Slide 1

Slide 1 text

1 新卒採用プロセスが 入社意欲を促進するメカニズムの解明 渡辺ゼミナール11期 中村美咲 2016/1/31 *渡辺ゼミ 卒論発表会

Slide 2

Slide 2 text

2 1. 問題意識と研究テーマ 2. 分析モデルと仮説の立案 3. 仮説の検証 4. 考察 5. インプリケーション 6. 今後の課題 7. 参考文献 8. 補足資料 目次

Slide 3

Slide 3 text

3 1.問題意識と研究課題

Slide 4

Slide 4 text

4 問題意識|採用活動の困難化 企業は求める人材を必要人数確保することが困難になっている 新卒求人総数・倍率は上昇を続け 採用競争が激化 0 0.5 1 1.5 2 0 10 20 30 40 50 60 70 80 2012 2013 2014 2015 2016 求人総数 求人倍率 (万人) (倍) 参考:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査2016」 労働力の売り手市場化 経団連の指針の頻繁な変更 10月 3 4 6 8 12月 広報活動 広報 活動 選考活動 選考活動 選考 活動 正 式 内 定 15卒 以前 16卒 17卒 広報活動 前年までの経験則が活かせず 採用活動がしづらい状況

Slide 5

Slide 5 text

5 問題意識|採用困難化がもたらす問題 ―本研究で注目する問題― 採用活動の困難化 と オワハラの発生 新卒採用充足率の推移 採用充足率(入社予定人数/採用予定人数)は 低下傾向にある 66 68 70 72 74 76 78 80 (%) 参考:株式会社ディスコ「採用活動に関する企業調査」各年度版 ■オワハラ; 就活終われハラスメント 企業が内定や内々定を出した 学生に、就職活動を終えるよう 求める過剰な働きかけ 学生の就職活動の自由を奪う 不適切な引き留め行動が発生している ―事例― 参考:日本経済新聞 2015年7月30日付 • 宿泊を含む呼び出しを繰り返し、他社の 選考を受ける妨害行動をとる • 内定を出す条件として、他の企業にその 場で断りの電話を入れるよう指示する オワハラの発生

Slide 6

Slide 6 text

6 研究課題|適切な対応の模索 入社意欲の 向上 内定辞退の 防止 採用プロセスにおいて 採用担当者は学生の入社意欲を高めうる 必要人数を確保するために 出所:株式会社ディスコ「2015年度日経就職ナビモニター調査結果」 0 10 20 30 40 50 先輩 友人・知人 母親 父親 人事・採用担当者 就職先決定にあたり 最も影響を受けた人物 既存研究の検討 日本では経営学および産業・組織心理学 の視点に立った「採用」の研究は、ほとんどさ れていないのが現状である 服部(2015) 企業側の立場から、内定者の入社意欲の 向上に注目した研究はなされていない 学生生活と 就活の成果の関連 積極的な就活と その成果の関連 永野(2004) 濱中(2007) 教育学の観点

Slide 7

Slide 7 text

7 研究目的 採用プロセスにおいて、採用担当者が 学生の入社意欲を高めるメカニズムを明らかにする ◆研究目的 ◆研究意義 2 日本における数少ない「採用」に関する研究の蓄積に寄与できる 1 採用プロセスの工夫により内定者の入社意欲を高める方略が提唱できる ⇒採用活動の困難化やオワハラの発生の問題解決の一助となる

Slide 8

Slide 8 text

8 2.分析モデルと仮説の立案

Slide 9

Slide 9 text

9 分析モデル 入社意欲 内定理由の 内的帰属 開示者の 影響力 キャリア効力感 組織サポート キャリアA.C 組織A.C 成長方略の 個人適合性 内定理由の 詳細さ H1 H2 H3 H6 H4 H7 H5 H10 H9 H8 (+) 企業からの 情報開示 内定者の心理的変化 成果

