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2720 Japan ロータリーEクラブ 例会卓話 1 河川ボランティア活動を通じて⾏う 流域の社会奉仕活動 2720 Japan ロータリーEクラブ 会員:中⾨ 吉松(神奈川県在住)

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2 はじめに 私が地球環境について意識したのは、1960年代後半に参加した 講座で聞いた「宇宙船地球号」という⾔葉でした。勤めていた企 業が⾃動⾞製造業だった関係もあり、オイルショックによる影響 は⼤きく、排気ガス規制などへの対応もいち早く取り組むことで ⾃然と地球環境に⽬が向いていたように感じられます。 関わっている「桂川・相模川流域協議会」は、1992年の「地球 サミット」で採択されたアジェンダ21のローカルアジェンダと して「アジェンダ21桂川・相模川」を策定して発⾜しました。 河川は市⺠の共有財産であり、市⺠⽣活が河川に及ぼす影響を 考え、将来の市⺠に河川の恵みを引き継ぐ責務を感じています。

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3 SDGs持続可能な世界へ 桂川・相模川の果たす役割 注)「桂川・相模川流域協議会」の⾏動指針とSDGsの関りを⽰すため、 特に関連の深い⽬標のアイコンを付記しています。(関連する全ての⽬標をつけてはいません)

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• 1963年(昭和38年)にアメリカの建築家・思想家であるバックミンスター・フ ラーが提唱した※概念で、地球と⼈類が⽣き残るためには、世界のあらゆる出来事を 地球規模で⾒ることが⼤事であるとしています。 ※環境省HPでは、1966年(昭和41年)アメリカの経済学者 ボールディングが、地球を⼀つの宇宙船と⾒⽴て、宇宙船 は有限であり、内部で出す物質は宇宙船内部を汚染すると いう「宇宙船地球号」Spaceship Earth)の考え⽅を⽰したと 記載されている。 • 具体的には、地球は閉じた宇宙船と同じです。 限りある資源を有効に使い、閉鎖空間内の汚染も 禁⽌。特にエネルギー問題に関しては、蓄積され て有限の化⽯燃料ではなく、太陽や⾵、⽔など⾃ 然エネルギーを使うべきであると説明しています。 宇宙船地球号 私が初めて環境に関⼼を抱き始めた⾔葉でした

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国連環境開発会議(UNCED) • 1992年6⽉3⽇から14⽇にブラジルのリオデジャネイロで開催された環境と開発 をテーマにした国連会議。⼀般的に「地球サミット」といわれています。 • 当時のほぼ全ての国連加盟国172カ国の政府代表が参加し、そのうち116カ国は 国家元⾸が参加。NGO代表2,400⼈も参加するという⼀⼤イベントとなった。 • 背景として、国連設⽴(1945年)以来、主な議題が戦争・平和や経済開発、⼈ 権であったが、1970年代に⼊り環境問題が⼤きなテーマとなったことによる。 ※近年は各地で紛争が勃発し、主題が戻りつつあることが危惧されます。 地球サミット 所属する『桂川・相模川流域協議会』の発⾜に向けて

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地球サミットでの会議の成果 『桂川・相模川流域協議会』発⾜に向けて_① ・環境と開発に関するリオ宣⾔の採択 持続可能な開発に向け、地球規模のパートナーシップ構築を⽬指す。 リオ宣⾔と27原則で構成。リオ宣⾔を具体的に実施するルールを採択。 ・気候変動枠組条約の採択…制約のため、⼤気中の⼆酸化炭素濃度削減。 ・⽣物多様性条約の署名…⽣物多様性保全や構成要素の持続可能な利⽤。 ・森林原則⽣命の採択…森林の保護・育成を世界規模で協⼒する⽬的。 ・アジェンダ21の採択…リオ宣⾔に基づく持続可能な開発を実施するた めの各国政府が取るべき⾃主的⾏動計画(4分野40項⽬)が記される。 「桂川・相模川流域協議会」は、ここからスタートして、 「ローカルアジェンダ」を策定し、活動を推進しています。

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地球サミットでの伝説のスピーチ 『桂川・相模川流域協議会』発⾜に向けて_② 9歳でECO(⼦供環境NGO)を⽴ち上げ、地元の環境活動に取り組んで いた少⼥セバン・スズキが12歳のとき、「地球サミット」に⾃分たちで旅 費を集めて参加。最終⽇に本会議で得た6分間のスピーチは、後に「伝説 のスピーチ」として環境活動の象徴的存在になりました。 30年を経過した現在、彼⼥が冒頭に述べた「オゾン層破壊」は、フロン 等の破壊物質の世界的な規制で今世紀半ば には破壊前の量に回復する⾒通しと⾔われ ています。世界が英知を結集することの重 要な具体例を⽰しています。 しかしながら、状況のほとんどは変わる ことなく、彼⼥のスピーチがいまだに的を 射ていることは、本当残念なことです。

