IGPはISIS)とEVPN VXLAN (IGPはOSPF) • さきのLink IDと組み合わせることであるべき経路が読み取れる 18 SRv6 L3VPNの範囲 = ISISが動作し、Coreのcisco8201、 ptx10002、ncs57b1がP、それ以外はPEなのでBGPを張 っていることが推察できる EVPN-VXLANの範囲 = OSPFが動作し、下段のL3 Switchが VTEPとして動作するらしいことが読み取れる

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Routingは広大で深淵 • 図面に載せきれない細かいパラメータは別資料に整理 • 各種タイマー系や、エリア、levelなど • その他細かいRouting Policy • SRv6のSID設計、EVPN周りの設計などなど... • Markdownで書いてGithubで管理、ShowNet独自のチケットシステ ムから見られるようになっている 19

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描き方のTips: レイアウトを揃える • 各装置の役割に応じたレイヤーに揃えて配置する • どの箱とどの箱が機能的に対応関係にあるのか視覚的に捉えやすい 20

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描き方のtips: 線は曲げない、重ねない • なるべく線同士が重なる箇所は少なくなるように配置する • 関係ない装置のアイコンに線がかぶるのは避ける 21

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トポロジ図を描くあなたに • ShowNet Icons • ShowNetのトポロジ図のために作 られたアイコン集がクリエイティ ブコモンズライセンスで公開され ています! 22 https://github.com/interop- tokyo-shownet/shownet-icons

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絵描きさん • ShowNetの図面は全てNOCチームの 河口さんの手によるものです • 河口さんによるトポロジ図の解説記事 「図面とともにあらんことを!」 http://www.f2ff.jp/interop/2014/noc/shownet- topology-map.php • 日経NETWORKさんによるインタビュー 「2000ノードを1枚に凝縮 プロがうなる 「あの図」の秘密」 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nnw/18/07170 0196/071700001/ 23

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トポロジ図の歩き方 • ShowNetのトポロジ図 • 600名以上のエンジニアが、2000以上のノードからなるShowNetを 直感的に把握し、意思疎通して構築・デバッグするためのツール • ShowNetの全てがA3サイズに記載されている • ノード間の接続はもちろん、インターフェース種別からバック ボーンのVLAN番号やIPアドレスや経路制御まで読み取れる 24 • ShowNet NOC Teamのnoteで、1994年から2023年いた るまでのShownetのトポロジ図を見ることができます • ぜひ30年にわたる図面の進化をお楽しみください