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製品開発目的で医療情報を医療機関等から民間企業等に
提供する際の法的根拠
根拠 検討内容
学術研究例外 学術研究例外における目的要件の観点からは、共同研究の範囲であれば製品開発目的が併存していて
も問題ない。ただし、製品開発のみを目的とした活動に対して、学術研究例外を根拠として、医療機関等か
ら民間企業等に医療情報を提供することは難しい。
公衆衛生例外 医療 AI ソフトウェア等の医療機器が、「公衆衛生の向上のために特に必要がある場合」に該当する可能
性も直ちには否定されないものと思われる。ただし、この場合、併せて、本人からの同意取得が困難である
ことが必要となる。
委託 医療機関等が主体となった利用目的の達成に必要な範囲内で、医療情報の取り扱いの全部又は一部を
委託することに伴い外部の機関へと提供する場合には、提供先は第三者には該当しない。しかし、あくまで
も提供元である医療機関等の事業目的のみに使われ、提供先で自己の事業目的に使うことは許されな
い。従って、委託を根拠として、製品開発の目的で医療情報を民間企業等に提供することは難しい。
共同利用 医療機関等が、特定の者との間で医療情報を共同利用する場合には、提供先は第三者に該当しない(こ
こで、「共同利用」は「共同研究」とは異なる概念)。医療機関等における共同利用の具体的な事例として
は、病院と訪問看護ステーションが共同で医療サービスを提供している場合等が挙げられる。しかしなが
ら、共同利用は「取得の際に通知・公表している利用目的の範囲内であり、利用目的が本人が通常予期し
得ると客観的に認められるような場合」でなければ認められない。従って、共同利用を根拠として個人デー
タである医療情報の提供を実施することが難しい。