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【スライド版】 これからのベンチャー企業の コーポレート担当に求められる 5つの力

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はじめに ベンチャー企業のコーポレート部門で働いている方、転職を考えている方へ 本スライドは、noteの記事に基づいて作成されています 詳しくはぜひnoteをご覧ください すみだ@ベーシックCAO 株式会社ベーシック 執行役員 CAO コーポレート部門長 ▼Twitter @takeshisumida_ ▼note @takeshisumida_

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ベンチャー企業のコーポレートを取り巻く環境の変化 業務を遂行する手段が、これまでもよりも多様化してきている "これからの"という言葉をタイトルにも入れているように、大前提として、コーポレート部門を取り巻く環境自体が、 ここ数年の中でも大きく変わってきているように感じています。 大きく変わってきているポイントとしては、ひとえに「業務を遂行する手段がより多様化してきた」ことが挙げられる と思います。 大きくは何と言っても、SaaSに代表される”ツールの多様化”です。加えて、時間軸的にはこのnoteを出した後にはなり ますが、最近では生成型AIの活用も急速に大きなポイントになってきていることもご承知の通りかと思います。 また、そのようなテクノロジー以外にも、”外部委託先”や、”情報の取得手段”の多様化など、これまでのように、自分 の専門性だけを活かして、また社内の他部署と協力して、という範囲にはとどまらない形で、外部に存在するあらゆる 手段を活用しての業務推進が求められてきています。 だからこそそれに適応するために、またそのような環境の中で成果を最大化するために、新たに必要となったり、より 求められるようになってきている”力”があると考えています。

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これからのベンチャー企業のコーポレート担当に必要な力 大きく以下の5つの要素に分類 1  外部に頼る力 2  ディレクションする力 3  テクノロジーを活用する力 4  発信力 5  情報収集力

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1. テクノロジーを活用する力 効率化などで対処法的に導入するのではなく、予めテクノロジーを組み込んだ業務設計の実行が必要 オンプレミス型のものも含めて、特に"業務効率 化"文脈におけるシステムの活用は、以前より コーポレートが持つ大きなミッションであった。 しかし現在では、「工数が増えてきたから」「業 務が非効率になってきたから」システム導入を考 えるのではなく、発生し得る課題を見越して、あ らかじめテクノロジーを組み込んだ業務設計を行 う必要がより出てきている。(SaaS、AI 等) 大企業においては情シスのような部隊がまるっと 請け負ってくれるが、ベンチャー企業においては そのような機能は初期から十分に揃ってはいな い。 コーポレート担当が、各自の領域における最新テ クノロジーについてアンテナを張り巡らせ、適切 なシステムを主体的に提言・導入することが求め られている。 出典:BOXIL「SaaS業界レポート2021 速報版」 ※SaaS界隈では必ずチェックされているBOXILさんのカオスマップのまさに文字通り のカオスぶりからも、昨今のツールの多様化は見てとれる。

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2. 外部に頼る力  外部に頼る際のポイント    まずは社内の各職種における、    コア業務・ノンコア業務を定義 (左図)    ノンコア業務は極力外部や非正社員に    委託、正社員が本質的なコア業務に    集中できる状態を作る    一方コア業務も内製に拘り過ぎない。    専門性が高い職種の早期の雇用は、    コスト観点でバランスが悪かったり、    マネジメントが困難な場合が多い 人的リソースが十分にないベンチャー企業は、内製に拘り過ぎず外部にも適切に頼るべき コア業務・ノンコア業務の定義 出典:Biznet

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(参考) 実際に外部に頼るパターン例 前頁の通り、フェーズに応じて、ノンコア業務・コア業務共に適切に頼ることが必要 立ち上げフェーズの 専門職種 組織に知見や経験がまだ無 く、早急な立ち上げが必要と なった業務。(例:エンジニ ア採用、情シス、認証取得) 士業 弁護士や社労士など、コア業 務ながら専門性が著しく高 く、すぐには社員として内製 化できない職種の業務。 オンライン アシスタント データ入力、数値集計、定期 的なレポーティングや社内へ の依頼等、定型的だったり機 会的なノンコア業務。

