Slide 1

Slide 1 text

民泊×地域共創:スクラム経営と パタン・ランゲージで編むまちづくり

Slide 2

Slide 2 text

BASE YARZ(黒崎BASE) 代表 一般社団法人 民泊観光協会 理事 DMM .com LLC VPoE Office / Experience Designer 人間中心設計専門家 認定スクラムマスター / プロダクトオーナー 河西 紀明 Noriaki Kawanishi @norinity1103

Slide 3

Slide 3 text

DMM.com Program Management BASE YARZ Social Creation Design Program Management 組織設計 Design Strategy UI/UX Design Lead Co-Learning / Workshop PdM / PjMサポート メンバー育成 サービス開発支援 リスキリング/ B型就労移行支援 デジタルスクール 小規模宿泊事業 × 地域産業 クリエイターファーム /次代育成 空き家活用 / 観光誘致 /移住推進 デザインギルド経営 ゲストハウス事業 地域産業創出

Slide 4

Slide 4 text

No content

Slide 5

Slide 5 text

No content

Slide 6

Slide 6 text

地域の顔が見える民泊 社会に機能する拠点づくり

Slide 7

Slide 7 text

No content

Slide 8

Slide 8 text

No content

Slide 9

Slide 9 text

No content

Slide 10

Slide 10 text

No content

Slide 11

Slide 11 text

多様なコンセプトで10軒以上展開(2025年1月時点) FC展開による陳腐化を防ぎ サステナブルツーリズムの実現へ

Slide 12

Slide 12 text

山代温泉 大和BASE

Slide 13

Slide 13 text

小塩辻BASE

Slide 14

Slide 14 text

地域のゲートウェイとなる「村ホテル」という考え方

Slide 15

Slide 15 text

ほどよい田舎だからこそ楽しめる ちょっと贅沢な暮らし体験 ◎ 何もない田舎のボロい古民家だから ホテルより安く泊まれる ✘

Slide 16

Slide 16 text

No content

Slide 17

Slide 17 text

加賀市

Slide 18

Slide 18 text

No content

Slide 19

Slide 19 text

北陸新幹線開通

Slide 20

Slide 20 text

消滅可能性都市

Slide 21

Slide 21 text

No content

Slide 22

Slide 22 text

No content

Slide 23

Slide 23 text

No content

Slide 24

Slide 24 text

No content

Slide 25

Slide 25 text

No content

Slide 26

Slide 26 text

No content

Slide 27

Slide 27 text

挑戦可能都市へ

Slide 28

Slide 28 text

そもそも民泊とは

Slide 29

Slide 29 text

個人の住宅や空き家などを活用して、旅行者に宿泊場所を提供する仕組み ホテルや旅館と違い、生活感のある空間で地域の人との交流や「暮らすような滞 在」ができるのが特徴です。 B&Bは”Bed and Breakfast”、自宅の一部で宿泊+朝食を提供。 民泊新法、2018年6月施行に伴い「誰でも明確なルールで民泊を営業できる」よう になりました。 民泊とは

Slide 30

Slide 30 text

STOP 闇民泊! 旧来の「民泊」との違い

Slide 31

Slide 31 text

眠る資源を活用し動き出すまちへ

Slide 32

Slide 32 text

インタープリターとしてのホストの存在

Slide 33

Slide 33 text

民泊は「泊まる」から「つながる」へ 1. グループ泊への柔軟性と一体感の提供 2. 地域との関係性が生まれる「顔の見える滞在」 3. 宿泊にとどまらない「まちの余白の活用」 “人と空間と意味”が重なる「小さなまち」

Slide 34

Slide 34 text

情報過多の時代に「何」が求められているか?

Slide 35

Slide 35 text

JAMTA 一般社団法人 民泊観光協会 まちと共にいきる民泊へ JAMTAは全国の仲間と一緒に、民泊の豊かさ を育て、国や自治体と連携し、ルールづくり に働きかける一般社団法人です。

Slide 36

Slide 36 text

防災・減災と民泊

Slide 37

Slide 37 text

能登町被災の様子

Slide 38

Slide 38 text

加賀市被災の様子

Slide 39

Slide 39 text

やどかりプロジェクト | 有事の際に民泊がシェルターとして機能する 公式サイト:https://yadokari-project.com/ 1/2より発足した民間プロジェクト \シビックテックハッカソンで誕生/

Slide 40

Slide 40 text

顔が見えるからこその支援の解像度 継続的な寄付募集 / レポートの発信 「自分も力になりたい」全国の皆さんの受け皿に

Slide 41

Slide 41 text

旅館・ホテルの対応 行政の対応 民泊ができうる対応 図説引用:@natoriyuichiro 組織や時系列で異なる支援のあり方 要配慮者への対応とインフラの回復が基本 生命維持に必要な緊急支援物資の手配など 行政の案内で大多数の避難者の受け入れ 少人数/短期間の瞬発的な対応 5名以上の家族や要介護者、ペットの同伴など 上記で条件があわない自主避難者の受け入れ