Slide 10

Slide 10 text

10 仮説① 仮説 内定理由の 内的帰属 キャリア効力感 H1 H1.内定理由の内的帰属は、学生のキャリア効力感を促進する 全体図 変数の定義 根拠 内定理由の内的帰属 内定を貰えた理由が個人の能力や努力に 基づいていると感じる程度 キャリア効力感 その職業の義務や、その職業に必要な 学業を成し遂げる自信の程度 廣瀬(1998) 帰属的フィードバックを受けた児童は、自己 効力感とスキルに共に有意に大きな伸びを 示すことが分かった Schunk(1983) たまたま 内定貰えた 頑張ったから 内定貰えた 自信には 繋がらない 頑張って いけそう!

Slide 11

Slide 11 text

11 仮説② 仮説 開示者の 影響力 キャリア効力感 H2 H2.開示者の影響力は、学生のキャリア効力感を促進する 全体図 変数の定義 根拠 開示者の影響力 内定理由の開示者が、組織への影響力を 持っていると感じる程度 キャリア効力感 その職業の義務や、その職業に必要な学業 を成し遂げる自信の程度 廣瀬(1998) 内定理由 の開示者 の影響力 この仕事でやっていけそう! 内定理由の 重みづけ

Slide 12

Slide 12 text

12 仮説③ 仮説 内定理由の 詳細さ キャリア効力感 H3 H3.内定理由の詳細さは、学生のキャリア効力感を促進する 全体図 変数の定義 根拠 内定理由の詳細さ 開示された内定理由が詳細である程度 キャリア効力感 その職業の義務や、その職業に必要な学業 を成し遂げる自信の程度 廣瀬(1998) 自分にはやればできるのだということを言葉で 説得されることにより、自己効力感が高まる 祐宗ほか(1985) 詳細な FB FBの 納得感 頑張って いけそう!

Slide 13

Slide 13 text

13 仮説④ 仮説 成長方略の 個人適合性 キャリア効力感 H4 H4.成長方略の個人適合性は、学生のキャリア効力感を促進する 全体図 変数の定義 根拠 成長方略の個人適合性 職務遂行で必要とされる知識や能力を高め るために提示された方略が、自分に合ってい ると認知する程度 キャリア効力感 その職業の義務や、その職業に必要な学業 を成し遂げる自信の程度 廣瀬(1998) 何をしたら 活躍できる か分かる 自分に 合った アドバイス この仕事でやっていけそう!

Slide 14

Slide 14 text

14 仮説⑤ 仮説 キャリア効力感 キャリアA.C H5 H5.キャリア効力感は、学生のキャリアA.Cを促進する 全体図 変数の定義 根拠 キャリア効力感 その職業の義務や、その職業に必要な学業 を成し遂げる自信の程度 廣瀬(1998) キャリアA.C その職業に対する関心や思い入れの強さ 日本労働研究機構(2003) 特性的自己効力感と職業コミットメントの情 緒的要素の間には相関が認められた 羽田野ほか(2004) 興味というものは、認知された自己効力の増 大に基づいて生まれてくる 祐宗ほか(1985) この仕事 できる! 仕事への 関心

Slide 15

Slide 15 text

15 仮説⑥ 仮説 内定理由の 詳細さ 組織サポート H6 H6.内定理由の詳細さは、組織サポートを促進する 全体図 変数の定義 根拠 内定理由の詳細さ 開示された内定理由が詳細である程度 組織サポート 内定者が主観的に認識する、組織からの個 別的支援の程度 Eisenberger et al.(1986) 組織の行為の背後に肯定的な評価や好意 的な関心を見出すことによって、組織からの 支援を感じやすくなる 佐藤(2014) 詳細な FB 評価の 実感 支援され ている

Slide 16

Slide 16 text

16 仮説⑦ 仮説 成長方略の 個人適合性 組織サポート H7 H7.成長方略の個人適合性は、組織サポートを促進する 全体図 変数の定義 根拠 成長方略の個人適合性 職務遂行で必要とされる知識や能力を高め るために提示された方略が、自分に合ってい ると認知する程度 組織サポート 内定者が主観的に認識する、組織からの個 別的支援の程度 Eisenberger et al.(1986) 成長機会の提供は、組織サポートの知覚の 主要な先行要因として機能している 佐藤(2014) マッチした アドバイス 成長に 繋がりそう 支援され ている

