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テスターは スクラムチームの中で成⻑し プロダクト開発に貢献していく Within the team, I grow as a tester and continuously pursue product quality. Scrum Fest Niigata 2025 2025年5⽉10⽇ Yusuke Ohira

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1. コンテキストと注意事項 2. テスターの役割について 3. テスターが成長するために必要なこと 4. テスターはプロダクト開発にどう貢献するか 5. さいごに Agenda

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コンテキストと注意事項

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コンテキスト ログラスに2023年7月入社。 新規事業のプロダクト開発チームのQAエンジニアを担当。 ● 好きなスクラムイベント:スプリントレビュー ● 好きな本:闘うプログラマー ● 好きなプロトコル:LDAP 株式会社ログラス QA エンジニア 大平 祐介 Yusuke Ohira

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担当プロダクト

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● メインプロダクトとは別の新規事業 ● オーソドックスなスクラムチーム ○ PO(PdM)1名、デザイナー2名、エンジニア5名 ○ 1Sprint1Week ■ ⽊曜⽇にスプリントレビュー、ふりかえり、プランニング ■ リファインメントは適宜やる ■ それ以外に「ロードマップみんなで確認会」とか「ビジネスと 仕様を検討する会」がある ● テストはみんなでやるよ 私たちのチーム

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● スクラムチームのメンバーとしての経験をまとめた話 ○ 素朴理論です(N=1) ● スクラムチームにいるテスターやQAエンジニア向け ● 私の経験は、ログラス含めて、セキュリティ製品やラーニングマ ネージメントシステム(LMS)など業務システムのみです ○ なので、BtoC系だとちょっと違うかも? ● この発表ではテスターとQAエンジニアは同じ意味としています ● ふわっとした話なので、ご質問をお待ちしております 注意事項

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テスターの役割とは?

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そもそもテストとは何か

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ISTQBのテストの定義 ソフトウェアテストは、⽋陥を発⾒し、ソフトウェアアー ティファクトの品質を評価するための⼀連の活動である。 これらアーティファクトは、テストをする際のテスト対象 である。 Foundation Level シラバス ⽇本語版 Version 2023V4.0.J02

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私の解釈 テストは検査であり実験 スクラムの3本柱である「透明性」「検査」「適応」の 一部を担っている。

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アジャイルテスターとは?

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実践アジャイルテストに書いてあること https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798119977 アジャイルテスターとは、変化に対応し、技術担 当の⼈や業務担当の⼈たちと共同作業ができ、テ ストのコンセプトを理解して要求を⽂章化し開発 をリードできる、プロフェッショナルなテスター です。 アジャイルテスターの特徴は、⾼い技術スキルを 持ち、メンバーと共同作業を⼼得て⾃動化を⾏う ことです。アジャイルテスターはまた経験豊富な 探索的テスターでもあります。顧客が何をしたい かを常に気にかけており、顧客のソフトウェア要 求を深く理解しています。

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• 継続的にフィードバックする • 顧客への価値を提供する • 対⾯でコミュニケーションを可能にする • 勇気を持つ • シンプルを⼼がける • 継続的な改善を実践する • 変化に対応する • ⾃分を律する • ⼈に焦点を当てる • 楽しむ アジャイルテスターの原則(実践アジャイルテストより)

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ハードル⾼くない?

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ログラスではどう定義しているか

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QAエンジニア(テスター)のMVV Vision Value 5つの技術・知識を持つジェネレーター 顧客志向な品質リーダシップ。 組織の弱さに寄り添う。 天真爛漫な探求心と対応力 5つの技術とは:ドメイン理解・テスト技術・自動化技術・プロセス改善技術・コミュニケーション技術 顧客志向な品質リーダシップ :プロダクト組織で顧客のために品質を高める活動を促進していく 組織の弱さに寄り添う     :批判するのではなく、組織の足りない部分を補う行動をする 天真爛漫な探求心と対応力  :抽象度を調整しながら、柔軟に学び考え、柔軟に対応する プロダクト開発のケイパビリティを高め、組織全体のバリューストリームを最大化する Mission - プロダクト組織全体が高い顧客価値を提供できるようにする。 - 顧客へ最短でかつ安定的に価値を提供できるためにテストや監視、CICDの技術向上に貢献したいテストだけではなく開発プロセスの改善でボトル ネックとなる要因を取り除く。 - 良いプロダクトを提供するために良いプロダクト開発チームを作る。

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• ドメイン知識 • テスト技術 • ⾃動化技術 • プロセス改善技術 • コミュニケーション技術 ログラスのテスターとして必要な知識‧技術

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• どのタイミングでもテストする • どのレイヤーでもテストする ログラスのテスターがやること https://agilejourney.uzabase.com/entry/2024/06/25/103000

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そこそこハードルは⾼いが、 やっていくしかない!