Slide 42

Slide 42 text

民泊のビジネスモデルが強みを活かし 社会的に機能するモデルケースをつくる 災害大国の日本で再現可能な継続支援の形を作りたい

Slide 43

Slide 43 text

独自サイトを立ち上げと受け入れ施設情報の透明化 特定のOEMに依存しない/ 自主的な支援活動 誰もが情報にアクセスして判断しやすいように

Slide 44

Slide 44 text

民泊と無名の質

Slide 45

Slide 45 text

無名の質 言葉にしがたいが確かに“良い”と感じられる 空間や形の本質的な美しさのことです。 (QWAN:Quality Without A Name)

Slide 46

Slide 46 text

「 地域の顔が見える民泊」に宿る“無名の質”とは 「誰がつくったか分からないけれど、そこにあるだけで心が和らぎ、関わりたくな るような、静かな生命感」 他者に開かれながらも自律している地域の日常の美学であり、宿という場を通じて 静かに共有される“生きた構造”そのものである。

Slide 47

Slide 47 text

1. 手入れの行き届いた“見えない気配” g 清掃された縁側に干された座布Y g 空間を緩やかに隔てる暖A g ちょっとした花の活け4 g 靴が揃えられている玄7 g 誰かの“良心”が空間に染み込んでいて、 言葉では言えないけど「ちゃんとして る」と感じる

Slide 48

Slide 48 text

2. 個人が目立たず、関係性だけが温かい ‡ 旅先で近所の「おばあちゃんがよく声をかけて くれる」けれど、名前も知らなB ‡ 民泊を運営している人が“サービス提供者”では なく、近隣の生活者としてそこにいQ ‡ 深く干渉せず信頼できる隣人として側にいる

Slide 49

Slide 49 text

3. 人工的でない、変化と未完成が許されていること v 板の床に年季がある。畳が少しやけてい る。でもそこに時間の積層が感じられc v 完成されたラグジュアリーではな く、“人が育てている宿”であるという佇 まい

Slide 50

Slide 50 text

なぜスクラム経営か?

Slide 51

Slide 51 text

QAを高めるチームアップが最重要

Slide 52

Slide 52 text

大抵のことは何でもできる

Slide 53

Slide 53 text

環境的な強みを活かす

Slide 54

Slide 54 text

田舎ならではのポテンシャルを活かす

Slide 55

Slide 55 text

最強のOkan部隊の存在

Slide 56

Slide 56 text

No content

Slide 57

Slide 57 text

平均年齢70歳〜のスーパー清掃部隊の活躍

Slide 58

Slide 58 text

平均年齢70歳〜のスーパー清掃部隊の活躍

Slide 59

Slide 59 text

信頼される個人は、 まちの“生きたノード”である。

Slide 60

Slide 60 text

世情の変化に応じた消費行動の変化に適応する ! ミドルステイ / コワーキング ! 観光資源の再開拓/雇用の創出

Slide 61

Slide 61 text

“得体のしれない脅威”に立ち向かう強いチームづくりが必要

Slide 62

Slide 62 text

より良い体験を目指すための行動指針が必要 ※Image by: Airbnb

Slide 63

Slide 63 text

個々のリテラシーや意識・能力に差があるこそ相性がよい

Slide 64

Slide 64 text

プロダクトビジョン 旅行者が「また帰ってきたい」と思える宿になる 地域の人が「自分のまちを誇れる」ようになる 災害時にも機能する、顔の見えるインフラになる 若者が「暮らしてみよう」と思える導線になる 最終的に実現したい価値(アウトカム) 地域の空き家を、旅と暮らしが交差する“村ホテル”へ ――加賀の自然・文化・人をつなぐ ――顔の見える民泊ネットワークを構築し、観光と共に地域 の持続可能性を育てる ※Image by: Airbnb

Slide 65

Slide 65 text

主なステークホルダー

Slide 66

Slide 66 text

したい [サービス名] 向けの これは です。 ができ、 が備わっています とは違って、 というサービスは 潜在的な〇〇な課題を解決 〇〇な対象顧客 サイト名〇〇〇〇 重要な〇〇な利点や〇〇なメリット 〇〇な差別化で〇〇がな効果が期待できる 機能や特徴 〇〇の代替手段 〇〇というカテゴリーのサービス 6up sketch Person Customer Journey Map Project Pitch ゲストは納得感のある物語を求めている

Slide 67

Slide 67 text

民泊文脈でのスクラム経営の例(実践ベース)

Slide 68

Slide 68 text

行動様式としてのスクラムロール対応表

Slide 69

Slide 69 text

No content

Slide 70

Slide 70 text

No content

Slide 71

Slide 71 text

No content

Slide 72

Slide 72 text

No content

Slide 73

Slide 73 text

パターンの活用 民泊の実践から見える地域の可能性

Slide 74

Slide 74 text

パタン・ランゲージ **「うまくいく経験や知恵の“型(パターン)”を言葉として共 有し、誰もが再現・応用できるようにする方法」**です。
 建築家クリストファー・アレグザンダーが提唱し、まちづく り・教育・ソフトウェア開発など多くの分野で応用されてい ます。 一つのパターン =「ある問題に対して、ある状況で、ある解決 が有効」 誰でも使えて、言葉を介して知恵が引き継がれる 現場での意思決定や設計がスムーズになる 特徴 「誰かのよい実践」を共通言語にし、それを“連続してつな ぐ”ことで、まちや人の関係を“育てていく”ための道しるべで す。

