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⼤学におけるイマドキの エンジニア教育 Developers Summit 2019 永瀬美穂

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‣ 永瀬美穂 ‣ アジャイルコーチ ‣ 株式会社アトラクタ ‣ ⼀般社団法⼈スクラム ギャザリング東京理事 @miholovesq /mihonagase

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‣ 産業技術⼤学院⼤学-特任 准教授 ‣ 筑波⼤学-⾮常勤講師 ‣ 東京⼯業⼤学-⾮常勤講師 ‣ 琉球⼤学-外部講師 ‣ 公⽴はこだて未来⼤学-外 部講師

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‣ いろんな⼤学のプロ ジェクトにアジャイ ル開発を導⼊して数 年で⾒えてきたこと

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enPiTとは ‣ 2012〜2016年度:文部科学省 情報技術人材育成の ための実践教育ネットワーク形成事業「分野・地域を越 えた実践的情報教育協働ネットワーク」(enPiT1) ‣ 2017年度〜:大学院生向け 成長分野を支える情報技 術人材の育成拠点の形成(enPiT1) ‣ 2016〜2020年度:「成長分野を支える情報技術人材 の育成拠点の形成(enPiT)」

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enPiTとは ‣ 全国的な実践教育ネットワークの形成 ‣ 大学院生に実践教育を行い情報技術人材を育成する ‣ PBL等の実践教育を実施できる教員を養成する ‣ 4分野( クラウドコンピューティング/ セキュリティ/ あ組み込み/ ビジネスアプリケーション) 大学院生 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

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enPiTとは ‣ 全国的な実践教育ネットワークの形成 ‣ 学部生に実践教育を行い情報技術人材を育成する ‣ PBL等の実践教育を実施できる教員を養成する ‣ 4分野( ビッグデータ・AI/ セキュリティ/ 組み込 み/ ビジネスシステムデザイン) 大学院生 学部生 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020

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enPiTはデカい ฏ੒೥౓ ฏ੒೥౓ ฏ੒೥౓ ฏ੒೥౓ ฏ੒೥౓ ฏ੒೥౓Ҏ߱ɺ ֤େֶ಺Ͱࣗओల։ ฏ੒೥౓ ฏ੒೥౓ ฏ੒೥౓ ฏ੒೥౓ ฏ੒೥౓ ஌ݟܧঝ େࡕେֶ ʢӡӦڌ఺ʣ ౦๺େֶ ʢத֩ڌ఺ʣ ๺ւಓେֶɹ๺཮ઌ୺Պֶٕज़େֶӃେֶ େࡕେֶɹಸྑઌ୺Պֶٕज़େֶӃେֶ ࿨ՎࢁେֶɹԬࢁେֶɹ۝भେֶ ܚጯٛक़େֶɹ౦ژిػେֶ ৘ใηΩϡϦςΟେֶӃେֶ େࡕେֶ ʢத֩ڌ఺ʣ ౦ژେֶɹ౦ژ޻ۀେֶ ɹ͓஡ͷਫঁࢠେֶ ిؾ௨৴େֶɹਆށେֶ ࿨Վࢁେֶɹ۝भ޻ۀେֶ FO1J5 ֶ෦ੜ޲͚ େࡕେֶ ʢ୅දʣ FO1J5 େֶӃੜ޲͚ Ϗοάσʔλ ɾ ̖ ̞ ෼໺ ηΩϡϦςΟ෼໺ ໊ݹ԰େֶ ʢத֩ڌ఺ʣ ؠखେֶɹಙౡେֶ ۝भେֶɹ౦ւେֶɹೆࢁେֶ ૊ࠐΈγεςϜ෼໺ ஜ೾େֶ ʢத֩ڌ఺ʣ ࣨའ޻ۀେֶɹ࡛ۄେֶɹѪඤେֶ ླྀٿେֶɹެཱ͸ͩͯ͜ະདྷେֶ ؠखݝཱେֶɹձ௡େֶ ࢈ۀٕज़େֶӃେֶɹࢁޱେֶ˞ ϏδωεγεςϜσβΠϯ෼໺ ۝भେֶ ʢ෼໺୅දʣ ໊ݹ԰େֶ ஜ೾େֶ ʢ෼໺୅දʣ ެཱ͸ͩͯ͜ະདྷେֶ ࢈ۀٕज़େֶӃେֶ ৘ใηΩϡ ϦςΟେֶӃେֶ ʢ෼໺୅දʣ ౦๺େֶ ๺཮ઌ୺Պֶٕज़େֶӃେֶ ಸྑઌ୺Պֶٕज़େֶӃେֶ ܚጯٛक़େֶ ࿈ܞاۀ ࢀՃେֶ ࿈ܞاۀ ࢀՃߍ ֶज़ஂମ ֶज़ஂମ ެతػؔ ެతػؔ େࡕେֶ ʢ෼໺୅දʣ ౦ژେֶ ౦ژ޻ۀେֶ ਆށେֶ ۝भ޻ۀେֶ ૊ࠐΈγεςϜ෼໺ Ϗδωε ΞϓϦέʔγϣϯ෼໺ ηΩϡϦςΟ෼໺ Ϋϥ΢υίϯϐϡʔςΟϯά෼໺ ϏδωεγεςϜ σβΠϯ෼໺ Ϗοάσʔλ ɾ ̖ ̞ ෼໺ ηΩϡϦςΟ෼໺ ૊ࠐΈγεςϜ ෼໺ ૊ࠐΈγεςϜ ෼໺ Ϗδωε ΞϓϦέʔγϣϯ ෼໺ ηΩϡϦςΟ ෼໺ Ϋϥ΢ υ ίϯϐϡʔςΟϯά ෼໺

