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updated 定期的な対話を反復することで プロジェクトをみんなで推進するフレームワーク Project Sprint PMI月例セミナー 2023年08月 株式会社コパイロツト 定金 基 / 賀川 奈那実 2023.08.18

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目次 2 はじめに 1 登壇者の自己紹介・株式会社コパイロツトとは アイスブレイク 2 3 3分 5分 7分 講義:プロジェクトスプリントとは?背景や原理編 4 25分 ワークショップ:気づきトリアージ 講義:プロジェクトスプリントとは?実践編 5 6 35分 25分 質疑応答 7 10分

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はじめに 3

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4 プロジェクトは大きく分けると2種類に分類される 予測型と適応型の2種類があるが、両者の間でハイブリッドも存在する。 また、プロジェクトのフェーズによって使い分ける必要がある。 予測型(ウォーターフォール) 完了期日が決定しており、最終仕様が開発途中で変更 されないなど、緻密な計画の元に開発する手法 適応型(アジャイル) イテレーション(反復する短い期間単位)を採用し、 継続的に機能を追加していく、適応的に開発する手法 企画 要件定義 設計 実装 テスト 完全 納品 計画 設計 実装 テスト 計画 設計 実装 テスト 計画 設計 実装 テスト 部分 納品 部分 納品 部分 納品 部分リリース 部 分 リリース 部 分 リリース どちらも 必要

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登壇者の自己紹介 5

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登壇者自己紹介 株式会社コパイロツト 賀川 奈那実 / カガワ ナナミ コパイロツトの情報発信や SuperGoodMeetings のカ スタマーサクセス/サポート、さまざまな企業のプロ ジェクト推進最適化支援を行う。より多くの方がプロ ジェクトを通じて自分らしく活躍できるような場づく りなどを日々探求中。 クラウドサービス|SuperGoodMeetings カスタマーサポート・サクセス 共創型コミュニティ|Co-Park プロジェクトリード 6 株式会社コパイロツト 定金 基 / サダカネ モトイ 1975年 岡山県出身 東京都在住。 在学中は生物工学を学び、食品・薬品の原料工場 のエンジニアとしてプロジェクトマネジメントを 実践。インターネットの可能性を感じ、2005年に コパイロツトを創業。デジタルとプロジェクトマ ネジメントの実践に取り組み続けている。 定例会議でプロジェクトを推進する フレームワーク|Project Sprint コミッター クラウドサービス|SuperGoodMeetings サービス責任者 MITテクノロジーレビュー日本語版 エグゼクティブプロデューサー

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株式会社コパイロツト とは 7

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コパイロツトとは 多種多様な目的やメンバー構成のチームにおいて プロジェクトを推進するため、 「コパイロツト(副操縦士)」を2005年に設立しました。 デジタル領域や新規事業開発のサポートをしながら、 プロジェクト推進できるチーム・組織づくりを プロジェクトチームと一緒に目指します。 8

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コパイロツトの使命 プロジェクトの推進をサポートすることで、 自分の能力を活かして楽しく働く人を増やす 9

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コパイロツトの提供しているもの コパイロツトはプロジェクト推進に特化した サービスのみを提供しています。 わたしたちは「ウェブサイトや映像を制作する」「システムを開発する」 「広告枠を販売する」などの機能を持っていません。 具体的な納品物を提供するビジネスモデルをもたない私たちだからこそ、 シンプルに目的に向き合うことができます。 プロジェクトリーダーに寄り添いながら、プロジェクト推進のために、 最適な意思決定のサポートをしています。 10

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私たちのサービスの 2つのアプローチ ナレッジマネジメントによる 環境構築・改善支援 メソッド・クラウドサービス 活用によるプロセスアドバイス プロジェクトメンバーとして 業務を直接支援 Project Knowledge ! Method+Service リーダーサポート ナレッジマネジメント メソッド・クラウドサービスの活用 プロジェクトの目的達成を支援する 進化し続けるプロジェクトの目的に追従しながら、 チームといっしょにゴールに向かって推進する プロジェクト推進の仕組み化を支援する メンバー全員でプロジェクトを推進する習慣を定着していくために、 プロジェクトの進め方そのものを最適化していく取り組み Project Success Project Enablement 1 2 11

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コパイロツトの4つの役割 Project advice Knowledge Method 12 COPILOT member プロジェクトリーダーに寄り添いながら、プロジェクト推進を4つの役割でサポートします。 1 2 4 3 Project Leader プロジェクトリーダー支援■ プロジェクトの方向性や目的・目標の策定をプロジェクト リーダーと同じ目線でサポートします。 1 プロジェクト管理支援■ プロジェクトの目的・目標達成、 Scope・Cost・Deliveryの最適化にコミットします。 2 プロジェクト推進アドバイス■■ 俯瞰した目線で、プロジェクトのプロセスや体制に アドバイスを行います。 3 ナレッジ活用支援■ 質の高いプロジェクト運営・チームの成長に資する ナレッジの活用サポートを行います。 4 Project Success Project Enablement

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プロジェクトをどのようなものとして捉えるか 3 グラウンドワーク 定常業務 定常業務 戦略・ プログラム 仮説探索 【企画】 計画実行 【実装】 プリプロ ジェクト 【設計・計画】 ウォーターフォール(一般的プロジェクト) 定常業務 価値の創出 価値の実現 価値への変換 コンセプト 問題 設計図 アイデア ひらめき プロジェクト 成果物 組織運営 【成果物運用】 計画ドリブン ニーズドリブン 価値の創出と実現 解決策 計画 設計 実装 試験 運用 計画 設計 実装 試験 運用 計画 設計 実装 試験 運用 アジャイル 【構想】 運用しながら仮説検証【反復的・漸進的な推進】 プロジェクトを実践の繰り返しと捉え、実践結果によりフィードバックを行うことで、 変化し続ける目的に追従し続けるものとする。 13

