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タスク管理ツールを会社に持ち込んだので 理由とオススメ活用法について話します CIO恩塚伸一郎

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本スライドについて <背景> 私がCIOとして就任してすぐにタスク管理ツールを導入しました。 膨大な課題に負けずに取り組むため、また立ち上げたばかりのDX 推進室でチームとして成果を出すためです。 その中であまりタスク管理をやったことないメンバーにも上手く活 用してもらうために社内勉強会を実施しました。 本スライドはそれを公開用に少し修正したものになります。

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本スライドについて’ <状況> DX推進室は経理や事業部と兼任しているメンバーがおり、さらに複数 のプロジェクトが並行して進行するという状況でした。 また走り出し当初のDX推進室は定常業務があまり存在せず、常に新し い取り組みが求められる一方で、リソースが限られているため、タスク コントロールは成果を最大化するための重要な要素でした。 私たちのチームは、オフィスに毎日出社しすぐ近くに全員いる環境で仕 事を進めていたので対面でのコミュニケーションも頻繁にしていまし た。 (DX推進の取り組みについては別のデックで紹介してますので興味あ る方はぜひ見てみてください!)

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本スライドについて’’ <注意点> タスク管理の方法は正解が決まっている訳ではなく、チーム・状況 に合わせて最適と思われる方法で運用することが大事だと考えてい ます。 本資料はあくまで私がアクティブホールディングスでDX推進室の 活動を進めるためにこれが重要だと思った内容です!

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タスク管理はなぜ必要?何が嬉しい?

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タスク管理前のイメージ図 とりあえずxxに関してやること 一杯あるからやらなきゃ汗 なにか必ずやらなきゃいけない ことがあった気がする... (いいこと思いついたの に忘れた) どこから手を付ければいいか わからないから分担を決めにくい...

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タスク管理後のイメージ図 ここまでに これを達成する メインPJではないけど 重要タスクがある 今はやらないもの、ア イデアは忘れないよう に置いておこう 定期的にPJ化するぞ ブロッカーが見えている 早めに解消しておこう 重たいタスクだから 時間を確保して分割して 進めていこう 最優先PJ(青) 次に優先PJ(緑) リソースを集中させるのと 進捗を常に意識しておこう ※PJ・・・プロジェクト

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①優先度がハッキリする ● PJの優先度 ● タスクの優先度 ● 今はやらなくていいもの タスクは山積み、しかしリソースは限られている 優先度の見極めは必須 ※PJ・・・プロジェクト

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②重要タスクを管理できる ● 忘れたらやばいもの ● その後のタスクに大きく影響するもの そういった重要タスクを ● 忘れない、漏れない ● 「余裕を持った期限設定」ができる ● 「早めの着手」ができる ● 「リソースの集中」ができる

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③ブロッカーを炙り出す、目立たせることができる ● ブロッカー ○ 担当者だけでは解消困難な課題 ○ ここが判断できないとその後にいけないこと ○ 「決め」を入れないと全体が進まない マネージャーはいかにブロッカーを発生させないか、早 く倒すかも大事

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④ボールが誰にあるか明確になる タスクツールの「担当者」「アサイン」の部分 ボールが不明確だと「xxさんがやると思ってた」「xx さんが決めるの待っていた」が発生する また誰がなんのどれくらい仕事を抱えているかが見えや すい

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⑤「やらなきゃな」「やりたいな」を流さない ● アイデア置き場 ● 課題置き場 として使う 貴重なアイデア・課題発見が流れていかない

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⑥「一点集中 × 切替」しながらタスクを倒せる ● 「なにからやろうか」「なにやればいいんだ」という 無駄な時間を減らせる、集中できる ● 脳のスイッチングコストを小さくしつつ、複数のタス クを進められる ● 集中力は成果に直結する タスクA集中→タスクB集中→・・・をスムーズにする

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(補足)集中力について ● シングルスレッドとマルチスレッド ○ 人間は同時に二つのことを考えることはできない ● 長距離走型集中力は希少スキル ○ 普通は30~90分、短距離走 やることが明確になっており、一つに集中できる状態を 作り出すことがとても大事

