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製造業における生成AI活用のユースケースと 関連技術要素(RAG,MCP)の解説 2025/6/18 製造ビジネステクノロジー部 濱田孝治(ハマコー)

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2 濱田孝治(ハマコー) 製造ビジネステクノロジー部 マネージャー • 独立系SIerを経て2017年9月 クラスメソッド入社 ブログ, SNS • 「クラスメソッド 濱田」で検索 • はてなブックマーク累計 約15,000個 • Xアカウント:@hamako9999 コミュニティ運営 • JAWS-UG コンテナ支部運営 • Grafana Meetup Co-organizer AWS認定関連 • 取得済みAWS認定:SAP, DOP, DBS, SOA, SAA, DVA, SCS, CLF, AIF, MLA, MLS • AWS APN Ambassador 2020 執筆書籍 • みんなのAWS • SoftwareDesign 2022年11月号 コンテナ特集

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3 会社のブログを良く書いてます(週一程度)

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みなさんの生成AI利用頻度を 教えて下さい 4

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5 みなさんの生成AI利用頻度 •1ヶ月に1回 •1週間に1回 •2〜3日に1回 •毎日

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6 みなさんの生成AI利用頻度 •1ヶ月に1回 •1週間に1回 •2〜3日に1回 •毎日

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7 みなさんの生成AI利用頻度 •1ヶ月に1回 •1週間に1回 •2〜3日に1回 •毎日

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8 みなさんの生成AI利用頻度 •1ヶ月に1回 •1週間に1回 •2〜3日に1回 •毎日

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9 ハマコーの利用頻度と利用用途 利用頻度:毎日 • 事業計画の策定の方向性壁打ち • 製造業関連ニュースの収集とリサーチ • VibeCodingによるアプリケーション作成 • 3Dモデルの作成 • Grafanaによるデータ分析

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デモ ものづくり白書解説 NotebookLM(Google) 10

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11 ものづくり白書

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12 みなさんがものづくり白書で興味があることは? •製造業の投資動向 •デジタル技術の導入・活用 •経済安全保障

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13 ものづくり白書解説 by NotebookLM(Google)

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14 本日お伝えしたいこと • 製造業における現在のAI活用ユースケース を学んでもらう • AIに関する最新のキーワードを把握しても らう • デモを通じて「そろそろ行けそうか?」と 肌で感じてもらう

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15 Agenda • クラスメソッドとサービス紹介 • ハノーファーメッセ2025の様子とAI活用ユ ースケース • AIの進化の歴史 • デモ:自然言語によるデータ分析 • デモ:自然言語による3Dモデル作成 • AI活用の未来と関連技術

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16 クラスメソッドとサービス紹介

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17 Agenda • クラスメソッドとサービス紹介 • ハノーファーメッセ2025の様子とAI活用ユ ースケース • AIの進化の歴史 • デモ:自然言語によるデータ分析 • デモ:自然言語による3Dモデル作成 • AI活用の未来と関連技術

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18 AWSの日本最優秀SIパートナー https://classmethod.jp/news/20250508-aws-partner-awards

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19 財務ハイライト

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20 製造業のお客様向けソリューション一覧 https://classmethod.jp/segment/manufacturing/

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21 製造業のお客様向けソリューション一覧

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22 PLC Data to Cloud

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23 可視化部分イメージ:品質管理 パネル例 • 保管温度 • 温度トレンド • 原材料歩留ま り • 充填重量トレ ンド • 殺菌温度推移 • 異物検知回数 • 日別異物検知 数 • 現在製造ロッ ト情報

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24 可視化部分イメージ:設備監視 レポート例 • OEE(総合設備 効率) • サイクルタイム • 生産状況 • 時間損失内訳 • OEE構成要素ト レンド • OEE改善推奨事 項 • アクチュエータ 基準値超過 • アクチュエータ 動作時間

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25 製造業向けアジャイル支援サービス https://classmethod.jp/services/insource/manufacturing-agile-support/

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26 研修によるティーチングや伴走型開発も実施

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27 AI駆動開発支援サービス https://classmethod.jp/services/aidd/