Slide 17

Slide 17 text

17 仮説⑧ 仮説 組織サポート 組織A.C H8 H8.組織サポートは、学生の組織A.Cを促進する 全体図 変数の定義 根拠 組織サポート 内定者が主観的に認識する、組織からの個 別的支援の程度 Eisenberger et al.(1986) 組織A.C その組織に対して愛着や一体感を感じる程 度 Allen and Meyer(1991) 組織からの支援を従業員が感じれば感じる ほど、組織に恩返しをしようとし、組織に対す る好意を強める 佐藤(2014) 支援され ている 恩返しが したい! 組織への 愛着

Slide 18

Slide 18 text

18 仮説⑨⑩ 仮説 キャリアA.C 入社意欲 全体図 変数の定義 根拠 組織A.C H9 H10 組織A.C その組織に対して愛着や一体感を感じる程 度 Allen and Meyer(1991) キャリアA.C その職業に対する関心や思い入れの強さ 日本労働研究機構(2003) 入社意欲 内定者が内定先に入社したいと思う程度 H10.組織A.Cは、学生の入社意欲を促進する H9.キャリアA.Cは、学生の入社意欲を促進する 組織への情緒的コミットメントやキャリア・コ ミットメントはリテンションの主要な先行要因と されている 山本(2008) 職業に対する愛着 組織に対する愛着 この会社で 働きたい!

Slide 19

Slide 19 text

19 3.仮説の検証

Slide 20

Slide 20 text

20 仮説の検証|データの収集 仮説を検証するため、分析に必要なデータを収集した 方法 時期 調査対象 サンプルサイズ Webアンケート 2015年12月6日〜2015年12月8日 2016年3月卒業予定の大学生 802名

Slide 21

Slide 21 text

21 仮説の検証|変数の測定 測定尺度 7ポイントリッカート・スケール(1. 全くあてはまらない〜7. 非常にあてはまる) 変数名 内定理由の 内的帰属 「私が内定をもらえたのは、自分の能力が適切に評価されたからだ」など4項 目を独自に作成した 開示者の 影響力 「私に内定理由を伝えた人は、とても活躍していそうな人だった」など4項目を 独自に作成した 内定理由の 詳細さ 「内定理由を詳細に教えてもらった」など4項目を用いて測定など4項目を独 自に作成した 成長方略の 個人適合性 「仕事で求められる能力を高めるための自分に適した方法を教えてもらった」 など4項目を独自に作成した キャリア効力感 廣瀬(1998)の「私は努力すれば、内定先の業界で活躍できると思う」な ど4項目を用いた 組織サポート 「内定先の会社は私を大切にしてくれていると思う」など4項目を Eisenberger et al.(1986)を参考に作成した

Slide 22

Slide 22 text

22 仮説の検証|変数の測定 測定尺度 7ポイントリッカート・スケール(1. 全くあてはまらない〜7. 非常にあてはまる) 変数名 キャリアA.C Blau(1985)の「内定先の業界でキャリアを追求したい」など5項目を参考 に作成した 組織A.C Allen and Meyer (1990)の「内定先の会社に愛情を感じる」など5項 目を用いて測定した 入社意欲 「内定先の会社への就職は自分にとってベストな選択だと思う」など5項目を 独自に作成した 分析方法 共分散構造分析 ⇒モデルの部分的評価に加え、全体的評価ができる 全体的評価:そのモデルを構築することが妥当かどうか判断できる 部分的評価:各仮説の因果関係について検証することができる

