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Data & EngineeringからのAIことはじめ 1 2024.09.10 株式会社GAtechnologies Product Management(PMD) Product Manager Advanced Innovation Strategy Center(AISC) General Manager 国立大学法人電気通信大学 客員准教授 国立大学法人滋賀大学データサイエンス学部 インダストリアルアドバイザー 橋本 武彦 不動産tech Product Night〜#2

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本日、お伝えしたいこと 2 ● I used to think ○ 不動産tech = AI ● but now I’ve changed ○ 不動産tech = (AI +) Data + Engineering

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● 2013年創業。不動産をはじめ、様々な産業 のビジネス変革に取り組むテック企業 ● IT化の遅れた業界全体のDXへの貢献を視野 *東証グロース市場で唯一DX銘柄に3年連続選定 ● 2017/4にAISC設立 *不動産業界初 会社紹介 3 設立年月日 2013年 3月 資本金 72億6247万6717円 *2023年10月末時点 代表取締役 樋口龍 事業内容 • ネット不動産投資サービスブラ ンド「RENOSY」の開発・運営 • SaaS型のBtoB PropTechプロダ クトの開発 従業員 1,350人 *2024年3月末時点、グループ会社含む

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自己紹介:橋本 武彦 4 氏名 橋本 武彦(はしもと たけひこ) 所属 GA technologies Product Management Product Manager          Advanced Innovation Center General Manager 電気通信大学 客員准教授 滋賀大学データサイエンス学部 インダストリアルアドバイザー 不動産とAI(JSAI、IEEE他) 共同オーガナイザー 国土交通省 不動産IDルール検討会 構成員(令和3年度) キャリア サマリ Sier ⇒ 調査会社 ⇒ ブレインパッド(データサイエンティスト)を経 て2017年4月から現職にてAISCの立ち上げに参画。 ここ近年は不動産データの整備に尽力 データサイエンティスト協会(元事務局長)やデータサイエンティス ト育成の新規事業の立ち上げ 電通大、滋賀大、立正大、慶應SFC、早稲田大、立教大など大学や官公 庁での講義や講演・執筆など E-Mail [email protected] Socialアカウント https://www.facebook.com/hashimoto.takehikko 2023/11/8@新丸子自宅

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事例①:RENOSY(ネット不動産投資サービスブランド) での価格推定の際に痛感したこと 5 ● 問い:価格推定のタスクは難しい? or 難しくない? ● (タスクの定義次第だが)難しくない ○ きれいなデータが十分あればですが、、、 (ex.全物件で成約データ完備)

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不動産データがツライ 6 商品特性に起因 業界特性に起因 ● 同一の物件は存在しない ● 超高額商品ゆえに、取引回数 が少ない ● 法規制のもとで分業制(多数の プレイヤーが関与) ● 紙・FAX主体(≒手入力) ● IDでなく物件名・住所で取引 ①少ない ②汚い ③使いにくい

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最大限の労力をかけてDataと向き合う! 7 ● アルゴリズム(ex.初手LightGBM) < Data ● 時間をかけて丁寧な前処理は当然、加えて住所や物件名の名寄せの処理を価格推定に組み入れ ○ 名寄せ(正規化)については研究開発のAISCが4年越し以上で研究を継続 ※名寄せの詳細:【資料公開】ITANDIと合同で不動産データの整備・活用に関するセミナーを行いました ● 中古マンション売買は東京都で数千件/月と少数 ● 人手の入力ミス ● 住所や物件名の表記揺れ ○ 住所正規化、物件名の正規化が必須 ● ID対応でないため都度名寄せ、etc 出典:価格査定AI(GA technologies AISC Web) https://aisc.ga-tech.co.jp/research/data-science/home-value-estimate データ面の課題

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事例②:Group共通の建物・部屋マスタ(BLDG)の定着に向けて 8 ● 不動産データのツラミはデータサイエンティストだけでなく、ビジネス現場でこそ発生 ○ 信頼できるデータが少なく、再利用の仕組もないため毎回の手入力や確認、再取得 ● Group全体の効率化/コスト削減に向け建物・部屋の共通マスタの整備に着手することに(≒GAの不 動産ID)