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(補足)脳のスイッチングコストを減らす 仕事は並行、待ちが当たり前 タスク切替時は集中力がリセットされやすい、スタート してから徐々に高まる 「タスクにこれまでの詳細・過程が残っている」とその コストが大幅減 タスクの詳細・過程を読むと短時間で集中状態に入りや すい

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⑦仕事をチームで回す、属人化に抵抗するために ● 「分担」ができる ● 「共同作業」ができる ● 「リカバリー」に回れる ● 「引継ぎ」がしやすい ● 「トラブル対応」の経緯が残る ● 自然と情報が共有されチーム全体の「レベルアップ」に なる 整理された情報、過程の情報、全てが資産になる 失敗や頓挫もまた資産になる

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⑧俯瞰できる ● だれが ● なにを ● どれくらいのスケジュール感で ● どういう優先度で ● 今どんな状況で が分かる リソース・プロジェクトをコントロールして成果を出す 責任があるマネージャーの強い味方

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オススメ活用方法

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①週1~2で棚卸しする(2週間先まで) ● 自分のガントチャートを開く ● 当日線が被っているタスク・期日が近いタスクを全部 開く ● カレンダーで作業時間を確保する ● 無理があるなと思ったら後回しで良いタスクを思い 切って1週間~2か月ずらす、相談する

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②月2~3で棚卸しする(3か月先まで) ● ガントチャートをざーっと3か月先くらいまで見る ● プロジェクト単位で見る ● 「これx月はこんなにやれなくね?」となったら、優 先度を考えてガッツリずらしたり凍結したりする マネージャーと一緒にやること推奨

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③カレンダーに予定を入れてしまう ● カレンダーにざっくり作業時間を確保する ○ 30分枠~一日枠 ○ ものによっては複数回 ● 「バラシ」「調べてみる」「考えてみる」といった時間も入れる ● ずらさないものと、ずらしていいものを分ける(色) ● 関係者とコミュニケーションが必要なものは、とりあえず予定を先に 入れてしまう(簡単なものはチャットでサクッと) ● キックオフ、相談などを入れて自分にリミットをかす ○ 準備に必要な時間も一緒に確保する 「今何の時間か」「今日何するか」「今週はこれくらい 進められそう」が明確になる

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④10%レビューをする ● いきなり完成させようとしない ● 途中段階を見せる、確認する ○ 10%、30%、50%で見せる ● 途中であること、何を確認したいかは必ず言う ● 「まだ途中なんだけど、不安だから一回見てほしい」 ○ マネージャーが言われて嬉しい言葉

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⑤30分以内に自己完結で終わることは後回しにしない ● やるだけのものは基本カレンダーに入れて、さっさと やっつけてしまう ● 基本は当日、遅くても2,3日内 ● 後回しにしない(するだけ無駄) ● タスク化もせずに倒すこともよくある

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⑥ボールは明確にびびらず渡す! ● キーマンに確実に行動してもらう ○ 確認 ○ 決め ● ヘルプ、相談については優先度が高い ○ タスクが進まなくなっているから キーマン・マネージャーはだいたい多忙 明確に期日を決めて、目立つようにお願いする方がキー マンもラクで嬉しい

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⑦大きく抽象的なタスクは一旦小さく具体的にする ● 例 ○ xxをなんとかする、xxしたい、xx問題(抽象的な課題) ● 「なにからすればいいだろう」の時間が一番無駄なの で初回でバラすだけバラす ○ 〇〇を調査、方針決め ○ 〇〇パート完成 ○ 〇〇を試して、△△の効果を確かめてみる

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⑦’未知数なタスクは初動が鍵、腕の見せ所 ● 抽象的な課題、重たいことが分かっているタスク ○ 放置されがち、初動が悪くなりがち ● 初動が鍵を握る ○ 調査、方針決め ○ スケジュール決め ○ 関係者との擦り合わせ、合意 ● とっつきやすいアクション ○ ブレスト、情報収集、試しにやってみる、方針決め会議 初動を華麗に決めて、軌道にのせる!