Slide 23

Slide 23 text

23 仮説の検証|変数の測定 統制変数 職業選択不安 学生が選考開始時に進路選択に関する 不安を感じていた程度 松田ほか(2008)を参考に作成 志望度 本選考開始前の時点での内定先企業への 志望度 企業規模 内定先企業の従業員規模 キャリア効力感に 影響を与えうる 組織サポートの知覚に 影響を与えうる これらの影響を除去したうえで分析モデルの妥当性を検証するために、 統制変数として追加した

Slide 24

Slide 24 text

24 仮説の検証 入社意欲 内定理由の 内的帰属 開示者の 影響力 キャリア効力感 組織サポート キャリアA.C 組織A.C 成長方略の 個人適合性 内定理由の 詳細さ H1 H2 H3 H6 H4 H7 H5 H10 H9 H8 (+) 企業からの 情報開示 内定者の心理的変化 成果 十分な適合度が得られなかったため これら2つの変数を合成した

Slide 25

Slide 25 text

25 仮説の検証|修正モデルの分析結果 入社意欲 内定理由の 内的帰属 開示者の 影響力 キャリア効力感 組織A.C キャリアA.C 成長方略の 個人適合性 内定理由の 詳細さ .61*** 支持 CFI:0.960 RMSEA:0.038 .24** -.15*** -.03 .29*** .19*** .71*** .36*** .65*** 棄却 ***=1%水準で有意 企業からの 情報開示 内定者の心理的変化 成果

Slide 26

Slide 26 text

26 4.考察

Slide 27

Slide 27 text

27 考察|ヒアリング調査 ヒアリング対象 調査日時 主たる内容 企 業 調 査 総合人材サービス業界大手 A社 東日本新卒採用グループ マネジャー 2016年1月5日 13:00〜14:30(90分) 学生の誘引のために 行っている施策や、内定 理由を詳細に開示する 意図とその効果について 宿泊・飲食サービス業界 B社 管理部 人事総務課 2016年1月6日 18:00〜19:00(60分) 小売業界大手 C社 採用部 マネジャー 2016年1月12日 10:00〜11:00(60分) 学 生 調 査 旅行業界大手 D社 2016年度内定者 2016年1月12日 18:00〜18:30(30分) 開示された内定理由の 内容と、開示を受けての 感想について コンサルティング業界 E社 2016年度内定者 2016年1月16日 15:00〜15:30(30分) 目的 • 仮説3について想定と逆の結果が得られた 理由を明らかにする • 実務へのインプリケーションを探る ヒアリング 考察 インプリケーション

Slide 28

Slide 28 text

28 考察|仮説①②④ つながり 考察 過去の出来事をどう認知させるかの方が 重要である 内定理由の 内的帰属 開示者の 影響力 キャリア効力感 成長方略の 個人適合性 .61*** .24** -.03 全体図 内定理由の 内的帰属 開示者の 影響力 内定理由の内的帰属と開示者の影響力は キャリア効力感を促進するが 成長方略の適合性は影響を持たない 成長方略の 個人適合性 内定理由は学生の経験や面接での印象など 過去の出来事に関するもの 今後いかに成長するかといった将来の見通し に関すること

Slide 29

Slide 29 text

29 考察|仮説③ つながり 全体図 考察① 開示された内定理由の内容に注目する 必要がある 詳細になるにつれ、外的帰属に繋がる 理由も多く開示されていると考えられる 内定理由の 詳細さ キャリア効力感 -.12*** ■仮説とは逆の結果が得られた ―内的帰属要因― ―外的帰属要因― 内定理由を詳細に開示すると、 その職業でやっていく自信は下がる

Slide 30

Slide 30 text

30 考察|仮説③ 考察② 考察③ POSITIVE 頑張っていけそう! NEGATIVE 内定の理由と同時に、 自分では気づいていなかった 改善点や癖も指摘された 学生 ヒアリング 詳細になるにつれ、ネガティブフィードバックも 多く開示されていると考えられる 企業が学生に対して内定理 由を詳細に伝える裏側には、 その学生を口説きたいという 想いがある 企業 ヒアリング 企業からの過剰な期待を知覚して 自信を失っている可能性がある そんなに 活躍できるかな・・・ 実力以上の 高評価 活躍への期待

