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© 2024 LayerX Inc. LayerXにおけるAI・機械学習技術の活用と展望 2024/05/29 JSAI2024 株式会社LayerX Naoto Shimakoshi(@nt_4o54) 2E4-IND-4-04: インダストリアルセッション4

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© 2024 LayerX Inc. 2 バクラク事業部 機械学習グループ Tech Lead/ 機械学習エンジニア 経歴 ● 2019/04 京都大学大学院 工学研究科 修士課程修了 ● 新卒では、事業会社でタクシー配車アプリに関する機械学習 システムの構築や、ライブストリーミングサービスにおける推 薦システム構築に携わる ● 現在 ○ 株式会社LayerX 機械学習グループ Tech Lead ○ バクラク事業部において、AI-OCRの改善や 新しい機械学習システムの構築を担当 ○ Kaggle Competitions Grandmaster 自己紹介 島越 直人(Naoto Shimakoshi) @nt_4o54

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LayerXについて Mission・事業

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© 2024 LayerX Inc. 4 ミッション

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© 2024 LayerX Inc. 5 なぜやるのか なぜやるのか 人口減少社会 人の生産性 “すべての経済活動を、デジタル化する” 日本社会の構造的課題 LayerXの課題認識 LayerXの事業/ミッションとのつながり 人口減少社会で起こる課題の解決を、ソフトウェアでサポートする お金の生産性 データの生産性 バクラク事業 Fintech事業 AI・LLM事業

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© 2024 LayerX Inc. 6 3つの事業 LayerXはミッション実現に向け、3つの事業を運営しています。

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© 2024 LayerX Inc. 7 3つの事業 LayerXはミッション実現に向け、3つの事業を運営しています。 本日は主にバクラク事業とAI・LLM事業について紹介

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© 2024 LayerX Inc. 8 バクラク事業:AIをコア技術としたプロダクトラインナップ バクラク事業について AI-OCRや検知技術などAIをコア技術とするバクラクシリーズを提供している。 法人カードでコスト削減  LayerXはムダ検出AI, 日本経済新聞 , https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC207AD0Q3A220C2000000/ ,(参照2023-2-28)

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© 2024 LayerX Inc. 9 バクラクシリーズラインナップ 稟議・支払申請・経費精算 仕訳・支払処理効率化 法人カードの発行・管理 帳票保存・ストレージ 帳票発行 * 経費精算のSlack連携は申請内容の通知のみ ・AIが領収書を5秒でデータ化 ・スマホアプリとSlack連携あり ・領収書の重複申請などミス防止機能 ・AIが請求書を5秒でデータ化 ・仕訳・振込データを自動作成 ・稟議から会計までスムーズに連携 ・年会費無料で何枚でも発行可 ・インボイス制度・電帳法対応 ・すべての決済で1%以上の還元 ・AIが書類を5秒でデータ化 ・あらゆる書類の電子保管に対応 ・電子取引・スキャナ保存に完全対応 ・帳票の一括作成も個別作成も自由自在 ・帳票の作成・稟議・送付・保存を一本化 ・レイアウトや項目のカスタマイズも可能

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© 2024 LayerX Inc. 10 AI・LLM事業:昨年4月にLabs設立、11月に本格的に事業化へ AI・LLM事業について LayerX、生成AIの専門組織 新規事業を準備 , 日本経済新聞 , https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF03AQE0T00C23A4000000/ ,(参照2023-4-4)

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© 2024 LayerX Inc. 11 LLMの汎用性による新たな可能性 事業化の背景

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AIとLayerX LayerXがAIを活用して成し遂げたいこと

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© 2024 LayerX Inc. 13 ● ChatGPTを始めとしたアイデアから生まれた体験を、「AI-UX」(AIを前提とした理想のUX)と呼ぶ ● AI-UXは、「AIを前提とした理想のUX」を作るために、AIだけでなく、AI以外のあらゆる手段も総動員 する ● AIを知り尽くした上で、何のタスクを、どう解くかをデザインし、体験に落とし込む。どこでAIを使い、ど こであえてAIを使わないかを、全体の体験としてどう落とし込むかが鍵(ソフトウェアとデザインの総合 格闘技戦) ● AI-UXはマーケティング、営業、カスタマーサクセス、サポートなどビジネス組織にも変化を及ぼしてい く ● 洗練されたAI-UXで、ユーザーの体験を再構築していくことをAX(AI Transformation)と呼ぶ AI-UXとAX(AI Transformation) 2024年の注力ポイント 日経COMEMO「AI-UXとAX(AI Transformation)というLayerXの挑戦」より

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© 2024 LayerX Inc. 14 業務そのものをなくす(powered by AI-UX) AIによる業務のre-design 紙の台帳管理・記帳 SaaS第1世代 AIによる自動化 クラウド (インターネット) 紙 AI 入力レス・自動化 どこに入力するかが変わっただけで業務の本質は変わっていない 業務そのものをなくせる LayerXはここにBet! オンプレ業務システム オンプレ (コンピュータ)

