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Copyright © 2019 FOLIO Co., Ltd. All Rights Reserved. データ活⽤の進め⽅をステークホルダーに 理解してもらうためにやったこと 2023/07/11

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2 ⾃⼰紹介 • ⻄⼭ 徹(Twitter: https://twitter.com/fuc6w ) • 2019年より株式会社FOLIOに⼊社、⼊社以来データ基盤の開 発・運⽤からデータマート構築やダッシュボード構築、 データ分析などデータ活⽤周りを幅広く担当。 • 2023年からはToC事業にてプロダクトマネージャーに従事 • 趣味は⼦ども(1歳)と遊ぶこと、ロードバイク

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3 今⽇お話しすること • 話すこと: データ基盤を開発し組織に浸透させていく上で、関係者の理解を得るため にやったことの事例紹介 • 話さないこと: 具体的なデータレイクやデータカタログの活⽤⽅法など

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4 データ基盤構築、難しいですよね? はじめに

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5 やることが多岐にわたるから なぜ難しいか?

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6 データ活⽤で必要なことの例 データエンジニア: データウェアハウスの運⽤、パフォーマンス最適化 ELTパイプラインの開発や運⽤・CI/CD データレイク開発・運⽤ 各コンポーネントの適切な権限管理 データ活⽤には多種多様なタスクがあり、多岐にわたる課題に取り組むため それぞれの課題に対応する役割が定義されてきた データアナリスト: ビジネスサイドのデータニーズの理解とデータ提供 KPIダッシュボードの構築 アドホックなデータ分析 データPdM・PjM・データスチュワード: データ活⽤の要件定義 ステークホルダーとの折衝 ロードマップ策定 アーキテクチャ設計 アナリティクスエンジニア: データマート設計 データモデリング SQL・BIツールの社内研修 メタデータ管理 参考: https://speakerdeck.com/cmtamai/anariteikusuenziniatoha-what-is-analytics-engineer https://note.com/datamanagement/n/nf5d9e9c50635

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7 まだまだ他にもやることはある • 企業全体でデータ活⽤を進めるためには、データを利⽤するマーケティン グ部⾨やデータソースとなる本番システムを開発しているエンジニア部⾨ など、データ活⽤の当事者以外も含めたステークホルダーの協⼒・理解が 必要 • この「ステークホルダーの理解を得るためにやったこと」が 本⽇のテーマ

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8 改めて本⽇のテーマ • 私の所属しているFOLIOではデータ基盤はあるものの、データ活⽤は まだまだ未成熟 • しかし直近、データに対するニーズが⾼くなり今後に向けてデータ組織の 体制を再検討することに • そこで、開発組織のマネージャーと「データ基盤構築にはどういう仕事が あるか」「どういった体制をつくっていけばよいか」を説明し議論する 機会があり、⼀定の理解を得られた • その時にやったことをケーススタディとしてお話します

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9 どうやったか • データ活⽤の進め⽅についての「共通⾔語を導⼊する」こと • 今回対話したマネージャーはデータ基盤構築を含めたデータ活⽤の 実務経験はないものの、システム・アプリケーション開発や開発組織を マネジメントした経験は豊富だったため、「システム開発」と 「データ活⽤」の共通点を⾒つけることでそれが共通⾔語となり 理解してもらいやすくなると考えた

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10 具体的にどうやって説明したか? • Q. データ基盤ってどういうシステム? どうやって開発を進めていけば良い? • A.いわゆるデータ基盤は 「System of Record(SoR)」 「System of Engagement(SoE)」 「System of Insight(SoI)」 の要素をあわせ持つシステムであり、上記の要素をバランスよく 満たしながら開発を進めていく必要があります

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11 具体的にどうやって説明したか? • Q. データ基盤ってどういうシステム? どうやって開発を進めていけば良い? • A.いわゆるデータ基盤は 「System of Records(SoR)」 「System of Engagement(SoE)」 「System of Insight(SoI)」 の要素をあわせ持つシステムであり、これらの要素をバランスよく 満たしながら開発を進めていく必要があります

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12 SoR / SoE / SoIとは • システム開発におけるシステムの種類を指す⽤語 https://business.ntt-east.co.jp/content/cloudsolution/column-421.html より引⽤し作成 特徴 該当するシステムの例 System of Records(SoR) 記録のためのシステム - 会計システム - 製造管理システム System of Engagement(SoE) ユーザーとつながるための システム - CRM - SNS System of Insight(SoI) インサイトを分析するための システム - BIシステム - ERP …これ、データ活⽤におけるデータエンジニア・アナリティクスエンジニア・ データアナリストの役割にマッピングできるのでは?