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28 製造ビジネステクノロジー部の顧客事例

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29 ハノーファーメッセ2025の様子と AI活用ユースケース

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30 Agenda • クラスメソッドとサービス紹介 • ハノーファーメッセ2025の様子とAI活用ユ ースケース • AIの進化の歴史 • デモ:自然言語によるデータ分析 • デモ:自然言語による3Dモデル作成 • AI活用の未来と関連技術

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31 ほとんど全てここに書きました https://dev.classmethod.jp/articles/hannover-messe-2025/

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32 会場マップ

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33 会場規模(ホール9 上段から)

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34 会場マップの丸の位置からみた景色

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35 会場マップの丸の位置からみた景色

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36 Siemens ドイツを代表する総合電機メーカー

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37 Siemens ドイツを代表する総合電機メーカー

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38 Siemens ドイツを代表する総合電機メーカー

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39 Siemens 展示の核:産業用コパイロットとインダスト リアルメタバースの融合 設計から、製造、運用に至るまでの製品サイ クル全体をカバーするデジタルツインと、そ れを加速させる生成AIの統合。 中心は「Siemens Industrial Copilot」

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熟練エンジニアが、オートメーション設計プラ ットフォーム「TIA Portal」上で、自然言語 (日本語)を使い「コンベアAからコンベアBへ 部品を移送するラダーコードを生成して」と指 示。 Industrial Copilotが数秒でコードを生成し、さ らに「このコードに、部品が落下した場合の安 全停止シーケンスを追加して」と依頼すると、 即座に修正案を提示 。 これにより、従来数時間かかっていたプログラ ミング作業が数分に短縮。 40 Siemens AIユースケース 生成AIによるエンジニアリングの高速化 生成AIによるエンジニアリングの高速化 ref:https://www.siemens.com/global/en/company/insights/unlocking-the-power-of-generative-ai-siemens-industrial-copilot.html

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41 シュナイダーエレクトリック 展示の核:サステナビリティとエネルギー効 率を最大化するAI コア戦略であるサステナビリティを軸に、AI がいかにエネルギー効率の最適化と自律的な 運用に貢献できるか

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EcoStruxureプラットフォーム上で、工場のエネ ルギー消費データをリアルタイムで分析。 AIが電力価格の変動、天気予報(太陽光発電量予 測)、生産計画を読み取り、「3時間後に電力価 格が高騰するため、非緊急の生産タスクを前倒し で実行し、蓄電システムからの放電に切り替え る」という運用計画を自動で立案・実行。 これにより、エネルギーコストを15%削減するシ ミュレーションを展示しました。 42 シュナイダーエレクトリック AIユースケース AIによるエネルギーマネジメントの自律化 AIによるエネルギーマネジメントの自律化 https://www.hannovermesse.de/en/news/news-articles/new-habitats-for-ai

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43 BECKOFF

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44 BECKOFF 展示の核:制御レベルに深く統合されたリア ルタイムAI クラウドを介さず、機械のコントローラー (PLC)上で直接AI推論を実行することの優 位性を強調。 リアルタイム性が求められる高度なマシン制 御にAIを組み込むデモが中心。

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高速で流れてくる形状が不揃いな部品 を、ロボットアームがピッキングする デモ。 AIビジョンシステムがコントローラー 上でリアルタイムに部品の形状と向き を認識し、最適な掴み方を瞬時に判 断・実行。 クラウドとの通信遅延がないため、サ イクルタイムを従来比で30%向上。 45 BECKOFF AIユースケース コントローラー上で完結するAIビジョン制御 コントローラー上で完結するAIビジョン制御 https://www.beckhoff.com/en-us/company/news/multimedia-ai-and-automation-hannover-messe-press-preview.html

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46 SAP ERPを中心としたデータ活用

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47 SAP ERPを中心としたデータ活用

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48 SAP 展示の核:ビジネスプロセスと連携したイン テリジェント・サプライチェーン 製造現場の物理的なモノの動き(OT)と、 ERPが管理するビジネスデータ(IT)をAIで シームレスに連携させることで、サプライチ ェーン全体の最適化とレジリエンス向上の実 現に向けた訴求。