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組織と外部支援者との関係の分類(エドガーシャイン) 14 パワー関係 不均衡 均衡 処 方 へ の 関 与 あ り 医師-患者型 問題を抱えたクライアントが外部者に問題 の発見と処方を依頼。問題の指摘+問題へ の処方の提示。 例:一般的コンサルティング、採用支援企 業など プロセス・コンサルテーション型 クライアントが自ら問題を明らかにし、自 らの処方を導き出すことを外部者が支援。 問題と処方をクライアントが自ら導けるよ うにする。 な し 専門家型 問題を抱えたクライアントに対して専門家 として情報やサービス提供を依頼。問題の 指摘のみ。 例:調査依頼、実証研究者との多くの共同 研究 合わせ鏡型 クライアントが自らの組織(経験的世界) を理解することを外部者が支援。クライア ントとともに問題の発見を行う。問題の処 方への関与はなし。 ※組織行動論の考え方・使い方 P.251 より引用

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サポートの対応領域 15 組織・フェーズを横断して、 トータルにプロジェクト推進をサポートします。 新規事業の 立ち上げ・推進 業務・組織システム の改善・仕組みづくり デジタルマーケティング/ DX推進 ● プロジェクトがうまく推進できない ● 組織運営に必要な仕組みが構築でき ていない ● 社内にファシリテーターがいない ● 組織にナレッジが蓄積されない ● 何からはじめたらよいか分からない ● リサーチをしているが前に進まない ● 構想はあるが進め方がわからない ● 外部パートナーを活用したいが、 あてがない ● アプローチをデジタルに移行したい ● マーケティングをデジタル化したい ● デジタルによって組織を変えたい

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プロジェクト推進を汎用化するための取り組み 16 多様性のあるメンバーのチームが、 不確実性の高い環境・状況において、 複雑なアウトプットのためのプロジェクトを 推進するためのメソッド。 ミーティングをマネジメントをすることで プロジェクトを推進するクラウドサービス。 Project Sprint 実践を支援する機能を持つ。 いままでの業務のなかで積み上げてきたプロジェクト推進の実践知を元に 汎用的なメソッドとしてまとめ、オープンソースとして公開しています。 さらに、メソッドを利用しやすくなるクラウドサービスを提供しています。 プロジェクト推進の研究開発・コミュニティもオープンに運営しています。 https://www.projectsprint.org/ https://supergoodmeetings.com/ クラウドサービス メソッド 研究開発・コミュニティ プロジェクトを推進するための 実践的な方法論やプロジェクトチームのあり 方を研究するコミュニティ。 https://quest.projectsprint.org/ Project Sprint Quest

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メソッド考案の経緯 17 私たちの2005年からの実践知から積み上げてきたもの

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メソッド考案の経緯 定例ミーティングを活用してプロジェクトを推進する 私たちコパイロツトは、様々な業種業態・サイズのプロジェクトの プロジェクト推進役として2005年からサポートしつづけている会社です。 プロジェクトが推進した成功事例を集めてみると ミーティングの進め方が大きく関与していることがわかりました。 その経験を「Project Sprint」というメソッドとして公開しています。 オープンソースの形態をとり、コパイロツトがメインコミッターとなって 多様なメンバーとアップデートを行っています。 変化の激しい社会におけるプロジェクト推進は困難になります。 私たちのメソッドを活用いただくことで、 プロジェクトを推進できるチームが溢れることを願っています。 18

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なぜプロジェクトの推進は定例会議が解決策になり得るのか? 19 チームで成長するために 行動習慣をつくりやすくする 個人の自律的活動をチームに 意味づけやすくする 定例会議により、同じ期間・プロセスの 活動と対話を生み出すことが可能である プロセスを標準化して、 改善しやすくする 予期せぬプロジェクトの 変化を吸収しやすくする 失敗を許容できるサイズまで小さくした 実験を繰り返し、結果を検証しながら進める プロジェクトは社会の変化の速さにより予測できなくなってしまった 多様なスキルを持つプロジェクトメンバーの 自律的な活動によって進める プロジェクトを進める新しいアプローチが必要になってきた リーダー シップ研究 シェア・リーダー シップ プロジェクト マネジメント PMBOK 7th プロジェクトは設計された定例会議があればうまくいく事例が増えてきた 組織運営 Holacracy (ティール組織) ソフトウェア 開発 Scrum (アジャイル)

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アイスブレイク 20 チームの自己紹介と今日の期待をMiroに記入ください

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アイスブレイク みなさんにも自己紹介をしていただきつつ、今日のイベントに期待していることを共有い ただきたいと思います! ● 4人1組のグループに分かれてアイスブレイクの時間(5分間)を持ちます ○ 1分間 ■ ご自身のお名前と今日のイベントに期待していることをMiroの付箋に記入 ○ 4分間 ■ 簡単な自己紹介と記入したイベントに期待していることを共有 21

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アイスブレイク 22

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Project Sprint の前提 プロジェクトとその周辺の用語の定義 23

