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東進ハイスクール トップリーダーと学ぶワークショップ データとAI の最新活用事例 「クリエイティブAI」で新たな価値を創造する デロイトデジタル 執行役員 森 正弥 2020/06/13 https://note.mu/masayamori

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3 • デロイトトーマツコンサルティング/デロイトデジタル 執行役員 • 東北大学 特任教授 • 株式会社メルカリ R4D 顧問 • 元 楽天 執行役員 森 正弥 https://note.mu/masayamori • 先端技術の動向の情報発信を行い、産業横断的な公職にも携わる • 楽天では、開発組織のグローバル化、研究開発の統括を行い、 を用いた新サービスも創出

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4 「創造的 と敵対的 の不思議な関係」 • という新しい アプリケーショ ンのトレンドと、それの原動力となっている (敵対的生成ネットワーク)の解説 • 利便性のみならず、新しく社会にもたらされ ているプライバシーの脅威についても言及 https://note.com/masayamori/n/n9fddedd9a6f5

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5 本日の構成

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6 本日の構成  AI とは何か? → AI についての基本知識を知る  AI はここまでできる → 高度なAI について知る  「クリエイティブ AI」の世界 → 創造性を持ったAI について知る • の基本知識から、最新事例まで触れつつ、未来のビジネスと との付き合い方について考えます

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7 ① AI とは何か

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8 作曲をする : が作曲し、アーティストがそれを使って歌を作る https://www.youtube.com/watch?v=XUs6CznN8pw&feat ure=emb_logo

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9 とは何か? • 初出は 年 “ 人工知能に 関するダートマスの夏期研究会 、別名「ダートマス会議」でジョン・マッカーシーが名付けたのが最初。 AIとは、「人間の脳が行う知的作業 をコンピューターで実現することを 目指したソフトウェアやシステムの ことであり、具体的には、環境や物 体の認識、人の使う自然言語の理解 や論理的な推論、経験からの学習を 行うプログラム」 • 考えること、推論すること • 言葉を理解すること、操ること • 見て認識すること、聞いて認識すること、などなど。

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10 とは何か? • 初出は 年 “ 人工知能に 関するダートマスの夏期研究会 、別名「ダートマス会議」でジョン・マッカーシーが名付けたのが最初 AI 人間にしかできないと思われていた レベルの「情報処理」を実現する ソフトウェア • 自然言語処理、パターン認識、画像処理、音声認識、機械翻訳、ロボティクス、、、などなど • 年のビッグデータの潮流の中、人や企業の多くの活動がデジタル化され、取得可能なデータが増え、活用 機会が拡大したことに伴い、それを有効活用するための各種 技術も注目されている

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11 楽天によるドローンサービス「そら楽」 ( ) https://www.youtube.com/watch?v=bKw6imNmKnk

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12 (最新の無料翻訳サービス) https://www.deepl.com/translator

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13 これを訳してもらいます • •

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14 ブームは今回が 回目 • 年から、 の研究は 年近く続いている。 • 第 世代、第 世代 とブームが来ては、限界を迎え、長い の冬の時代がやってきた AI 第1世代(1956年~)は、推論 第2世代(1980年代)は、ルール・知識 (AI の 冬) 第3世代(2006年~)は、「機械学習」

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15 第 世代(今)の は、「学ぶ 」 • 現代の は、「機械学習」ベース • インプット(データや経験)から、インプットと正解の関係を「学ぶ 」である。 AI (モデル) トレーニング データ 経験 OR 正解 インプットと正解の関係を 学習する

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16 が出すアウトプットは、誤差がある「 (予測)」である • 学んだ は、インプットに対して、正解と思われるものを答える。 • しかし、原理的にはそれは、 (予測)であり、ある意味「あてずっぽ」である • ゆえに、必ず「誤差」がある。 AI (モデル) インプット 多分、これだ と思う アウトプット 正解+α(誤差)

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17 が出すアウトプットは、誤差がある「 (予測)」である • の学習は、誤差が0に近づくようにやっていく • 誤差が大きい場合は、トレーニングデータを増やす・改善するなどをする • もし誤差がうまく小さくならない場合は、 の手法(モデル)を変えてることも検討する

