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実践 vs 理論!? 叩き上げのスクラムマスターが実践した手法を研究者が学 術的に分析する! スクラムフェス仙台 2024/08/24 ShinoP & ぼのたけ

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株式会社タイミー所属 篠塚 翔平 (ShinoP/しのぴー)@marupopu プロフィール 大学卒業後、独立系のWeb制作会社に新卒入社。幅広い技術領域での開発経 験やスクラム導入なども推進。岩手への転居を機にSI事業を展開する大手グ ループ会社へ転職。その後、スクラムマスターひと筋で活動することを決意。"専 任"スクラムマスターのポジションを求め、2022年7月より株式会社タイミーにジョ イン。 現在は、専任スクラムマスターとして複数チームで活動し、オフショアチーム含め アジャイルコーチとしての役割も担っている。 役割 ScrumMaster/AgileCoach 自己紹介

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今井健男(ぼのたけ) @bonotake フリーランスアジャイルコーチ ● スクラム / アジャイル導入支援、プロダクトマネ ジメント支援、開発組織づくり支援 ● 現在は主にログラスで、スクラムマスター からのアジャイルスケーリング支援など ● チーム焼肉 ソフトウェア工学研究者 ● 以前、某電機メーカーの研究所にて企業研究 ● 現在、国立情報学研究所にてスクラム / アジャイルの研究 自己紹介

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このセッションでは、叩き上げ実践派スクラムマスターの“しのぴー”が、過去にトライ したスクラムマスターのスタイルを紹介し、スクラムを科学的に研究してる“ぼのたけ” が、それを論文などの学術的エビデンスだけを元に理論的に考察し、2人でディス カッションをしながら進めていきます。 本日の概要 フェス!祭り! ワイワイ!

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・Case1:転ばぬ先の杖スタイル ・実践 ・学術的考察 ・ディスカッション ・Case2:忍耐スタイル ・実践 ・学術的考察 ・ディスカッション ・Case3:薪をくべるスタイル ・実践 ・学術的考察 ・ディスカッション セッションの流れ Case毎に実践経験を 話します! Case毎に学術的考察を 行います! 学術的考察時にディスカッションもしていくよ🗣

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実践部分 ・今まで実践してきたスクラムマスターとしてのスタイルを紹介します ・紹介する全てのチームの時間軸はJoin〜1年くらいまでの話です ・チームにJoinした時は認識を合わせる為に、スクラムガイドの読み合わせ等を行っています 前提

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学術的考察部分 ・しのぴーが実践したスタイルを、アジャイルコーチではなく研究者の立場からリーダーシップ論を ベースに考察してみます ・いい加減なことを言わないように、あくまで論文や専門書などの 学術文献に書いてあることだけを 元に喋ります(縛り) ・あくまでぼのたけ個人の解釈であり、唯一絶対の正解ではありません 前提

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このセッションでの守破離の定義 基本を忠実に守る段階 スクラムの ルールやガイドラインに従っている 基本を深く理解し、自分のスタイルや改善を模索する段階 実践の中で見えてくる課題や改善点をもとに、 自分たちのやり方を少しずつ取り入れている 基本から離れ、自分たちの独自のスタイルを確立する段階 スクラムの基本や他のやり方を完全に理解した上で必要に応じて 独自の方法を確立している

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このセッションでの使い方 体感で評価 成熟度に関しては...

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Case1:転ばぬ先の杖スタイル

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Case1:転ばぬ先の杖スタイル(環境説明) スクラム成功させるぞ! スクラムマスターを名乗り始めて、間もない頃の話 ... 社内でもスクラムをやっている事例は存在しない環境

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Case1:転ばぬ先の杖スタイル(実践) スクラムを成功させる為には ... 自分が全力でスクラムを普及 させればチームの 成熟度は早く 上がる 仮説

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スクラムに関わることは全て私がやるぞ! 全てスクラムマスターが起点であり、 自身で完結 実際の振る舞い Case1:転ばぬ先の杖スタイル(実践)

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結果 形式上はできたけど、な んか違うかも... スクラムイベントが実践できておりロールも確立されているが... スクラムマスターは カイゼンする人 、開発者は 作る人となった Case1:転ばぬ先の杖スタイル(実践)

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Case1:転ばぬ先の杖スタイル(まとめ) スクラムイベントが実践できており、ロールも確立されているが... スクラムマスターは カイゼンする人 、開発者は 作る人となった 結果 実際の振る舞い 全てスクラムマスターが起点であり、 自身で完結 自分が全力でスクラムを普及 させればチームの 成熟度は早く 上がる 仮説

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短期間でスクラムイベントが実践できる ロールも確立できている状態になる 良いところ Case1:転ばぬ先の杖スタイル(実践からの考察) 自律性が育まれない 伸び代 “自分たちで考え、やり方を変えていく ” 破に行くための壁が厚い!