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👉 1998年1⽉『桂川・相模川流域協議会』発⾜ 富⼠⼭を源とし、⼭梨では桂川・神奈川では相模川と呼びます。 私たちは、桂川・相模川の将来像を、「時を超えて、清く豊かに 川は流れる」とイメージして活動をしています。 ・1995年から3年間⾏われた⼭梨県・神奈川県による 桂川・相模川流域環境保全⾏動推進事業をきっかけ に、市⺠、事業者、流域の⾏政、河川管理者などが 会員となり、1998年1⽉に発⾜しました。 ・清く豊かな桂川・相模川の多くの恵みを次世代に引 き継ぐため「アジェンダ21桂川・相模川」を推進 し、持続可能な発展を基調とした環境保全型社会を 築くことを⽬的としています。 (この取組が環境⽩書(1999年版)で紹介されました) ・現状に合わせた改訂を加え2022年3⽉に増刷版を発⾏。

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ローカルアジェンダ21の策定・推進のプロセス 地⽅公共団体の参加と協⼒

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アジェンダ21桂川・相模川を推進するために 基本理念 セクション1 実施主体 第1章 市⺠の参加と役割 第2章 事業者の参加と役割 第3章 ⾏政の参加と役割 第4章 流域協議会 セクション2 行動指針、行動計画 第5章 はじめに 第6章 良好な森づくりを進めます 第7章 多様な⽣物の共⽣を基本とします 第8章 ⽔質・⽔量の保全を進めます 第9章 散乱ごみや不法投棄のない地域及び、プラスチックごみ削減の地域づくりを⽬指します 第10章 開発事業や公共事業においても、環境の視点を重視していきます 第11章 市⺠、事業者、⾏政が連携し、「地域循環共⽣圏」の共創に取り組んでいきます 桂川 (⼭梨県) 相模川 (神奈川県)

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第6章 良好な森づくりを進めます ・財産である流域材を都市部とも連携して循環させる ・流域を基本とした地域森林計画などを策定します ・森林と⽔源の関連を市⺠に伝えます ・森林体験事業を⾏います 各章ごとの⾏動指針、⾏動計画 山梨県$%&'森林面積,推移 年0度 2345年 2335年 6555年 6525年 6565年 森林面積 789:8;5 784:794 789:956 789:<9; 789:834 神奈川県$%&'森林面積,推移 年0度 2345年 2335年 6555年 6525年 6565年 森林面積 3<:6<5 34:776 3<:82< 38:356 38:952 注AB森林面積,減少EFG建設等,開発M除OP平地林,減少$S'T,U 注6B2335年度,森林面積増加EP空中写真利用$S'精度向上等$S'T,U a山梨県林業統計書B a神奈川県地域森林計画B *林野庁:森林・林業⽩書より

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第7章 多様な生物との共生を基本とします ・⽣物の⽣息空間への影響を考慮 全国⼀⻫⽔質調査への参加、ウナギ⽣息調査など ・流域の⾃然環境の衰退 ⽀流・渓流調査、⽥んぼの⽣き物調査、湧⽔・地下⽔調査、 絶滅危惧種 カワラノギク保全活動 ・⽣物に親しむ河川敷と環境学習 相模川神川橋下河原での⽔がき養成講座、寒川の河原の⾃然で遊ぼうなど ⽣物多様性 相模原市 各章ごとの⾏動指針、⾏動計画

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はえ縄、ウナギ筒、⼿網による 調査(2018年〜2020年) 汽⽔域で⽯倉カゴによる定期的な モニタリング(2021年〜) 絶滅危惧種(ⅠB)に指定されたニホンウナギについて、相模川におけ る⽣息状況を明らかにし、ウナギの住処を保全するための基礎データを得 て、⽣息しやすい環境づくりにつなげる。 …次のスライドで「ウナギ調査」のYouTube動画が⾒れます

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⽯倉カゴによるウナギ等⽣息調査 YouTube動画でご覧ください

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絶滅危惧種 カワラノギク保全活動 国や県のRDBに掲載されている絶滅危惧種で、相模川と多摩川、⻤怒川 の⼀部に分布し保全活動がされている。 …次のスライドで「カワラノギク」のYouTube動画が⾒れます

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絶滅危惧種 カワラノギク保全活動 YouTube動画でご覧ください

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桂川・相模川流域の保⽔⼒向上を⽬的として、地下⽔利⽤、 湧⽔地点の定期的なモニタリングを⾏う。

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「⽔ガキ養成講座」 ⼿作りのタイヤ筏で⽔遊び 上流域の⼦どもたちが下流の川を訪れて、下流域の⼦供たちと⼀緒に⽔ 遊びを通じて川に親しみ、⽔辺の⽣き物の多様性を体験から学ぶ。 …次のスライドで「⽔ガキ養成講座」のYouTube動画が⾒れます 「川の⾃然で遊ぼう」 ガサガサで⽣き物調査

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⼦どもたちは⽔ガキになった YouTube動画でご覧ください

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下流域の⼦供たちが上流を訪れて、⽪むき間伐や伐採体験を通じて、⽔ を育む森林の⼤切さを体験から学ぶ。 …次のスライドで「⽪むき間伐体験」のYouTube動画が⾒れます 間伐による伐採体験 ⽪むき間伐の体験