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SAPのビジネスAI「Joule」が、地政学リスクに関 するニュースフィードと、輸送遅延データをリアル タイムで分析。 「主要サプライヤーA社の拠点がある地域で大規模 ストライキが発生。部品Bの納入が7日間遅延する可 能性85%」と警告 。 さらに、「代替サプライヤーとしてC社とD社を推 奨。C社に切り替えた場合の追加コストと、生産計 画への影響シミュレーションはこちらです」と、具 体的な代替案と影響分析を提示 。 管理者がワンクリックで代替案を承認すると、関連 する発注や生産計画が自動で更新。 49 SAP AIユースケース 生成AIによるサプライチェーン寸断リスクの自律的回避 サプライチェーン寸断リスクの自律的回避 https://go4.events.sap.com/hannovermesse/en_us/home.html

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50 AWS 実家のような安心感(個人の感想)

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51 AWS e-Bike工場による製品製造ライフサイクル全般のクラウド活用

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52 AWS マルチベンダーで実現する自律移動ロボット(AMR)デモ

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53 AWS 展示の核:製造業向けに特化した、スケーラ ブルなAIビルディングブロック 自社で完成品を作るのではなく、製造業の顧客 やパートナーが独自のAIソリューションを迅速に 構築・展開するための、包括的かつ柔軟なクラウ ドサービス群の展示。

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AWS IoT Coreで世界中の工場から設備データを収集。 AWS IoT TwinMakerで作成したデジタルツイン上で、 設備の稼働状況を可視化。Amazon Lookout for Equipment(AI異常検知サービス)が、センサーデー タの僅かな異常パターンを学習。 「3日以内にコンプレッサーC-102のベアリングが故 障する兆候を検知」とアラートを出し、自動でメンテ ナンスチームに通知。 54 AWS AIユースケース IoTとデジタルツインによるリモート監視と異常検知 IoTとデジタルツインによるリモート監視と異常検知 https://aws.amazon.com/jp/blogs/industries/experience-the-future-of-smart-manufacturing-at-hannover-messe-2024/

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55 AIの進化の歴史 「予測するAI」から「創造するAIへ」

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56 Agenda • クラスメソッドとサービス紹介 • ハノーファーメッセ2025の様子とAI活用ユ ースケース • AIの進化の歴史 • デモ:自然言語によるデータ分析 • デモ:自然言語による3Dモデル作成 • AI活用の未来と関連技術

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57 改めて整理 ハノーファーメッセではAIが ほぼ全てのブースでサービスに 組み込まれていた この流れを全体俯瞰するために AIの進化の歴史を振り返っておきたい

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58 最初に 皆さんは以下の違いを説明できますか? 従来のAIと生成AIの違い 機械学習とディープラーニング

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59 製造業におけるAIの昔と今 従来のAI活用 • 分析、予知保全、品質管理が中心 • 主に従来の機械学習(ML)モデルが役割を担う • 顕著な改善をもたらしたが、分析が主目的 生成AIの登場 • 単なる分析を超え「創造」や「複雑な問題解決」を可能に

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60 AIの歴史的変遷

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61 AI関連の言葉の定義 AI(人工知能): • 人間の知的振る舞いをコンピュータで実現する 科学技術の総称 機械学習(Machine Learning, ML): • AIの一分野。データから自動的に学習し、パタ ーンやルールを見つけ、予測や判断を行う技術 • 人間が明示的にプログラムせず、データ駆動で 学習 ディープラーニング(Deep Learning) • 機械学習の一手法。人間の脳神経を模倣した 「ニューラルネットワーク」を多層化したモデ ル(DNN)で学習 • 「深い」層構造で、複雑・抽象的な特徴を自動 抽出・学習