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© 2024 LayerX Inc. 15 目指す未来 システム システム AI ・・・ 領収書の写真を撮ったら 全て入力される 領収書を見ながら、 金額、社名などを手入力... 出張の手配は全て自分でし 申請も全て自分で入力... カレンダーの出張予定を見て 最適な旅程を提案→決済 カレンダー, システムの履歴 から自動で勤怠を作成 勤怠を自分で振り返り、上長 承認のためのシステム入力... 削れる費用をサジェスト、 最適な働き方を提案 システムに溜まったデータを分 析し、費用削減プランを実行... 人がシステムに合わせて仕事 入力は自動化、データからサジェスト 人がシステムに合わせる → システムが人に合わせる システムはデータを入れる箱 システムは人を助けるアシスタント

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© 2024 LayerX Inc. 16 文書・画像データから 業務体験を改善するための価値を創出する LayerXにおけるAI活用の全体感

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非構造化データから構造化データの抽出 AI-OCRやLLMを用いた項目抽出

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© 2024 LayerX Inc. 18 企業間の取引や企業内の日常業務に使用されるデータ LayerXで扱うデータ バクラク事業 請求書処理・経費精算・稟議申請・法人カードなどの 支出管理を一本化。 企業間の取引に使われるありとあらゆる書類を扱う。 AI・LLM事業 これまで単体では事業が成立しなかったニッチな書類 に対する業務の効率化。 思考力・集中力が必要なドキュメントワークをLLMで代替。 

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© 2024 LayerX Inc. 19 AI-OCRによる経理業務に必要な項目の抽出 バクラク事業における項目抽出 請求書や領収書などの帳票に記載された項目(支払期日や支払金額、取引先名など)を抽出。 ● 帳票のフォーマットは多種に渡り、 目視で必要な項目を探すのは手間がかかる ● ミスが許されないため、ダブルチェック等の 確認作業にも追加でコストが必要 ● 色塗りをすることで、AIが間違った際の 「気づきやすさ」などの体験を設計

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© 2024 LayerX Inc. 20 契約・購買稟議項目 ・・・ 購買理由 契約書情報 契約先情報 購買金額 契約期間 締結方法 予算コード 前回稟議 得意先コード 郵送先住所 押印有無 印鑑種別 既存の機械学習ベースのAI-OCRでは解決できない課題 既存の機械学習ベースのAI-OCRではすべての項目には対応不可 契約書 見積書 前回稟議情報 自動読み取りが 難しい 機械学習ベースの AI-OCRで自動読取 ? 多種多様な項目ごとに十分なデータが蓄積されない ソースとなる書類・帳票も複数あり複雑性が高い

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© 2024 LayerX Inc. 21 LLMを用いた複数の書類から任意の項目の情報抽出 既存の機械学習ベースのAI-OCRでは解決できない課題 十分な精度がでない場合やハルシネーションを考慮した体験面(AI-UX)の設計は必須 ソースとなる関連する情報を特定する部分も技術的なチャレンジ 契約・購買稟議項目 ・・・ 購買理由 契約書情報 契約先情報 購買金額 契約期間 締結方法 予算コード 前回稟議 得意先コード 郵送先住所 押印有無 印鑑種別 契約書 見積書 前回稟議情報 LLMが任意の稟議 項目を自動抽出 機械学習ベースの AI-OCRで自動読取

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© 2024 LayerX Inc. 22 「知的単純作業」 AI・LLM事業で解決したい課題 ドキュメントワークの多くは、思考力・集中力が必要であり、その業界・業務の専門性が必要である。 一方、正解が決まっていてクリエイティビティがなく、「早く終わらせる」以外に差別化が乏しい。

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© 2024 LayerX Inc. 23 LLMによる非構造化データから構造化データの抽出 AI・LLM事業における項目抽出 LLMでは従来のプログラムでは複雑すぎて作り込みきれない文書処理にも対応できる

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© 2024 LayerX Inc. 24 AI・LLM事業における項目抽出 アセットマネジメント・証券領域など、いわゆる専門性が高い領域における知的単純作業の置き換え LLMを活かしたプロセスリデザインによる生産性向上

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構造化データを利用したAIシステム AI-OCRやLLMで抽出した構造化データの履歴データを活用

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© 2024 LayerX Inc. 26 書類単体の情報だけでは解決できない課題 項目抽出だけでは解決できない課題 経費精算時必要となる情報 立て替えをした日 立て替えした金額 立て替え先のお店情報 社内ルールに基づいた区分 飲食の場合、出席者情報 ・・・ 領収書からは得られず、各社独自のルールに基づく入 力項目のため、依然として手入力が存在 機械学習ベースの AI-OCRで自動読取 書類以外のソースや履歴データを参照した上で解決する必要がある