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Project Sprint ではプロジェクトを新しい観点でながめる この世には絶対的な真実・真理がある 主体は正確に観察・分析することで真実・真 理を知り、それを他者と共有できる。事象を 正確に観察すれば、精緻に分析できる。 モノの見方・認識は、主体と客体の相互依存 関係の上で成立する 認識上のフィルター(コンテクスト)を通じ てしか事象を認識できず、誰もが固有のフィ ルターを持つので共有は難しい。 参照元:世界標準の経営理論 入山章栄 著 活動の全てが影響を及ぼし、 行動によってのみ認識できる 24 Project Sprint のスタンス

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Project Sprintにおけるプロジェクトのとらえ方 実証主義的なプロジェクトの捉え方 プロジェクトは、組織などプロジェクトを定義し ている外部(組織など)から組成することができ て、常に観察可能であり、事前に期待された結果 を出すと信じられているもの。 25 相対主義的なプロジェクトの捉え方 プロジェクトは外部から予測も観察もできないた め、メンバーのものとして定義する。メンバーは 制約を考慮し、実行可能だとおもえる成果を描 き、ステークホルダーと調整を行う。 所与の条件を与えられ、チームメンバー がその条件を満たすために活動する。 プロジェクトや個人において共通の認 識を持てないし、予測もできない Project 制約・前提 Project プロジェクトの成果は 「事前に期待されている」 プロジェクトの成果は 「メンバーの自己決定」 ステークホルダー との交渉 Project Sprint のスタンス

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適応型とリーダーシップ これからのプロジェクトのリーダーシップはどうあるべきか 26

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プロジェクトが進むとリーダーが抱える問題が増えるのは仕方がない 27 問題 1 解決手法の範囲が広がり様々なスキル ・知見・経験が必要になってくる。 問題 2 プロジェクトは少人数で始まるため、 リーダーが相反する役割を兼ねる。 問題 3 プロジェクトの不確実性により、予期 できず、困ったらリーダーが埋める。 リーダーの対応する業務領域が 徐々に幅広くなる リーダー/マネージャーの 二つの人格を往復する リーダーの稼働が 事前に見積もりしづらい プロジェクトはうまくいけばいくほど、 リーダーが対応してがんばらざるを得ない状況になってしまうのは、 社会環境やプロジェクトという活動の性質上、 避けがたい構造になっています。 リーダーが奮闘して気合でがんばらざるを得ない状況 💦 ※問題の詳細は参考資料を参照ください

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28 プロジェクトは状況によって捉え方やリーダーシップを変える必要がある 予測型 適応型

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29 自律的である、リーダーシップがシェアされている状態とは リーダー・フォロワー の入れ替わり プロジェクトや各メンバーの状況に合わせ、 各メンバーがリーダーシップを発揮している状態。 リーダーシップの3タイプ リーダーが一方的にメ ンバーに影響力を及ぼ す リーダーとメンバーの 双方向で影響力を及ぼ しあう リーダー・メンバー同 士で双方向の影響力を 及ぼしあう 引用:シェアド・リーダーシップ チーム全員の影響力が職場を強くする 石川 淳 中央経済社 ※ここで「リーダーシップ」は「チーム の目標を達成するための他のメンバーに 及ぼす影響力」という意味で使用される

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Project Sprint の原理 30

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プロジェクトが推進する Project Sprint の構造 31

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プロジェクトが自律的に進むには 3つの仕組みが必要 32

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33 Project Sprint のシステムに必要なプロジェクトの3つの仕組み 活動 定例会議 短期・定期・反復 サイクル アジェンダ ③定期的に改善し つづける仕組み ①定例会議と活動で 推進しつづける仕組み タスク ②共通了解をつくり つづける仕組み プロジェクトチーム プロジェクトストーリー メンバーの役割・期待値 + 改善

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プロジェクトが自律的に進むには 対話と活動が必要 34

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Project Sprint のシステム 反復的(定期サイクル)な活動と対話を繰り返すことで、チームメンバーが自律的な活動 をしやすい環境をつくり、結果として変化に適応しながらプロジェクトは推進する。 35 出力 作成物 1. 自分の納得している行動を起こす 2. 作成物をつくり、違和感やひらめきを得る 3. 次の対話に向けて準備をする 1. プロジェクトの現状を把握する 2. チームが活動すべきことを洗い出す 3. 次の対話までに行動すべきことを決める 活動パート  チームメンバーが自分が納得している活動を 行い、作成物をつくり、その過程で様々な気 づきを得て、対話の準備をする。 対話パート  活動報告(作成物)をみることでプロジェク トの状況を把握し、次の対話までに活動すべ きことに納得できるようにする。 短期で反復的(定期サイクル)な活動と対話を繰り返し、継続的にシステムを改善する 気づき 違和感・ひらめき

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プロジェクト 活動の重要性:プロジェクトが進むためには何が必要か? プロジェクトが進むということは、チームメンバーがプロジェクトの成果につながる作成 物を出力する活動を行うこと。その活動から得られる情報を活用して、プロジェクトを理 解・改善することで、よりよい次の活動につなげることを繰り返す。 作成物 36 各メンバー独自の観点で プロジェクトをよりよく するために昇華すべき問 題・アイデアを活動より 得る 小さな出力が積み重なり 成果となってプロジェク トが活動と作成物により 漸進的に進む 活動 プロジェクトの成果に寄与する出力 プロジェクトを良くする「気づき」 気づき (違和感・ ひらめき)