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62 LLMの発展の主要因 技術的ブレークスルー(Transformer)がLLMの発展を後押し Transformerアーキテクチャ(2017年) - 並列処理可能、長い文脈の効 率的処理、大規模モデル訓練の実現 •注意機構(Attention Mechanism)文章内の重要部分への焦点化、文脈 理解の向上、自然な文章生成 •事前訓練と転移学習 - 大量テキストでの事前訓練後に特定タスクへ微調整、 効率的な高性能モデル構築 その他の重要な要因 •計算資源の向上 - GPU性能の飛躍的向上 •大規模データセットの利用可能性 - 訓練用データの充実 •分散計算技術の発展 - 大規模モデルの訓練を可能にする技術

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63 視覚でDeepLearningやTransformerを理解する https://www.youtube.com/watch?v=KlZ-QmPteqM&t=4s

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64 生成AIによる製造業ユースケースの変遷 製造領域 従来のML(概要と限界) 生成AIによる変革(概要と強化された能力) 製品設計・開発 過去データに基づくパラメータ最適化、性能 予測(新規性の創出は限定的) 新規デザインコンセプトの自動生成、要件に 基づく多様な設計案提示、仮想プロトタイピン グの高速化、材料選定支援 品質管理 画像認識による欠陥検出・分類(原因特定や 対策提案は困難) 欠陥検出に加え、原因分析、改善策提案、未 知の欠陥パターンの学習用合成データ生成 予知保全 センサーデータに基づく故障時期予測(具体 的な保守手順の提示は限定的) 故障予測に加え、詳細な保守指示書の自動 生成、故障シナリオのシミュレーション、複雑 な要因を考慮した保守計画の最適化 サプライチェーン最適化 過去データに基づく需要予測(突発的な変動 への対応や複雑なシナリオ分析は困難) 需要変動シミュレーション、リアルタイムでの 生産・在庫・物流計画の動的最適化、サプラ イヤーとの交渉支援、契約書ドラフト作成 プロセスエンジニアリング 既存プロセスのパラメータ調整による効率化 (抜本的なプロセス革新は困難) 新規プロセスフローの設計提案、デジタルツ イン上での多様な生産シナリオシミュレーショ ンと評価、運用手順書の自動生成 ナレッジマネジメント・トレ ーニング 文書検索、FAQシステム(文脈理解や専門的 アドバイスは限定的) 対話型AIによる専門知識の提供、技術マニュ アルの自動要約・解説、熟練者の暗黙知の 抽出と共有、個別化されたトレーニングコンテ ンツ生成

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65 RAGについて 最近RAGという言葉を あまり聞かなくなったようなきが しませんか?

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66 一昔前はこんなことがよくあったと思います LLMに分析を頼んでもデータが2年前だ! サンプルコードを見ても、使われているライ ブラリが廃止されているやつだ!

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67 最近のAIクライアントではWebリサーチがあたりまえになりつつある

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68 Claudeに聞いてみるとこんな回答が得られます

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69 Geminiに聞いてみるとこんな回答が得られます

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70 RAGについて このあたりにもRAGは根付いています

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71 RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは RAGとは、生成AI(LLM)に情報を渡して、より正 確で信頼性の高い回答をさせる技術 • 嘘をつく(ハルシネーション) • 情報が古い • 社内のことを知らない

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72 RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは RAGのプロセスは大きく2つのステップで構成 1.検索(Retrieval) 質問をすると、LLMに回答を生成させる前に、信頼できる情報源を検索 し、関連性の高い情報源をみつける 2.拡張・生成(Augmented Generation) 1でみつけた関連情報を、「カンニングペーパー」として、もとの質問 と一緒にLLMに渡して回答を生成

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73 RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは Gemini、Claude、ChatGPT、NotebookLMなど のリサーチ機能は、RAGを一般ユーザー向けの製品 に組み込んだもの 社内システムでの閉じられた業務データの利用では、これまでとおなじ くRAGを利用したLLMの利用は必要となる。 ただ個人的には、NotebookLMがある程度の容量のデータを元に 回答生成してくれる時代になったので、一からRAGのシステム を作るのではなく、世にある製品をつかうというのも、一つの 考え方ではあると思う