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取り組みを始めたはいいけれど道程は長く、、、 9 ● 2021年に取り組み開始。当初研究開発として着手し、途中からプロダクトとしての取組に ● 2024年4月にようやくプロダクトして成果 *エンジニアをはじめとした関係者に心より感謝! 2021/1 発足 (Property Master) 2022/7 プロダクト 化 2024/4 表彰 FY24 上期 PRODUCT AWARD 研究開発時の成果 ● 謄本取得のリード獲得 ● データから戦略的なリスト化 ● 名寄せ機能提供 ● 市場規模推定、etc ※Property Master:研究開発におけるプロトタイプのコードネーム

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PRODUCT AWARD:「名寄せ処理の劇的改善による生産性と利便性の向上」 10 ①何をした?(アクション内容) 
 ● 2018年にローンチの BLDG名寄 せ処理は名称・住所の完全一致 のみが対象のため、検索一致率 が低く、データ重複も多く発生 
 ↓
 ● AISCが長年研究・改善していた 物件名・住所の正規化による名寄 せに処理に変更 
 ②アピールポイント 
 ● 検索精度の劇的改善 
 ○ 18.4%⇒58.8% 
 *1 事前評価(38.8%⇒98.9%) 名称のみ
 
 ○ 現場も体感できるレベル 
 
 ● ROI *2 PMDの通常基準で Buyerの査定 業務のみ( X件/月、処理X分)。MNGなど他 は含めない 
 ○ 年間X時間の業務削減 
 ※今でも覚えている嬉しかったチャット!

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Engineeringの重要性を痛感 11 課題の特定 定着 ③気づき・学び 
 ● 同じ目標共有の大切さ
 ○ エンジニアと連携(初?)
 ● 初期運用をみての迅速な対処
 ○ 名寄せは無数のパターンがあるため” 統合しない”を追加し、柔軟な運用を 実現
 ● BLDGはインフラ基盤
 ○ 当初は重複減想定だったが、現場で は検索が評価。基盤ゆえに想定外含 め広範に利用されることを肝に銘じる
 ● どこが的か特定が難しいため、早期のプロトタイプ提示で検証の繰り返し ● プロダクトとして業務に組入れ、運用⇔機能改善 ⇒ どちらもEngineering力があって初めて成り立つ!

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(新米PdMの不都合な真実)正直、まだまだ課題は山積 12 ● マンション以外の商材拡張、エンジニア採用競争の激化、(クライアントにあたる)各社のプロダ クトとの連携における緊急性と重要性の相克で進まない、etc 出典:O'Reilly Japan - プロダクトマネージャーのしごと 第2版 https://www.oreilly.co.jp/books/9784814400430/ 「はじめに」 ・・・ 曖昧さや矛盾、しぶしぶする妥協といった、日常的な プロダクトマネジメントの実践についての本 ・・・

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でも希望を持って取り組める環境に感謝! 13 ● マーキュリーがM&AでGroupに新たに参画。   新築〜中古の不動産データが一気通貫(家歴書の 実現)! ○ マーキュリー:パンフレット(≒マスタ) ○ GA Group:投資/売買/賃貸の成約や管理のト ランザクション ● エンジニア、PdM、デザイナー絶賛募集中です! 出典:NewsPicks|不動産×テックの先覚者は、データとグローバ ルで第二成長期を迎える https://newspicks.com/news/10424522/ GA technologies 採用ページ https://www.ga-tech.co.jp/careers/

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本日、お伝えしたかったこと 14 ● I used to think ○ 不動産tech = AI ● but now I’ve changed ○ 不動産tech = (AI +) Data + Engineering

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15 出典:デジタルプラクティス Vol.11 No.3(July 2020)(情報処理学会) https://www.ipsj.or.jp/dp/contents/publication/43/S1103-GL.html One more message(不動産techのKFS) 1. 事業会社の優位性 2. プロトタイプ開発によるアプローチ 3. エンジニアリング力 4. 多様性の尊重 5. GRIT:情熱、粘り強さ、やり抜く力 出典:日本不動産学会誌 Vol.37 No.1(144)GA technologiesにおける不動産DX推進の事例紹介と考察(橋本武彦,稲本浩久,福中公輔) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jares/37/1/37_11/_article/-char/ja ● 不動産TechとはTechnologyで業界課題や従来の商習慣を変えようとする取り組みを示す 不動産techのKFS