Slide 31

Slide 31 text

31 5.インプリケーション

Slide 32

Slide 32 text

32 インプリケーション 内定理由の 内的帰属 学生 ――内的帰属―― ――外的帰属―― 自分の力や経験が 評価してもらえた たまたま面接官との 相性がよかった ▶▶選考通過ごとのフィードバックの実施 選考中から丁寧にフィード バックを繰り返した学生は、 内定受諾率が高いという 実感がある 企業 ヒアリング 選考プロセスにおいて、学生に対するフィードバックを繰り返すことで 内定理由の内的帰属を促す

Slide 33

Slide 33 text

33 インプリケーション 開示者の 影響力 ▶▶「面接官サクセスストーリー」冊子の制作 職位の高い人やハイ・パフォーマーから内定を伝えることで、 学生に、開示者の影響力は高そうだと認知させる SUCCESS 入社からの成長のストーリー これまでの活躍・業績・達成経験 今の肩書や仕事内容 など ▶面接前に面接官の紹介冊子を渡し、 目を通してもらうことで、影響力を感じさせる ▶▶社長面接の実施 社長 ▶影響力が分かりやすく、インパクトが伝わりやすい 大企業をはじめとする採用人数が多い企業での実施は困難であるも のの、特に採用活動に苦戦しているとされる中小企業においては、積 極的に導入すべき施策

Slide 34

Slide 34 text

34 インプリケーション ▶▶選考フォロー担当の設置 就活生 広く学生に当てはまる内容ではなく、 一人一人に適したフィードバックを提示することが大切 成長方略の 個人適合性 学生の成長に並走すれば、 当然(内定や選考を)辞退 する気持ちも薄くなると思う 企業 ヒアリング ▶継続的に自分を見てくれている 人からのフィードバックは 自分にマッチしていると 認識しやすい と考えられる ▶次回選考までの宿題を 出すことも有効

Slide 35

Slide 35 text

35 6.今後の課題

Slide 36

Slide 36 text

36 今後の課題 1 仮説が棄却 された理由を 明らかにする 本研究で用いた質問票では、開示された内定理由の内容は 考慮に入れられていなかった。 更なるヒアリング調査を実施することで、 内定者にどのようなフィードバックが為されているかを明らかにし、 棄却された理由を明らかにする 内定理由の 詳細さ キャリア効力感 -.12*** ■仮説3

Slide 37

Slide 37 text

37 2 本研究では、内定者の入社意欲の向上にのみ焦点をあてた ■期待と現実のギャップを知覚した場合 ①書き換え :自分の期待水準を下げる ②バランスの調整:現実水準に釣り合うだけの努力しかしない ③退出 :組織から去る;離職 心理的契約 組織と従業員個人とが、お互いに何を求めあうのかという具体 的な中身に関する従業員の知覚 服部(2013) 入社前に抱いた期待と、入社後のリテンションとの関連を検討する 今後の課題 過度な期待を抱かせることで入社意欲を高めると、 入社後に問題を生起させる可能性がある 入社後への 影響の検討 ギャップが大きい場合