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74 デモ:自然言語によるデータ分析

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75 Agenda • クラスメソッドとサービス紹介 • ハノーファーメッセ2025の様子とAI活用ユ ースケース • AIの進化の歴史 • デモ:自然言語によるデータ分析 • デモ:自然言語による3Dモデル作成 • AI活用の未来と関連技術

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76 MCPとは MCP(Model Context Protocol) • AIモデルやエージェントが外部データソース・ツール と接続するためのオープンスタンダード • 「AIのUSBポート」とも呼ばれる標準化されたインタ ーフェースを持つ • AIとツール・データ感の接続を単純化し、M✕N統合問 題(M個のAIアプリがN個のツールに接続しなければ ならない)を解決する

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77 MCPの図示化 MCPとは何か 〜AIエージェントの為の標準プロトコル〜 https://blog.cloudnative.co.jp/27994/

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78 Grafana MCP server Grafana Labs公式でGitHubに公開済 • 主な機能 • Search for dashboards • List and fetch datasource information • Query datasource • Query Prometheus metadata • Query Loki metadata • Search, create, update and close incidents https://github.com/grafana/mcp-grafana

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79 Grafana MCP server DeepWikiもあるので参考に https://deepwiki.com/grafana/mcp-grafana

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80 環境構築までの手順はほとんどここに書いてます https://dev.classmethod.jp/articles/connect-grafana-cloud-with-mcp-server/

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81 デモの様子 ここに着目

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82 MCP経由でGrafanaを見るときの着目点 生成AIならではの「洞察」の出力 • ダッシュボードを人間が見ているだけでは気づかない ような、複数グラフからの「洞察」をプロンプト次第 で出力可能 • 過去時点と現在のデータの比較による検証なども、別 途自分で時間範囲を設定してグラフを並べなくてもで きる 問いかけ次第では、専用のダッシュボードを利用しながら人 間がデータの関連を検証していたことと、ほぼ同様のことが、 自然言語でできるかもしれない。

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83 デモ:自然言語による3Dモデル作成

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84 Agenda • クラスメソッドとサービス紹介 • ハノーファーメッセ2025の様子とAI活用ユ ースケース • AIの進化の歴史 • デモ:自然言語によるデータ分析 • デモ:自然言語による3Dモデル作成 • AI活用の未来と関連技術

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85 FreeCAD 無料オープンソースCADソフトウェア • マルチプラットフォーム対応(Windows, Mac, Linux) • C++とPythonで開発されている • 商用利用可能(個人利用、ビジネス、政府機関など、 どこでも)

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86 FreeCAD入門の様子はこちらから https://dev.classmethod.jp/articles/freecad-entry/

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87 FreeCAD MCP(しろくまさん、感謝!!!!) https://zenn.dev/firstautomation/articles/33e950c2409dba

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88 FreeCAD MCP(GitHub) https://github.com/neka-nat/freecad-mcp 設定方法もこれみれば ほとんどわかります

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89 例「星のカービィ」

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90 使う上での注意点 完全に自然言語のみで作り上げていくのは難しいのでコ ツが必要 • プロンプトで3DCAD用の基本的なパラメータを先に聞 いて、そこを埋めていくほうが断然スムーズ サイコロの3Dモデルを作成したいです。私から3Dモデル作成にお いて必要なパラメータを聞いてから作業を進めてください。 サイコロのサイズ:50mm 角の丸み具合:少し丸め 数字の表示: 彫り込み(凹)、数字はドット(目)で表現

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91 AI活用の未来と関連技術

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92 Agenda • クラスメソッドとサービス紹介 • ハノーファーメッセ2025の様子とAI活用ユ ースケース • AIの進化の歴史 • デモ:自然言語によるデータ分析 • デモ:自然言語による3Dモデル作成 • AI活用の未来と関連技術

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93 結論 以下が実現するのも 夢物語ではなくなってきたのかも? 自己修復型生産ライン 動的需要応答型サプライチェーン

