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MLによって自己進化するFAQシステムの話 © 2025 M3, Inc.

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自己紹介 鴨田 将来(Masayuki Kamoda) エムスリー株式会社 AI・機械学習エンジニア 自動運転向け機械学習システムや大量文書RAG システムの構築などを経験。 2024年にM3にJoin。 主に製薬企業向け機械学習システムを担当 趣味:ボルダリング、育児

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● 問い合わせデータがあればFAQサイトが自動生成できる ● 分類、クラスタリング、生成、検索の技術を総合的に活用 ● デモ作成→リリースに1ヶ月というスピード感 #MLで自己進化するFAQ でSNSに実況投稿していただけると! 3行まとめ

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FAQサイトでよくある悩み 1.

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FAQサイトの課題 ユーザーが使う言葉とFAQで使わ れている用語が異なりHitしない 同じ質問が複数のFAQ項目に散在 している 正しい情報が 見つからない 問い合わせ内容を分析し、分かりや すい文章を作成するには手間と時間 がかかる コンテンツ作成の 負担が大きい FAQサイトがうまく機能していない 場合、コールセンターへの問い合わ せ数が増加する 問い合わせ数が減らない

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やりがちな対策 類似した内容のFAQが乱立し、 かえって分かりにくくなる。 検索システムの改修も必要 とりあえずFAQを 増やして終わり 過度な細分化は逆に迷いの原因 に。直感的なナビゲーション設 計が必要 カテゴリの細分化 FAQメンテナンス、コールセン ターの人員増強は一時的な対応 で根本解決にはならない。 人員の増加

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目指すべき状態 リソースや仕組みをいきなり追加できない。なるべく早く課題を解決したい。 コールセンターがお客様対応をしていれば勝手にFAQサイトが生成されることを目指す! 欲しい情報がすぐに見つかる ユーザー向け 同じような問い合わせが減る コールセンター向け

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AI・機械学習チームの解決方法 2.

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既存システムを踏襲した FAQ作成方法 現行踏襲はこの流れ。。 既存カテゴリに分類 既存カテゴリに無い 担当者がFAQ作成 既存検索システムに 追加 カテゴリの粒度が担当者依存になってしまう そのFAQ作成で問い合わせが減少するのか検証しずらい 単にFAQを追加してくだけだと徐々に検索体験が悪くなる

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問い合わせ履歴からFAQを作成 クラスタリング 分類 生成 問い合わせ 履歴 FAQ 複数技術をを駆使してスマートに解決

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1.FAQ作成が必要な問い合わせ履歴を分類・抽出 分類 問い合わせ履歴 FAQ作成が必要な 問い合わせ履歴 既存FAQ 参照

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2.類似問い合わせをクラスタリングし、問い合わせを抽象化 FAQ作成が必要な 問い合わせ履歴 問い合わせA群 問い合わせB群 問い合わせC群 クラスタリング

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3.問い合わせクラスごとに解決できるFAQを生成 問い合わせA群 問い合わせB群 問い合わせC群 FAQ:A FAQ:B FAQ:C 生成

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FAQ作成方法の改善 AI・機械学習チームが実施した方法 既存システムを踏襲したFAQ作成方法 必要な問い合わせ を抽出 既存カテゴリに 分類 既存カテゴリに 無い 担当者がFAQ作成 既存検索システム に追加 問い合わせを クラスタリング 解決できるFAQを 作成 検索ロジックを 見直し 現行システムや仕組みに拘らず、 担当者依存の作業→問い合わせ減少に効果的なアプローチを実施

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追加など FAQサイト以外にも! 生成 分類 クラスタリング 製品フィードバック 質問と回答や 共有されたノウハウ 類似の要望や不具合 類似の質問 製品改善提案や 開発タスク 社内版FAQや 業務マニュアル プロジェクト管理 ツール 社内Wikiなど 製品改善 業務効率化 社内に散在するテキストデータを 「価値ある資産」に変えるための強力なフレームワーク

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自己進化するシステム 3.