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対話 活動 対話の重要性:活動の意味は、自分自身も後からでしか把握できない ● 「意味はしばしば事前的ではなく事後的だ」 「自分の思考は話してみないとわからない」 (組織理論家 カール・ワイク 『組織化の社会心理学』文眞堂) ● 言葉を発すれば、私自身の存在を他人に解き明かすのと 同じように、私自身にも解き明かすことになる。言った ことのなかで、他人の姿が私の目にも明らかになるのと 同じように、私自身の姿も私の目に明らかになる。 (哲学者 アラン 『感情 情念 表徴』千野帽子 訳 ) ● 「後からきたものが先になる」と言われることは、作品 が完成したという判断が訪れる時、必ず自覚されること である。このあらかじめ予定されていたものの理解は、 作者自身にとってさえ決まって最後にやってくる。 (作家・批評家 岡﨑乾二郎 『視覚のカイソウ』ナナロク社) 行動の結果である出力を用いた対話をおこなうことで、 自分の行動のプロジェクトにおける意味を自分でも初めて認識できる とにかく取り組んで動かしてみること、実験が大事。 出力 作成物 37

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①定例会議と活動で推進する仕組み 38 プロジェクトがチームによって自律的に進む定例会議の仕組み 活動 定例会議 短期・定期・反復 サイクル アジェンダ ①定例会議と活動で 推進しつづける仕組み タスク

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②対話によって、プロジェクトの現状を理解し、 自分たちの実践してきた行動を認識して意味づける プロジェクト ストーリー ③ストーリーを更新し、 みんなで納得する ①これでよい!と おもえることをやってみる ④それぞれのメンバーが 次の行動を考えて実行する Project Sprint のプロジェクト推進プロセス 39 出力 作成物 活動パート 個人行動 (チームメン バー個人) 対話パート 定例会議 (プロジェク トチーム)

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PMBOKによるプロジェクトのプロセス定義 初期フェーズ 中間フェーズ 最終フェーズ 開始 開始 開始 開始 終了 終了 終了 終了 作業量 時間 開始 終了 立上 計画 実行 終結 監視 監視・コントロール 40 プロセス 立上→計画→実行→終結 プロセス 立上→計画→実行→終結 プロセス 立上→計画→実行→終結 プロジェクトの不確実性に より予測はできない。 プロジェクトを捉えるには 定期的にチェックするしか ない。

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各個人 活動の実践 最終 ゴール プロジェクトが進む定例会議の構造 チームがストーリーに納得し、活動が自律的になり、さらに改善し続ける。 その仕組みとなる定例会議を開催することでプロジェクトは推進する。 定例会議 #6 定例会議 #7 定例会議 #8 議題 議題 議題 議題 議題 議題 各個人 活動の実践 中間ゴール 各個人 活動の実践 各個人 活動の実践 議題 議題 議題 各メンバーがそれぞれ活動し、 必ず作成物をつくる 中間ゴール 中間ゴール メンバー同士の期待値を元に、 次の会議までの活動を決める 自らアジェンダを提案し、 ストーリーを意識して対話する 作成物 41 プロジェクト ストーリー

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③定期的に改善する仕組み 42 チームメンバー全員の目線を使って、プロジェクトを定期的に改善し続ける 活動 ③定期的に改善し つづける仕組み + 改善

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定期的に改善する仕組みを導入する意義 43 プロジェクトの様々なアイデア・問題を メンバー全員で洗い出し、定期的に改善する。 プロジェクトの具体的な進捗だけではなく、プロジェクトの推進する仕組みや、チー ムの状態など、様々な観点で改善し続けることでプロジェクトの変化にチームは適応 しなければならない。そのためにはメンバー全員の目線を用いて定期的に改善するア クションが必要になる。 現在 過去 ふりかえり 気づき 続けたいこと ひらめき 違和感 改善したいこと Project アイデア・問題を 個人からチームのものにする

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継続的改善アプローチの実施タイミング 44 フェーズ1 フェーズ2 フェーズ3 1ヶ月 定例会議 C A B 対象期間 過去 現在 目的 過去の個人の経験を顕在化し、アイ デア・問題をチームで昇華する いまの気づきに対して各メンバーが 次の行動を提案する 機会 定期的 A. 毎月1回 C. 定例会議のたびに スポット B. フェーズ終了・内容変更など、プ ロジェクトの意味的区切り 誰かが気づきを感じた時 進め方 KPT+A / YWTなど(30分〜) 気づきトリアージ(10分〜)

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K P テーマ T A 過去:ふりかえり:KPT+A 45 前回のKeep, Problem, Try, Actionを 確認し、必要であればテーマを決める 05分│05分 Keep(続けたいこと、いいこと)と Problem(問題点、不満)を記入 (個人ワーク) KeepとProblemを共有する Try(改善や工夫をしたいこと) を記入(個人ワーク) Tryを共有する Tryを選択し、Actionを決める 10分│20分 05分│25分 10分│35分 5分│40分 05分│10分 ① ② ③ ④ ⑤ ⓪

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現在:気づき:気づきトリアージ実践例(ホワイトボードツール) 各メンバーが付箋にテンションを書き込み1枚づつ処理を行う。 回答の選択肢をあらかじめボードに掲示しておくと行動の提案がしやすくなる。 46

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ワークショップ 気づきトリアージ 47

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助言プロセス 48 気づきトリアージや会議の進め方などのコアにある 自律型組織で活用されている意思決定モデル