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94 例:動的需要応答型サプライチェーン 従来の課題: 需要変動への対応は遅く、在庫過多や 欠品リスクが高い 新たな可能性: •UNS: ERPデータ、市場データ、生産能力データを 統合 •MCP: AI需要予測エージェントが外部データ(天 候、イベント、SNS)にアクセスして需要の急変を 予測 •A2A: 需要予測エージェントが生産計画エージェン ト、サプライヤーエージェント、物流エージェント と連携 具体例: 食品メーカーでは、大型スポーツイベント 前のSNS分析から特定商品の需要急増を予測。AIが 自動的に原材料発注を調整し、サプライヤーAIと納 期交渉、生産ラインのスケジュール再構成、物流ル ートの最適化を実施。これにより売上機会損失を防 ぎつつ、過剰在庫リスクを軽減。

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95 AI関連でのニュース このあとテクノロジーで 関連するキーワードを紐解きながら 説明していきます

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96 製造業における データ活用の潮流と課題感

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97 re:Invent2024で参加したワークショップ ref: https://dev.classmethod.jp/articles/workshop-deigital-thread/

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98 製造業に関わるデータは幅広い https://dev.classmethod.jp/articles/workshop-deigital-thread/

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99 製造業におけるよくある困り事 https://dev.classmethod.jp/articles/workshop-deigital-thread/

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100 製造業におけるよくある困り事 https://dev.classmethod.jp/articles/workshop-deigital-thread/ • 設計エンジニア: 「コンセプトから詳細設計段階に移行するために、主 要な材料供給の課題を知る必要があります」 • サプライチェーン: 「パーツ#XYZが遅延しています。調達の問題はあ りますか?同様の品質スコアを持つ代替サプライヤーを検討できます か?」 • 事業開発: 「新しいRFQ(見積依頼書)が来ています。類似点を特定す るために、過去のRFQ回答や仕様書にアクセスできますか?」 • 計画/購買: 「部品のリリース状況と変更記録を入手して、調達計画を 立てられますか?」

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101 これらサイロ化したデータをいかに活用していくのか? https://dev.classmethod.jp/articles/workshop-deigital-thread/

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102 解の一つになりうるのが UNS(Unified Name Space) IDF(Industrial Data Fabric)

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103 UNS(Unified Name Space)とは? 製造環境における「単一の信頼できる情報源」として機能するイ ベント駆動型のデータアーキテクチャ 主要コンポーネント • MQTTブローカー:発行/購読型メッセージングの中心ハブ • Sparkplug:MQTTプロトコル上で動作し、メタデータを追加 し自動検出や例外報告を実現 • データモデリング:ISA-95標準に基づく階層的なデータ構造 • エッジオペレーション:エッジに配置されたソフトウェアが機 器に接続し、生データを変換・標準化

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104 UNS(Unified Name Space)アーキテクチャ

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105 UNSの特徴とAIモデルやエージェントと相性が良い理由 ①データの一元化と標準化 • 従来の課題:製造環境では、PLC、MES、センサー、ERPなど 多数のシステムが独自のデータ形式を採用し、データサイロが 形成されていた • UNSの解決策:全てのデータソースからの情報を単一の標準化 された形式で集約 • AIへの影響:AIモデルは一貫した形式のデータにアクセスで きるため、AIエージェントが複数のソースからのデータを統合 する前処理が不要となる

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106 UNSの特徴とAIモデルやエージェントと相性が良い理由 ②リアルタイム性の確保 • 従来の課題: 多くのデータは定期的なバッチ処理やエクスポー ト/インポートプロセスを通じて移動し、データのリアルタイ ム性が無い • UNSの解決策: MQTT/Sparkplugベースのイベント駆動型アー キテクチャにより、データの変更がほぼリアルタイムで伝播 • AIへの影響: AIエージェントは常に最新の情報に基づいて判断 できるため、現実の状況とAIの認識のずれが最小限