Slide 38

Slide 38 text

38 7.参考文献

Slide 39

Slide 39 text

39 参考文献 • 青木惠之祐 (2001)「従業員の心理的契約と組織コミットメントが退職意思に及ぼす影響について」『産 業・組織心理学研究』第15巻,第1号,pp.13-25. • 一般社団法人日本経済団体連合会(2015)「採用選考に関する指針」 https://www.keidanren.or.jp/policy/2015/112.html(最終アクセス2016/01/28) • 伊藤崇達(1996)「学業達成場面における自己効力感,原因帰属,学習方略の関係」『教育心理 学研究』第44巻,第3号,pp.340-349. • 伊波和恵・髙石光一・竹内倫和(2014)『マネジメントの心理学―産業・組織心理学を働く人の視点 で学ぶ』ミネルヴァ書房. • 小川憲彦(2013)「人材育成方針がもたらす若手従業員への影響」金井壽宏・鈴木竜太編著『日本 のキャリア研究―組織人のキャリア・ダイナミクス』pp.169-196. 白桃書房. • 小川憲彦・大里大助(2011)「大学生の就業先選定基準の探索―ポリシー・キャプチャリング法を通じ て―」『産業・組織心理学研究』第25巻,第1号,pp.25-41. • 尾形真実哉(2009)「導入時研修が新人の組織社会化に与える影響の分析」『甲南経営研究』第 49巻,第4号,pp.19-61. • 金井篤子・矢崎裕美子(2005)「キャリア・パースペクティブ尺度作成の試み」『日本社会心理学会第 46回大会発表論文集』pp.308-309. • 株式会社ディスコホームページ • http://www.disc.co.jp/(最終アクセス2016/01/29) • 株式会社ディスコ「新卒採用に関する企業調査―内定動向調査」 http://www.disc.co.jp/research_archive/index.htm?cate=kigyou-report- research&year=2015(最終アクセス2016/01/28) • 株式会社ディスコ「2015年度日経就職ナビ学生モニター調査結果」 http://www.disc.co.jp/uploads/2014/06/15monitor201406.pdf(最終アクセス 2016/01/28)

Slide 40

Slide 40 text

40 参考文献 • 苅谷剛彦・沖津由紀・吉原恵子・近藤尚・中村高康(1992)「先輩後輩関係に“埋め込まれた”大卒 就職」『東京大学教育学部紀要』第32巻,pp.89-118. • 日下部眞一(2004)「地域経済格差の正しい理解のために―行政投資と疑似相関」『統計』第55巻, 第2号,pp.74-82. • 佐藤佑樹(2014)「知覚された組織的支援研究の展望―理論的基礎,先行変数,結果変数およ び測定尺度について」『経営行動科学』第27巻,第1号,pp.13-34. • 下村英雄・堀洋元(2004)「大学生の就職活動における情報探索行動:情報源の影響に関する検 討」『社会心理学研究』第20巻,第2号,pp.93-105. • 申美花(2001)「ホワイトカラーの二重コミットメントが業績と転職意志に及ぼす影響」『経営行動科学』 第14巻,第3号,pp.143-152. • 祐宗省三・原野公太郎・柏木恵子・春木豊(1985)『社会的学習理論の新展開』金子書房. • 鈴木竜太(2002)『組織と個人―キャリアの発達と組織コミットメントの変化』白桃書房. • 鈴木竜太(2007)『自律する組織人―組織コミットメントとキャリア論からの展望』生産性出版. • 田尾雅夫(1997)『「会社人間」の研究』京都大学学術出版会. • 竹内倫和・竹内規彦(2009)「新規参入者の組織社会化メカニズムに関する実証的検討―入社前・ 入社後の組織適応要因」『日本経営学会誌』第23巻,pp.37-49. • 竹内倫和(2012)「新規学卒就職者の組織適応プロセス:職務探索行動研究と組織社会化研究 の結合の視点から」『学習院大学経済論集』第49巻,第3号,pp.143-160. • 武田圭太(2010)『採用と定着―日本企業の選抜・採用の実態と新入社員の職場適応』白桃書房. • 中原淳(2012)『経営学習論―人材育成を科学する』東京大学出版会. • 中原淳・溝上慎一(2014)『活躍する組織人の探究―大学から企業へのトランジション』東京大学出 版会. • 西分翔太・児玉真樹子(2014)「大学生のキャリア・パースペクティブ形成に及ぼすソーシャルサポートお よびメンタリング効果の検討」『学習開発学研究』第7巻,pp.19-27.