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13 SoR / SoE / SoIに分けて考えるデータ基盤 求められる役割 取り組む課題の例 System of Records(SoR) 正確なデータを記録し集める 「データエンジニア」 - データを収集し、利⽤可能な形にする - データ⾃体の正確性や鮮度を担保する - データ基盤システムの安定性を⾼める System of Engagement(SoE) ユーザーが利⽤しやすい データ分析環境を作る 「アナリティクスエンジニア」 - データ活⽤を組織に浸透させていく - ⾃らデータを活⽤できる⼈を増やしていく - データを誤解なく普及させる System of Insight(SoI) データを分析しビジネスに 活⽤できるようにする 「データアナリスト」 - データを使って事業の課題を発⾒する - データを使ってマーケティング施策の効果を計測する - データに基づく新規施策や機能追加の⽴案 • マッピングしてみた結果がこちら

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14 SoR / SoE / SoIに分けて考えるデータ基盤 • さきほどの3つの役割に加え、それらの前段にデータ活⽤⾃体の企画や 要件定義も⾏う必要があり、これは主に、 データプロダクトマネージャー ・PjM・データスチュワード(※以降便宜上 データプロダクトマネージャーと記載)とよばれる役割の⽅が活躍している

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15 SoR / SoE / SoIに分けて考えるデータ基盤 • データ活⽤を⾼度化するための体制づくりを考える際には、 「企画・要件定義領域 / データプロダクトマネージャー」 「SoR領域 / データエンジニア」 「SoE領域 / アナリティクスエンジニア」 「SoI領域 / データアナリスト」 のうち、今どれができていて、どれができていないのかをアセスメントし、 できていないところを補うための体制づくりが必要 • 実際に私達もこのフレームに沿ってアセスメントを実施し、何ができていて何が できていないかを確認した

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16 アセスメントの活⽤例 • 例えばこんなことが起きていたら… 起きていること 考えられる原因 - そもそもデータを使って何がしたいかが明らかになっていない - 今あるデータ基盤の全体像や今後の展望が不明瞭 企画・要件定義領域が弱い可能性あり - 欲しいデータがデータ基盤上に揃っておらず、分析者のローカル端末 上などで結合している - ELTバッチが不安定でデータの鮮度が悪いor不正確 System of Records領域が弱い可能性あり - データカタログがないまたは不⼗分でデータ活⽤が属⼈化し、⼈や 部署によって同じKPIを⾒ているはずなのに数値が異なる - 分析をするのに毎回⻑⼤なクエリを書く必要がある System of Engagement領域が弱い可能性あり - データがあっても活⽤⽅法がわからないので、そこから課題の発⾒や 深掘りにつながらない System of Insight領域が弱い可能性あり

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17 まとめ • データ基盤構築やデータ活⽤に詳しくないステークホルダーに対して、 データ活⽤で必要になることやそのための体制づくりについて、 共通⾔語を通して共通の理解が形成できた • 今回は開発組織のマネージャーを例にしましたが、バックグラウンドの 異なるステークホルダーとコミュニケーションをとり、巻き込んでいく 際には共通の理解が形成が⼤事になるので、その⼀助となれば幸いです

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18 ⼀緒に働く仲間を募集しています! データリライアビリティエンジニア FOLIOでは、⼀般向け、企業向けにそれぞれ、様々なデータとトランザクションが発⽣ するサービスを開発、提供しており、それらのデータを有効に活⽤するために、データ 分析基盤およびデータ活⽤のチームが組成されています。 その他ポジション • バックエンドエンジニア(Scala) • フロントエンドエンジニア • iOSエンジニア/Androidエンジニア • QAマネージャー/QAエンジニア • ソリューションアーキテクト …etc. 情報交換やカジュアル⾯談、歓迎しております! ご連絡はTwitter DM開放しているのでそちらからお気軽に!