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107 UNSの特徴とAIモデルやエージェントと相性が良い理由 ③コンテキストの保持とメタデータの充実 • 従来の課題: データは文脈から切り離されることが多く、その 価値や関連性が失われていた • UNSの解決策: Sparkplugによるメタデータの追加や、ISA- 95に基づく階層構造により、データに豊富なコンテキストを 付与 • AIへの影響: AIモデルはデータポイントだけでなく、その意味 や関係性も理解できるため、より高度な推論が可能

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108 UNSの特徴とAIモデルやエージェントと相性が良い理由 ④拡張性と適応性の強化 • 従来の課題: 新しいデータソースやAIモデルの追加には、多く の場合カスタム統合が必要 • UNSの解決策: 標準化されたプロトコルとインターフェースに より、新しいデバイスやシステムの追加が容易 • AIへの影響: 生成AIでは事前学習無しに、新しいデータソース を容易に活用できる

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109 UNSの特徴とAIモデルやエージェントと相性が良い理由 ⑤例外報告メカニズム • 従来の課題: すべての時系列データが定期的にポーリングされ るため、データ量が膨大になり重要な変化の検出が困難 • UNSの解決策: Sparkplugの例外報告機能により、意味のある 変化が発生した場合にのみデータを送信可能 • AIへの影響: ノイズの少ない重要なデータに集中できるため、 シグナル検出が向上し、より効率的な処理が可能

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110 これらUNSの実装プレイヤーが 現地で複数存在感を出していた

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111 IDF(Industrial Data Fabric) HighByte

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112 IDF(Industrial Data Fabric) HighByte 現地展示:AWS上でのHighByteの実装例

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113 IDF(Industrial Data Fabric) LITMUS

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114 IDF(Industrial Data Fabric) LITMUS https://litmus.io/ja/blog/embracing-the-unified-namespace-architecture-with-litmus-edge UNSの解説はこれが非常にわかりやす い

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115 オープンソースIIoTプラットフォーム FREEZONEX

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116 オープンソースIIoTプラットフォーム FREEZONEX

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117 オープンソースIIoTプラットフォーム FREEZONEX https://supos.ai/

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118 FREEZONEXのGitHubリポジトリのDeepWiki作成済 DeepWikiでfreezonexで検索

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119 FREEZONEX/Factory-Agent FREEZONEX/Factory-Agent Factory Agentは、産業システムが大型言 語モデル(LLM)を活用してリアルタイ ム監視、意思決定、自動制御を実現する オープンソースフレームワークです。こ のフレームワークは、オペレーションテ クノロジー(OT)のデータソース、情報 テクノロジー(IT)システム、現代のAI 機能の間を、MQTTブローカーと通信する カスタムNode-REDノードの集合体を通 じて接続します。 https://deepwiki.com/FREEZONEX/Factory-Agent

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120 AI関連でのニュース ハノーバーメッセ2025の会期前後に AI界隈で非常に大きな パラダイムシフトが発生

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121 近年よく見るキーワード MCP A2A

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122 さらなるAI活用の未来の形 MCPとA2Aの産業界への実装について

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123 The Industrial AI Podcast https://aipod.de/

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124 The Industrial AI Podcast Colin Masson https://open.spotify.com/episode/1akdmbHfJHOMPu2ohktiRq MCPとA2Aは、現場での活用に最適 か? 要約:MCPとA2Aプロトコルが工場デー タの活用に革新をもたらす可能性につい て議論。Anthropicがオープンソースとし てリリースしたMCPは、産業機器データ のコンテキスト化を可能にし、それをAIと 接続。GoogleのA2A拡張機能は複数の AIエージェント間の連携を実現します。

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125 MCPとA2Aについて MCP(Model Context Protocol) • AIモデルやエージェントが外部データソース・ツールと接続するための オープンスタンダード • 「AIのUSBポート」とも呼ばれる標準化されたインターフェース • AIとツール・データ間の接続を単純化し、M×N統合問題を解決 A2A(Agent2Agent Protocol) • 異なるAIエージェント間の通信・協調を可能にするオープンスタンダー ド • Googleが提唱した、ベンダーに依存しない相互運用可能なプロトコル • エージェント間の自律的な協調をサポート