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学術的考察編

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リーダーの予防的思考 は必ずしも良い方向に 働かない

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リーダーの予防的思考(preventive focus) 予防的思考 … チームの過ちを未然に防ぎ、安定した状況を維持することに重きを置く思考 Pearsall et al. (2023). Preventing Success: How a Prevention Focus Causes Leaders to Overrule Good Ideas and Reduce Team Performance Gains より ● リーダーの予防的思考がチームのパフォーマンスにどのような悪影響が生じるか、 84組の 5人チームを作って実験 ● 結果、予防的な思考を持つリーダーはメンバーの良いアイデアを過度に否定・修正し、 チームの成長機会を逃しがちな傾向 にあった ○ チームのリスク回避傾向が強まり、新しいチャンスを探索するような活動が減少 ○ チーム内のポジティブなムードが育たず、パフォーマンス向上が阻害される傾向

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パス・ゴール理論(1)概要 状況適合理論の1つ フォロワーの状況に応じて必要なリー ダーシップのスタイルは 4つの間で変化 する、とする説 転ばぬ先…スタイルは、そのうちの指 示型に相当 ● やるべきことやどうすれば良い かをリーダーが全て指示 ※ マネージャーを意識した分類なの で、SMのスタイルとは相違点あり 不確実なタスク 自分でできる という感覚 自分では できない という感覚 明確なタスク 指示型 支援型 参加型 達成志向型 もう1つの視点から

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パス・ゴール理論(2) 指示型のメリット・デメリット 指示型は、やるべきタスクの不確実性 が高く、自分ではできないという感覚を 持つメンバーに効果がある 一方、自分でできるという感覚 を持つ人には受け入れられにくい = 自分で何とかしよう、と思えなく なってしまう つまり自律心やオーナーシップが育ち にくい 指示型 支援型 参加型 達成志向型 もう1つの視点から 不確実なタスク 自分でできる という感覚 自分では できない という感覚 明確なタスク

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Case2:忍耐スタイル (12分)

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Case2:忍耐スタイル(環境説明) こんにちは! 途中からJOIN 既にスクラムをやっているチームへ ...

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Case2:忍耐スタイル(実践) 前回の反省を活かして 自律性を育む為には ... スクラムマスターが 見守りに徹する ことによって 自律性を育める 仮説

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実際の振る舞い 見守りに徹し、チームから アプローチがあれば反応 する チームからのアプローチが無いと 何もできない...もどかしい... Case2:忍耐スタイル(実践)

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問題が発生している部分では自分たちでカイゼンできる より良くなる部分 があるところでも 関心が向かない ことがある 結果 Case2:忍耐スタイル(実践) 一定の自律性は 引き出せたけど...

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問題が発生している部分では自分たちでカイゼンできるが... より良くなる部分 があるところでも 関心が向かない ことがある 結果 実際の振る舞い 見守りに徹し、チームから アプローチがあれば反応 する スクラムマスターが 見守りに徹する ことによって 自律性を育める 仮説 Case2:忍耐スタイル(まとめ)

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Case2:忍耐スタイル(実践からの考察) 自律性を持って行動できるので、破 の壁を突破しやすい 良いところ 立ち上がりが 遅い より良くなることに目が向きにくい 伸び代 立ち上がりが遅い!

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学術的考察編

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これは、典型的な レッセフェール型 リーダーシップ です ※ laissez-faire … 自由放任 という意味のフランス語

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レッセフェール型(放任型)リーダーシップ フォロワーの自律性を最大限重んじ、干渉を最低限に抑えるスタイル しかし、このスタイルは大抵うまくいかない ことが多くの研究で明らかになっている 最近の研究でも、 ● ストレス、いじめ、心理的苦痛の原因になる (Skogstad et al., 2007) ● リーダーや組織への信頼低下を招く (Tosunoglu & Ekmekci, 2016) ● 組織的市民行動(OCB)を著しく損なう (Klasmeier et al., 2021) ● メンタルヘルスを損ない抑うつ症状を招く (Robert & Vandenberghe, 2022) ● etc.