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18 なぜ、冬をこえたのか? → インターネットがブレークスルーのきっかけ • インターネットにより、大量のデータが手に入るようになった • 大量のデータを扱うことで、誤差が小さくなり、 の性能が向上するケースが出た • は複雑な階層構造をなし、抽象から具象まで「あてずっぽう」の精度をあげている AI (モデル) 大量の インプット 多分、これ だと思う アウトプット 正解+α(誤差) CNNの例

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19 の基本的な種類 • の技術は画像認識、自然言語処理、音声認識、また様々に応用される予測技術等がある。 AI 自然言語処理 (NLP) 音声認識 (ASR) 画像認識 (CV) 予測 (Prediction) 識別 (Recognition) 分類 (Classification) データ マイニング 不正検知 コンテンツ 生成 感情認識

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20 補足) 画像認識、音声認識の記事 https://note.com/masayamori/n/n4c616161cc14 https://note.com/masayamori/n/n02fffa7638b7

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21 ② AIはここまでできる

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22 なぜ、冬をこえたのか? → インターネットがブレークスルーのきっかけ • インターネットにより、大量のデータが手に入るようになった • 大量のデータを扱うことで の性能が向上するケースが出てきた ( 翻訳の例) • 言い方を変えると、誤差が小さくなるようになった 大量のデータ (ビッグデータ) AI の性能向上

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23 第3世代のAI を支える破壊的技術 特に大量のデータがあると性能が劇的に向上する

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24 ( 年 月、世界で初めてプロ棋士を破った ) https://www.youtube.com/watch?v=u1mpx2ynsTk

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25 大量のデータとディープラーニングが の進化を後押ししている

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26 楽天における (ディープラーニング) の成果  画像認識 (Rakutenラクマでの活用、楽天ドローンでの活用)  顔認識 (各グループ会社での活用、楽天Pay の顔認識ペイメント)  機械翻訳 (Video配信ビジネスでの7言語の字幕翻訳。世界レベルの精度)  商品カタログデータの自動生成  顧客の隠れたニーズの自動発見  株価予測・マーケット予測  潜在顧客ターゲティング (Rakuten Airis)  広告バナーの自動生成、商品解説文の自動生成 (Creative AI)

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顔認証による、キャッシュレスペイメント& チケットレス入場 ディープラーニングを活用した顔認証技術を 様々な実サービスへ展開

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28 性別・年齢・感情を理解する • がお客様を理解し、おすすめの商品をピックアップするソリューション https://youtu.be/nC9nHbhe3DQ?t=77

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29 牧羊犬ロボット • 犬が羊の面倒を見て、農場の管理もしてくれる https://www.youtube.com/watch?v=gD7K6-q-o50

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30 次なるブレークスルーが始まっている AI が協力しあって性能を劇的に向上させる

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31 (最新の無料翻訳サービス) https://www.deepl.com/translator

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32 翻訳の性能向上の競争 • ~ Dec. 2017: • Google • ~ Aug. 2018: • DeepL.com • ~ Now: • Facebook AI Research

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33 出典: http://deeplearning.hatenablog.com/entry/back_translation 2019/10/18 アクセス

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34 Deep learning Small Dataset Big Dataset Great AI Deep learning So so AI Other Dataset 2nd Deep Learning Another so so AI Connect & Loop Learning Super AI Interactive Loop

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35 協力し合う の世界

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36 ③ 「クリエイティブAI」の世界

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37 「創造的 と敵対的 の不思議な関係」 • という新しい アプリケーショ ンのトレンドと、それの原動力となっている (敵対的生成ネットワーク)の解説 • 利便性のみならず、新しく社会にもたらされ ているプライバシーの脅威についても言及 https://note.com/masayamori/n/n9fddedd9a6f5

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38 映画の予告編を作る IBM: AI can create a movie trailer  2016年の映画 “Morgan” の予告編をAIが作った  通常、一週間ぐらいかかる作 業をAIはたった一日で実施 https://youtu.be/gJEzuYynaiw

