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国際仲裁総合研究所 第2回 国際仲裁の手続の全体

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第2回 国際仲裁の手続の全体 1. 国際仲裁の全体図 国際仲裁の大まかな流れは以下のとおりです。 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ 仲 裁 合 意 紛 争 の 発 生 仲 裁 の 申 立 て ・ 答 弁 書 の 提 出 仲 裁 人 の 選 任 ・ 審 理 計 画 主 張 ・ 証 拠 提 出 / 証 拠 開 示 ヒ ア リ ン グ ( 審 問 期 日 ) 仲 裁 判 断 仲 裁 判 断 の 承 認 ・ 執 行 2

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第2回 国際仲裁の手続の全体 2.申立て・答弁書の提出 (1)仲裁申立て 仲裁は、申立人が仲裁機関に対して仲裁申立書を提出することにより開始されます。申立 人としては、仲裁条項に定められた内容に従い、申立てを行う仲裁機関を選定します。 申立書は、仲裁機関を通じて(ICC、JCAA等)、又は申立人から被申立人に対して直接 (SIAC等)、仲裁申立書が送付されます。 どこの仲裁機関に申し立てるかによって、申立書の記載事項、添付書類、その必要部数、 提出先、申立費用等が異なりますので、各仲裁機関の仲裁規則を確認する必要があります。 (2)答弁書の提出 被申立人は、申立書を受理した後、一定期間内(例えば、ICCでは30日、JCAAでは4週間) に答弁書を提出する必要があります。多くの仲裁規則においては答弁書の提出期限の延長に ついての規定があり、仲裁機関が延長を相当と認めた場合は延長されます。答弁書の記載事 項についても、各仲裁規則を確認する必要があります。 また、反訴請求があれば、答弁書の提出と併せて行うよう定められている場合があります (ICC規則、JCAA規則)

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第2回 国際仲裁の手続の全体 3.仲裁人の選定 (1)仲裁人の人数 仲裁廷を構成する仲裁人を選任します。仲裁合意で仲裁人の人数について合意していればそれに従いますが、 通常は、1人又は3人で構成されます。 1人の場合はコストや時間の短縮が期待できるメリットがありますが、3人の場合は複雑・困難な事件におい て公平かつ適切な判断を期待できるなどのメリットもあり、事案に応じて判断する必要があります。 (2)選任方法 仲裁人の選任プロセスには様々なものがありますが、仲裁人が1人の場合、両当事者が合意により仲裁人を指 名しますが、実務上、利害が対立する当事者間で合意できない場合もあり、その場合は仲裁機関が選任します。 仲裁人が3人の場合、多くの場合は両当事者が1名ずつ指名し(一定期間内に指名できない場合は仲裁機関が選 任)、残る第三仲裁人については、仲裁機関が選任する場合もありますが、選任された2人の仲裁人が選任する 場合、当事者による共同指名による場合などがあります。 (3)仲裁人の資格等 仲裁合意において仲裁人の資格について何等かの要件を定めている場合はそれに従います。多くの仲裁機関 では仲裁人名簿がありますが、必ずしもこの仲裁人名簿から選ばなければならないとはされていません。 仲裁人候補の検討に当たっては、CV(履歴書)や執筆物等も検討し、国籍、バックグラウンド(法曹資格、 特定の分野の法的知識等)、仲裁事件の経験、評判、不偏性・独立性・利益相反の有無、言語等が考慮されて います。

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第2回 国際仲裁の手続の全体 4. 仲裁審理手続 (1)審理計画と主張書面・証拠提出 仲裁人が選任されると、多くの場合審理計画が策定され、そのスケジュールに沿って、数回にわ たって申立人、被申立人双方から主張と証拠が提出されます。一般に、1往復半から2往復半程度の やり取りがされます。 また、通常、主張書面の提出と並行して、証拠及び陳述書、専門家意見書の提出も行われます。証 拠に関しては、IBA証拠規則に沿って、一定の範囲(重要かつ関連性があるもの)で証拠開示手続が 行われることが多く行われています。 (2)争点整理 仲裁人が選任されると付託事項書(Terms of Reference)が作成されることがあります。これは主 張の概要や争点等を整理したもので、一定の争点整理機能を有するとされています。 (3)ヒアリング(審問期日) 実務上、当事者双方から主張と証拠が出揃った後、ヒアリング(審問期日)が開かれます。ヒアリ ングでは、冒頭陳述(Opening Statement)、証人尋問、専門家証人尋問、最終陳述(Closing Statement)が行われます。 仲裁人、当事者代理人の他、証人や専門家証人は別の国を拠点としていることが多いため、この審 問期日は、通常、数日から数週間の連続した期日に集中して実施されます。 5

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第2回 国際仲裁の手続の全体 5.仲裁判断 (1)仲裁判断の内容 ヒアリング後、一定期間後に仲裁廷は仲裁判断を示します。仲裁判断は、一般に、主文、仲裁判 断の理由、仲裁地、仲裁判断の日等が記載されます。 仲裁判断の時期について、ICCでは付託事項書(Terms of Reference)に署名した日から起算して 6か月以内に終局判断をしなければならないとされていますが、実務上は延長されるケースも多くみ られます。 (2)仲裁判断の執行 敗訴当事者が任意に仲裁判断に応じない場合、当事者は裁判所に対して仲裁判断の執行を求める ことになります。この点、外国仲裁判断については、「外国仲裁判断の承認及び執行に関する条 約」(いわゆるニューヨーク条約)があり、外国判決に比べて、その執行が容易となっています。 この点が国際仲裁を利用するメリットの一つと言われています。 (3)仲裁判断の取消・執行拒否 仲裁判断は原則として終局的であり、上訴は認められません。ただし、極めて限定された取消事 由がある場合(例えば、仲裁合意の無効、手続保障違反、公序違反など)、敗訴当事者は裁判所に おいて仲裁判断の取消を求めることができます。 また、敗訴当事者としては、勝訴当事者が仲裁判断の執行を求めてきたときに、その執行を争う ことができますが、執行拒否事由は仲裁判断の取消事由とほぼ同内容で、極めて限定的です。 6