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レッセフェールが機能するレアなケース ● 高いスキルと意欲を持つフォロワーに対してポジティブな結果をもたらすことがある (Yang, 2015) ● 独立した意思決定が必要とされるクリエイティブな業務において、イノベーションと 自律性を促進する場合がある (Pahi et al., 2018)

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レッセフェールとして忍耐スタイルをふりかえると チームメンバーにとってヘ ルプが必要なタイミングで 何もヘルプがなかったか ら? (メンバーは自力で立ち上 がったのでは) メンバーからの期待に応 えず、信頼を低下させた かも

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サーバントリーダーシップはレッセフェールに陥りやすい Singfiel (2018). When Servant Leaders Appear Laissez-faire: The Effect of Social Identity Prototypes on Christian Leaders (「サーバントリーダーがレッセフェールと見なされるとき」) より ● キリスト教指導者がサーバントリーダーであろうと振舞ってい るのに、フォロワーからレッセフェールと見なされる現象を社会 的アイデンティティ理論を元に考察 ⇒ 理想的なサーバントリーダーになってると思い込んで行動 をするが実態が伴っておらず、レッセフェールになってしまう ● そうならないためには、 ○ フォロワーとの関係を重視する ○ 理想ではなく、具体的な行動を意識する ○ スキルを磨く (サーバントリーダーシップには多くのスキルが必要) ○ フィードバックを重視し自己認識を高める

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Case3:薪をくべるスタイル (残り時間いっぱい)

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Case3:薪をくべるスタイル(環境説明) 中身はこうなってたよ! 日本経済新聞 Xより引用 目まぐるしい変化の中、成熟度を早く上げる必要が ...

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目まぐるしい変化の中で、素 早く機能的になるかつ 自律性を育む為には... 転ばぬ先の杖スタイル と忍耐スタイル の良いとこ取り ができると乗り切れる Case3:薪をくべるスタイル(実践) 仮説

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実際の振る舞い 伸び代の指摘 は常に行うが、 アクションに関して自分だけではやらない XXは何のためにやっていますか? 〇〇で問題なさそうですか? 私も一緒に考える事はできますよ! よければサポートする事もできます! Case3:薪をくべるスタイル(実践)

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チームメンバーからスクラムマスターの指摘が辛いとの声が...しかし より良くなる部分 がある所に、 関心が向けられる ようになった 問題を未然に防ぐ ことができるようになった 結果 Case3:薪をくべるスタイル(実践) チームにとって、若干ストレスフルな環 境になったけど結構良いかも

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チームメンバーからスクラムマスターの 指摘が辛いとの声が... より良くなる部分 がある所に、 関心が向けられる ようになった 問題を未然に防ぐ ことができるようになった 結果 実際の振る舞い 伸び代の指摘 は常に行うが、 アクションに関して自分だけではやらない 転ばぬ先の杖スタイル と忍耐スタイル の良いとこ取り ができると乗り切れる 仮説 Case3:薪をくべるスタイル(まとめ)

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Case3:薪をくべるスタイル(実践からの考察) 立ち上がりに時間がかからず、早い段階で守を 突破できる 問題を未然に防いだり、より良くなることに目を 向けて、アクションできるようになる 良いところ 離に向かう為に、スクラムチーム全 員が、チームの伸び代に関しての指 摘をしあっている状態を作ることで、 今後のやり方を自分たちで選択でき る 伸び代 守を突破できる! 立ち上がりに時間がかからない

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学術的考察編

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野村克也 (元・東北楽天イーグルス 監督)

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ノムさんのありがたいお言葉 相手が答えを出す前に、先に指導者が答えを言って はいけない。これは、鉄則だ。 野村克也『「問いかけ」からすべてはじまる』より

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というのはさておき

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「薪をくべる」とは、変革 型リーダーシップにおけ る知的刺激なのでは

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変革型リーダーシップとは 理想的影響力(Idealized Influence) 鼓舞的動機づけ(Inspirational Motivation) 知的刺激(Intellectual Stimulation) 個別的配慮(Individualized Consideration) @スクラムフェス福岡2024 より

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知的刺激 (Intellectual Stimulation) 変革型リーダーシップの要素で、フォロワーに新しい視点や方法を考えさせるよう促す行動のこ と ● 従来のやり方や思考の枠を超えることを奨励し、創造性と独立性を促進 具体的には、 ● 問いかけを行う ● 新しい視点を提供する ● 挑戦を促す ● 革新的な解決策を奨励する ● etc. …しのぴーは「薪をくべる」ことで、知的刺激を行っていたのでは

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ただ、知的刺激は 実はリスキーである

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変革型リーダーシップで考慮すべきこと Podsakoff et al. (1990). Transformational leader behaviors and their effects on followers’ trust in leader, satisfaction, and organizational citizenship behaviors. より ● 変革型リーダーシップのフォロワーへの影響は直接的ではなく、フォロワーから リーダーへの信頼向上が仲介する 間接的なもの ○ この研究は組織的市民行動( OCB)を対象にしているが、チームのパフォーマンス等に対しても同 様であることが定説となっている (たとえば (Schaubroeck et al., 2011)) ● 一方で、短期的に知的刺激はフォロワーからの信頼を低下させる ○ 不安定な状況、対立、ストレスを生むため ○ Case 3において「チームメンバーからスクラムマスターの指摘が辛いとの声」があったのは、 まさにこの現象を示していそう