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これなら違和感 が解消しそう ティール組織(ホラクラシー):助言プロセスの構造 テンション を挙げる 自ら提案に 変換する 実施 意思決定 フェーズ 目的 違和感の可視化 実行して違和感を解 消する 提案に取り組むかどうか を判断する これ気になるなあ 分析・計画・助言に より提案を更新する テンションを自分の納 得する提案に変える 助言 相談 助言を反映した提案をつ くり判断する(一番影響 をうけるひとも考える が、基本はテンションを あげたひとが決める) みんなでやろう よくなりそう 問題や機会に 気がついてテンショ ンをあげる 関係者・専門家・影響を受 けるひとから助言をもらう 担当者が提案を もとに実施する なるほど、 それよさそう 提案 α 自分がこの提案でチー ムが後退しない!と信 じられたら進めてよい 提案 β 施策 タスク リスト 助言を受ける 自分の違和感解消の ために提案にする 助言をうけて提 案を更新する 助言をすべて受け入 れる必要はない テンション 違和感・ひずみ 作成物 活動 テンショントリアージ これでチームが よりよくなる! 提案 49

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助言プロセスを活用した会議の進め方 ファシリテーションとは 50 一般的な定義と、2つの役割の分解

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【確認】 決め方の決定 ファシリテーション全体像:すべてはメンバーが納得する決定のためのプロセス ②発散 受け止めて引き出す ③収束 かみ合わせて整理する ④合意形成 まとめて分かち合う 共同意欲の創出 話しやすさの醸成 目的 ①環境づくり 場をつくりつなげる 全体感の整理 論点の絞り込み 対立意見の対処 納得して決定される コミュニケーション 右脳系・対人系 インタラクション 左脳系・論理系 傾聴・応答 観察・質問 構造化・可視化 ロジカル/システムシ ンキング コンフリクト マネジメント 考えやすい環境 決定への納得 右脳・左脳 両方 【確認】 目的とゴール 理解と共感 網羅的にすべて 幅広い論点 【確認】 目的とゴール 安心と安全 51

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ファシリテーション(facilitation)とは ゴール達成のために人の能力を引き出す 外面的プロセス 内面的プロセス 段取り、進行、プログラムなど メンバーの心理面や思考面など 人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りをすること。 集団による問題解決、アイデア創造、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進する働き。 52 プロセスや活動を容易にする 成果の質的向上(ファシリテーション) プロセスの最適化(モデレーション) 議論による成果の質を向上させることで、プロジェ クトの成果をより良いものにする 議論による成果の質を下げることなく、進行の時間 を維持することで、みんなの時間を守る 2つの役割に分解 質の向上サポート:会議の参加者全員からの助言 進行のサポート:モデレーター 「何が必要ですか?」 「何が提案ですか?」 「次の行動は何ですか?」 形式知化が可能に

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会議のモデレーション方法 53 Project Sprint における標準的な会議の姿

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会議の進行イメージと役割分担 54 アジェンダ 解決したい問題・気づき 決定した次の行動 ④助言:参加者全員 議論のファシリテーション機能を さまざまな観点から行う。 ディスカッション (助言プロセス) 前提:理想の状態 が運用・認識され ないと全員が議論 に参加できない アジェンダ提案者が自分の納得いく結論になるように議論を進める。アジェンダ提案者・モデレーター ・レコーダーが進行上の役割を持つ。ファシリテーターは全員が担当して多様な助言をおこなう。 そのためにレコーダーは議論の内容を可視化して参加者の認識を合わせる。 議事録 ③参加者の認識合わせ:レコーダー メンバー全員が議論に参加するため に、議論を可視化し続ける。 ディスカッションの推進 ②進行サポート:モデレーター アジェンダ提案者の議論の推進をサポート。議 論したい内容や結論の認識を合わせながら、最 終的に次の行動を明確にする。 ①メイン進行:アジェンダ提案者 アジェンダ提案者が、自ら議論終了まで牽引。 プロジェクトメンバーから助言を集め、次の行 動を決定する。 「何が必要ですか?」 「何が提案ですか?」 「次の行動は何ですか?」

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プロジェクト定例会議の進行方法:アジェンダ提案者に確認しよう この会議の参加者全員で議論する必要があるか? 意思決定に必要なメンバーを選定し、別途議論 するための会議の日時を決定して終了 いいえ 今日のこの会議で結論を出す必要があるか? 次回の定例会議にアジェンダを移動して終了 いいえ 議論時間を延長するために時間調整を行う アジェンダ提案者の設定した議論時間を経過 これ以上の議論が必要か? いいえ アジェンダ提案者の納得いく次のタスクを設定 して終了 はい はい はい アジェンダ提案者に確認 55 1. 他アジェンダの編集を依頼する 各アジェンダ時間短縮や別会議へ持ち越し。 各アジェンダ提案者の自己申告により調整する。 2. 会議参加者に確認し、会議全体時間を延長する

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プロジェクトを定例会議によって チームが自律的に進める会議は どんな議題がどの順番で並んでいるのか 56

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定例会議 ロードマップ (ゴール) 1 中間ゴール 中間ゴール 期日・成果物・あるべき姿 Project Sprint の定例会議のモデルアジェンダ 作成物 タスク アジェンダ 定例会議 気づきから (ひらめき・違和感) アジェンダ記入 ロードマップを 意識しながら議論 チーム メンバーの 役割・期待 ①メンバー間の環境の認識を揃える (タスクのアウトプットをレビュー など) ②みんなが納得できるストーリーをつくる (みんなでロードマップを更新する など) ③次の行動について意思決定する (次回会議までのタスクを決定する など) モデルアジェンダ ④定期的な改善施策 57 2 最終ゴール タスクの実践 で出力する

