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「つくること」によるxDiversity 高須正和 スイッチサイエンス国際事業開発 ニコ技深圳コミュニティ共同発起人 开源社(中国オープンソースアライアンス) 早稲田ビジネススクール 大公坊創客基地(iMakerBase) 羲融善道(Heroad Fund) ガレージスミダ研究所

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自己紹介 事業と研究とコミュニティ 深圳ほか世界各地のパートナーを開拓し、先進的な開発ツールを輸出入・共同開発、投資,企業間 提携などを行う。大公坊創客基地,MakerNet等の中国企業で海外向け事業開発を 事業:スイッチサイエンス他 グローバルビジネスデベロップメント 研究/布教:早稲田ビジネススクール招聘研究員/非常勤講師 「深圳の産業集積とマスイノベーション」 開源社(中国最大のオープンソースアライアンス) ニコ技深圳コミュニティ Co-founderほか、様々なコミュニティ 事業=仕組みになっていて利益を生むもの 事業開発=事業を作ること 研究や布教=講演や執筆などで少しはお金になるけど、 基本的には仕組みになりづらいもの 2008~11年間で39都市107回のメイカーイベント参加 ほか、浜野製作所のガレージスミダ研究所 主任研究員、 コミュニティ=社会的な価値が生まれる前、 事業や研究でもできないところをやる 面白ければ仲間が増えるし、熱が冷めると終わる

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落合さんとの出会いは2010年4月の電子工作まつり (ぼく主催,DIY,ボランタリーイベント) このままDIY, ボランタリー,電子工作の話を進めていくと…

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深圳の電気街で売ってる 1500円のニセAirpods 何でこんな偽物ができる?

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分解してみる:チップはわずか4つ(AirPodsは21個) スピーカー 接触センサのかわり 銅板で静電気を感知 マイコンを使わない イヤホンをケースに接続 させるマグネット イヤホンをケースに接続 させるマグネット バッテリ 充電接点 タッチ制御IC クロックジェネレータ タッチ検出ボタン MEMSマイク 裏面:メインSoC

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マーキングの消されたメインチップ 山崎さんがサイズとピンのみで いきなりチップ候補特定 AD6973D

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マーキング消されたチップを開封しよう タオバオにはチップ開封、FIP(チップ内断線の 修理)、ファームウェア抜き出しなどをやる専門 の解析屋が何軒もいる (住所聞くと深圳华强北とか龙岗とか) チャット機能で見積もりとって発注 300元(6000円)、失敗したらカネ は返す (日本だと何十万円もかかります)

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←パーフェクトな研磨でSoCの中身を分析 届いた写真 SoCの上にフラッシュメモリ ワイヤーボンディングも 想像できる

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未来はすでに来ている ただ上手に分配されていないだけ The Future is here, but not eventually distributed. では、どうやって未来を分配する?

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中国の美団によるドローン出前実験

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配送基地まで見に行く/シェアして技術を検証する ・10人ほどのエンジニアが見守る中での1:1地点配 送だった ・フライトごとに人間がメンテ(バッテリ交換など)して る SNSでシェアしたら、 取引先がセンサーを教えてくれた スイッチサイエンスで取り扱い中

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自分でドローンを飛ばす→日本の学校でドローンを 教えられるようにする 深圳M5Stackのハードウェア+ 金沢工科大学伊藤恒平教授の制御ソフトウェアで 合法的に飛ばせる教育用オープンソースドローン

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「作る道具」をつくる 深圳M5Stack日本総代理 ・社長ジミー・ライは、もと中国南方電網のエンジニア ・しょっちゅうスマートメーターを開発している間に、 「多くのメーターに共通する機能を製品にしよう」と思いついて起業 ・社長室に専用の部品ボックスと作業台を起き、プロトタイプを自分で 作る。いつも身の回りには試作品が転がっている

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アイデアを現実化するスピードを最速に マイコンチップ、無線機能、I/O端子などをひとまとめにしたもの 利用者はソリューションを開発するエンジニア、IoTシステム開発を学ぶ学生など 代表的な開発ボード RaspberryPi(英国)などを使って開発 ・適合するセンサを選ぶ ・センサーを処理するソフトをつくる ・動作確認の画面をつける ・ケースを3Dプリンタなどでつくる M5Stack シリーズを 使って開発 完成までまだまだ、 本質(ドアセンサー) 以外の時間がかかる.. 完成。 アイデアの検証が できる! (Proof of Concept) M5Stackシリーズは 「アイデア→実際に作ってみて試す」までの時間を最小化する 例:入退室を記録するシステムを開発する

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日本で圧倒的なシェアを獲得したM5Stack クローズアップ現代 「ものづくりxAI」特集 2021年10月20日放送 さまざまな研究開発に使われて いる

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c アイデアは別のアイデアを生み出し、国を超えて広がる 「M5Stackをかわいいロボットに」 M5Stackを利用して、 スマートメーターじゃなくて 「かわいいロボット」を作った ししかわ @meganetaan さん 2021.8.12公開 オープンソース スイッチサイエンス/M5Stack 主催コンテスト受賞 アメリカHackaday.ioで金賞 2021.9.4 ドイツ国営Tvの 国際放送(スペイン語版, アラビア語版など) で紹介 2021.11.12 c 他のユーザも続々と派生プロジェクトを ついに公式も開発開始

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M5Stackから派生した ロボットアーム 日本のユーザ@necobotが面白い プロジェクトを作る (ロボットアームで猫じゃらし) 深圳:自分の製品が 外国でテレビに出るなんて! 日本:製品の開発元が、 自分のプロジェクトを知ってるなん て! アイデアは別のアイデアを生み出し、国を超えて広がる 未来を分配しよう

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卓上量子コンピュータ(深圳SpinQ社)輸入準備中 年内に150万円ぐらい?で販売予定 深圳でテスト中の秋田教授(金沢大学) 福本博士(マイクロソフト)

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未来はすでに来ている ただ上手に分配されていないだけ The Future is here, but not eventually distributed. まとめ: アイデアを交換し、新しいものを作ることで、未来はやってくる ドローン、量子コンピュータ、開発ボード、ロボットアーム これまでの話はすべて、日本と深圳を結んだ、研究者とメイカーとビジ ネスが組み合わさったアイデアの交換

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「つくること」によるxDiversity 今のM5Stackは、「Jimmyにとって便利なもの」から、「世界にとって便 利なもの」に変わりました。 だからこそ、僕はみなさんのアイデアや提案が大好きで、何が問題で、 何が便利なのかを教えてほしいのです! 研究開発を更に簡単にし、世界をよりよい場所にしましょう!