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10社以上のCTO/技術顧問を経験してみえた 技術組織に起こる課題と対策 ホライズンテクノロジー株式会社 代表取締役 CTO 大谷 祐司

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福岡市西区で2022年に立ち上げた、30名規模のIT企業。
 テクノロジーを活用した新規事業の立ち上げを中心に行っています。
 エンジニア中心のチームです!!


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事業紹介 テクノロジーを活用して企業のイノベーションを 支援します。 ものづくりに限らず、組織文化の変革やセールス / マーケティングなど、幅広い支援を行います。 上場企業やスタートアップなど、幅広いお客様がいます。 事業内容 主なクライアント (順不同) クライアントの新規事業/DX⽀援

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https://brand.lylm.me/ 事業紹介 自社サービス・プロダクト チャットを用いた診断によって、1300万通りの香りの組み合わ せの中から、ひとりひとりの心身状態や香りの好みに応じてカ スタマイズしたバスソルトをお届けするD2Cサービスです。 アンケート + AIで調香を行い、その人にあったバスソルトをお 届けします。 メンバーからの提案で、半年でリリースしました。 パーソナライズバスソルト 『Lylm(リルム)』 EC事業

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代表は現役エンジニアで、複数社のCTO経験があります。
 PHPを愛し、PHPカンファレンス登壇の経験も5回あります!!
 MySQLやRedis関連で、技術書への寄稿も多数。


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私はこれまでのキャリアを通じて10社以上で、
 CTOや技術顧問など、技術組織の課題に向き合う経験をしてきました。
 
 今日は、そこでの経験を皆さんにお話しします。


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技術顧問ってよく聞くようになったけど
 具体的になにをやっているの?
 発表で知って欲しいこと


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本当に色々なことをやっていますが「社内では解消できない問題の解決」に
 一番の価値を発揮できていると感じています。
 何でもやる例
 - 組織崩壊した開発組織の立て直し。
 - 金融サービスの立ち上げにおける、金融庁とのFAQサポート。
 - CTOが急に退職したときの、残っているシステムの調査とレポート。
 - 上場準備における社内のITガバナンス体制構築。


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技術顧問で関わるなかで、フェーズによって様々な問題が起こります。
 今日は7つの、これまでに遭遇した課題を共有します。
 
 プロダクト開発組織の事例として、参考にしてもらえると幸いです。
 組織の課題 プロダクトの課題 技術的な課題

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サービス立ち上げフェーズ


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立ち上げフェーズで起こった問題
 エンジニア採用がうまくいかない。
 - エンジニア採用ができず、必要な開発ができない。
 - 「内製が絶対の正解」と思い、とにかく採用を頑張る。
 - でもやっぱり採用できず、プロダクト開発が進まない。
 解決に向けたアクション。
 - 業務委託や開発会社の活用など、他社の成功事例を教える。
 - 優秀な外部人材と接点をつくり「外注はダメだ」という先入観を外す。


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立ち上げフェーズで起こった問題
 開発チームが「やりたいこと」にフォーカスしてしまう。
 - 例えば「プロダクトリリース」よりも「デプロイ自動化」に時間を使ったり。
 - 他に技術がわかる経営陣がいないと、全て正しいと信じてしまう。
 - 「人が増えたけど、開発が進まない」というケースがよく起こる。
 解決に向けたアクション。
 - 関係者にヒアリングして、客観的に「いまやるべきこと」を確認する。
 - 開発リーダーと対話して「本当にやるべき」の認識を合わせる。
 - フェーズに対してリーダーが適任ではない場合には、別ポジションの打診も。


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リリースからPMFまでのフェーズ


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リリースからPMFまでのフェーズで起こった問題
 いきあたりばったりの開発が発生する
 - 営業が「顧客にこの機能を作るって言っちゃいました」
 - 社長が「投資家にこの機能が最優先だと言われちゃいました」
 - 「この機能があれば売れる」が頻発して、作って満足。利用状況をみない。
 解決に向けたアクション。
 - ちゃんと「データをみて判断」する。失注理由、解約理由、アクセスログなど。
 - 半年くらいのプロダクトロードマップを作り、適切に人員を割り振る。
 - 会議体をつくり、必ずその場所でプロダクトの方向性を決める。


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組織が分かれ、別部門が何をやっているのか分からなくなる。
 - 売上重視って言ってたのに、なんで無料キャンペーンやるの?
 - 「ユーザー重視」って言ってたのに、スポンサー企業の方を向いてない?
 - エンジニアが増えたけど、経営陣が何をやっているかよくわからない。
 リリースからPMFまでのフェーズで起こった問題
 解決に向けたアクション。
 - 開発チームとビジネスチームが意見を交わす場を作る。
 - 「プロダクトの目標」「現在地」「アクションプラン」を見えるように共有する。
 - 開発ロードマップを共有して、何に取り組んでいるか明確にする。


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PMFを超えて、グロースするフェーズ


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エンジニアが増えたけど、生産性が全然上がらない。
 - Webメインのサービスに、スマホアプリエンジニアが4名いて暇にしている。
 - 半年の予定だったリファクタリングを、2年以上やっている。。
 - 「退職者が開発して、誰も触れない部分」が、全体の50%ある。
 PMFを超えて、グロースするフェーズで起こった問題
 解決に向けたアクション。
 - 「組織構成」「ミッション」を定義し直して、やるべきことをシンプルにする。
 - 「未経験へのチャレンジ」を推奨する組織にして、一人のカバー範囲を広げる。
 - (過剰になりすぎない)ドキュメント文化をつくり、ナレッジを残す。
 - 大胆に組織と権限を変え、初期からなぁなぁでやっている部分にテコ入れする。


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解決に向けたアクション。
 - まずはじっくり対話して「心理的安全性の大切さ」を伝える。
 - 「コミュニケーションのルール」をつくる(この時点で若干窮屈になる)
 - 該当エンジニアのミッションを変更し、他エンジニアとの接点をなくす。
 心理的安全性を破壊するエンジニアを採用してしまい、退職者が続出。
 - 平気で「こんなイケてないシステム」と言ってしまう。
 - 否定のコミュニケーションが蔓延し、みんなが発信しなくなる。
 - (サービス軸ではなく)技術的な正論を掲げ、やりたいことをやっちゃう。
 PMFを超えて、グロースするフェーズで起こった問題


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PMFを超えて、グロースするフェーズで起こった問題
 解決に向けたアクション。
 - CEOを巻き込んだプロダクト系のミーティングを頻繁に開催する。
 - 顧客のアポイントに同席してもらい、使っているユーザの声を聞いてもらう。
 - ただ、上記でも改善せずに、結果としてCTOが退職しました。
 CEOがプロダクトに興味がない。
 - 投資家や起業家コミュニティにばかり時間を使い、プロダクトをみない。
 - かと思えば、思いついたように「この機能を今すぐ作れ」と言ってくる。
 - 確認依頼をしても全くみないが、プロダクトの責任者になっている。


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ここであげたのは一例ですが
 本当にさまざまな課題が発生します。
 それらの課題に向き合って、解決に取り組んでいきます。


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大変なことも多いですが、
 課題をクリアして「チームが前向きになる」
 瞬間に立ち会える喜びはとても大きいです!!


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プロダクト開発において、フェーズごとに様々な問題が発生します。
 その課題に向き合って、一緒に解決するのが技術顧問の価値だと感じています。
 
 皆さんの組織では、どんな問題が起こっているでしょうか。
 今日はずっとブースにいますので、なにかあれば気軽にご相談ください!!


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ご清聴ありがとうございました