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39 小説を執筆する a short science fiction novel written entirely by AI 名古屋大学の佐藤・松崎 研究室で作られたAI この人狼ゲームだが、最近とある分野で大きく注目され ている。それが、人工知能、いわゆるAIの分野だ。人工 知能に人狼ゲームを行わせる試みは昔からあったが、最 近ではAIの性能を評価するためのテストとして人狼ゲー ムが注目されている。なんでも、人狼ゲームは言語能力、 表情を作る力と読み取る力、嘘を見破る論理的思考力、 相手を説得するための文章力、感情の表現力など、AIの 持つ様々な能力を総合的に評価するのにピッタリな題材 なのだそうだ。これまでAIの優秀さを総合的に評価する テストは存在しなかった。そういった背景があり、「人 狼知能能力測定テスト」が登場した。これにより真に優 秀なAIが決定すると話題になっている。 作品名 “人狼知能能力測定テスト”

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40 クリエイティブ という新しいトレンド  World Economic Forum でも注目されるトレンド  特定の技術やソリューションではなく、応用(アプリケーション) 繰り返しではなく 毎回違うものを作る でたらめではなく 専門的知識体系 に基づいて作る がらくたではなく 経済的価値の あるものを作る 「クリエイティブ」であることの3条件

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41 (敵対的生成ネットワーク) Generator Discriminator Random Input Sample Sample Real Data Generator Loss Discriminator Loss • データ拡張にも使えるが、創造性を持った ( )というトレンドの 原動力にもなっている

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42 による https://research.nvidia.com/sites/default/files/pubs/2017- 10_Progressive-Growing-of/karras2018iclr-paper.pdf

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43 驚異の https://youtu.be/hW1_Sidq3m8?t=72 Image Credit: Khari Johnson • 1ヶ月で50万枚の画像がユーザーの手で 作成される • トップアーティストとのコラボも

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44 スターウォーズ、トランスフォーマー、アベンジャーズのコンセプトアーティストであった 氏による とのコラボ作品

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45 文章を絵に変換する AttnGAN by Microsoft: AI can create a picture from caption Text-to-Image convertor http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1801/19/news054.html “A bird with a yellow body, with black feathers and has a short beak.” • 画像から画像を作るのではないところがポイント。 • 例えば応用することで、設計図から製品の画像を作り出し、実際の製品と比較す ることで設計図どおりに作られているのかの確認等にも使える。

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46 一つずつパーソナライズされた広告を作り出す [LuBan System, Alibaba] Background Shapes Colors Layout Product Alibaba used automated banner design system at 11.11 出典: (Alibaba社 発表資料より)http://www.uisdc.com/alibaba-luban-ai-banner

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47 ワークショップ • 創造性のある「クリエイティブ 」を用いた新しいビジネス、 サービスについて考える • その際、 と人の役割分担についても考える • 上記、ビジネスを考えた際に出てきた疑問点・懸念点 • 今後、人はどのようなスキル・能力を伸ばしていくべきか

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48 終わりに

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49 が出すアウトプットは、誤差がある「 (予測)」である • の学習は、誤差が0に近づくようにやっていく • 誤差が大きい場合は、トレーニングデータを増やす・改善するなどをする • もし誤差がうまく小さくならない場合は、 の手法(モデル)を変えてることも検討する

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50 新しい関係へ 人の枠組みを超えるリーダーシップと AIの創造性を統合する新しい関係へ  AI は、枠組みの中で、高い精度の情報処理を行うことができる。 その量・精度は人知を安々と超えている。  しかし、枠組みを超えることそのものはできない。  人は枠組みを変える力を持っている。機械・AI はビッグ データを処理できる力を持っている。

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51 Appendix

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52 「 探索と活用)」 https://note.com/masayamori/n/nd4a3e2cfd1b4 • 近年成功している垂直型スタートアップが体現 しているモデル • 人と の共創に対する実践的な回答でもある

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53 新しい局面としての社会的責任と「健全な成長」 https://www.theguardian.com/technology/2019/oct/30/faceb ook-agrees-to-pay-fine-over-cambridge-analytica-scandal • しかし、テック企業のビジネスや行き先に様々な批判が噴出。 • 、プラットフォーマー規制等、新しいコンプライアンス、 投資等の新しい企業 の社会的責任を踏まえつつ破壊的技術をビジネスモデルへ組み込み、「健全な成長」の実現へ。 https://hbr.org/2019/10/what-do-we-do-about-the- biases-in-ai https://www.cnbc.com/2019/06/10/g20-agrees-to-wrap-up- digital-tax-rules-on-facebook-amazon-google.html デジタルビジネスのいきすぎた税対策 Bigdata & 広告によるPrivacy への脅威 過去データに基づくAI によるBias の強化