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© KADOKAWA DWANGO educational institute N高等学校でのSlackの活用 学校法人角川ドワンゴ学園 IT戦略部 部長 吉村総一郎 (@sifue) 2020年5月14日 × 1

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© KADOKAWA DWANGO educational institute 吉村総一郎(@sifue)について ● 広島県呉市出身 ● 元々はドワンゴのニコニコ生放送の開発リーダー ● 2016年よりN高等学校 プログラミング講師 ● 2019年より角川ドワンゴ学園のIT戦略担当 2

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© KADOKAWA DWANGO educational institute N高等学校とは? 3 ● 2016年4月設立の通信制のネットの高校 (高卒資格とれる) ● 年5日程度のスクーリング、基本ネット授業で単位取得 ● 2020年4月現在、生徒数は14702名 ● 2017年開始の通学キャンパス (現在全国19キャンパス) ● 本校は沖縄の伊計島→ ● 多彩な課外授業 (Advanced Program) の提供

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© KADOKAWA DWANGO educational institute 課外授業 ① 4 ● 大学受験 ● プログラミング ● 機械学習 ● Webデザイン ● 小説創作 ● エンタメ授業

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© KADOKAWA DWANGO educational institute 課外授業 ② 5 ● クリエイティブ ● DTM・ボカロ ● ものがたり創作 ● 中学復習 ● 職業体験 ● 国際教育

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© KADOKAWA DWANGO educational institute ITツールの徹底活用、生徒は学費内で無料利用可能 6

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© KADOKAWA DWANGO educational institute ネット部活は全て「Slack」を中心として実施 7 ● 起業部 ● 投資部 ● eスポーツ部 ● コンピューター部 ● 美術部 ● 音楽部 ● などなど...

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© KADOKAWA DWANGO educational institute ネット運動会やネット遠足、プロジェクト学習など 8 ドラクエX Zoom

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© KADOKAWA DWANGO educational institute Slackをどう使っているか? 9 ● 2016年4月設立より、生徒向け、教職員向けで利用 ● 最初はあまり盛り上がっていなかった ● 今では卒業生たちがSlackから去りたくないと毎年言うほど ● N高Slackには、現在15000名近いメンバー ● 4年で育ったSlackチャンネル文化、約5000のパブリックch 部活・同好会 チャンネル timesチャンネル (twitter風の 個人チャンネル) 担任による ホームルーム チャンネル 趣味ごとにある 雑談チャンネル

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© KADOKAWA DWANGO educational institute Slackが生徒たちのコミュニティとマッチする理由 10 ● チャンネルで高校生が趣味で繋がれる ● 教職員がおり、安心感がある (生徒が通報できる仕組みがある) ● メールを非公開にすれば生徒同士では匿名性を持てる 趣味で 繋がれるか 安心感が あるか 匿名性を 持てるか 高校生 だけか Slack 〇 〇 〇 〇 Twitter/Instagram 〇 × 〇 × LINE × △ 〇 △ Discord 〇 × 〇 × → 高校生が匿名で趣味で繋がれるのに安心感のある特別な場所

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© KADOKAWA DWANGO educational institute 生徒向けのSlackポリシーを設定して運用 11 ● 生徒は互いに自主性を尊重し、問題は当事者間で解決が基本 ● チャンネルオーナーがルールを定めコミュニティマネジメントするよう推奨 ● 教職員は、犯罪、公序良俗違反、他人の権利侵害、他人を傷つける行為、ハラス メント、個人情報流出への対処 (通報は生徒なら誰でもいつでも可能)。

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© KADOKAWA DWANGO educational institute 生徒向けのSlackを盛り上げるための教職員の活動 12 日々の挨拶 日々の 褒める活動/ リアクション 数日毎の ホームルーム 開催 毎週の 部活動の 開催 N予備校等の 授業/イベント 案内 月刊N高新聞で 発言数 ランキング 荒らす生徒 への 生徒指導 教職員の 積極的な ニュース紹介

