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論文の読み方講座 - 研究室に配属された学部生へ - 東京電機大学 博士課程 2年 坪谷 朱音(ツボヤ アカネ) 作成日:2024/11/20
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本スライドの対象者と注意点について 対象者 ● 研究室配属されたばかりで右も左も分からない学部生 ● 後輩の研究指導を任されたが、何から手をつけるべきか分からない学生etc 実際、私(D2)が学部生(B3)に向けておこなった講座の内容をまとめたものです 注意点 ● なるべく主観を除きましたが、どうしても含まれてしまっている箇所があり ます。あくまで 1 つの考え方として捉えてください。ここで述べる内容が絶 対正しいというわけではありません。 (2/21)
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概要 ◎ 論文の「読み方」に特化した内容 ● 論文とは? ● 論文の構成を知ろう ● 実際、論文ってどう読めば良いの? —--------------以下の内容は取り扱わない------------- ● 論文の探し方 ● 論文の書き方 ● ツールの紹介 etc (3/21)
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論文とは? 論文 (paper, article) - 学術的な研究の結果などを述べた文章 (デジタル大辞泉) - 学問の研究成果など、あるテーマについて論理的な手法で書き記した文章 (Wikipedia) (4/21) アウトプット 研究(サーベイ, 実験, 分析etc) 学術論文
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査読なし論文(例:arxiv) 論文ってどんな種類があるの? 論文 ジャーナル論文 会議録 (Proceedings) 学位論文 その他 学位取得のために書かれた論文 国内/国際会議で発表する内容をまとめた要旨・予稿 査読の有無は様々 原著 総説 レター オリジナルな研究をまとめて詳細に記述 特定のテーマに関する研究のサーベイ 短い形式の論文。速報的な役割 査読の有無は重要! (5/21)
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論文はなぜ読まないといけないの? A. 先人たちの研究の積み重ねの上で、我々は新しい発見を生むため このことを巨人の肩の上に立つ / 巨人の肩に乗る などと言う (6/21) https://scholar.google.com/
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論文の基本構成 -論文の骨組みって実はシンプル-
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論文を形作る重要な考え 論文にも、作文や小論文のように基本的な文章構成が存在する 中でも代表的なものは ● IMRAD ● パラグラフライティング 構成を知ることで展開が予想できる -> 読みやすくなる! (8/21)
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IMRAD (イムラッド) とは Introduction Methods Results And Discussion の略 ● 学術論文で最もよく使われる型の 1 つ ● 上記の 4 要素を骨組みとする文章構成の形式の 1 つ ● これにアブストラクト・関連研究・結論などが加わる 序論 研究方法 結果 考察 (9/21)
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IMRAD の特徴 ワイングラスモデル ● Introduction と Discussion は中心に向かって狭まる ● 各要素の内容は連動 話が リンク 例: ● 〇〇が課題である(I)⇆〇〇を△△で解決した(D) ● この手法は〇〇という特性を持つ(M)⇆〇〇の特性を分析するために△△と いう実験をおこなった結果、××という結果を得た(R) (10/21)
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各章で記述される内容:原著論文の場合 アブストラクト 概要:何をしたか 序論 背景と目的:何を前に何をするか 関連研究 似た研究の紹介・本研究との違い 方法 提案・主張 実験・結果 上記の主張の裏付けするための検証 考察 結果から言えること・それが意味すること 結論 まとめ・序論に対するアンサー さらに各章の内部はパラグラフライティングと呼ばれる技法で記述される (11/21)
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パラグラフライティングとは ● パラグラフと呼ばれる段落に1つの話題のみを入れる文章技法 ● 学術論文ではパラグラフライティングに沿って書くのが一般的 パラグラフ パラグラフ 章 論文 パラグラフ パラグラフ 章 (12/21)
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パラグラフライティングの特徴 1パラグラフ1トピックス トピックセンテンス サポートセンテンス パラグラフ コンクルーディング センテンス リンキングセンテンス パラグラフで 1 番主張したいこと 主張の裏付け、補足、説明など 内容をまとめて主張を強調 次のパラグラフへのフック (13/21)
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論文の構成に関するまとめ ● 論文は IMRAD と呼ばれる構成で記述されることが多い※1 ○ 各章で拾える情報は異なる ● 各章は複数のパラグラフ (段落) で構成される ○ パラグラフの冒頭では、そのパラグラフで述べたい結論を最初に提示 ※1 分野によって異なる。また雑誌の規定で構成が指定されている場合がある ?論文は頭から全て読むから、こんなこと知ってても意味ないのでは... → 目的に沿って効率的に読めるようになる = 多くの論文を読める (14/21)
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で、論文ってどう読 めば良いの?
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論文はどう読むべきか? A. これが答えだ!というものはない... 理由: ● 適したやり方は個々人で異なる ● 論文を読むことで何を知りたいかは、その時々で異なる これが実は重要 (16/21)
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論文を読むのは手段であって目的ではない NG 例:論文を読むのが目的 ①この論文を読んで分野全体の流れを掴む と良いよ ②はい!わかりました! (論文を読めば良いんだな。面白い 論文だったけど、難しくてよく分 からなかったや) (17/21)
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論文を読むのは手段であって目的ではない OK 例:論文を読むのが手段 ②はい!わかりました! (分野の流れを把握するのか。 じゃあ序論や関連研究は気合を 入れて読んだ方が良さそうだ) ①この論文を読んで分野全体の流れを掴む と良いよ (18/21)
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目的に沿って重点的に読む箇所を決めよう 必要箇所のつまみ食い ※以下は例であり、必ずしも正解ではない ● Q1. 当該分野の主要研究を知りたい ● A1. 序論や関連研究など、当該分野の話をしている章を重点的に。またそこ で気になる論文があったら、参考文献から芋づる式に読んでいく ● Q2. 自分の研究で使えそうか知りたい ● Q2. 序論や方法。その研究のコンセプトや中身を説明している箇所を重点的 に。実験コードが公開されているのであれば、そちらも参考になる ● Q3. この研究は何を明らかにしたんだ? ● A3. 図表や結果、考察、結論。最初と最後を重点的に (19/21)
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2. まとめることを前提に読むと効率 アップ! 落合陽一さんのスライド 精読するときはどうすべき? 1. 基本は同じで、重要なところは必ず理 解 するように心がける (20/21) この研究は ● 何のために (目的) ● 何をして (手法) ● 何を得た (結果) ● この研究の新規性・独自性は? ● この研究の何がすごい? etc
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まとめ ● 論文とは? ○ -> 研究成果をまとめた文章 ● 論文の構成を知ろう ○ -> 章構成「IMRAD」と段落構成「パラグラフライティング」 ○ どこにどういった内容が書かれているかを理解する = 読みやすさ向上 ● 実際、論文ってどう読めば良いの? ○ 答えはない...が、目的意識を持って読もう (21/21)
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参考文献 使用したイラスト:https://icooon-mono.com/ 論文の読み方/書き方を学べる本 ● 論文の教室-レポートから卒論まで- ● 理科系の作文技術 ● これから論文を書く若者のために ネットで閲覧できる資料まとめ ● https://github.com/SeitaroShinagawa/FavoritePapers/blob/master/summar y/how_to_make_progress.md#read