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(補足)⑦が苦手だと ● 課題感がある割に、いつまでも進展がないように感じ る... ○ 具体化が不足し、実はそこまで動けていない ○ 発散した議論が繰り返されている、アクションが生まれて いない ○ とりあえず動いて(不器用、がむしゃら)、手戻り発生 ○ PDCAが回っていない、加速度不足 ○ 同じことをやってしまっている(共有不足) ○ メンバーが動けない、巻き込めない、迷う

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⑧自己完結の重たいタスクは中間地点を決める ● 例 ○ xx定例会資料の作成 ○ xx調査 ○ xx開発、構築、作成 ● 中間地点を作る ○ 〇〇パート完成 ○ 中間レビュー、事前擦り合わせ、リハーサル、途中経過壁 打ち会、などの予定を入れてしまう ○ 10%完成、30%完成などをカレンダーに入れてしまう

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⑨アイデア・課題はまず雑に、熱いうちに解像度を上げる まずは雑に起票することが大事 熱いうちに叩いてしまおう →ブレスト、相談、優先度付け、方針検討... ボリューム・優先度が見えると意外と進められたりする もしくは今はやらなくていいや、となる

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⑩鷹の目を発動させよ 俯瞰的な視点(マネージャー向け) ● 優先度の高いプロジェクト・タスクに ● 最適な配分で人が配置でき ● 正しい順番で仕事が進んでいるか? 優先度、リソース配分、集中 「広く薄く少しずつ」より「狭く厚く一気に」が基本 選択と集中

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⑪コミュニケーションツールの特性を知り、支配せよ! タスクに集中する際は非同期コミュニケーションツール を頻繁にチェックしない! (参考:私は1~2時間に一回くらいにしている) 特に ・資料作り ・開発 ・会議

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⑪’コミュニケーションツールの特性を知り、支配せよ! 更に深い集中が必要な場合は同期コミュニケーションが 発生しない状況を作る ・会議を入れない ・電話に出ない ・カレンダーを抑える ・オフィス以外で作業する 1人もくもくと考えて生み出す系タスク 図書館、カフェ、会議室など... 話しかけられないかつ集中できる状態にすることがポイント

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⑫集中力の切断を上手く回避せよ! ● 短時間の返事で済むものは済ませてしまう ○ そうではないものは忘れないようカレンダーに入れるなど して後にしてもらう or 考えておくので、といって自分 ボールのタスクにしてしまう ● 再開するときに元の作業に必ず戻る ○ 一旦、集中力が切れている状態 ○ 巡回などの誘惑に負けないよう意識 ● どうしても切らしたくないときは「5分待って」とい う

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⑬優先度は定期的に気にかける タスクを眺めて「あれこれ今優先度高く(低く)ない?」 の気付きは大事に ● 上長に相談して引き上げる・保留する ● 優先度認識ズレしてたら合わせるきっかけになる 状況は常に変化している

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⑭本当の期日を見極める! ● 手つかずで迎えたらOUTなケース ○ 10時間かかるタスクについてノータッチで期日を迎えた 場合は必ず切れる ○ 対策①タスクばらしをしておく ○ 対策②10%期日、50%期日をカレンダーに入れておく ● 期日まで放置してはいけないケース ○ 契約更新、など ○ 課題の期日はかなり手前に置いておくべき ○ それか本当の期日と安全な期日を分けてタスク管理する ○ カレンダーに入れる

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(参考資料)

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期限切れについての考え方 プロジェクト管理、タスク管理がしっかり(前述)でき ていれば基本は発生しない、と考えています 単発の期限切れはしっかりその後チームで対処すれば ok 期限切れが常態化する場合「リカバリーが必要」「想定 していない事態」という扱いにする

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期限切れについての考え方’ 期限切れが常態化している場合はだいたい下記のどれか ● 早めの棚卸不足=管理レベル低下 ● プロジェクトレベルのボリュームコントロール不足 ● キャパオーバー ● バラシ不足 ● 並行し過ぎている(”選択と集中”の不足) なにかが機能不全を起こしている状態 タスク管理のメリットを最大限受け取ることができない状態になっている! マネージャーはアラートとして捉えて手を打つ

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期限切れについての考え方’’ それでも必須の仕事だけで期限切れする場合は? →個人の問題ではなく組織の問題 体制変更やプロジェクトの凍結など手を打つ

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おわり ● 今やるべきことに集中できる状態をみんなで維持する ● やることがあり過ぎて、、、というストレスをなるべ く減らす 整理・集中して成果をだしていこう!