Slide 41

Slide 41 text

41 参考文献 • 日本経済新聞2015年7月30日付. • 日本労働研究機構(2013)「組織の診断と活性化のための基盤尺度の研究開発―HRMチェックリス トの開発と利用・活用」『調査研究報告書』第161巻. • 二村英幸(2015)『個と組織を生かすキャリア発達の心理学―自立支援の人材マネジメント論』金子 書房. • 羽田野花美・矢野紀子・酒井淳子(2004)「看護学生の職業コミットメントに関する検討―課程およ び学年ならびに志望動機による比較と関連要因の検討」『日本看護学会論文集』第35巻,pp.163- 165. • 服部泰宏(2013)『日本企業の心理的契約―組織と従業員の見えざる約束―<増補改訂版>』白 桃書房. • 林祐司(2009)「新卒採用プロセスが内定者意識形成に与える影響―製造業大手A社のデータを用 いて」『経営行動科学』第22巻,第2号,pp.131-141. • 林祐司(2015)「採用内定から組織参入までの期間における新卒採用内定者の予期的社会化に関 する縦断研究―組織に関する学習の先行要因とアウトカム」『経営行動科学』第27巻,第3号, pp.225-243. • 廣瀬英子(1998)「進路に関する自己効力研究の発展と課題」『教育心理学研究』第46巻, pp.343-355. • 松田侑子・永作稔・新井邦治郎(2008)「職業選択不安尺度の作成」『筑波大学心理学研究』第 36号,pp.67-74. • 宗方比佐子・渡辺直登編著(2002)『キャリア発達の心理学』川島書店. • 山本寛(2006)『昇進の研究―キャリア・プラトー現象の観点から[改訂版]』創成社. • 山本寛(2008)『転職とキャリアの研究―組織間キャリアの視点から[改訂版]』創成社. • 山本寛(2009)『人材定着のマネジメント―経営組織のリテンション研究』中央経済社.

Slide 42

Slide 42 text

42 参考文献 • リクルートワークス研究所ホームページ • http://www.works-i.com/(最終アクセス2016/01/29) • リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」 • http://www.works-i.com/surveys/graduate.html(最終アクセス2016/01/28) • 渡辺直登・野口裕之編著(1999)『組織心理測定論―項目反応理論のフロンティア』白桃書房. • Allen, N. J., & Meyer, J. P. (1990). The measurement and antecedents of affective, continuance and normative commitment to organization. Journal of Occupational Psychology , 63, 1-18. • Bandura, A.(1977)Self-efficacy mechanism in human agency. American Psychologist, Vol.37, No.2, pp.122-147. • Barber, A. E.(1998)Recruiting employees: Individual and organizational perspectives. Sage. • Blau, G. J. (1985). The measurement and prediction of career commitment. Journal of Occupational Psychology, Vol.58, pp.277-288. • Cohen, A. (1999) The relationship between commitment forms and work outcomes in Jewish and Arab culture. Journal of Vocational Behavior, Vol.54, pp.371-391. • Eisenberger, R. & Stinglhamber, F. (2011) Perceived organizational support. Washington, DC: American Psychological Association Books. • Eisenberger, R., Hungtington, R., Hutchison, S. et al. (1986) Perceived organizational support. Journal of Applied Psychology, Vol.71, pp.500-507. • Meyer, J. P. & N. J. Allen(1991)A three component conceptualization of organizational commitment. Human Resource Management Review, Vol.1, No.1, pp.61-89.

Slide 43

Slide 43 text

43 参考文献 • Meyer, J. P., Stanley, D. J., Herscovitch, L., & Topolnytsky, L. (2002) Affective, continuance, and normative commitment to the organization: A meta-analysis of antecedents, correlates, and consequences. Journal of Vocational Behavior, Vol.61, pp.20-52. • Schein, E. H.(1978)Career dynamics : Matching individual and organizational needs. Reading, MA : Addison-Wesley.(二村敏子・三善勝代訳『キャリア・ダイナミクス』白桃書 房,1991) • Schunk, D. H. (1983) Ability versus effort attributional feedback: Differencial effects on self-efficacy and achievement. Journal of Educational Psychology, Vol.74, pp.548-556.

