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© RAKUS Co., Ltd. Claude Codeによる⾃律的並列分析の実践 ― Gitログからのリスク発⾒ 株式会社ラクス  楽楽明細開発部 1課 ⼤⼝ 詩織 2025/09/30

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2 実施の背景:リグレッションテストが⼤変。 リリース前にリグレッションテストを実施していますが、いくつか問題がありました。 ● 対象が広くてテスト量が多すぎる ● 毎回⼿動でテストを選定している  → どこを重点的にテストすべきかの指針がほしい

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3 なにをしようとしたか ⽬的 ● 「バグが起きやすい機能」を⾒つけてテストケースに優先順位をつけたい GitHub のログに着⽬ ● 「fix:」 がついたコミットを中⼼に調査 ● どの機能‧エンドポイントで起きているかを分析 機能とのマッピング⽅法 ● 変更箇所の呼び出し階層を調査し、エンドポイントを特定

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4 なぜ⽣成 AI を使うのか? ● ログの件数が膨⼤ ○ ⼈⼒で追うのは現実的じゃない(2 年分で 1000 件弱) ● クラスや関数のマッピングも⾯倒  → AI に⼿順作成/⾃動分析してもらおう!

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5 ⽣成 AI でやったこと ● 作業⽅針、実施⼿順を ChatGPT と壁打ち ● 壁打ちの内容を Claude Code でドキュメント化 ● Claude Code でコミットログの分析 + tmux で⾃律的に並列作業

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6 どうやってやったか:壁打ち+ドキュメント化編 作業設計の⽀援に AI を活⽤ ● 作業⽅針の決定 → ChatGPT / Claude Code と壁打ち ● 作業⼿順の整備 → Claude Code でたたき台作成 & 議論 ● 分析テンプレ‧プロンプト作成 → ChatGPT + Claude Code で繰り返し改善 ChatGPT と Claude Code の使い分け ● ChatGPT  → 批判的レビューの期待 ● Claude Code → 実装に即した提案

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7 どうやってやったか:⾃律的に並列分析編 なぜやったか? ● 1 件 10〜15 分 × 1,000 件 →CLI で並列実⾏するにしても⼿動でキックするのは無理 ● Claude Code に「任せきる」構成が必要 どうやって並列実⾏するか? →複数ターミナルで同時に処理して、相互に指⽰‧報告できたらいいのでは? ● tmux というターミナルマルチプレクサを使うと、 ○ 1 つのセッション内に複数のターミナル paneを起動できる ○ 各 pane にコマンドを送信したり、出⼒を集めることができる  →⼈が⼿を出さなくても、Claude Code × tmux で仕事が回る!

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8 実⾏構成イメージ

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9 実際に準備したもの(Claude Code が) ● tmux_parallel_workflow.md:実⾏⼿順 + Manager ⽤プロンプト

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10 実際に準備したもの(Claude Code が) ● task-list.csv :進捗と担当の記録 ● report_template.txt:報告テンプレート

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11 作業の様⼦

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12 よかったこと ● ChatGPT/Claude Code どちらも意図通りの役割を果たしてくれた ● tmux 上の⾃律並列処理で⼈間の⼿離れが実現 →Gitログ分析以外にも特定の処理を反復する作業に応⽤できることを期待 →CodexでもClaude Codeの代替になるので、作業内容によっては切り替えてもいいかも。

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13 想定外だったこと ● Worker が突然作業を⽌める(manager の監視が必要) ● Worker が報告をしてくれない(manager の監視が必要) ● 並列数を上げると レート制限(token 制限) にすぐ到達してしまう