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まずこのアジェンダで会議を開催してみましょう 58 基本設計 毎週60分開催 随時調整する方向性 議論の時間が足りない場合 ● 枠を90分にする ● 週2回に分ける 議論の時間が余る場合 ● 1回の会議の時間を減らす ● 隔週に開催頻度を変える 定例会議でプロジェクトが徐々に進みつつ、定期的に改善される体験をする

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アジェンダモデルと センスメイキング理論 59 参照元: 世界標準の経営理論 入山章栄 著 https://www.diamond.co.jp/bo ok/9784478109571.html

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Project Sprint のアジェンダモデルとセンスメイキング理論 センスメイキング理論とは? 日本語にするなら、納得・腹落ち・妥当性・認識。 組織のメンバーや周囲のステークホルダーが、事象の意味について納得 (腹落ち)し、それを集約させるプロセスをとらえる理論 センスメイキングで極限を乗り切った事例 ハンガリー偵察隊 吹雪の冬山の遭難から別の山の地図を使って生還した事例。 隊員の一人が地図を見つけたことが下山を決意させるきっかけ。 これで命が助かる!というストーリーをセンスメイキング(納得)できた。 吹雪の冬山という環境にイナクトメント(行為・行動)しながらストーリーをつくりつ づけた。

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センスメイキングの全体像 主体(自身・自身のいる組織)と客体(周囲の環境)の関連性 についてのダイナミックに循環するプロセス。3つのプロセス に分解される。 第一段階:環境を感知する 組織は、事業環境の急速な変化に伴い、アイデンティティの揺ら ぎが起こり、イノベーションの必要性に迫られている 第二段階:多義性あるものの解釈を整える ひとつの事象に対して、様々な立場の組織や人が解釈をすると、 事象の認識が多様化する。メンバーの多義性により、組織が方向 性を見失うことのないよう、リーダーは解釈の方向性を一致させ るために言葉や情報を発信する。 第三段階:イナクトメント(行動・行為)を実践する まずは行動して試行錯誤を重ね、もがいていく間に、やがて納得 できるストーリーが出てくる。そのストーリーに腹落ちしなが ら、さらに前進する。環境に働きかけることで事象の認識をアッ プデートできる。

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②共通了解をつくる仕組み 62 プロジェクトの共通了解とは何か? 環境の変化はどのようにプロジェクトに影響を及ぼすか? ②共通了解をつくり つづける仕組み プロジェクトチーム プロジェクトストーリー メンバーの役割・期待値

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共通了解とは:メンバーそれぞれの意思の共通部分がプロジェクトになる 63 Aさん Bさん Cさん Aさん Bさん Cさん 相互理解がないまま無理やり誰かの意思に沿わせようとす るとメンバーの納得感のないまま進む事になる。 同じ組織、関係性が高い、全員が類似のプロジェクト経 験、同じミッションをもつ、などの状態では実現可能。 Cさん Bさん Aさん プロジェクト プロジェクト プロジェクト いきなりプロジェ クトの目的を誰か に合わせる 情報交換や実践からプロジェクト・メンバーの相 互理解がすすみ、それぞれのメンバーの意思が変 容して、メンバー間の重なりが多くなりプロジェ クトがみんなのものになっていく 活動や対話で徐々 に認識を揃える

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なぜプロジェクトの共通了解をつくる必要があるのか 64 定例会議と活動が単純に循環していても、常にプロ ジェクト・チームにふさわしい行動とは限らない。 ふさわしい行動を生むためには、プロジェクトを含む 環境の認識をチームメンバーで揃える必要がある。 環境とは、プロジェクトやメンバーはもちろん、プロ ジェクトの外側にある社会・組織など、プロジェクト やメンバーに影響を及ぼす全ての要素を含む。 環境の変化がどのようにプロジェクトに影響を及ぼす かは、メンバーの感知・解釈により決定される。 統合的な行動のために: チームが何を目指しているかを揃える シェアド・リーダーシップのために チームメンバーでプロジェクトの共通了解をつくる 分化的な行動のために: チームの中で自分が何をすべきかに納得する チームメンバーの役割・期待値の認識 プロジェクトストーリーの認識 プロジェクトチーム プロジェクトストーリー メンバーの役割・期待値 反映 変化の感知と解釈・意味づけ 環境(社会・組織など)

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分化と統合:シェアド・リーダーシップより 65 シェアドリーダーシップの状態には「分化」「統合」を同時に達成することが必要。 組織論の研究者、ローレンスとローシュの組織形態の議論では、変化が激しい組織環境にお いては、分化と統合は正反対の方向に力が働くために、難しいことだが分化と統合の両方を 達成する必要があると指摘されている。 高い自律性を保持しながら、全体最適に向けて相互に連携・協力を行う状態をつくる 分化:構成要素のそれぞれが自らの目標に 向けて自律的に動く状態 自らの目標を定め、自らの権限と責任のも と指示命令によらず自律的に動いている 分化を進める力: チームのメンバーが外に向けて自律的に動 き出す力 統合:構成要素のそれぞれが一つの目標に 向かって協調・連携しながら活動している 状態 チーム全体の目的に向けて相互に連携をと りながら動いている 統合を進める力: チームのメンバーが結束する方向に働く力

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プロジェクトストーリーの 認識を揃え続ける 66 統合的な行動のために: チームが何を目指しているかを揃える プロジェクトストーリーの認識

