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プレゼン資料作成で気を付けるべきこと 2025.2.1 菅沼

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発表者の伝えたいことが聞き手に正確に伝わること • 発表者が言いたいことだけ好き勝手に話して,結果として聴衆に 正確に伝わらなかったら全く意味がない 2 プレゼンにおいて重要なこと では,聞き手に「正確に伝える」にはどうすれば良いのか? • 聞き手の立場に立って,自身のプレゼンを俯瞰する • 話の道筋に道標を適切に配置する • プレゼンの目的を把握する • デザインにもこだわる

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• プレゼンにおいては,これが最も重要 • ある程度スライドを作ったら,実際に脳内でプレゼンしてみる • そのときに,「聴衆はどう思うのか」を想像し、シミュレーションする • それをもとにスライドの修正を繰り返す 3 1. 聞き手の立場に立って自身のプレゼンを俯瞰する ... • このスライドは聴衆にとって理解しやすいだろうか? • このスライドとこのスライドの間で話の飛躍はないだろうか? • ...

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• 正確に聞き手のことを想像するためには,聞き手の事前情報が重要 • つまり,今回のプレゼンの聴衆は,「どんな知識を持っている人たち」なのか, 「何を知りたくて発表を聞いているのか」を意識しながらスライドを作る 例えば, • 研究室内での論文紹介のプレゼンであれば • ある程度の事前知識は共有しているため,一般的すぎる情報はいらない • 既存研究の課題とそれをどうやって解決したか,技術的なキモは何かなどに焦点を当てる • 進捗報告のプレゼンであれば • 前回の報告との差分は何かを正確に伝える • 自身の研究は何が新しいのか・従来研究との差分は何かを明確に伝える • 次は何をする予定なのかも伝える 4 1. 聞き手の立場に立って自身のプレゼンを俯瞰する

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• 発表者と聞き手の最大の違いは,発表者は何を話すのかを全て知っていて, 聞き手は全く知らないということ • つまり,聞き手は発表者から時間とともに与えられる部分的な情報をもとに, プレゼンを理解することになる • これは,暗闇の中で目的地を探しながら彷徨うことに近い 5 2. 話の道筋に道標を適切に配置する ... 発表者が伝えたいこと 聞き手のスタート地点 ...

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聞き手を正確に目的地に案内するには,プレゼン全体が一つの物語になるように, スライド間に繋がりをもたせ,話を飛躍させないことが重要 • スライドが繋がっていない(スライド毎に話が飛んで,発表者の中だけわかっている)状態を 避ける • 話の道筋に道標を適切に配置するように,各スライドのメッセージ・接続関係を明確に • 特に直前のスライドとの繋がりを意識する(一度脱線したら聴衆はもう戻ってこない) 6 2. 話の道筋に道標を適切に配置する ... 発表者が伝えたいこと 聞き手のスタート地点 ...

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プレゼンの目的によって,スライドに載せる情報量(構成)が変わる 7 3. プレゼンの目的を把握する • 研究室内での論文紹介の場合 • 発表後にも見返す可能性が高いので,ある程度の情報をスライドに載せる必要がある • かといって文章が多すぎたり,図が多すぎるとわかりづらいので,バランスが重要 例えば, • 学会での発表の場合 • 発表後にスライドを見返すことは少ないため,丁寧すぎる情報はいらない • 研究のポイントが伝わるように,主張したいことをシンプルに伝える方がベター 学会発表 研究室内ゼミ 勉強会 スライドに載せる情報量 大 小

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デザインが整備されていないスライドは論外 • フォントは特に重要 • デフォルトのMSPゴシックは見づらいので使わない方が良い • 游ゴシック,メイリオ,Arialがオススメ(これらは、太字が強調しやすく読みやすい) • フォントサイズも20pt以上を使う • 図表,テキストボックスの配置も意識する • 左端を揃えるとか,文章間の間を意識するなど デザインに正解はないので,常に試行錯誤するしかない 8 4. デザインにもこだわる

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• 1つのスライドに多くのメッセージを詰め込むと,逆にわかりづらい スライドになってしまう • 必ずしも1スライド=1メッセージに従う必要はないが,イメージとして それくらいの粒度でスライドを作っていくとわかりやすくなりやすい • 情報を詰め込みすぎてわかりにくくなるくらいなら,スライド枚数は多いが 情報が整理整頓されているほうがわかりやすい 9 1スライド=1メッセージ

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10 典型的なダメなスライド例:図だけ載せる

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11 典型的なダメなスライド例:図だけ載せる • あとからこのスライドを見て発表者が何を伝えたいのかわかりますか? • キーワードが何もないと,口頭だけの説明では情報漏れが生じやすい

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• GroupViT[1]は画像とキャプションペアのデータセットだけから,画素単位 のラベルなしでセマンティックセグメンテーションを行うモデル • これまでは画像分類,物体検出タスクでは研究例が存在したが,セマン ティックセグメンテーションでは研究例がなく,初めての試み • GroupViTはVision Transformerをベースとしたモデルで,Group tokenと 呼ばれる特殊なトークンを用いて,画像パッチをクラスタリングしていく • 学習には,クラスタリング後のGroup tokenの平均ベクトルと入力キャプ ションの埋め込みベクトルによる対照学習によって,最適化を行う • PASCAL VOCなどのベンチマーク上で,既存研究よりも優れたセグメン テーション性能を示した 12 典型的なダメなスライド例:文章が多すぎる [1] Xu+, GroupViT: Semantic Segmentation Emerges from Text Supervision, CVPR’22

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• GroupViT[1]は画像とキャプションペアのデータセットだけから,画素単位 のラベルなしでセマンティックセグメンテーションを行うモデル • これまでは画像分類,物体検出タスクでは研究例が存在したが,セマン ティックセグメンテーションでは研究例がなく,初めての試み • GroupViTはVision Transformerをベースとしたモデルで,Group tokenと 呼ばれる特殊なトークンを用いて,画像パッチをクラスタリングしていく • 学習には,クラスタリング後のGroup tokenの平均ベクトルと入力キャプ ションの埋め込みベクトルによる対照学習によって,最適化を行う • PACAL VOCなどのベンチマーク上で,既存研究よりも優れたセグメンテー ション性能を示した 13 典型的なダメなスライド例:文章が多すぎる [1] Xu+, GroupViT: Semantic Segmentation Emerges from Text Supervision, CVPR’22 • 文章が多いスライドは聴衆に認知負荷がかかる • 話を聞こうという気を削ぐきっかけになる • スライドの半分は文章,残り半分は図表,くらいのイメージが良い