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  1 AIによる開発の⺠主化を⽀える コンテキスト管理のこれまでとこれから 2026年02⽉09⽇ 株式会社TOKIUM プロダクト本部横断チーム統括部 東 優太

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自己紹介 & 会社概要 2

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⾃⼰紹介 プロダクト本部 横断チーム統括部 イネーブリング 東 優太 Yuta Higashi 経歴 ネット広告会社のエンジニアとして初期のキャリアを 経験後、2020年に沖縄移住とともにTOKIUMに参加 2023年にイネーブリングチームに異動し、全体の⽣産性向上 に注⼒ 2025年6⽉にはAgentSDKチームとしてAI開発を補助‧促進 興味領域 Scala / Ruby / DDD / Scrum

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会社名 設⽴⽇ 所在地 従業員数 代表取締役 株式会社TOKIUM 2012年 6⽉ 26⽇ 東京都中央区銀座6-18-2 野村不動産銀座ビル 12F 約240名 (2025年12⽉、正社員のみ) 黒﨑 賢⼀ 4 会社紹介

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「経理AIエージェントTOKIUM」とは 5 経理AIエージェント「TOKIUM」は、AIとプロスタッフが連携し、経理作業を丸ごと代⾏。 単に効率化するのではなく、作業⾃体を⼿放すことで「時を⽣み」、全社員が本来の業務に集中できる環境を実現。

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⽣成AIは開発そのものを変えてしまった

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⽣成AIは開発そのものを変えてしまった Product Dev PdM QA Before Product Dev PdM QA After

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⽣成AIは開発そのものを変えてしまった 誰でもプロダクトへ貢献できるようになった ⽣産量が簡単に向上するようになった 無秩序なコードが⾶び交うようになった 品質が簡単に低下するようになった しかし

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⽣成AIは開発そのものを変えてしまった ユーザーに投稿機能を実装して サーバー‧クライアントの2構成で す バックエンドはGo&Ginで Port&Adapterを採⽤しています クライアントはTS&Reactで Feature-Sliced Designを採⽤して います 機能実装時にはユースケース図 -> API仕様 -> 実装の順に進めます プルリクエストにはチケット番号 とfeature or bugのラベルを付け ます 期待したコードを引き出せるか? 開発プロセスに沿っているか? 管理ルールに従っているか? ⽣成AIの性能を引き出すためには、 適切なコンテキストを与えることが 必要不可⽋ コンテキスト

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生成AIとうまく付き合うために、 コンテキスト管理に向き合おう

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コンテキスト管理のこれまで

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コンテキスト管理のこれまで 「こういう⾵に考えさせるとうまくいく」 といったプラクティスが探索され、 様々なプロンプトが社内でやり取りされた 管理されるというほどのものはなく、ド キュメントやチャットツールで共有される TOKIUMにおいては、むしろ開発者以外での 活発な共有が⾏われていた 黎明期: Prompt あなたはGASの開発者です スプレッドシートに定期的に書 き込むプログラムを作成してく ださい … 下記の⽂章を整理してください 誤字脱字を修正してください 表現をですます⼝調に直して... Prompt Prompt

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コンテキスト管理のこれまで READMEに書かれるような設計ドキュメン トの流⽤から始まり、AIに知識を伝えること が本格化し始めた アーキテクチャやコーディング規約など、 たくさんの情報をなるべく詰め込む ツールを導⼊するたびに、 サポートするファイル配置が異なり、 1リポジトリの中でも管理に四苦⼋苦する バックエンドはDDD, Port&Adapterアーキテクチャ です CLAUDE.md バックエンドはDDD, Port&Adapterアーキテクチャ です AGENTS.md バックエンドはDDD, Port&Adapterアーキテクチャ です Knowledge 初期:Memory(Custom Instruction)