Slide 75

Slide 75 text

※『おもてなしデザイン・パターン インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』 井庭 崇 (著) 関係者で定期のワークショップを実施

Slide 76

Slide 76 text

※『おもてなしデザイン・パターン インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』 井庭 崇 (著) 文脈に寄り添う“余白ある解決”

Slide 77

Slide 77 text

パターンに“連続性”をもたせるとは? 階層ではなく“ネットワーク”構造

Slide 78

Slide 78 text

パターン数:全253パターン パターン数:全253パターン

Slide 79

Slide 79 text

地域計画にパターンのストーリーライン

Slide 80

Slide 80 text

まちづくりは、一人の“Site Repair”から始まる

Slide 81

Slide 81 text

アレグザンダー的構造で捉える 顔が見える民泊と地域再生

Slide 82

Slide 82 text

【問題提起】 † 地方に残る空き家や未利用不動産は、都市の論理では「資産価値ゼロ」でも、ま ちにとっては「未発芽の生命体」$ † ハコモノ的再開発では、地域の文脈や関係性が切断されてしまう$ † 今、必要なのは「いきなり完成させない」「暮らしと共に育つ空間づくり」。

Slide 83

Slide 83 text

コアの捉え直し(Centers): R 一人ひとりが自然に集まる「重なりの場a R 建物・空間・関係の中に無数に存在すU R 動的に支え合うことで「生きた構造」をつくる 顔が見える民泊は「人と地域が交わる中心(コア)」として機能する“関係性の 場”。一棟ごとにコアが生まれ、地域に温かなグラデーションが広がる。 中心(コア)は単なる物理的な中心ではなく、人や意味が自然と引き寄せられる 「魅力の重心」。空間や活動の中に静かに存在し、全体に生命感を与える。

Slide 84

Slide 84 text

生成的プロセス(Generative Process): i 大きな設計より、小さな一歩の積み重E i 変化を許容し、育てるように関わR i 「直しながら進める」こと自体が創造 まちや空間は一度きりで完成するのではなく、使いながら少しずつ育てることで真 に“生きた場”になる。完成ではなく継続こそが価値。 空き家を再生し、滞在が生まれ、人が集まり、荒れ地は草を刈って庭になる
 ——これが“生成的”なプロセス。

Slide 85

Slide 85 text

セフィラティス構造(Structure-Preserving Transformations): … 役割や用途が重なりあう(例:庭=遊び場・干し場・井戸端p … 排他的でなく、多層的で柔らかP … 民泊が観光・避難所・交流拠点を兼ねるような状態 都市や地域は、ツリー構造(分類的)ではなく、複数の機能や人のつながりが“重 なり合って”存在している構造。これが生命感や柔軟さを支える。 縁側を壊さず、そこに庭をつなぐ。古道具を活かして案内板にする。こうして「ま ちの生命感」を残したまま、更新していくことができる。

Slide 86

Slide 86 text

「村ホテル」構想: i 空き家を複数棟、地域の文脈に沿っ て宿泊施設化。中心性(コア)を持 つ拠点がまちに点在H i まちそのものが“ホテルのように”機 能しはじめ、自然と動線・交流・手 入れが生まれる。

Slide 87

Slide 87 text

「半公共の庭」づくり: j 宿と地域の間にある“隙間空間”を、 住民と宿泊者が共に手を入れる庭と して活用b j 収穫・焚き火・足湯・花壇——いず れも誰かの手が届く範囲にあり、公 共でも私的でもない“コモンズ”を形 成b j こ れ は 「 新 た な 中 心 ( Living Center)」であり、まちのエネル ギーを生む源泉となる。

Slide 88

Slide 88 text

「マイクロライブラリ」 † 解体された空き家から出てきた本・ マンガ・日記などを集めて再編集 し、宿泊者や地域住民が自由に読め る“みんなの本棚”をつくる。民泊の 縁側や商店街の空きスペースなど、 小さな居場所として展開可能。 ・民泊として成立しなかった空き家x † ランドリーなど機能的な併用も ※温泉図書館みかん

Slide 89

Slide 89 text

「Go home Herb 農園」 ’ 管理不能地から、“帰る”きっかけを 育てu ’ 所有者不明や境界未確定などの理由 で利用されず放置された土地を、国 産ハーブを育てる福祉農園として再 利用。栽培・収穫・加工・商品開発 を、就労支援や地域の高齢者・若者 が担う。 ※Herb農園ペザン

Slide 90

Slide 90 text

No content

Slide 91

Slide 91 text

情報過多の時代に「何」が求められているか?

Slide 92

Slide 92 text

No content

Slide 93

Slide 93 text

Thank you for your attention ! @norinity1103