Slide 44

Slide 44 text

44 ご清聴ありがとうございました

Slide 45

Slide 45 text

45 8.補足資料

Slide 46

Slide 46 text

変数名 質問 項目数 平均値 度数 標準偏差 Cronbach's α 不安 5 3.309 802 1.594 0.924 内的帰属 4 4.568 802 1.014 0.656 影響力 4 4.698 802 1.313 0.858 詳細さ 4 3.895 802 1.519 0.850 適合性 3 3.824 802 1.434 0.803 キャリア効力感 4 5.308 802 1.025 0.830 組織サポート 3 4.992 802 1.041 0.804 キャリアAC 5 4.614 802 1.169 0.705 組織AC 4 4.564 802 1.154 0.767 入社意欲 5 5.019 802 1.224 0.861 46 補足資料-本調査・記述統計量-

Slide 47

Slide 47 text

47 補足資料―相関係数 n=61 ピアソンの積率相関係数 不安 内的 帰属 影響力 詳細さ 適合性 キャリア 効力感 組織サ ポート キャリア AC 組織AC 入社 意欲 ス ピ ア マ ン の 順 位 相 関 係 数 不安 ―― -.173** -.049 -.057 .010 -.247** -.093** -.166** -.093** -.219** 内的 帰属 -.178** ―― .331** .289** .215** .516** .506** .348** .434** .388** 影響力 -.054 .320** ―― .523** .405** .343** .476** .291** .372** .320** 詳細さ -.054 .278** .535** ―― .449** .179** .336** .154** .227** .209** 適合性 .015 .232** .414** .442** ―― .171** .400** .161** .306** .175** キャリア 効力感 -.281** .510** .340** .175** .177** ―― .573** .355** .428** .435** 組織サ ポート -.115** .486** .473** .343** .409** .544** ―― .483** .675** .572** キャリア AC -.180** .347** .286** .136** .153** .356** .454** ―― .602** .570** 組織 AC -.113** .440** .377** .232** .306** .421** .652** .570** ―― .702** 入社 意欲 -.251** .390** .321** .205** .181** .424** .567** .553** .676** ―― **=1%水準

Slide 48

Slide 48 text

48 仮説の検証|因子分析 因子分析の方法 抽出方法 : 最尤法 回転方法 : バリマックス 組織A.C 元の変数名 質問項目 因子 Cronba ch’s α 組織サポート 内定先の会社は自分を育ててくれていると思う 0.731 0.824 様々な面から内定先の会社は私を支えてくれている 0.729 内定先の会社は私を大切にしてくれていると思う 0.696 組織A.C 内定先の会社に愛情を感じる 0.783 友人・知人に内定先の会社のことを話すのが楽しい 0.628 内定先の会社の問題を自分の問題のように感じる 0.464 その組織に対して愛着や一体感を感じる程度 ※組織が個別的に支援してくれることによって育まれた組織に対する情緒的コミットメント

Slide 49

Slide 49 text

49 項目 1 項目 2 項目 3 項目 4 項目 13 項目 14 項目 15 項目 16 項目 26 項目 27 項目 28 項目 29 項目 32 項目 33 項目 34 項目 35 項目 17 項目 18 項目 19 項目 20 項目 21 項目 22 項目 23 項目 24 項目 30 項目 31 項目 36 項目 25 項目 5 項目 6 項目 7 項目 8 項目 9 項目 10 項目 11 項目 12 e26 e27 e28 e29 e30 e31 e32 e33 e34 e35 e36 e21 e22 e23 e24 e25 e6 e1 e2 e3 e4 e5 e17 e18 e19 e20 e7 e13 e14 e15 e16 e8 e12 e9 e11 e10 内的帰属 影響力 内的帰属 詳細さ 個人適合性 効力感 キャリア AC 組織 AC 入社意欲 .71*** .61*** .24** -.15*** -.03 .19*** .29*** .65*** .36*** 補足資料