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コンテキスト管理のこれまで 設計や実装を経て変わっていくドキュメン トをAIの⼊⼒‧出⼒両⽅に設定し、メンテ ナンスを⾃動化する⽅向へ ドメインモデリングやユースケース駆動な ど、設計のプロセスにAIを組み込んでみた ⼩さなうちは問題なかったものの、プロダ クトとドキュメントの拡張に伴って⼆重管 理に苦しむようになる 中期:Document ユーザーの投稿機能を実装して バックエンドはDDD, Port&Adapterアーキテクチャ で、ドメインモデルは model.mdです # model.md 投稿: タイトル‧説明⽂と投稿 者を持ったデータです Document

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コンテキスト管理のこれまで コードレビュー‧プルリクエストの作成... 個⼈でもチームでも、頻出する使い⽅をコ マンドとし、細かな業務改善が進んだ MCPのPrompts機能は、カスタムコマンド として配布できることを発⾒し、社内ライ ブラリのセットアップなどをMCP化 コンテキストを配布可能に 後期:Command, MCP /tokium-setup MCP Server /tokium-update /tokium-oauth /tokium-template-server

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何をどうやってコンテキストに載せるべきか

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何をどうやってコンテキストに載せるべきか AIに作業をしてもらうときに、 考慮してもらいたいことはあまりに多い 「テスト通るまで修正して」 「仕様書はこのフォーマットで書いて」 「コードはここに配置して」 「残作業でTODOリスト作って」 「インフラ作るなら稟議必要ね」 「ブランチは feat/チケット で」

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何をどうやってコンテキストに載せるべきか コンテキスト上限が存在するため、 全部読み込んで考慮させることはできないし、 たくさん読み込むと遅すぎる ユースケースに応じて、必要なコンテキストだ けを読み込む必要がある

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何をどうやってコンテキストに載せるべきか スコープ 安定性 ⾼ 低 ⼩ ⼤ 安定性とスコープの2軸で考えてみる 安定性: 与える情報は変動的か‧固定的か スコープ: 与える情報は固有か‧⼀般か

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何をどうやってコンテキストに載せるべきか スコープ 安定性 ⾼ 低 ⼩ ⼤ 低安定性‧⼩スコープ = Prompt 「○○の機能を実装して」 「○○のコードをリファクタリングして」 載せる情報 = 達成したいこと Prompt

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何をどうやってコンテキストに載せるべきか スコープ 安定性 ⾼ 低 ⼩ ⼤ ⾼安定性‧⼩スコープ = Command 特定の⽬的を達成するための⼿順 「要件定義は下記の⼿順で進⾏」 「リファクタリングはまずテストを書く」 載せる情報 = 設計や実装などのプロセス Document Command

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何をどうやってコンテキストに載せるべきか スコープ 安定性 ⾼ 低 ⼩ ⼤ 低安定性‧⼤スコープ = Document プロダクトの進歩に伴って適宜更新しなが ら、必要な時だけ引き出したい知識 「名前が重複した時はエラーを出⼒」 「api/departmentsで部署⼀覧API」 載せる情報 = プロダクトの仕様や設計書 Document

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何をどうやってコンテキストに載せるべきか スコープ 安定性 ⾼ 低 ⼩ ⼤ ⾼安定性‧⼤スコープ = Memory プロダクトやシステム固有の常に意識した い情報 「ヘキサゴナルアーキテクチャに沿う」 「コンテナはこのコマンドで起動」 載せる情報 = アーキテクチャや慣例 Memory

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何をどうやってコンテキストに載せるべきか スコープ ⼩ ⼤ 安定性 ⾼ 低 Technical Context Business Context なにから整備に⼿を付けるべきか? コンテキストはビジネス‧テクニカルの分 類に応じておよそ特性が決まってくると考え ている 技術構造は安定的でビジネス要求は不安定 安定させやすいテクニカルコンテキストか ら整備し、不安定なビジネスコンテキスト は軽量な⽀援から進めていくと良い

