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Masseyのレーティングを用いた フォーミュラレースドライバーの 実績評価手法の開発 山口 諒雅 小中 英嗣 (名城大)

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発表の進行について 1. 研究背景 2. 研究目的 3. 提案手法 4. 使用データ 5. 結果 6. 総括 7. 今後の方針 • モータースポーツについて • 研究対象について • 研究対象の特徴

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研究背景-モータースポーツのルールについて • 動力源を搭載した乗り物を使用した競技 • 代表的なルールは以下の3つ レースで順位を競う タイムを競う 審査員の得点を競う

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研究背景-モータースポーツの車両形式について • 使用される車両の形状は様々 • 代表的な車両形式は以下の3つ フォーミュラカー プロトタイプカー ツーリングカー

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研究背景-研究対象について 本研究で対象とするモータースポーツの分類 • 複数人のレースを行い順位を競うもの かつ • フォーミュラカーを使用するもの

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研究背景-対象選手権 同じルールの下で開催される競技シリーズを選手権という • 開催地域が異なる8つの選手権を対象とする • ステップアップのための上下関係が存在する選手権もある Formula E Super Formula Super Formula Lights Indy Car Indy Lights Formula 1 Formula 2 Formula 3 ヨーロッパ 日本 アメリカ

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研究背景-フォーミュラカーレースの特徴 • フォーミュラカーレースの特徴 2. 選手権間で選手の移動が多い 1. 選手権間の上下関係が示唆されている

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研究背景-フォーミュラカーレースの特徴① スーパーライセンスポイント • F1の昇格に必要なスーパーライセンスを獲得するためのポイント • F1以外の選手権で高順位を獲得すると得られる 選手権 1位 2位 3位 … Formula 2 40 40 40 … Formula 3 30 25 20 … Formula E 30 25 20 … Super Formula 25 20 15 … Indy Car 40 30 20 … スーパーライセンスポイント割り当ての一例 Formula 1が他の選手権の頂点であると示唆している ポイントの割り当てが所属する選手の実力レベルを表している?

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研究背景-フォーミュラカーレースの特徴 • フォーミュラカーレースの特徴 2. 選手権間で選手の移動が多い 1. 選手権間の上下関係が示唆されている

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研究背景-フォーミュラカーレースの特徴② • 開催地域を問わず,選手権間で選手の移動がある Formula E Super Formula Super Formula Lights Indy Car Indy Lights Formula 1 Formula 2 Formula 3 ヨーロッパ 日本 アメリカ

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研究背景-フォーミュラカーレースの特徴② 選手の移動を表す有向グラフ(2021-2023年) 選手は地域に関係なく選手権間を移動する

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目次 1. 研究背景 2. 研究目的 3. 提案手法 4. 使用データ 5. 結果 6. 総括 7. 今後の方針

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研究目的 ファンが選手の実力や期待される活躍を理解するためには その選手の過去の実績を知る必要がある しかし... • 選手は選手権を移動するため過去を追うのは大変 • レベルの異なる選手権同士の成績は比較できない • 統一された公式の評価制度も存在しない 研究目的:複数の選手権を統一した選手の実績評価手法の開発

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目次 1. 研究背景 2. 研究目的 3. 提案手法 4. 使用データ 5. 結果 6. 総括 7. 今後の方針

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提案手法 直接比較できない2つの選手権 選手が移籍 移籍した選手を基準に 上下関係を調整 統合することでランキングを 作成

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提案手法 • 選手の実力評価手法 • 対戦の得点差から評価値(レーティング)を計算するアルゴリズム • レースを対象にできるよう変更 Masseyのレーティング 提案手法 対戦 人数 1対1 複数人(約20人) 評価 指標 得点差 順位差 Masseyのレーティング手法

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提案手法 • レース結果を複数の1対1対戦とみなすことで複数人に対応 順位 選手 1位 ドライバー1 2位 ドライバー2 3位 ドライバー3 4位 ドライバー4 5位 ドライバー5 ドライバー1 vs ドライバー2 ドライバー1 vs ドライバー3 ドライバー1 vs ドライバー4 ドライバー1 vs ドライバー5 同ラウンドの全選手の組み合わせで順位の比較を行う

