Slide 1

Slide 1 text

ZKPオンチェーン検証を活用した NFT検定サービスの取り組み ソリューション事業本部デジタルエンターテインメント事業部 システム開発部プラットフォームサーバーグループ 中島 伊吹

Slide 2

Slide 2 text

2 DeNAでもCrypto領域の挑戦ができる

Slide 3

Slide 3 text

自己紹介 ● 2022年入社 新卒エンジニア ● Crypto / Go / Cloud ● 趣味:DTM 3 @hourglasshoro(nakaj1ma.eth)

Slide 4

Slide 4 text

4 NFTを使った検定サービス

Slide 5

Slide 5 text

NFTを使った検定サービス ● NFTなど資産を守るためにリテラシーを高めるきっかけとして検定問題を提供 ● 一定水準をクリアしたaddressに譲渡不可の合格証NFTを付与する ● ユーザーは選択問題を解き、全て合格すると合格証が発行できる 5

Slide 6

Slide 6 text

6 検定サービスの目的

Slide 7

Slide 7 text

検定サービスの目的 1. 健全なweb3の発展に貢献する 7 2. 中長期的な技術投資

Slide 8

Slide 8 text

1. 健全なweb3の発展に貢献する ● NFTを含むweb3の領域は発展途中であり、まだスパムフィルターが開発され ていないEメールのような状態 ● 一定のリテラシーを持っているほうが資産を守ることができる ● 長期的には安全性が高まることで本来のweb3テクノロジーの良さを引き出す ことにつながる 8

Slide 9

Slide 9 text

9 1. 健全なweb3の発展に貢献する 図:検定サービスの合格証NFTを別のプロジェクトで使う時の例

Slide 10

Slide 10 text

2. 中長期的な技術投資 目標 web3という新しい領域で、ことづくりの仮説検証を高速に繰り返せる開発者集団になる 10 そのためには Cryptoの技術をどうマス向けに活用していくのかを模索するのは重要だが、 その前に技術や思想の土台を作ることが必要

Slide 11

Slide 11 text

web3への貢献の形 11

Slide 12

Slide 12 text

12 Ethereumについて

Slide 13

Slide 13 text

Ethereumについて ● 世界中にノードがあり、さまざまな人によって分散管理されているブロックチェーンをベース としたプラットフォーム ● スマートコントラクトと呼ばれる任意のプログラムをデプロイすることができる 採用した理由 ● 長期的な視点を考慮 ○ より分散されているためセキュリティが高い ○ 多くのNFT ProjectがEthereum上で運用されているため最大限にコンポーザビリティを発揮 できる ○ L2ソリューションによるスケーラビリティ問題解決の兆しが見えてきた 13

Slide 14

Slide 14 text

14 検定のスマートコントラクト

Slide 15

Slide 15 text

15 オンチェーンでの問題点

Slide 16

Slide 16 text

16 オンチェーンでの問題点

Slide 17

Slide 17 text

17 オラクルを使う

Slide 18

Slide 18 text

18 オラクルとは ● 「一般的に信頼できるとされる情報」をオンチェー ンに渡すシステム ● Ethereumはオフチェーンからの情報の正当性を検証 することができない ● オラクルはセキュリティのボトルネックになる ● 例:為替情報の取得、セキュアな乱数生成

Slide 19

Slide 19 text

19 ガス代とは Image by macrovector on Freepik Ethereum ● さまざまな人によって分散管理されているプラット フォーム ● スマートコントラクトと呼ばれる任意のプログラム をデプロイすることができる ガス代 ● プログラムを動かす時に手数料 = ガス代 ● ガス代を支払う回数が少ないほどUXが良い

Slide 20

Slide 20 text

20 オラクルの構成

Slide 21

Slide 21 text

21 オラクルを使う場合:手順1

Slide 22

Slide 22 text

22 オラクルを使う場合:手順2

Slide 23

Slide 23 text

23 オラクルを使う場合:手順3

Slide 24

Slide 24 text

浮上したオラクルの問題点 オラクルは2回ガス代を払う必要がある オラクルを使用する時にガス代を払うタイミング 1. オラクルコントラクトで合格情報更新を実行する 2. 検定コントラクトでNFT発行を実行する 24 Image by macrovector on Freepik

Slide 25

Slide 25 text

ここまでの問題点 オンチェーンの透明性 Blockchainに書き込まれている情報や入力は誰でも見ることが可能と言う問題があるので、できるなら自分の解答を 誰にも見せないままオンチェーンで正解かどうかを判定したい 25 ガス代を支払う回数増加によるUX低下 オラクルを使用すると2回ガス代がかかるが、できるなら1回で実現したい

Slide 26

Slide 26 text

26 ZKPが解決してくれる? Image by macrovector on Freepik

Slide 27

Slide 27 text

ZKPが解決してくれる? Zero Knowledge Proof, ゼロ知識証明 ● 計算と出力、どちらも正しいということの証明 ● 入力は公開か秘匿か選べる 27 Image by macrovector on Freepik

Slide 28

Slide 28 text

28 ZKPが解決してくれる?

Slide 29

Slide 29 text

29 ZKPが解決してくれる?

Slide 30

Slide 30 text

30 思想や技術を理解するための取り組み

Slide 31

Slide 31 text

思想や技術を理解するための取り組み イベントへのスポンサー ● 国内最大規模(2022年10月当時)web3ハッカソン 「東京web3ハッカソン」 ● インキュベーションプログラム、「Nethergate」 勉強会 ● 週に2回開催 ● 去年:Ethereum WP, マスタリング・イーサリアム ● 今年:SIWE, Ethernautなど 31

Slide 32

Slide 32 text

32 おわりに

Slide 33

Slide 33 text

DeNAでもCrypto領域の挑戦ができる ● Crypto領域で挑戦したいときの1つの選択肢としてDeNAが挙がると嬉しい ● 研究開発としてエンジニア主導であたらしい取り組みに今後も挑戦していく ● 挑戦可能な理由はCryptoの土台を作ってきた先人の想いを尊重できる環境が ベースにあるから 33