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3. ディレクションする力 目標の達成に向けて、「外部パートナーも含めて一つのチーム」として考え、動ける力が必要 前述の外部に頼る上でも、「外部パートナーを適切にディレクションする力」が求められる。外部に任せるということは、当然なが ら投げっぱなしにすることではない。「外部委託することで成し遂げたかったことは何なのか」という目的を常に念頭に置き、その 目的達成のために想定通りことが進んでいるのか、求めていたQCD(品質・コスト・納期)が達成されているのか、導いていく必要が ある。 特に前述"コア業務"を委託する場合にはより注意が必要。ノンコア業務については、その性質上委託をする人も業務内容をよく分 かっている場合が多いので、QCDのズレについては目につきやすく、うまく進んでいるかの判断がしやすい。一方コア業務は、主に は現状自分達にケイパビリティが無いことを委託するため、QCDのズレの判断がしにくく、結果的に「よく分からないので全部お任 せします」ということになりがちなためである。 この外部パートナーのディレクションについては、"大企業の管理部門出身者"は特に苦手であることが多い。大企業においては、高 度専門職を含め内部に一定の人材が揃っているので、例え自部門で解決できないことがあったとしても、 基本的には社内の他部署に依頼することで完結する場合がほとんどであるため。 一方で、ベンチャー企業においては潤沢に人が揃っているという状況はまずあり得ない。 もちろん管理部門である以上コスト意識自体は大切なのは当然だが、だからと言って 内製に拘り過ぎて、コーポレートが事業推進上のボトルネックになっていては意味がない。 「外部パートナーも含めて一つのチーム」として考え組織を作り、 しっかりとパートナーとも目標を共有しながら、その目標の達成に向けてディレクションを 行っていく能力は、ベンチャー企業のコーポレート部門に属している限りは必須。

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4. 情報収集力 本やネットでの収集はもちろん、”SNS”と”コミュニティ”を適切に活用することが肝 SNS SNSで有用な情報が流れてくるという情報収集観点でもそうだが、社外との繋がりができることにより、 何か不明な点があった場合に専門性が高い人に聞くことにより解決に繋がったり、 何より前述の外部パートナーについても、SNS経由で見つけられるという効果が大きい。 (特にTwitter) もちろんSNSを活用しなくても、直接企業のサイトから問い合わせるという方法もあるが、 SNSで呼びかけることにより、先方から声を掛けてもらう方が圧倒的に効率的、 かつ何より熱量を持って取り組んでくれる会社が結果的には多いと感じる。 コミュニティ 仕事関連のコミュニティという形態自体は過去からあったが、Slackなどのオンラインコミュニケーションツール、 およびWeb形式でのミーティング・セミナーが急速に一般化したことにより、これまでよりも その活動がオンライン上で活発になり、情報交換がより盛んになっている。 コーポレート領域においても、採用、広報、総務、情シス、経理など、 見た・聞いたことがあるコミュニティがいくつかあるはず。 日々多くの業務をこなしながら、その上で自分が担当している領域の最新情報を全て把握する というのはどこかで限界があるはず。必ずしも全ての情報を常に自分が把握していなくても、 コミュニティを通じて、同じ職種の人にいつでも聞ける接点を持っている人は、コーポレート人材として強い。

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5. 発信力  発信することの効果    自分の専門性が外部に分かることで、    より情報が集まってくる    発信による会社知名度向上により、    採用広報としての貢献にも繋がり得る    個人としての知名度も向上すれば、    結果的にはキャリア形成的にも    プラスになる 自ら情報を発信することで情報はさらに集まってくる、加えて採用広報やキャリア形成にも効果    noteでの発信をきっかけに    メディア取材や登壇に波及することも多い

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(最後に) ベンチャー企業のコーポレート担当として持っておきたいマインド ベンチャー企業においては、常に「目的思考」でいることが最も大事 今回ご紹介した5つの要素を業務で行っていく上でも、「常に”目的思考”でいること」はベースのマインドとして最も大事だと考えています。 ベンチャー企業のコーポレートは常にやることに溢れています。異なる領域のことでも、会社を前に進めるために、経営陣や他の部署から突如頼まれ たり、むしろあえて自ら巻き取ったりすることは日常茶飯事かと思います。 その中で、会社が目指す方向に正しく向かうために支援を最大限行うためには、常に目的を明らかにし、前例に囚われることなく、あくまでその目的 の達成のために最適な手段を選択することが、多くの物事を同時に、かつ適切に進められることに繋がります。 特に私もかつて所属していた大企業においては、あくまで会社のために何か改善や改革をしたいと思っていても、前例や慣習を踏襲せざるを得なかっ たり、マネジメントの鶴の一言で方向性が決まったりということはありがちです。しかし、とにかく会社を死なせないためにあらゆることをすべきで あるベンチャーのコーポレートにおいては、そのようなしがらみに本来すべきことを妨げられている場合ではありません。 コーポレート部門のマネージャーにあたる人は、日々のマネジメントや判断においてこの"目的思考"を特に意識するということはもちろん、徹底的に 浸透させるためには、全社もしくは部門として、行動規範のような形で明示的に設定してしまうのも、効果的な方法です。 (ベーシックにおいても、全社のコンピテンシーの1つに目的思考(Goal Oriented)を入れています) 色々変化が激しい時代ですが、今回の内容が、コーポレートに属する皆様の参考に少しでもなっていましたら幸いです。