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67 プロジェクトストーリーを揃える意義とは 統合的な行動のために:チームが何を目指しているかを揃える プロジェクトは環境により、形も状況も変化し続けており、各メンバーがプロジェクトをそれぞれの 認識で捉えている。 各メンバーがプロジェクトをどのようなものであるか、どのように捉えているかを定期的に認識を共 有してチームとしての目指す場所を常に調整し続けることで、統合的なまとまった行動をとることが できるようになる。

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各チームで作成している詳細な情報を共有 するとどうなるか 多くの情報により理解が深まるが、チーム が理解するために時間が必要。 また、ストーリーのアップデートがあった ときに、改めて共有・理解が必要なため、 頻繁に更新されるとコストが非常に高くな る。 プロジェクトの状況に合わせて共有する情 報の粒度を決定することが重要になる。 Team Team Team みんなで推進するプロジェクトのプロジェクトストーリーの描き方 プロジェクトストーリー(シンプルなロードマップ) WBS 体制図 タスク リスト 環境の変化が激しいプロジェクトの場合は、 プロジェクトストーリーをシンプルに表現することで 更新しやすく、共通了解をつくりやすくする。 ● 要素がシンプルなロードマップとし、チーム内外から参照・更新しやすくする ● 常にみんなで最新情報に更新して、プロジェクトが変化しても形骸化させない ● メンバーが常に意識できるように、いつでもどこでも閲覧できる状態をつくる

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プロジェクトストーリーをフラッグで表現する 69 中間 ゴール 現在地 目的 成果 価値 制約 成果物 あるべき姿 私たちがゴールに 到達した影響 プロジェクトストーリー(目的達成まで の過程)は各チームの「フラッグ」が集 まることで表現され、プロジェクト内外 に共有されます。 Project 最終ゴール 中間 ゴール 中間 ゴール 中間 ゴール 現状A 現状B 成果 価値 1フラッグの要素イメージ フラッグによる プロジェクトストーリー

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プロジェクトのフラッグ要素詳細 70

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成果物(目標値) 出力・作成されることで成果を達成したと判断できる もの・定量的な値 ● 機能が付与されたサービス ● ボリューム・内容イメージの資料 ● 目標と設定した測定値 フラッグの要素を2つ設定する意義 71 あるべき姿 チームメンバーが行動することで環境の理解が進み、ゴールの記述は段階的に 具体的になり、更新され続ける。 2つの要素があればお互いが補完しあうことで、チームメンバーが理解しやす くなり、共通了解がつくりやすくなっていく状況をつくることができる。 この状態になることで成果を達成したと判断できる状 態・定性的な捉え方 ● 誰が何をできる状態なのか ● ステークホルダーがどんな状態なのか ● プロジェクトがどんな状態なのか ゴールを2つの要素「あるべき姿」と「成果物(目標値)」で表現した場合の例

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プロジェクトストーリーの設定方法 72 プロジェクトストーリー設定完了の定義 ● 成果物:チームが達成を約束できる1つのフラッグ ○ そのフラッグに納得を生むための複数のフラッグがあることが多い ● あるべき姿:約束したフラッグにむけて、自分が行うべきことが想像できる プロジェクトストーリーの作り方 ● 最終フラッグをイメージできる場合 ・未来から決めたい場合 ○ 最終や将来のフラッグを定 め、逆算して中間フラッグを 記述していく ● 最終フラッグをイメージできない場 合・現在地から決めたい場合 ○ 次に達成したいフラッグの1つ か2つを記述する

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チームメンバーの 役割・期待値の認識を揃え続ける 73 分化的な行動のために: チームの中で自分が何をすべきかに納得する チームメンバーの役割・期待値の認識

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74 役割・期待値を揃える意義とは 分化的な行動のために:チームの中で自分が何をすべきかに納得する チームの中で自分が何をすべきかに納得して、チームの中で自信を持って行動できるようにする。 どんなメンバーがいるのかを理解する ● 各メンバーの活動の方向性 ○ 趣味・好きな仕事・嫌いな仕事 ● 今回のプロジェクトに対する各メンバー の意識 ○ このプロジェクトにおける役割・こ のプロジェクトへの意気込み プロジェクトにおける各メンバーの役割 ・期待値を相対的に理解する ● 自分がやるべきだと思っていること ● 苦手なこと・サポートして欲しいこと ● 他のメンバーへ期待していること Project こんなメンバーがいるのであれば、 こんな期待をされているのであれば、 自分はこれをやろう!

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役割・期待値の認識合わせする際の参考:2つのリーダーシップ論 ● オーセンティシティー・リーダーシップ ○ 自己認識(セルフアウェアネス) ■ 自分をさらけだす勇気 ■ フィードバックの受容 ■ 自己分析・自己観察 ○ 価値観の体現 ○ 内的動機(外的動機ではない) ● シェアド・リーダーシップ ○ 多様なメンバーによる多様な能力の発揮 ○ 公式リーダーメンバー以外のリーダーシップの発揮 ○ 信頼の醸成 ■ 有能・誠実・慈悲深さ・開放的・公正・一貫性 75