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© KADOKAWA DWANGO educational institute 教職員Slackのポリシーは企業向けルールに近いもの 13 ● 本人と判別できる顔写真と氏名の設定は徹底 ● 発言がナレッジベースとなるようにパブリックチャンネルの利用推奨 ● チャンネル名は接頭辞でグルーピング (例:#教職員_交流、 #教職員_質問) ● 適切な通知設定とミュートやステータス設定の利用の推奨 ● ミュートされてることを前提にメンションは徹底利用する ● 雑談を重要なコミュニケーションと考え、雑談チャンネルの推奨 ● AppやBotを利用した効率化の推奨 ● ファイル共有は監査都合のためにGoogleドライブ利用を推奨 ● カスタム絵文字やユーザーグループ等のカスタマイズ利用の推奨

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© KADOKAWA DWANGO educational institute ここからは、運用で役立っている 生徒向けインテグレーションについて 14

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© KADOKAWA DWANGO educational institute いいねをカウントして褒めてくれるBot 15 ● 生徒向けで運用中。がついたリアクションの数をカウントして、定期的に褒 めてくれるBot ● 自分のの数を確認できたりもする。 ソースコードを公開中

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© KADOKAWA DWANGO educational institute チャンネルの参加者増減の報告Bot 16 ● 生徒向けで運用中。チャンネルマップとして今流行っているチャンネルの状況が わかる。ソースコードはいいねをカウントするBotと統合されている。 ソースコードを公開中

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© KADOKAWA DWANGO educational institute NGワードを常に監視するBot 17 ● 生徒向けで運用中。トラブルが起こりそうな単語などを見て生徒指導の参考に。 ● 内部的には検索機能と定期実行を利用。実際は600ワード近く設定。 ソースコードを公開中

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© KADOKAWA DWANGO educational institute ここからは、運用で役立っている 教職員向けインテグレーションについて 18

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© KADOKAWA DWANGO educational institute Donut App: チャンネル内で週1でマッチング 19 ● 教職員が金曜日朝10時にチャンネル内で自動的にペアマッチ。 ● 自己紹介したりランチしたりしている。教職員出会い系。 ● 学校法人では無料の機能だけで利用しているがそれでも十分。 ● 英語なので、日本語のSlackbotで使い方をアナウンス。

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© KADOKAWA DWANGO educational institute Google Calendar App 20 ● 会議中に自分のステータスを変えてくれる ● 一日の最初に全予定をSlackで教えてくれる ● Slack上から出席の予定を変更できる ● MTGがはじまる1分前にZoomのURLを教えてくれる! 神

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© KADOKAWA DWANGO educational institute Webhookを使ったGoogleフォーム通知と スプレッドシートから日時指定自動投稿 21 ● Webhookとは、外部からの通知をSlack内で受け取る機能。 ○ 正式には Incoming Webhook という名称 ● ネットで公開されているGoogle App Scriptで運用。 ● Google フォームを学園内では多用しているため、その通知がSlackに飛ぶのはと ても便利。 ● またGoogleスプレッドシートの時間トリガーからSlackのチャンネルに自動投稿 する仕組みもとても便利。(Slackの/remindは設定時に表示されるので使い辛い) ● Webhookは教職員向けの経費精算等システムとして利用しているジョブカンと の連携などでも利用。

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© KADOKAWA DWANGO educational institute 誕生日を祝ってくれるBot 22 ● 教職員のカスタムプロフィールを全て調べて誕生日が設定されていればその日の 早朝に祝ってくれるBot ● 有料の似たようなAppも沢山あったが、要件的に合わなかったので自作 ソースコードを公開中

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© KADOKAWA DWANGO educational institute 業務お手伝いBot 23 ● N高SlackのAPIを叩いてメールアドレスからSlack上の表示名を教えてくれる機 能 (N高Slackの管理者でない教職員向け) ● メールアドレスのリストを引数で与えて、特定のチャンネルに招待や削除を行う 機能 (教職員の業務では数十~百名程度の招待業務が頻発するため) ● N予備校の管理ツールをにつないで、特定の生徒の学習状況や全体の学習統計情 報のCSVをSlack上でダウンロードできるようにする機能 ● その他、たくさんの業務お手伝い機能がある

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© KADOKAWA DWANGO educational institute まとめ 24 ● 学校とSlackの相性は素晴らしい。ただ、生徒全員にリーチ するツールではないのでまだそこが課題。 ● Slackは導入者が率先してチャット文化醸成する必要有り。 ● ある程度コードを書ける人が組織にいるとWebhookやBotを 活用できて大きな効率UPが可能。 ×

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© KADOKAWA DWANGO educational institute 以上 ご清聴ありがとうございました 25