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PBL(課題解決型学習) ‣ 系統学習と対をなす学習法 ‣ 技術や環境の変化が激しく、学習した内容が陳腐化し てしまう ‣ 到達した答えの正しさより過程が重要視される ‣ 自ら体験的に学んでいく ‣ 学び方を学ぶ

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⼤学における従来型のソフトウェア開発のPBL ‣ プロジェクトマネジメント中心 ‣ 企業や先生が要求を出す側 ‣ 成果物はプロジェクト計画だったり要件定義だったり ‣ 動くプロトタイプができればまだマシ ‣ ソフトウェア開発をしないこともある ‣ そもそもPBLをやっていないこともある

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⼤学は… ‣ 教員の課題 ‣ 昨今のソフトウェア開発プロジェクトの経験がない ‣ そもそも実践経験がない ‣ 「研究が本分である」「大学は職業訓練校じゃない」という反発 ‣ 教育自体は研究者の実績に数えられない ‣ 非正規雇用が多い ‣ お金がない

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学⽣は… ‣ なぜか社会の縮図が ‣ 締め切りに間に合わせたい ‣ 時間があるだけブラッシュアップしたい ‣ 直前にアクセルを踏む ‣ 完成させたい ‣ 作業分担したい ‣ 失敗したくない ‣ メタ学習の視点の欠如 ‣ だがそれでいい

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ビジネスXXXXってなんだ?

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ビジネスアプリケーションというと ‣ XXX管理システム? ‣ クラウド分野でなくてもクラウド技術は使う ‣ セキュリティ分野でなくてもセキュリティは課題である ‣ 組み込み分野でなくてもネイティブアプリぐらいは作る ‣ ビジネスアプリケーション/ビジネスシステムデザイン 分野は全部乗せ

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学⽣にも現代的なチーム開発を! ‣ XXX管理システムがビジネスなのではなくビジネスを 生み出せる人材そのものが成果 ‣ アジャイル開発は必須

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アジャイルマニフェストの12の原則抜粋 ‣ 変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引 き上げます ‣ 意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。 環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼し ます ‣ 最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的な チームから生み出されます

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産業技術⼤学院⼤学の例 ‣ 夏合宿:嘉悦大・仙台高専・琉球大・広島大・九工大か ら総勢47名

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ちゃんと教えられているのか? ‣ “教えられた”かどうかは教えた側の”伝えたぞ感”では 測れない ‣ 教わった側からのフィードバックによって”伝わったか” を観測する

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合宿を終えて「アジャイル開発とは何ですか?」

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成果の⼀部 ‣ おままごとハウス(琉球大学2017) ‣ ターゲットユーザーの観察 - https://www.youtube.com/watch? v=Kmvc18fAWnY ‣ 地元最大のIT体験イベントで調査

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学⽣の成果発表資料から引⽤

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学⽣の成果発表資料から引⽤

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学⽣の成果発表資料から引⽤

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学⽣の成果発表資料から引⽤

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学⽣の成果発表資料から引⽤

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筑波⼤学の例 ‣ 夏合宿:50名超 ‣ 事前に技術要素とプロダクトデザイン ‣ 6日間 ‣ 初日:チームビルディングとプロダクトデザイン(再) ‣ 1日1スプリント ‣ 6日目には発表

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筑波⼤夏合宿の様⼦

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筑波⼤夏合宿の様⼦

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社会の縮図 ‣ 教員は比較的アジャイル開発は歓迎ムード ‣ 研究に似ている ‣ 新しいことに貪欲 ‣ 環境さえ用意してサポートすれば学生がセルフマネジメントする ‣ とはいえ従来型の開発プロセスがまだ多い ‣ 御用聞きの受託開発文化 ‣ 要件定義だけで完成しない(学生症候群を発揮)とかもある ‣ 大学との連携(教育)で関わる人はシニアが多い

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学⽣の期待値と企業の関わり⽅にギャップが… ‣ 産学連携プログラムへの関わり ‣ 現場感のないエライ人 ‣ エンジニアリングのわからない人事の人 ‣ 上から目線で何かを教えようとする ‣ 採用後 ‣ こういう経験をした学生を活かせる現場がない ‣ 社会人博士をもっと

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このやり⽅が好きじゃない⼈もいる ‣ ハマらない学生 ‣ 同級生が足手まとい ‣ 正解やゴールに到達したい ‣ チーム開発が好きになれない ‣ ハマる学生 ‣ 他の教科に影響が出る

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ちょっと興味が湧いた⽅へ ‣ 成果発表会を見にきてください ‣ Learn Unlearnを学生から学べます ‣ (余談)いわゆる文系の学部生チームでほぼゼロからス タートしても、スモールリリースを繰り返せばたかだか10 週間でソフトウェアプロダクトを作り上げられる ‣ (余談)めっちゃ優秀な大学の学生がいるチームは力技 で結果を出せるのでWFだろうがなんだろうがうまくいく

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これからやりたいこと ‣ 大学の現場と企業の現場をシームレスに ‣ ソフトウェアエンジニアとしてのオンボーディングをサ ポートする

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宣伝 ‣ 2018年度 enPiT ビジネスシステムデザイン分野ワークショップ ‣ 学生15チーム ‣ 企業5チーム ‣ 2019年2月21日(木) 13:00-18:00 ‣ 筑波大学 春日エリア 情報メディアユニオン メディアホール・ユ ニオン講義室 ‣ 詳しくは http://bit.ly/enPiT2018