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コンテキスト管理のこれから

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コンテキスト管理のこれから Skill 特定の業務に関する知識や⼿順をパッケー ジ化 AI起動時に説明⽂のみを読み込み、 必要になってから全⽂‧リファレンスなど 段階的に読み込む 2025年12⽉にAgentSkillとして標準化され た 現在 要件定義‧仕様策定の知識を備 え設計を⽀援します Skill ユーザーの投稿機能を実装して セキュリティポリシーを備え コードレビューを⽀援します

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コンテキスト管理のこれから スコープ 安定性 ⾼ 低 ⼩ ⼤ Skill 説明⽂からドキュメントへ、段階的に読み 込めるので、スコープと安定性が動的に変 化する 載せる情報 = 特定ビジネスや技術へのインデックス 紐づくドキュメント‧スクリプト Skill

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コンテキスト管理のこれから 実例: コスト最適化スキル コスト管理‧削減の観点で、AWSのタグ付 けルールや各種スペック調整などのナレッ ジを蓄積したもの 簡単なインフラならAIに書かせてもそれなり に形になるが、初期のサービスには過剰な リソース割り当てになりがち よくある調整箇所をリストアップし、 費⽤対効果が⾼くなるように変更する service, product, ownerタグを付与する dev, stg環境なら夜間 はECS⽌める

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コンテキスト管理のこれから 実例: tmuxコマンド送信スキル 弊社技術ブログ 「実装はClaude、レビューはCodex (作者 o8n)」より紹介 tmuxで別ペインでコマンドを送信するスキ ル シンプルながらこれを応⽤してClaude Code で実装‧CodexでレビューをさせるAIの協調 を実現 気になった⽅はぜひ弊社のzennへ

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コンテキスト管理のこれから (Claude) Plugin Marketplace Skill, MCPなどの設定をgitリポジトリを通し て共有し、ClaudeCode向けに配布できる 統制のために必要な知識やコンテキストの 配布が抜群にやりやすくなった 最近 vercelから skills.sh というのもでてき た インフラスキル Plugin Marketplace アーキテクトスキル 経理スキル

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コンテキスト管理のこれから PdM, Dev, QAなど業務知識やテクニックは スキルなどの仕組みを通して社内で公開‧ 発展していくことが推奨されるようになる (なりつつある) コンテキスト管理も個⼈‧チームから組織 にスケールしていく 組織固有のコンテキストをしっかり育てら れるかが今後のパフォーマンスの鍵になっ てくる そして... Dev PdM QA PdM Skills Plugin Marketplace Dev Skills QA Skills

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コンテキスト管理のこれから After Product Dev PdM QA Future? Product Dev PdM QA PdM Skills Marketplace Dev Skills QA Skills

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少しだけ宣伝(1/2) 本⽇のスライドは公式Xで公開! 開発チームの技術やイベントに関する情報を発信しています! フォローお願いします! 資料公開&技術発信は公式Xから👇 @TOKIUM_Dev

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少しだけ宣伝(2/2) 34 🍣第3回 寿司ときLTナイト🍣 〜 エンジニア×PdM 越境のリアルな本⾳を語るLT会 〜 03/11(⽔) 19:30〜 @TOKIUM東銀座オフィス(東銀座駅徒歩3分) LTイベントやります🔥 詳細はこちら

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エンジニアを募集しています! 技術的チャレンジ ● AIエージェントの群れを量産し、 多数のサービスとの連携を素早く実現する ● AIエージェント実行制御を行う共通基盤の開発 する ● 継続的に品質を上げる仕組みや、 セキュリティ・ガバナンス向上の仕組みを構築 一緒に挑戦してくれる仲間を募集してます!! カジュアル⾯談実施中! 現場のメンバーと気軽にお話しませんか? 詳細はこちら

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株式会社TOKIUM 東 京 本 社 | 〒104-0061 東京都中央区銀座 6 丁⽬18-2 野村不動産銀座ビル12階 ⻄⽇本営業所 | 〒550-0015 ⼤阪府⼤阪市⻄区南堀江 1 丁⽬ 1 番14号 四ツ橋中埜ビル 7 階 36 URL : https://www.keihi.com/company