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© 2024 LayerX Inc. 27 構造化データを利用した事例① 内訳の選択 経費精算時に、従業員の方は「その経費精算がどの内訳に対応するか」を選択しなければいけない。 各社ごとに自由に設定できる値なので、単純に「この領収書ならこの内訳」という解き方はできない。 経費精算時に従業員が分かりやすいように 会社ごとに名前をつけたもの 経理の方が経理業務で使用する 法律で決まっている値

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© 2024 LayerX Inc. 28 構造化データを利用した事例① 内訳推薦 過去に「どの取引先で」「どういう内訳を選択してきたか」の履歴データを利用することで実現。

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© 2024 LayerX Inc. 29 構造化データを利用した事例② 領収書とカード明細の紐付け 法人カードの明細と経費精算で提出される大量の領収書を突合する必要がある 紐づかない領収書もあるため、非常に負荷のかかる作業

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© 2024 LayerX Inc. 30 構造化データを利用した事例② 領収書とカード明細の自動マッチング 「カード明細で出力される値」と「領収書からAI-OCRで抽出した値」を用いることで、 自動的にマッチングを行う

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その他のAI活用 LayerX SalesPortalの紹介

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© 2024 LayerX Inc. 32 社内向け営業ツール LayerX SalesPortal プロダクトのオンボやセールスの生産性向上のために、チャットツールや商談分析ツールを内製しています

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今後の展望 お客様が本当に欲しい値を抽出する

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© 2024 LayerX Inc. 34 本当に解きたい課題 例1 支払期日として2021年2月28日(日)を検出 顧客「実際に支払うのは平日の26日(金)だから変更しないと!」 例2 支払金額として500,000円を検出 顧客「実際に支払うのは源泉税10.21%を差し引いた448,950円だから変更しないと!」 例3 電子帳簿保存法観点では領収日(カードで支払った日)を取りたいが、 経費精算観点では計上日(新幹線に乗車した日)を取りたい。 お客様が本当に欲しているのは「実際の運用に即した値」 項目抽出をするだけでは、お客様の「本当の課題」を解決できない

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© 2024 LayerX Inc. 35 機械学習とルールベースやUXを組み合わせたアプローチ AI-OCRの課題へのアプローチ 帳票ファイル (画像・PDF) 支払期日 支払金額 2021/02/28 取引先名 500,000 株式会社テンプレ 帳票に記載の 項目ごとの値 支払期日 支払金額 2021/02/26 取引先名 448,950 株式会社テンプレ 帳票に記載の 項目ごとの値に基づく 実際の運用に即した値 ルールベースやプロダク トの体験(UX)で実現 機械学習で実現 ● 帳票に記載の項目ごとの値 ○ 大量に蓄積された顧客の利用データやアノテーションデータを用いて学習された機械学習モデル を利用 ● 実際の運用に即した値 ○ 「帳票に記載の項目ごとの値」と異なる場合は、ルールベースやプロダクトの体験(UX)でカバー

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© 2024 LayerX Inc. 36 ルールベースやUXだけでは解決できない課題 その先の課題 同じ帳票に対してもお客様のコンテキストによって解釈が異なることがある ● 例) A社に対するX円のB銀行への振り込み明細書という書類 ○ パターン1:A社に対してX円支払ったことを証明するための書類として使いたい ○ パターン2:B銀行に対して振り込み手数料を支払ったことを証明するための書類として使いたい ● 同じフォーマットの帳票なのに両方の学習データが入ることになり、ラベルノイズになる。 「どういうシチュエーションで」「どういうコンテキストの値」を選んでいるかの情報を蓄積する必要がある。 ● アノテーションの仕方、ユーザのデータの貯め方などなど、ドメインにDeepDiveしながら 多角的に解決していく。 ● 現状、ルールベースやお客様が設定しなければいけない部分も自動化し、Wowを届けていきたい。

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まとめ

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© 2024 LayerX Inc. 38 「AIを前提とした理想のUX」であるAI-UXを探究し、人がシステムに合わせる時代からシステ ムが人に合わせる時代へとユーザーの体験を再構築(AX: AI transformation)する まとめ LayerXにおけるAI・機械学習技術の活用と展望についてご紹介 ● AI-UXを実現するために、経済活動で使用される書類などを起点に、多種多様な機械学習技術とルー ルベースなどを組み合わせ、お客様の体験を向上させるプロダクトを展開しています。 ● バクラク事業 ○ AI-OCRによる項目抽出 ○ 構造化データを利用した内訳推薦や証憑マッチング ● AI・LLM事業 ○ 「知的単純作業」をLLMのワークフローに置換する

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© 2024 LayerX Inc. 39 現役の機械学習エンジニア等が業務内容やサマーインターンなどについてお話しします 企業展示 気軽にブースに遊びに来てください (企業ブース 39番) AI-OCR のデモも してます!

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ご清聴ありがとうございました