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生成されたFAQレビューから検索システム投入までの流れ 自己進化するシステム 未レビュー FAQ レビュー済み FAQ FAQごとの フィードバック 作業者がFAQのブラッシュアップに集中できる仕組みを導入 簡単に検索対象から 除外できる仕組み 既存FAQの ブラッシュアップも! 定期的にまるっと 同期

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検索ログや問い合わせをフィードバックとして検索最適化 自己進化するシステム 既存FAQ毎に、分類時に参照された回数や検索回数を 検索スコアの重みに反映 分類 問い合わせ履歴 FAQ作成が必要な 問い合わせ履歴 既存FAQ 参照 FAQの参照回数を連携 検索でクリックされた 回数

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1ヶ月でのスピード導入 3.

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1ヶ月でのスピード導入 リリース後 1週間 デモ作成 検索画面のデモをクライア ントに公開、概ねOKが出 たタイミングでリリース準 備実施 コード清書 デモコードは生成AIのパワーを ゴリゴリに使ったので、プロダ クトコードに清書。 3週間 効果検証 KGI=問い合わせ数減少とし、 KPIを複数設定し、効果検証を 実施 FAQ整備 FAQブラッシュアップに向けた 運用フローの実施 インフラ整備 GCP上に安全にAPI公開するため のインフラ整備を実施。 Skaffold + Helmでワンボタン デプロイできるようにした サービスチームとの連携 リリース対象のサービスチーム とリリース準備はもちろん、効 果検証向けにLogの調整も実施 検索ロジックの最適化 インクリメンタルサーチの導 入、形態素解析+bigramのカス タムアナライザー実装 通常半年〜1年くらいかかる?ところを1ヶ月で実施 生成AIを活用した開発と、 プロダクトリリースしやすい基盤整備のおかげで高速にリリースできた

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● 問い合わせデータさえあれば効果的にFAQを作成できる ● 検索部分も改善することによってFAQ検索体験が損なわれない ● 社内に散在するテキストデータを「価値ある資産」に変えるための強力なフレームワーク ● 既存実装に囚われがちだが、それが目的達成にFitするか?は別問題ということを学んだ。 ● 実はアプリ〜インフラまで一気通貫で作業担当したのは初めてなのでGCPチョットワカルになった。 まとめと学び

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M3の紹介 4.

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(※) 2023年10月時点 日本の医師のエムスリー会員率 エムスリーが事業展開している国の数 エムスリーが占める全世界で医師会員の割合 全世界で医師会員合計 17 カ国 (※) 50 %以上 (※) 650 万人以上 (※) 90 %以上 エムスリー が展開する医療従事者向け情報 サイト「m3.com」は32万人を突破、日本 の医師の9割以上が会員。(※) 日本の医師の9割が登録するエムスリーのサービス グローバルでも医師の5割以上が会員、医療業界に根付く事業基盤 圧倒的な医療データへのアクセス容易性を活かしたAI開発 23

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打席にたくさん立つための3つのスタートアップカルチャー 全員レビュー体制と基盤作りを徹底 企画から1ヶ月で サービスインする環境を実現 開発速度を保つための 徹底的なシステム化 企画、営業、フロント開発もOK! 成果のための ものづくり、行動を常に推奨 必要な事はなんでもやる オーナーシップ ex-楽天、ex-PKSHA、計算科学PhD、 医学PhDなど20名弱のチーム 隔週でCEOとも直接議論 経営陣直下の スペシャリスト集団 事業価値を創れるエンジニアへステップアップできる環境

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エンジニア採用ページ https://jobs.m3.com/engineer/ プロダクト紹介ページ https://jobs.m3.com/product/ エムスリーテックブログ https://www.m3tech.blog/ エムスリーをもっと詳しく 社員インタビュー https://www.wantedly.com/companies/m3_inc VPoE登壇資料 fukabori.fm https://fukabori.fm/episode/59 https://fukabori.fm/episode/60 Connpass公式グループ https://m3-engineer.connpass.com/ エンジニア公式YouTube https://www.youtube.com/channe l/UC_DkAOcwgmtQnJLDctci4rQ エンジニア公式Xアカウント https://x.com/m3_engineerin g

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とりあえずXのフォローしていただければOKです! エンジニア公式Xアカウント https://x.com/m3_engineering

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ご清聴ありがとうございました