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テスターが成⻑するために必要なこと

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マインドセット

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私たちは何でお⾦をもらっているのかを考える 私たちのプロダクトが顧客に価値を提供することで、 対価を得られる

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プロダクトを良くするためには ⼿段を選ばないマインドセットが必要 柴田ヨクサル (著) 「ハチワンダイバー」 第22巻、集英社、p.186。

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チームとプロダクトを愛そう

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● プロダクトビジョンを理解する ● みんなはどんなこと考えているか知る ○ PO(PdM)は、プロダクト通して、どんな世界をつくりたい? ○ デザイナーは、どんな体験をユーザーに提供したい? ○ エンジニアは、どんなものが作りたい? ○ Sales、CSは、どういうふうに顧客と接している? ○ ビジネス⽬標はなに? ○ どんな⾵にマーケティングしている? プロダクトを愛するために 1on1やミーティングを通して想いに触れる

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成⻑のためにやれること

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● ドメイン知識 ● テスト技術 ● ⾃動化技術 ● プロセス改善技術 ● コミュニケーション技術 ログラスのテスターとして必要な知識‧技術(再掲)

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● まずは、プロダクトのドメイン関係の本を3冊読む。 ○ 根拠はないけど、先輩の教え。 ● わからないことがあれば聞く! ○ PO(PdM)、ビジネスサイド、ドメインエキスパート ● プロダクトビジョンやロードマップに腹落ちしていますか? ○ わからないことがあれば聞く!(2回⽬) ● もし、競合製品があれば、製品サイトホームページをみるのもいいです ね。 ドメイン知識を得る

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● 壱ノ型は、三⾊ボールペン(仕様の理解) ○ ⾚ - 客観的に⾒て、最も重要な箇所 ○ ⻘ - 客観的に⾒て、まあ重要な箇所 ○ 緑 - 主観的に⾒て、気になる箇所 ● 業界の⼀般常識は知っておく ○ JSTQBとか ● 同値分割、状態遷移、デシジョンテーブルを⾝につける ○ ソフトウェアテスト技法練習はいい本ですね(ステマ)
 ● テストのモデリングや構造化の感覚を掴む ○ 論理的機能構造、NGT(Notation for Generic Testing)
 ○ ここは数をこなすしかない(感覚
 
 テスト技術を磨く https://gihyo.jp/book/2020/978-4-297-11061-1

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● とりあえず、コンピューターサイエンスの基礎を知る ○ 「コンピュータはなぜ動くのか」とか「マスタリングTCP/IP」とか ● あとは、課題ドリブンで雑にやってみる ○ 今は、AIエディタがあるので、便利ですね ● わからなかったらエンジニアに聞く ○ ペアプロとかお願いしてみるといいね ⾃動化技術

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• PFDで段取りできるように慣れる ‐ Process Flow Diagram • プロセスじゃないけど、スクラムやDevOpsの基本は学ぶ ‐ 本を読む(例) • XP⽩本 • みんなでアジャイル • システム運⽤アンチパターンとか ‐ 外部コミュニティに参加する • 悩んだらFearless Changeをチラ⾒する プロセス改善技術 https://kawaguti.hateblo.jp/entry/20140228/1393522489

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● NVCを知る ○ 観察、感情、ニーズ、リクエスト ● コーチングを学ぶ(⼊⾨ぐらいでいい) ○ 「やってみよう コーチング」ぐらいの知識 ○ システムコーチングは基礎編でも⼗分に学びがある ● テクニカルライティングは基礎を学んで実践あるのみ ○ おすすめ:理科系の作⽂技術、いい⽂章には型がある ● 武器としての交渉思考を読んでみる ○ ● バーで働く(上級者向け) コミュニケーション技術