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知的刺激のリスク ● 知的刺激のみでは、メンバーからの信頼を失ってしまう ● そのため、チームからの信頼を向上させる取り組みも同時に行うべき ○ ノムさんも実はやっていた Case 3 では、しのぴーは既にメンバーと信頼関係を築いた状態だったため、その信頼 貯金で何とかなった可能性がある

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ノムさんのありがたいお言葉 常にぼやき続けるためには、いつも指導者が、高い 理想を具体的にもっていなければならない。ぼやきと は、高い理想があるからこその裏返しでもあるのだ。 野村克也『「問いかけ」からすべてはじまる』より

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おわりに 学術的なアプローチってありふれてるけど、実際に自分で考えて、実験を 繰り返さないと理解が浅いままで終わってしまう。 だから、実際に試してみて、理解を深め、自分のものにしてから新たなアプ ローチを試した方が良いと感じている。 誰かがリアルで実践したアプローチって、ちゃんと調べてみると案外先人 が学術的に分析していたりするし、それを見つけると、芋ずる式に得られる 知識に意外なヒントが隠されているかも。 ……というのを今回やってみて感じました。みんなもレッツトライ!

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おまけ:学術的考察で参照した文献リスト(1/2) 転ばぬ先の杖編 ● Pearsall, M. J., Christian, J. S., Burgess, R. v., & Leigh, A. (2022). Preventing Success: How a Prevention Focus Causes Leaders to Overrule Good Ideas and Reduce Team Performance Gains. Journal of Applied Psychology, 108(7), 1121–1136. https://doi.org/10.1037/APL0000596 ● ロビンス P. , スティーブン. (2009). 【新版】組織行動のマネジメント―入門から実践へ. ダイヤモンド社, 268-270. ● 鈴木竜太, & 服部泰宏. (2019). 組織行動. 有斐閣, 144-148. 忍耐編 ● Skogstad, A., Einarsen, S., Torsheim, T., Aasland, M., & Hetland, H. (2007). The destructiveness of laissez-faire leadership behavior.. Journal of occupational health psychology, 12 1, 80-92 . https://doi.org/10.1037/1076-8998.12.1.80. ● Tosunoglu, H., & Ekmekci, O. (2016).Laissez-Faire leaders and organizations: how does Laissez-Faire leader erode the trust in organizations?. , 3, 89-89. https://doi.org/10.17261/PRESSACADEMIA.2016116538. ● Klasmeier, K., Schleu, J., Millhoff, C., Poethke, U., & Bormann, K. (2021). On the destructiveness of laissez-faire versus abusive supervision: a comparative, multilevel investigation of destructive forms of leadership. European Journal of Work and Organizational Psychology, 31, 406 - 420. https://doi.org/10.1080/1359432X.2021.1968375. ● Robert, V., & Vandenberghe, C. (2022). Laissez-faire leadership and employee well-being: the contribution of perceived supervisor organizational status. European Journal of Work and Organizational Psychology, 31, 940 - 957. https://doi.org/10.1080/1359432X.2022.2081074.

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おまけ:学術的考察で参照した文献リスト(2/2) 忍耐編(続き) ● Yang, I. (2015). Positive effects of laissez-faire leadership: conceptual exploration. Journal of Management Development, 34, 1246-1261. https://doi.org/10.1108/JMD-02-2015-0016. ● Pahi, M., Shaikh, S., Abbasi, Z., Shahani, N., & Hamid, K. (2018). Effects of Laissez-Faire Leadership on Commitment to Service Quality. Journal of Humanities and Social Sciences, 4, 110-124. ● Singfiel, J. (2018). When Servant Leaders Appear Laissez-faire: The Effect of Social Identity Prototypes on Christian Leaders. Journal of Applied Christian Leadership, 12(1). https://digitalcommons.andrews.edu/jacl/vol12/iss1/7 薪をくべる編 ● 野村克也. (2020). 「問いかけ」からすべてはじまる. 詩想社. ● Forsgren Ph.D., N., Humble, J., & Kim, G. (2018). LeanとDevOpsの科学[Accelerate] テクノロジーの戦略的活用が組織変革を 加速する. インプレス. ● Podsakoff, P. M., MacKenzie, S. B., Moorman, R. H., & Fetter, R. (1990). Transformational leader behaviors and their effects on followers’ trust in leader, satisfaction, and organizational citizenship behaviors. The Leadership Quarterly, 1(2), 107–142. https://doi.org/10.1016/1048-9843(90)90009-7 ● Schaubroeck, J., Lam, S. S. K., & Peng, A. C. (2011). Cognition-Based and Affect-Based Trust as Mediators of Leader Behavior Influences on Team Performance. Journal of Applied Psychology, 96(4), 863–871. https://doi.org/10.1037/A0022625

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おしまい