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提案手法 • 得点差の代わりに順位の差を使用する • 高順位の評価を重くするため対数の差を取る − log𝑒 1 2 = 0.69 1位と2位の順位差 <例> 19位と20位の順位差 − log𝑒 19 20 = 0.05 同じ1位差でも 高順位の差を より大きな差とみなす • 上位になるほど実力の差が開いていると考えるため • 下位はリタイアによる順位決定が存在するため

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目次 1. 研究背景 2. 研究目的 3. 提案手法 4. 使用データ 5. 結果 6. 総括 7. 今後の方針

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使用データ FE SF SFL Indy IndyL F1 F2 F3 ヨーロッパ 日本 アメリカ データ収集期間:2021年~2023年(3年間) 選手権名 略称 対象ラウンド数 対象選手数 Formula 1 F1 66 29 Formula 2 F2 71 48 Formula 3 F3 58 79 Formula E FE 47 33 Super Formula SF 26 32 Super Formula Lights SFL 53 32 Indy Car Indy 50 55 Indy Lights IndyL 34 25 計ラウンド数:405ラウンド 計選手数:275名 対象選手権のデータ詳細

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目次 1. 研究背景 2. 研究目的 3. 提案手法 4. 使用データ 5. 結果 6. 総括 7. 今後の方針

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結果-ランキング作成 • 提案手法を使用して選手ごとの実績評価値を計算 • 実績評価値順にソートしランキングを作成 順位 選手名 実績評価値 参戦選手権 1 Max Verstappen 1.831 F1 2 Lewis Hamilton 1.034 F1 3 Sergio Perez 0.843 F1 4 Charles Leclerc 0.699 F1 5 Carlos Sainz 0.587 F1 上位5名はF1選手が独占した 実績評価値ランキング(1位から5位)

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結果-ランキング作成 • 提案手法を使用して実績評価値を計算 • 実績評価値順にソートしランキングを作成 順位 選手名 実績評価値 参戦選手権 100 Takuma Sato -0.668 INDY 101 Ukyo Sasahara -0.670 SF 102 Santino Ferrucci -0.677 INDY 103 Alexander Smolyar -0.691 F3 104 Arthur Leclerc -0.702 F2,F3 中位付近には選手権間を移籍している選手がランクイン 実績評価値ランキング(100位から104位)

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結果-ランキング作成 • 提案手法を使用して実績評価値を計算 • 実績評価値順にソートしランキングを作成 順位 選手名 実績評価値 参戦選手権 271 Dragon -2.219 SFL 272 Syuji -2.273 SFL 273 Takashi Hata -2.310 SFL 274 Masayuki Ueda -2.311 SFL 275 Flinn Lazier -2.406 INDYL 下位5名は上下関係が存在する選手権のうち 下位選手権に所属する選手 実績評価値ランキング(266位から275位)

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結果-実績評価値の散布図 実績評価値 高 低 選手権

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結果-実績評価値の散布図 上下関係が存在する選手権について 実績評価値にもその構造が確認できた 一部の選手権で外れ値が確認できた • 車両の性能差がある選手権で評価値が 極端に上がる? • 移籍してきたF1選手に勝利した? 本来直接比較ができない選手権の 比較ができるようになった

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結果 本来直接比較ができない選手権の 比較ができるようになった 選手権 1位 2位 3位 … Formula 2 40 40 40 … Formula 3 30 25 20 … Formula E 30 25 20 … Super Formula 25 20 15 … Indy Car 40 30 20 … • スーパーライセンスポイントには上限がある • 特定の選手権で上位を獲得した個人しか評価できない 本研究の現段階の貢献:上限がなく全員を評価できる手法を開発した

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目次 1. 研究背景 2. 研究目的 3. 提案手法 4. 使用データ 5. 結果 6. 総括 7. 今後の方針

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総括 • フォーミュラレースにおける実績評価手法を提案した • Masseyのレーティング手法をレースに使用できるよう変更した • 地域が異なる8つの選手権に参加する275名のドライバーの 実績評価値を計算し、ランキングを作成した • 直接比較が難しい選手権を比較することができた

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研究課題と今後の方針 • 外れ値に関して特殊な事例であるか個別に調査する必要がある • 今後は実績評価値を予測に使用したい • レース結果の予測 • 選手が上位選手権に昇格できるか 観戦体験のさらなる向上を目指す