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あとは、やっていくしかない! スクラムチームの中で量をこなして 質に転化する

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● 「今、このチームで、私は何ができるか?」を常に考える ● プロダクトのために恐れず越境してコミットしていく(miwaさんの教え) スクラムチームの中で⾃分⾃⾝も「透明性」「検査」「適応」を実践する チームが「サイロ化」しないための仕掛け(増補版) https://speakerdeck.com/miwa719/timuga-sairohua-sinaitamefalseshi-gua-ke-zeng-bu-ban

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● ⾃分のたどたどしさを受け⼊れる ● 実験してチームメンバーから率直なフィードバックをもらう勇気 ○ スクラムのイテレーティブを利⽤する ● みんなで課題ドリブンで挑むモメンタムを作っていく! 最初は上⼿くできなくてよい!

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どうプロダクト開発に貢献していくか

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隙あれば品質を作り込む

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● テスターがチームに常にいることでリアルタイムにリリースまでの計画を考え ることができる ○ プロダクトはどうやれば出荷可能状態になるか ○ ここでこれをやれば品質があがるんじゃない?のアイディア ● テスト結果を即時に反映する プロセスを定義するのではなく、状況に応じてプロセスを組み⽴ていく https://agilejourney.uzabase.com/entry/2024/06/25/103000

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状況によって、テストを増やしたり、担当を変えたりする リリースまでのだいたいの流れ

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● ⾃分たちで書くことで運⽤の具体例がイメージできる ○ 体験が顧客に伝わるかを考える ○ 運⽤する上で注意事項はないか考える ● ステークホルダーに共有する ○ 運⽤レベルで齟齬がないか確認 ○ 事前に作ることで運⽤レベルでの問題に気づく 例:実装前にリリースノートを書いて品質を上げる

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チームに技術を共有する

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● 知識共有のためにペア、モブで作業 ○ 実例マッピング ○ テスト分析設計の⼿法 ○ 探索的テストの考え⽅ ○ リリースノートの書き⽅ ● 勉強会や読書会の実施 ⾃分が⼿に⼊れた技術、知識をチームにシェアする

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● コーディング前にエンジニアとテスターがペアで実施 する ● ラフにテスト分析までペアで実施して、テスト設計の 具体的な部分をテスターが作成する テスト分析設計の例 https://zenn.dev/loglass/articles/a71a21d8ce992a

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● たとえば読書会 ○ 毎週⼀章を⾃分で読み、まとめて、話す。30分くらい ○ 有識者を読んで話し相⼿になってもらう ○ 「NotebookLM」のAIポッドキャストを⼈⼒でやる感じ ● 今、組織に必要な知識だと思う本をテーマにする 勉強会の例

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● 現状のチームの課題ベースでやる ○ チームにいるから感じる課題 ○ 無理にプラクティスを押し付けない ○ 必要なものを必要なだけやる ⼤切なことは課題ドリブン

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蛇⾜な話

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● テスターはプロダクトを良くするため、品質にフォーカスしている ○ プロダクト、ソフトウェア、プロセス、⼈‧組織‧⽂化をテストする ■ (⼈‧組織‧⽂化のテストは別な所で話すよ) ○ テストのスペシャリストを⽬指す ○ だけど、テストに囚われな(左⼿でつまむイメージ) ● たまにXXXぽいねと他⼈に⾔われるけど、、、 ○ テスターはテスター ○ 必要に応じて、越境しているだけ ● たぶん、それがアジャイルテスターだと思う。 アイデンティティとしてのテスター

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さいごに

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チームとプロダクトを愛そう

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柴田ヨクサル (著) 「ハチワンダイバー」 第22巻、集英社、p.186。 チームが「サイロ化」しないための仕掛け(増補版) https://speakerdeck.com/miwa719/timuga-sairohua-sinaitam efalseshi-gua-ke-zeng-bu-ban マインドセットと覚悟

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⾃⼰研鑽とコラボレーション 一緒にやる!

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⾃分が成⻑することでプロダクトが良くなり、 プロダクトが⼤きくなることで⾃分も成⻑する プロダクトのためにもテスターは成⻑と貢献のループを回すことが⼤切 成長 貢献

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テスターは楽しいね!

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