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⽪むき、伐採による森林の間伐体験 YouTube動画でご覧ください

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第9章 散乱ごみや不法投棄のない地域及び、 プラスチックごみ削減の地域づくりをめざします ・使い捨てプラスチックの過度の使⽤抑制 ・市⺠、事業者、⾏政が連携してクリーン キャンペーンを⾏います やまなしマイクロプラスチック削減プロジェクトより 各章ごとの⾏動指針、⾏動計画 桂川#相模川&'()*+),()実績 可燃 不燃 23他 合計 789: ;<=89; 9:=>7; ;=>7< =7>9 ;>=9:> 789@ ;9==797 ;=778 <8=@?7 ;9=;A: 9=:A; 7879 A=A;; 7=>?< 9=878 :=97: A=<<; 7877 7;=>>; :=::< ;=<8< ;>=8<; 77=7<@ B最近<年間G活動実績JKL 年M度 OP回収量BTUL 参加者 B人L

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・河川に散乱する⼈間活動に由来する「⼈⼝ごみ」 ・流域から漂流・漂着、不法投棄(ポイ捨て)された散乱ごみ 河川敷内に不法な廃棄ごみ 海岸ごみの約7割と⾔われる川ごみを減らすために、桂 川・相模川クリーンキャンペーンを年間を通じて⾏う バーベキュー後の置き捨てごみ

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相模川河⼝で相模湾に流出する前のプラごみ拾い 桂川・相模川流域協議会の最下流域で活動する地域協議会が主催する 参加者:66名 ⼀般、家族で参加(7家族)、団体で参加(6団体)、⾏政など 収集ごみ:主にプラスチック中⼼に45ℓ袋換算で124個、他に⼟のう、タイヤなど ※2023年度はごみ清掃芸⼈の滝沢秀⼀⽒が主宰する「滝沢ごみクラブ」とコラボ

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相模川下流域河川敷での不法投棄ごみ対策として、市⺠と⾏政が共同で 定期的な清掃作業を⾏います。市⺠が草刈りとごみ拾い、集積したゴミを 地元の⾃治体や河川管理者が回収して処理します。 …次のスライドで「不法投棄ごみ清掃作業」のYouTube動画が⾒れます

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河川敷の不法投棄ごみの清掃作業 YouTube動画でご覧ください

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第10章 開発事業や公共事業においても、環境の視点を 重視していきます 新河川法に基づいて、2006年に「多⾃然川づくり基本⽅針」が通達される 「多⾃然川づくり」 河川全体の⾃然の営みを視野に⼊れ、 地域の暮らしや歴史・⽂化との調和にも 配慮し、河川が本来有している⽣物の⽣ 息・⽣育・繁殖環境及び多様な河川景観 を保全・創出するために、河川管理を⾏う。 各章ごとの⾏動指針、⾏動計画

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多自然川づくり) 👉 河川の整備作業では、⽣物多様性を考慮した 多⾃然川づくりを提案していきます

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第11章 市⺠、事業者、⾏政が連携し、地域循環共⽣圏の 共創に取り組んでいきます 【流域シンポジウム】 環境を保全し、次の世代に伝えるために、果たすべき役割を認識し実⾏ する⼀助として、上流域、下流域が交互に年⼀回開催する。 【会報誌 あじぇんだ113】 協議会の活動やアジェンダの推進について、市⺠等に広く周知するため、 会報誌「あじぇんだ113」を年2回発⾏する。 ※あじぇんだ113:幹線流路延⻑が113km、⽀流が113本といわれ、流域の広がりをイメージする。 【ホームページ運営事業】 活動を広げていくために積極的に情報発信を⾏い、資料の活⽤を⽬指し たアーカイブ化、デジタル化を⾏う。

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【流域シンポジウム】 第1回(1996年)〜第28回(2022年)

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【流域シンポジウム】 2023年度、テーマは「流域治⽔」です 命とくらしを守れるか 新たな⽔害対策 〜住⺠参加で考える流域治⽔〜 ⽇時:2023年11⽉25⽇(⼟)13:00〜16:00

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【会報誌 あじぇんだ113】 創刊号(1998年)〜第50号 表紙の写真は、上流域の桂川(⼭梨県)、 下流域の相模川(神奈川県)を交互に紹介

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【ホームページ公開】アーカイブ、タイムリーな情報提供と交流

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34 アジェンダ21 桂川・相模川の意義 アジェンダ21桂川・相模川は、河川流域を⼀つの地域として とらえたローカルアジェンダ21として位置づけています。 上流域と下流域、市⺠と⾏政の間には、まだまだ考え⽅の違い がありますが、流域の環境を保全し、持続的発展が可能な社会を 築いていくためには、⾏政だけではなく、市⺠や事業者など流域 に関わる全ての⼈々が、お互いの⽴場を尊重し、協⼒・連携して 継続的に取り組んでいくことで、⼦孫に誇れるような桂川・相模 川流域づくりを進めていく考えです。

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“最後までご覧いただきありがとうございました” カワラノギク保全活動 私と仲間たち