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126 OPC UA, UNS, MCP, A2Aの関係 •UNS(Unified Namespace):OPC UAの上に構築され、 個々の機械と直接通信する必要なく、工場内の機械とその能力 (温度、圧力、流量など)を整理するレイヤー •MCP:AIエージェントがUNSに簡単に接続できるようにする プロトコル(OPC UAとも直接通信可能) •A2A:複数のAIエージェントが互いに通信し、MCPを通じて アクセスしたデータやツールを使ってタスクを調整するための 拡張機能

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127 OPC UA, UNS, MCP, A2Aの関係

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128 産業用AIの将来 これは単に新しいタイプのAIではなく、既存のAI分類(ML、ニューラル ネット、コンピュータビジョン、生成AIなど)を適用し、組み合わせて 特定のスキルやタスクに最適なツールを使用できるようにする建築的進 化です。 産業分野は以前、AI/ML技術の適用において先行していましたが、 ChatGPTの登場(2022年11月)以降、遅れをとっているという認識が あります。 しかし、生成AIと大規模言語モデルは、エンジニアリングの厳密さ、正 確性、根本原因分析、説明可能性が必要な多くの産業用AIユースケース には適していません。 エージェントベースのアプローチへの移行により、産業分野は再びリー ダーシップを取り戻し、製造業のスキルギャップに対処し、次のレベル の生産性を達成する機会があります。

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129 リスナーへのアドバイス 事業会社はベンダーに以下の質問をすべき • 統合名前空間(UNS)のために何を使用しているか • 統合名前空間とOPCと相互作用するMCPサーバーの提供に向けて何を しているか • エージェント間(A2A)の次のステップとエージェントのオーケストレ ーションについてどのように考えているか 主要プレイヤーがこれらのプロトコルと標準をサポートしていることで、 産業用AIのニーズに対応するための協力が進んでいきます。

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130 未来の製造業の形 その先に見えてくるユースケース

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131 ユースケース①:自己修復型生産ライン 従来の課題: 設備故障は事後対応が基本で、早期発見で きても人間の判断と介入が必要 新たな可能性: •UNS: 全ての機器からのセンサーデータを統合し、リア ルタイムで異常パターンを検出 •MCP: AIエージェントが過去の故障履歴と現在のデー タを分析し、問題を診断 •A2A: 保守エージェントが部品調達エージェントと連携、 自動的に部品発注・ロボット修理指示 具体例:自動車組立ラインの溶接ロボットが振動異常を 示した場合、AIが原因を特定(ベアリング劣化)し、部 品在庫を確認、最適なメンテナンス時間を計算、必要に 応じて代替生産ルートを確保しながら、次のシフト変更 時に自動修理ロボットが対応する一連の流れが人間の介 入なく実行される。

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132 ユースケース②:動的需要応答型サプライチェーン 従来の課題: 需要変動への対応は遅く、在庫過多や 欠品リスクが高い 新たな可能性: •UNS: ERPデータ、市場データ、生産能力データを 統合 •MCP: AI需要予測エージェントが外部データ(天 候、イベント、SNS)にアクセスして需要の急変を 予測 •A2A: 需要予測エージェントが生産計画エージェン ト、サプライヤーエージェント、物流エージェント と連携 具体例: 食品メーカーでは、大型スポーツイベント 前のSNS分析から特定商品の需要急増を予測。AIが 自動的に原材料発注を調整し、サプライヤーAIと納 期交渉、生産ラインのスケジュール再構成、物流ル ートの最適化を実施。これにより売上機会損失を防 ぎつつ、過剰在庫リスクを軽減。

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133 最後にまとめ

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134 まとめ • 製造業におけるデジタル革新の波はAIを中心として非常に大 きい • おそらく来年のハノーバーメッセでは、ほとんどのデジタル ソリューションブースにMCPとA2Aが出てくる • データを整備して未来のAI活用に向けて備えることが非常に 重要になってくるので、今からどのようなアプローチがとれ るか検討するのが重要になってくる