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共通了解をつくる 環境の認識を揃え続けるワーク 76

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77 短期間に環境の認識を揃える場合の順番 現在のフェーズで次に目指すゴール・中間目標など、チームがすすみたい方向 性とチームでやるべきことの認識を共有する。そこから、各メンバーの役割・ 期待値の認識を揃える。 メンバーそれぞれの 役割・期待値 (自分がやるべきことが認識できる) プロジェクトストーリー (プロジェクトのロードマップ) プロジェクトの進むべき方向性と やるべきことの認識合わせ 各メンバーの役割や 期待値の認識合わせ プロジェクトにおける 自己紹介 (メンバーのできる・やりたいことを把 握する)

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78 プロジェクトストーリー (プロジェクトのロードマップ) プロジェクトの進むべき方向性と やるべきことの認識合わせ

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方向性(アプローチ) 変化を伴うプロジェクトにおけるロードマップ 現状A 現状B プロジェクトのゴールは、方向性(アプローチ)によって設定される。 ゴールは最終ゴール・中間ゴール・中間目標(マイルストーン)に分類される。 中間目標を達成することで中間ゴールに到達し、最終ゴールに到達する。 中間目標はチームが達成を約束できる一定間隔で設定することで習慣化を促す。 79 ゴール ● あるべき状態 ● 成果物(目標値) ● 完了日 最終ゴール 中間目標 マイルストーン 中間ゴール3 中間ゴール1 一定間隔 中間ゴール2

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1. 最終 ゴール アプローチとゴールマップ・やるべきことマップのバックキャスト設定例 1. プロジェクトの最終ゴールとそこに辿り着くまでのアプローチを決める 2. アプローチに合わせて中間ゴールに分解する a. 最終ゴールに向けて段階的に必要な成果を定め、その時期を設定する 3. 中間ゴール達成のために一定間隔で中間目標(マイルストーン)をおく a. チームが成果を約束できるスパンを決める(1-2ヶ月程度が目安) 4. 安心して直近の中間目標に集中してメンバーそれぞれが自律的に進む 80 1. アプローチ:どんな方向性でプロジェクトの成果を達成するか 2. 中間ゴール(フラッグ):どんな成果がいつまでに必要か? 2 2 2 3. 中間目標(マイルストーン):成果が約束できる時期と成果は? 3 3 3 中間ゴール マイルストーン

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81 メンバーそれぞれの 役割・期待値 (自分がやるべきことが認識できる) 各メンバーの役割や 期待値の認識合わせ プロジェクトにおける 自己紹介 (メンバーのできる・やりたいことを把 握する)

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このフェーズにおけるチームメンバーを改めて自己紹介 新たな取り組みになるタイミングでどのよう なメンバーが在籍しているのかを改めて認識 を合わせ、相互を理解する。 その理解により、誰にどのようなヘルプやタ スクをお願いできるのかを想像しやすくなる 状態をつくる。 1. 各自記入する(5分) 2. 1人1分で共有する(人数x1分) 82

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プロジェクトチーム全員がリーダーシップを 発揮できるように、メンバーそれぞれのやる べきこと、自分が苦手なこと、期待されるこ となど、自己認識(内的)と期待値(外的) を明文化してチームメンバーの期待・役割を すり合わせる。 役割・期待値セッション:各メンバーの役割と期待値のすり合わせ 83 1. 自分がやるべきことを自分の欄に書く 2. 自分が苦手なこと・ヘルプしてほしいことを自 分の欄に書く 3. 他のメンバーへの期待値を他人の欄に名前付き で書く (アサイン対象がいない・わからない場合も記 述可能にする) 4. 改めて自分がやるべきことについて精査・承認 し、議論して深める

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まとめ Project Sprint とはどのようなものか 84

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プロジェクトが推進する Project Sprint の構造 85

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86 Project Sprint のシステムに必要なプロジェクトの3つの仕組み 活動 定例会議 短期・定期・反復 サイクル アジェンダ ③定期的に改善し つづける仕組み ①定例会議と活動で 推進しつづける仕組み タスク ②共通了解をつくり つづける仕組み プロジェクトチーム プロジェクトストーリー メンバーの役割・期待値 + 改善

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Project Sprint とはどのようなものか ● 社会の環境変化が素早く、予測不能なことから、 プロジェクトは取り組んでみないと誰にも把握できないものと捉える。 ● 決定権を持つチームが短期間の定期・反復的な活動と対話(定例会議)に より、探索的な小さな実験を繰り返し、検証しながらプロジェクトの変化 に合わせて徐々に推進するアプローチを採用する。 ● プロジェクトが推進する仕組みを導入し、 チームの習慣的な行動にして最適化・改善しやすくする。 ● チームメンバー全員の目線で継続的に改善し続けることで、 プロジェクトの変化に適応し続けられるようにする。 87

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88 質疑応答

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CONFIDENTIAL ご清聴ありがとうございました! 89 多様性のあるメンバーのチームが、 不確実性の高い環境・状況において、 複雑なアウトプットのためのプロジェクトを 推進するためのフレームワーク。 ミーティングをマネジメントをすることで プロジェクトを推進するクラウドサービス。 Project Sprintの実践をサポートする機能を持つ。 株式会社コパイロツトが積み上げてきたプロジェクト推進の実践知を元に 汎用的なフレームワークとしてまとめ、オープンソースで公開しています。 さらに、フレームワークを利用しやすくなるサービスも開発しています。 https://www.projectsprint.org/ https://supergoodmeetings.com/ サービス フレームワーク

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株式会社コパイロツト|会社概要 90 商号 所在地 設立 ウェブサイト お問い合わせ 株式会社コパイロツト 東京都港区南青山2-22-2 南青山篠崎ビル2F 2005年 https://copilot.jp/ [email protected]